東北工大、アイデアソン型の授業(アイデア基礎Ⅱ)

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December 03, 24

スライド概要

クリエイティブ学科での、アイデアソン型の授業のスライドです。
大学時代に個々人の創造性を育む教育がなされますが、将来、チームや組織の創造性を活かすためには、クリエイティブコミュニケーションも大事です。それを学ぶこと、および、アイデアソン型の「アイデア醸成、アイデア素描、良案抽出、レビュー、アイデア発展」を一気に実践することを狙った講義です。
なお、アイデア発展の行為を可視化するために「Roku+Core(ろく、たす、こあ)」という六角形の用紙、丸い形の用紙を用いています。それらには差し込みの穴や、連結のための剣先があります。アイデアを特定の観点をつけて発展させていく様を物体として認識できます。

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アイデアプラント代表、早稲田大学非常勤講師です。 創造工学の研究者です。その知見をベースに、ブレストツールの企画開発や、創造研修やアイデアワークショップ、アイデアソンの設計やファシリテーションをしています。

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各ページのテキスト
1.

今日はイベント型授業 (アイデアソン) アイデア基礎 および同演習Ⅱ • 2024年10月22日 13:10-18:00 • 東北工業大学 長町キャンパス • アイデアプラント 石井力重

2.

学生時代の今は、 まず、「個人の能力を伸ばす」努力をして過ごしますが、 いずれ クリエイティブ・リーダ となる君に。 「場の創造性」「集団の持つ創造性」 という演習を、今日は します。 2

3.

創造的対話の「機会を増やす」 ↓ 「創造的風土」 ↓ 「創造的仕事」 3

4.

「集団の持つ創造性」って 具体的には、何ができるの? 特に、こうした「デザインの課程」を学んでない人たちを率いてーー。 4

5.

アイデアソン 5

6.

本日の流れ 6

7.

醸成(三人×4回) ↓ 素描(一人) ↓ 良案抽出(全員) ↓ レビュー(上位) 7

8.

発想のお題 「スポーツの未来」 伝統的なスポーツの形を超えて、新しい種類のスポーツや、既 存のスポーツを革新するアイディアを考えてください。 ARを利用した新しいスポーツ、無重力環境でのアクティビティ など、テクノロジーやデバイスを使う前提でも結構です。 参考:「500歩サッカー」「イモムシ・ラグビー」その他先例

9.

アイデアの醸成編 「三人ブレスト」 9

10.

3~4回 10

11.

10歩、歩く ・今いる場所から、10歩以上、歩く。 ・止まった所で、近くの人と、3人組になる。 (なるべく、知らない人、年齢層や社会的属性の違う人と組むことを、お奨めします) 11

12.

アイデアの雑談 8分間 雑談みたいな感じに、各自が考えてきたアイデアを話し、 皆で、広げあってみてください。 12

13.

三人ブレストの様子 京都 (会社員、研究者、デザイナ、公務員、教員)、 2019 13

14.

三人組をつくる (❶立ってる人を捕まえ)(❷組んだら、しゃがむ) 14

15.

アイデアが 思い浮かば ない時は、 『プレイズ ・ファースト』 に徹してみる 出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 15

16.

ブレスト中に、 互いに沈黙して しまった時は CEMRAPSカード をヒントにして、 © IDEAPLANT 既出のアイデアから、 派生案を出してみる 16

17.

相手に見せて、 「なんか、この、〇〇という 切り口が、気になります」 と言って、思い浮かぶことを そのまま話してみる。 (アイデアじゃなくてもOK。 意外とそれが示唆となって 広がったり。 ブレストって、結構そういう、 素朴な“ガイド”でも進むんです) 17

18.

では、 ペンとメモ紙 をもち、 立ち上がって、 移動しやすい場所に出てください。 18

19.

アイデアの素描 「アイデアス・ケッチ」 19

20.

配布します ●「Roku」7枚 ●「プロッキー」1本 アイデアスケッチには この紙(ROKU)を、 使ってください 20

21.

さっきまでの アイデアトーク を材料にして、 案を書く (自分のも、人の も、使ってOK) 出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 21

22.

出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 22

23.

出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 23

24.

どっちのスタイルにしても、共通のコツ 「書きすぎず」 「足りなすぎず」 の いい頃合い 24

25.

企画の最小骨格 「 だれ」 「 なに」 「 狙い」 (アイデアにこの3要素が入っていると、ぐっと、伝わりやすくなる) 25

26.

アイデア・レビュー 26

27.

ハイライト法 or 持ち点評価法 ハイライト法 持ち点評価法 魅力的なものに ☆をつける。 1枚に1人が つけられるのは ☆1つまで。 一周見てから 魅力的なものに ☆をつける。 ☆の数は10票。 集中投下もOK。 実施が簡単。 大量でも実施可。 ニッチだが高評価 のものも拾える。27

28.

ハイライト法 or 持ち点評価法 ハイライト法 持ち点評価法 魅力的なものに ☆をつける。 1枚に1人が つけられるのは ☆1つまで。 一周見てから 魅力的なものに ☆をつける。 ☆の数は10票。 集中投下もOK。 実施が簡単。 大量でも実施可。 ニッチだが高評価 のものも拾える。28

29.

ハイライト法 or 持ち点評価法 ハイライト法 持ち点評価法 魅力的なものに ☆をつける。 1枚に1人が つけられるのは ☆1つまで。 一周見てから 魅力的なものに ☆をつける。 ☆の数は10票。 集中投下もOK。 実施が簡単。 大量でも実施可。 ニッチだが高評価 のものも拾える。29

30.

出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 今回の評価軸=「魅力的」 (別の評価軸でも結構です。ただし“評価軸=実現性”は注意が必要) 30

31.

では、実践 31

32.

ハイライト法 オブザーバーの方も、自由にご参加ください (卓上に余っているマーカーをご自由に。ご自身のペンでも結構です) ━━━━━━━━━━━━ テーブルを回る。☆を付ける。 ・「面白い」又は ・「広がる可能性がある」と 感じるものに。 ☆は、いくつでもOK (ただし、一人の人が、1枚につけていいのは、1個まで) 自分のスケッチも客観的に見て、☆を付ける 32 32

33.

上位案を紹介・共有する (アイデア・レビュー) ☆18 今日は ベスト3 ☆の数をスケッチ毎にかぞえて、それを数字で書いておく 「☆の数が、*個以上の方は?」と確認し、閾値を徐々に上げて、トップを確認 トップから順に、☆の多いスケッチを、順にレビュー(書いた人がミニプレゼン) 33

34.

さて、次のワークのために4人組を。 例によって、 なるべく知らない人、 自分と遠い属性の人だな~、という感じの人と組もう グループの創造性の点では、その方が、お得なんです) 34

35.

丸い紙(CORE) 配布します ●「CORE」5枚 ●「ワークシート」3種 35

36.

構想中の サービスに、 なんか、 「楽しさ・・・?」 がたりないなぁ。

37.

HUMA Happy Unique Moving Approach 幸せ、楽しさ、感動を加えるアイデア発展法 原案に「心の面」で手を加えると、ぐっと良くなる 37

38.

幸せ 原案 HUMA 楽しさ (又は、既存の事業) 感動 38

39.

手法の原典の著作権に配慮して、WEB配布版ではワークシートを削除しています 39

40.

実践(50分) • 当初のアイデアに、 • 「幸せ/楽しさ/感動の因子」を入れたら • どうなるか?を考えてみる ◎ 特に「問い」の答えが「いいえ」のものは、 もっと良くできる余地がある。 〇 「いいえ」じゃなくても、特定の因子に 着目して、そこ、もっと伸ばすのも、アリ。 • 各自のアイデアスケッチを紹介し、題材にする案を1つ選ぶ(10) • どの因子が入れられそうか→丸紙に書いて刺していく(10) • その因子を入れるとどうなるかをブレストして、 六角形の紙に書く(25) ※丸紙1枚につき、1案を出そう。 • チーム内振り返り(5) 40

41.

作業のイメージ タイトル ・~~~ ・~~~ ・~~~ 画像:IDEAPLANT 『Roku+Core』

42.

画像:IDEAPLANT 『Roku+Core』 作業のイメージ タイトル ・~~~ ・~~~ ・~~~ この案に ない 因子

43.

作業のイメージ タイトル ・~~~ ・~~~ ・~~~ この案に ない 因子 画像:IDEAPLANT 『Roku+Core』 その因子を加えた 新しい アイデア 43

44.

画像:IDEAPLANT 『Roku+Core』 作業のイメージ この案に ない 因子2 タイトル この案に ない 因子 その因子を加えた ・~~~ ・~~~ ・~~~ 新しい アイデア この案に ない 因子3 この案に ない 因子4 44

45.

画像:IDEAPLANT 『Roku+Core』 作業のイメージ その因子を加えた 新しい アイデア2 この案に ない 因子2 タイトル この案に ない 因子 その因子を加えた ・~~~ ・~~~ ・~~~ 新しい アイデア この案に ない 因子3 その因子を加えた 新しい アイデア3 この案に ない 因子4 その因子を加えた 新しい アイデア4 45

46.

まとめ 46

47.

異なる人格が織りなす 無限の多様性 ↑ 創造的コミュニケーション のデザイン(次第で引き出せます) 47

48.

明日へのヒント 話しやすい小集団 (3人)に分ける 複数回の手ごろな 長さのセッション 48

49.

オンラインでも可能です 3章 の 出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui 49

50.

質疑&メッセージ 50

51.

素朴な質問、歓迎! • もし、実践しようと 思ったら、 細かいことも 聞いておかなくちゃ! • 授業料で買った「質問権」を • 使わずに1回分捨てちゃう? 51

52.

再 掲 1 52

53.

再 掲 「創造すらも習慣になる」 アレックス・オズボーン

54.

再 掲 使わなければ失う アレックス・オズボーン (想像力について use it or lose it 論じるくだりで)

55.

再 掲 (ディオゲネスか、キケロの言葉とされる)

56.

2 56

57.

独創的な案は、出し尽くした後に出ます。 ・A.オズボーン ・川喜田 二郎 ・フレドリック・ヘレン 出典『すごいブレスト』石井力重 イラスト ©naomi tsukui

58.

出し尽くしたところで やめてしまうのは、 せっかく 「創造の門」までいって、 そこで引き返して しまうようなものです。

59.

そこからが 「創造性のおいしいゾーン」

60.

何十年たっても、(仕事以外でも、)役立つ知見です。 ぜひ、「行き詰った」ら、思い返してください ↓ 60

61.

万策尽きた、がスタート地点。 創造性の発動条件は、「凡案を出し尽くした」である。 尽きるほどやって“他にない”、まで来たなら、 空になったその箱の中には、希望が残される。 創造性のおいしいゾーンが、そこから。 絶望は愚か者の結論。 創造力に長けた人は、絶望しない。 61

62.

3 62

63.

再 掲 でも、理屈はさておき、 挑戦するあなたに ぜひ、お薦めしたいこと 63

64.

創造的努力は、一人ではつらい。 創造的呼応のできる仲間を見つけるよう。 64

65.

皆さん、 ありがとう ございました。 石井力重 65

67.

参考ツール 67

68.

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