アイデア創発手法(高度人材向け研修)ブレスト技法とTRIZ技法でアイデア創出を実践する3時間

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December 01, 24

スライド概要

高度人材向けの組織内研修において、会議が重い場合のブレスト方法と、TRIZ各種から抽出したライトなアイデア創出手法を実践中心で学ぶスライドです。
この内容は、石井が長年各組織の創造研修を担当し、開発してきたものですが、根底にあるものは、CPS(創造的問題解決)やTRIZ(発明的問題解決の理論)や各種の創造工学の知見です。
このスライドが、各社さんの社内で創造性教育をされる方にとって、一つでも役立つものがあれば幸甚です。
(また、TRIZはとてもいい創造技法ですが、歯ごたえがある、ありすぎる、んですよね。そこのハードルを思い切り下げるための最初の一歩がいりますよね。その一助になれば幸いです。)

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アイデアプラント代表、早稲田大学非常勤講師です。 創造工学の研究者です。その知見をベースに、ブレストツールの企画開発や、創造研修やアイデアワークショップ、アイデアソンの設計やファシリテーションをしています。

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

*** アイデア 創発手法 2024年11月 *** 石井力重 (アイデアプラント/早稲田大学/日本創造学会) 1

2.

学習のメリット ⚫会議にはメンバーが創造的コミュニケーションをするためのスモールテクニッ クを持っていると、便利。 ⚫上層部が創造的思考や創発の素地があることは重要。自身が良いアイデアを 出せなくても構わない。「導く人」が創造的思考に明るい人だと、創造的風土 の素地ができ、皆が活動しやすくなる。 ⚫予期せぬ変化の局面では、より良い選択肢をつくり出して選び取ることがで きる。 2

3.

1330 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1) 導入(講師略歴、流れの説明)(7) 進行 2) 集団サイズが大きすぎて「会議が重たい」時のブレインストーミング方法「PPGブレスト」(レクチャ10+実践33) 1420 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3) IDEOの7つのブレストのルール(創造的な議論の場のための手がかり)(15) ←進捗次第では割愛(進行調整バッファ) 休憩(質問も個別にどうぞ)(5) 1440 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4) TRIZ発明原理と智慧カード(概論10)(カードで発想。レク5、実践10)(使い方&発想事例、レクチャ20) 1525 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 5) TRIZ 技術の進化トレンド(レクチャ 15)(発想実践(一人で15分、ペアで相互紹介10分)) 1605 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6) IF60 (TRIZとVEから作った「理想的機能の60個」)(レクチャのみ15) ←進捗次第では割愛(進行調整バッファ) 1620 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7) 優れた「アイデア創出プロセス」4つのフェーズ 、& メッセージ (10) ←進捗次第では割愛(進行調整バッファ) 1630 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※ 終了後の個別の質問タイム 8)質疑応答(30~50) 完全撤収 1730 3

4.

講師自己紹介 4

5.

講師自己紹介 石井 力重 いしい りきえ アイデア創出支援 創造性の研究 ・発想ツールの開発 ・ワークショップの設計とファシリ アイデアプラント 代表(兼 開発) 創造工学 早稲田大学、他 非常勤講師 1973年・千葉生まれ 東北大学 理学修士(量子力学を専攻) 工学と経済学の博士課程を単位満了退学 大手電機メーカー系商社勤務(5年) NEDOフェロー(3年) 2009年創業 仙台在住 普通免許(元・Aライセンス・ドライバー)、 大型二輪免許、二級小型船舶免許 日本創造学会 理事 5

6.

2の導入 • 人数の多い会議で、問題解決やブレストが、 うまく進まないときに便利なブレスト手法 を紹介します 6

7.

PPGブレスト

8.

ブレストは人が多いと「表層的なアイデア」になりがち ( う~む、、、 思い付くことはあるけど、出しにくいなぁ、、、) 8

9.

こ う い う 時 の 処 方 ブレストの「サイズ」 を変える

10.

ブレストの「サイズ」を変える 集団でブレスト 無難な意見に終始し、 表層的なアイデア しか出ない ペアでブレスト 未成熟な着想も 雑談のように出せて、 掘り下げられる 10

11.

頭の中の創造的営み(の氷山モデル図) はっきり説明できる考え 顕在 うまく表現できない考え 潜在 あるのに気づけない考え 11

12.

場が大きいと: 『ちゃんとしたことを言わなくちゃ』 → 水面上に出ていることだけを言う 顕在 潜在 12

13.

場が小さいと: 顕在 潜在 「はっきり言えないけど、こんなの、どう?」 「いいね!それ、こう展開してみたら?」 ↓ 気軽に話していくうちに、普段は意識に登らない考えも、出始める。 13

14.

その後、元の集団に戻してブレストをすると、よく出る 多様な案 顕在 潜在 14

15.

PPGブレストのやり方 ペアで ブレスト 6 分 別のペアで ブレスト 6 分 グループで ブレスト ペアでアイデアを話し合う。 気楽な雑談的に。まずは「お題から 思い浮かぶこと」を話してみる。 別のペアになって 更にアイデアを話し合う。 「さっき出た話」も、材料にして。 15+α 分 グループで、アイデア出し合い、 発展させていく。 ペアの時に出たアイデアは材料として 使ってOK。(使わなくてもOK) 15

16.

◎(ブレストに限らない) 集団での作業デザインのコツ “多人数だと、どうも「場が重たい」なぁ”という時には: 「小さい集団で、発想し始めて」 「その後、大きくする」 16

17.

(補足)技法の特性 ペアからグループに戻った時に、 『収束気味』になる (良い面・悪い面、あります) 17

18.

実践 • 発想のお題: • プロセス: 18

19.

発想のお題 「***。」 そういう場面で、どう困っているか、あるいは、 対処としてどんな工夫をしているかを、雑談的に、 紹介し合ってみてください。 完ぺきな良いアイデアを出さなきゃ、なんて思わなくて結構です。 19

20.

PPGブレストのやり方 ペアで ブレスト 6 分 別のペアで ブレスト 6 分 グループで ブレスト ペアでアイデアを話し合う。 気楽な雑談的に。まずは「お題から 思い浮かぶこと」を話してみる。 別のペアになって 更にアイデアを話し合う。 「さっき出た話」も、材料にして。 15+α 分 グループで、アイデア出し合い、 発展させていく。 ペアの時に出たアイデアは材料として 使ってOK。(使わなくてもOK) 20

21.

PPGブレスト 21

22.

• ブレストのルールは“規則”というよりも、 創造的な思考へ導く“ガイド”のようなもの 3の導入 • 一人でも、会議でも、 「創造的な心の持ちようは、どういう風に すればいいのか」へのヒントになります 22

23.

IDEOの7つのブレストのルール (& 実は、ブレストのルールも、 “4+3”個なんです) 23

24.

デザイン思考の拠点 その前に d-school (Stanford大学) 2008.12 24

28.

デザイン思考のオリジン IDEO本社の会議室 (パロアルト) 2008.12 28

31.

IDEOのブレストの7つのルール (IDEO本社会議室の掲示バージョン) 1. Defer Judgement 判断を遅延しよう 2. Encourage Wild Ideas 突飛なアイデアを奨励しよう 3. Build on the Ideas of Others 他の人のアイデアの上に、アイデアを創ろう 4. Stay Focused on Topic テーマにフォーカスを当て続けよ 5. One Conversation at a Time 一度に一つの会話(≒かぶってしゃべらない) 6. Be Visual ビジュアルにしよう 7. Go for Quantity 量を求めよう 31

32.

IDEOのブレストの7つのルール (IDEO本社会議室の掲示バージョン) 1. Defer Judgement 判断を遅延しよう 2.Encourage Wild Ideas 突飛なアイデアを奨励しよう 3.Build on the Ideas of Others 他の人のアイデアの上に、アイデアを創ろう オズボーンのブレストのルール 基本(4つ) ほぼ同じ ほぼ同じ ほぼ同じ 4.Stay Focused on Topic ほぼ同じ テーマにフォーカスを当て続けよ 5.One Conversation at a Time ほぼ同じ 一度に一つの会話(≒かぶってしゃべらない) 6.Be Visual 記録し、活用 結果を共有する ビジュアルにしよう 7.Go for Quantity 量を求めよう 付加(3つ) ほぼ同じ 32

33.

休憩 (5分) 33

34.

• 技術的な問題の解決策を発想するための 具体的な手法(TRIZ)を紹介します 4の導入 • 「技術的ブレイクスルー」のパターン集から 「解決の切り口」を見い出せます 34

35.

TRIZ (の発明原理) 35

36.

技術系の アイデア発想を 助ける道具、 あります 36

37.

• トゥリーズ (treeの複数形と同発音) (用語) TRIZ • 発明的問題解決の理論 • Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch • の頭文字(ロシア語) • ゲンリッヒ・アルトシュラー • 技術的ブレイクスルーのパターン (発明原理)や、他多数のメソッド 37

38.

人類の知の蓄積 • 優れた特許。膨大に見ていく。 • 時代を超え、分野を超え、 時々、似た「解決の仕方」がある。 • 弁理士:たまに経験する。でも、 まとめようとは思わない・・・。 • G. Altshuller (当時のソ連の海軍特許審査 官)は、“それ”に取り組んだ。 38

39.

膨大な中からの抽出 • 40万(→200万)件の優れた特許を 集め、ブレイクスルーの要素を抽出。 ↓ • パターンに分けていった。 ↓ • 発明原理(40個) (=技術的ブレイクスルー40パターン) 39

40.

他にも多数の 創造技法を包含 9windows 他にも 沢山… (構想視座と 変化外挿) Trend (技術の進化) 発明原理 40

41.

創造技法の中でも 抜きんでた特長 • 他の技法は「発想手順」や「心理醸成」であり、 具体的なヒントはごく僅か。 • TRIZには「具体的な発想ヒント集」が。 • (それは)専用工具の難しさ、の面も。 41

42.

40の発明原理とは、 具体的に? 42

43.

発明原理 3.局所的性 質 4.非対称 10.先取り作 用 11.事前保護 12.等ポテン シャル 18.機械的振 動 19.周期的作 用 25.セルフ サービス 33.均質性 1.分割 2.分離 9.先取り反 作用 17.もう一つ の次元 5.併合 (下記、すべて “原理”を略記) 6.汎用性 7.入れ子 8.釣り合い 13.逆発想 14.曲面 15.ダイナ ミックス 16.部分的な 作用または過 剰な作用 20.有用作用 の継続 21.高速実行 22.災いを転 じて福となす 23.フィード バック 24.仲介 26.コピー 27.高価な長 寿命より安価 な短寿命 28.メカニズ ムの代替/も う一つの知覚 29.空気圧と 水圧の利用 30.柔軟な殻 と薄膜 31.多孔質材 料 32.色の変化 34.排除と再 生 35.パラメー タの変更 36.相変異 37.熱膨張 38.強い酸化 剤 39.不活性雰 囲気 40.複合材料 43

44.

「分割原理・・・?」 40個を学ぶ途中で挫折・・・ 44

45.

発明原理を、もっと手軽な発想道具にしよう 45

46.

発明原理を、もっと手軽な発想道具にしよう 各原理の内容を、 大幅に意訳し 40枚のカードに 46

47.

智慧カード 4.バランスを くずさせよ ©IDEAPLANT 5.2つをあわ せよ 6.他にも使 えるようにせ よ 7.内部に入 り込ませよ 8.バランスを 作り出せ 15.環境に合わ せて変えられる ようにせよ 16.大雑把に 解決せよ 1.分けよ 2.離せ 3.一部を変 えよ 9.反動を先 につけよ 10.予測し仕 掛けておけ 11.重要なと ころに保護を 施せ 12.同じ高さ を利用せよ 13.逆にせよ 14.回転の動 きを作り出せ 17.活用してい る方向の垂直方 向を利用せよ 18.振動を加 えよ 19. 繰り返し を取り入れよ 20.よい状況 を続けさせよ 21.短時間で 終えよ 22.良くない状 況から何かを引 き出し利用せよ 23.状況を入 り口に知らし めよ 24.接すると ころに強いも のを使え 25.自ら行う ように仕向け よ 26.同じもの を作れ 27.すぐ駄目 になるものを 大量に使え 28.触らずに 動かせ 29.水と空気 の圧を利用せ よ 30.望む形に できる強い覆 いを使え 31.吸いつく 素材を加えよ 32.色を変え よ 33.質をあわ せよ 34.出なくさ せるか出たも のを戻させよ 35.温度や柔 軟性を変えよ 36.固体を気 体・液体に変 えよ 37.熱で膨ら ませよ 38.そこを満た しているものの ずっと濃いもの を使え 39.反応の起き にくいものでそ こを満たせ 40.組み合わ せたものを使 え 47

48.

智慧カード © I D E A P L A N T © I D E A P L A N T © I D E A P L A N T http://triz.sblo.jp/ https://ideaplant. jp/products/chiec ard3/ 48

49.

想像力を温めておくことで 発想技法を学びやすくする 想像力の準備運動 「TRIZのカードで遊ぶ」 49

50.

発想ワーク 新商品「面白いゴミ箱」を考案しよう 50

51.

仮想の設定: このチームは、 ゴミ箱の問題を解決する「新しいゴミ箱」を 考案し、売り出そうとしているベンチャーのメンバーです。 いまのゴミ箱は大嫌い! 思わず欲しくなる、 新しいゴミ箱を考案しよう! (実現性の低いものでも、 収益性がなさそうなものでもOK) 51

52.

How to play (グループ対抗の遊び方) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.智慧カード(40枚)を表にして適当に並べ、ざっと眺める。 2.カードから思い浮かぶアイデアを言って、カードを「伏せる」。 (付箋にメモを書いても良い、書かなくてもOK) (誰がいつ出してもOKですが、一人が連続して出せるのは3枚まで。 なるべく皆が出そう。) 3.時間は8分間。 最も多く使えた(=伏せられた)チームの勝ち。 [推奨] 他の人のアイデアの良い点をコメントする。 そうすると、場に創造的風土が醸成できる。 52

53.

勝利条件 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ゲームは8分で終了。 カードを、最も多く使えた(=伏せられた)チームが優勝。 (全部使いきれたら → 残り時間をメモしておく。 全部使いきれたチームが複数でた場合、最も早く終わっていたチームが優勝。) 補足) ゲームをしていてルールや進め方に迷った時には、 リーダ(じゃんけんで勝った人)が、都度ルールを決めてOK。 厳密さより、 創造的な会話を楽しむことを重視してください。 53

54.

以上が、 発明原理(の代替えの智慧カード)でした。 意外と、40個どれも、普通の切り口ですよね。 TRIZは学ぶハードルが高いとされますが、 最初のメイン技法、 もう、これで50%把握できました。 54

55.

発明原理の 使い方 55

56.

発明原理 発想のやり方 問題を定める 適切な発明原理を選び出す (3方式のいずれかで) それをヒントにブレストする 56

57.

コンパクトに情報提示したいので「発明原理」の 代わりに「智慧カード」で解説 説明中の 「智慧カード」は 「発明原理」に置き換え てもほぼ同じです 57

58.

目次 (1) 矛盾マトリックス (2) 1パラメーター ・メソッド (3) 総当たり 58

59.

(1) 矛盾マトリックス 59

60.

悪化特性 矛盾マト リックス 改 善 特 性 60

61.

通常、ある要素を向上させると、 他の要素に影響が出るもの。 矛盾マトリックス の使い方 「改善」したい特性と、そこをいじる と「悪化」してしまう特性を選ぶ。 交点のセルの4個(※0~3個のこともある) の発明原理の番号を拾う この番号の発明原理/智慧カードを ヒントにして、アイデアを出す 61

62.

(2) 1パラメーター・メソッド 62

63.

厳選した4個じゃなく、 確率の高い10個ぐらいを、 発想ヒントにしたい 63

64.

セレクト ・ガイド ・シート 64

65.

自分の抱える課題は、 何の改善? 65

66.

自分の抱える課題は、 何の改善? • 『セレクト・ガイド・シート』の 改善ニーズ(39項目) の中から 該当しそうなものを探す。 • 〔複数該当する場合〕 • 課題の捉え方の柔軟性を上げれば、 大抵、複数の項目が見つかる。 • その中で、最も当てはまるだろう 項目から、あたればよい。 66

67.

自分の抱える課題は、 何の改善? • 『セレクト・ガイド・シート』の 改善ニーズ(39項目) の中から 該当しそうなものを探す。 • 〔複数該当する場合〕 • 課題の捉え方の柔軟性を上げれば、 大抵、複数の項目が見つかる。 • その中で、最も当てはまるだろう 項目から、あたればよい。 67

68.

• 改善ニーズ(39項目)から 上手く選べない! ↓ • 39の技術パラメータ (次頁)を見る 68

69.

3.移動物体の長さ/4.静止物体の 長さ:任意の一次元(線形)の寸法。 「幅」「高さ」「奥行き」などに全く同様 に適用する。 5.移動物体の面積/6.静止物体の 面積:表面または表面領域に関連し た任意の二次元の寸法。内部または 外部。実際の表面積と同様に接触面 積でもよい。 7.移動物体の体積/8.静止物体の 体積:物体が占める空間またはその 周りの空間に関連した任意の三次元 の寸法 9.速度:物体の速度、あるいは任意 の種類の過程または動作の速さ。相 対速度または絶対速度。直進または 回転運動に関して。(参照39:ここで は製品の出力よりもメカニズムの問 題の方に焦点を当てている)。 14.強度:力に対応して変化すること に物体が抵抗できる度合い。破壊に 対する抵抗。弾性限界、塑性限界、ま たは破壊強度を意味する。張力また は圧縮力に対する抵抗。線形または 回転の力に対する抵抗。また、耐久 性と硬度を含む。 15.移動物体の動作時間/16.静止 物体の動作時間:物体が動作を実行 するためにかかる時間。修理・保守・ 故障などが起こる平均時間はすべて 動作時間の尺度であり、「寿命」に関 係する問題も同様(参照27) 39の技術パ ラメーター 1.移動物体の重量/2.静止物体の 重量:物体の質量または重量 10.力(強さ):物体の状態を変えよ うとするすべての相互作用。直進で も回転力でもよい。トルクに対しても 全く同様に適用される。静的な力に も動的な力にも適用する。 11.応力又は圧力:単位面積に働く 力。応力は物体に働く力に対する効 果である。引っ張り力も圧縮力も。静 的及び動的効果、疲労、クリープ※を 含む。歪み(ただし、長さを主要な問 題としない時)。クリープ= 物体に持 続応力が作用すると時間経過ととも に歪みが増大する現象 12.形状:外部の輪郭、および/また は構成要素またはシステムの美的外 観 13.物体の組成の安定性:システム の統合性、システムを構成する要素 の関係。摩耗、化学分解、解離、およ びエントロピーの増加はすべて、「安 定性」にかかわる問題として解釈さ れるべきである。 17.温度:物体あるいはシステムの、 測定または認識された熱的状態。他 の熱的パラメータを大まかに含む (熱容量、熱伝導、放射、および対流 にかかわるパラメータなど)。 18.照度(≒明るさ):単位面積当た りの光束、および光に関連するシス テムの他の諸特性(色や光品質など) も含む。 19.移動物体のエネルギー消費/ 20.静止物体のエネルギー消費:物 体が仕事をする能力の尺度。このパ ラメータはエネルギー量の絶対値に 焦点がある(使用効率ではない。参 照22) 21.出力(パワー):仕事を実行する 速さ(=時間当たりの仕事)。時間当 たりのエネルギー使用。時間当たり のエネルギー出力。 22.エネルギー損失:有用機能の実 行に貢献しないエネルギーの使用。 非効率。(参照19) 23.物質損失:システムの要素(物質、 材料、下位システム、製品など)の損 失。部分的または完全な損失。永久 または一時的な損失。 26.物質の量:システムの材料、物質、 部品、場、あるいは下位システムなど の、量または数。 27.信頼性:その目的とする機能を (予見できるしかたと状態で)実行で きるシステムの能力。耐久性、および 長時間にわたって物体またはシステ ムを使用できる能力に関わる一般的 な問題を含む。(参照15,16) 28.測定精度:精密さの度合い。シス テムの一つの性質に対する実際の値 に比べた、測定値の近さ。測定誤差。 29.製造精度:システムまたは物体 の実際の特性が、仕様または要求特 性に一致する度合い。 32.製造の容易性:物体またはシス テムに関連する製造、製作、および 組み立てにかかわる問題。また、検 査の容易さを含む。 33.操作の容易性:対象とする使用 者による操作の簡単さ。 34.修理の容易性:システム中の欠 点、故障、または欠陥を修理するた めの、便利さ、心地よさ、簡単さ、お よび時間などの、品質特性。修理を するのに要する特別な道具や装置の 必要性に関する問題を含む。また、 現地での修理に関する条件を考える こと。 38.自動化の範囲:人間とのインター フェースや介入なしで、システムや物 体がその機能を実行できる能力。 39.生産性:単位時間当たりにシス テムによって実行される、有用な(価 値の増加する)機能や操作の数。単 位機能または操作に要する時間の逆 数。単位時間当たりの有用な出力。 単位出力(または有用出力量)当たり のコストの逆数。(参照9) 24.情報損失:システムに入出力す るデータ(またはそのデータへのアク セス)の損失。五感(視力、聴力、運動 感覚、嗅覚、及び味覚)に関連する データも含む。部分的または完全な 損失。永久的または一時的な損失。 25.時間損失:時間的な非効率性。 待ち時間、遊休時間など。 30.物体が受ける有害要因:外部的 に発生した有害な効果に対するシス テムの影響の受けやすさ。安全性に 関連する問題を含む。 31.物体が発する有害要因:物体ま たはシステムの側面で、外部の要素 に対し悪い効果を生み出すもの。環 境への問題(汚染、放射、雑音など)、 および振動などを含む。 35.適応性または融通性:システム または物体が外部の変化に応答で きる度合い。また、システムを多くの やり方で、またさまざまな環境のも とで、使用できることに関連する。操 作、使用の柔軟性。カスタマイズ能力。 36.装置の複雑度:システム内およ びシステム境界を超えての、要素お よび要素相互関係の、数と多様性。 ユーザもシステムの一つの要素で、 複雑さを増加させる。使用可能性、 訓練可能性、機能の数、過剰な構成 要素の数などの問題を含む。 どの項目にもコストの文字はないが、 ○製造コスト(≒32)、 ○教育・運転コスト(≒33)、 ○修理コスト(≒34) のように、ケースによっては、コスト に読み替えられる項目もある。 37.検知と測定の困難度:複雑で、 高価で、時間がかかり、手間がかか る検査または分析操作。満足できる 品質水準に達するための測定費用 の増加。 参考文献 Darrell L. Mann 『TRIZ 実践と効用(1) 体系的技術革新』 P153~P155 (をアイデアプラントにて加筆修正) 69

70.

さて、改善ニーズが選べたら・・・ 70

71.

有効度の高い(先頭の方の) 発明原理(智慧カード)をヒントに、アイデアを発想していく 71

74.

〔玄人向け補足〕 TRIZの原典に無い 「1パラメーター・メソッド」 74

75.

矛盾マトリックスは 「改善特性」(行)と 「悪化特性」(列)の 2要素の同定が必要 作業量を減らしたい 「アバウト原理」 (発明原理の16)を TRIZ自体に適用し、 簡便にしよう ==その方略== 出現頻度の 高いものから当たれ ば確率が良いはず その“行”に出てくる 発明原理を集め、 出現頻度の順に 並べる(=シートの内容) 該当する「改善」の “行”のセル全部を 試せば必ず当たる 悪化特性も 「39の特性」のいず れか、ではある 日本には、2008年 頃のシンポジウム、 台湾の方のポスター 発表で導入された なお、今も 矛盾マトリックスは 重要 「改善特性」「悪化特 性」の同定作業は問 題を深く洞察させる それは解決策の質を 向上させる 同定しにくい 75

76.

(3) 総当たり 76

77.

現場課題の解決策をさっと考えたい 77

78.

全カードを、選り分ける ○ △ × アイデアが 思い付く 何か気になる アイデアが 思い付かない (・・・が、 はっきりとは アイデアが 思い付かない) 78

79.

アイデアを発想する ○ △ × アイデアが 思い付く 何か気になる アイデアが 思い付かない ○、△をヒントにしてアイデアを発想する 発想よりも元々 知っていた知識 を書き出す感じ (描いたり、 話したりして) “意外な着想” 79

80.

発明原理でも出来ますが、 カードだと早くて便利 (選り分け=7分) 80

81.

実際こんなところで • 発電所の復水器の “穴あきパイプ”の検出問題 • 30年来、改善の見られなかった 対処方法 • 現場の人たちが、この問題に対し TRIZカード(智慧カード)を 使って、新しい方式を生み出した • (発想の結果に、ご興味あれば、 講義中にお尋ねください) 81

82.

TRIZ (の発明原理) 82

83.

5の導入 • 「現在の技術」が、「次の世代」で、どういう ものになるかを、構想するヒント集があり ます • 技術の展望を議論するときに役立つ知見 になります 83

84.

TRIZ 技術の進化トレンド 技術の発展パターンをヒントに、次世代の姿を発想する 84

85.

• 分野を超え、時代を超え 技術の発展の仕方に 似たパターンが見られた。 • TRIZが発展してく中で、 多数、見出されていった。 「技術の進化トレンド」 当初は8個。 今では31個。 85

86.

技術の進化トレンド(31個) 86

87.

1 適応型材料(賢い材料) 受動的材料 一通りの 適応型材料 二通りの 適応型材料 全面的 適応型材料 中実の固体 中空構造 複数空洞構造 細管/多孔質構造 滑らかな表面 突起をもつ表面 三次元的に 粗くした表面 粗くした表面 +活性な孔 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔材料の有する機能が高度化。大きさや 粘性の変化、熱・電気・応力での変化、流 動性、形状記憶、自己分解性などを有す るようになる。〕 2 空間の分割 活性要素を入れた 多孔質構造 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔物体の構造が発展。軽さ、強さ、高い モーメント、熱交換性、大きな表面積、新 しい機能や性質変化が向上する。〕 3 表面の分割 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔表面の構造が高度化。高摩擦、ノイズ生 成、抵抗減少、熱伝導性、自己洗浄、変化 マーカーの担持などの機能を有するよう になる。〕 87

88.

4 オブジェクトの分割 単一の固体 分割した固体 粉末化した固体 分割した流体 (泡、エアロゾル) 流体 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔より少ないものでより多くのことを行 えるようになる。 固体の分割度合いが発展。輸送性、充 填性、複数機能の分離、応力の分離など の面が向上する。 気体 プラズマ 場 真空 更に流体、泡、気体に発展。粘性低下、 混合しやすさ、自己水平保持性、表面積、 質量あたりの有効効果、流速の制御性が 向上する。 更にプラズマ、場、真空に発展。新しい 機能の付加、損失や用いる物質の低減な どの面が向上する。〕 88

89.

5 マクロからナノスケールへの進化 10の3乗 10のゼロ乗 10の-3乗 10の-6乗 均質なシート構造 二次元の 規則的網目構造 負荷状況に応じた 三次元ファイバ配置 活性要素の付加 10の3乗 10のゼロ乗 10の-3乗 10の-6乗 10の-9乗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔空間的、時間的の細かさが発展。リソー スの効率的利用、強度/重量の比、システ ムのサイズ、実行効率、高速実行、損失抑 制の面が向上する。〕 6 網目とファイバ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔シートの構造が発展。材料減、柔軟性、 変形能力、(負荷のパス上への配置によ る)強度/重量の改善、耐久性、新機能、 特性変化を有するようになる。〕 7 密度の減少 10の-9乗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔密度が低い方へ発展。強度重量の比、 材料リソースの消費の減少、柔軟性など が向上する。〕 (注意:連続的な進化であり、離散的な段 階からなる進化ではない。 図示の都合上、象徴的に3乗ずつの段階 を記したに過ぎない。) 89

90.

8 非対称性の強化 対称的なシステム 部分的な非対称性 外部環境に対応 した非対称性 多数の境界 少数の境界 境界なし 点 (一次元の)線 (二次元の)平面 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔非対称な形状に発展。変化のある動作、 コンパクト性、人間工学的な利点(向きが 見てわかる、誤使用の防止、操作の容易 さ)の面が向上する。〕 9 境界の除去 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔弱点を生じさせる境界面や接合部が 減っていく。信頼性、強度特性、丈夫さ、 コミュニケ―ションが、向上する〕 10 幾何学的進化(線的) 三次元の表面 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔製造や加工の次元が向上。負荷分布、 流れ、表面積、強度、モーメント、適合性、 美観が向上。向きの識別・変更、有用な機 能を有するようになる。〕 90

91.

11 幾何学的進化(体積的) 平面構造 二次元構造 軸対称構造 全三次元構造 非可動システム 関節可動システム 複数関節 可動システム 全面柔軟システム 未調整の作用 部分調整 された作用 全面調整 された作用 休止期間に 異なる作用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔製造や加工の次元が向上。負荷分布、 流れ、表面積、強度、モーメント、適合性、 美観が向上。向きの識別・変更、有用な機 能を有するようになる。 〕 12 可動性の向上 流体または 流体圧システム 「場」に基づいた システム ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔可動度が発展。小ささ、連続性、柔軟性、 耐衝撃性が向上する。 更に流体や場によるシステムへと発展。 効率、信頼性や精度、出力密度が向上す る。〕 13 作用の調整 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔実行されている作用(action、動作)の 調整が高度になる。時間の無駄削減、能 率、外部変化への応答、安全性、損傷低 減、利便性など面が向上する。休止期間 に異なる作用を挿入できる。〕 91

92.

14 リズムの調整 連続的作用 周期的作用 共振の利用 線形として考えた システム 非線形性の 部分的考慮 非線形性の 全面的な考慮 単一システム 二重システム 三重システム 進行波の利用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔力をかけるリズムが高度化。エネルギー 使用の減少、廃棄物の減少、コストの減 少、時間測定の可能性の導入、共振の増 幅効果の利用、システムの複雑さの減少 など、有益さが向上する。〕 15 (外部条件に対応した)非線形性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔非線形領域の動作も対処したつくりに なる。(線形の範囲内だけにとどまるよう、 性能的に妥協したつくりに比べ、非線形 に対処する設計方法を取ることで)製造 やメンテの容易性、信頼性、安全性、急激 な故障の回避などの有益さが増す。〕 16 単一‐二重‐多重(類似物) 多重システム ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔大事な部分が分割され増大する。提供 可能な有用機能の量、機能分布(~負荷 分散)、ユーザの利便性、相乗効果、構成 要素あたりのコスト低減などの面が向上 する。〕 92

93.

17 単一‐二重‐多重(多様物) 単一システム 二重システム 三重システム 多重システム 類似の構成要素 異なる特性の 構成要素 逆の特性を持つ 構成要素 さまざまに異なる 構成要素 大幅に減衰 クリティカルな減衰 軽度の減衰 減衰なし ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔多様なモノを含むようになる。システム の機能性、操作性、ユーザの利便性、包 装の削減、システム数の削減、全体の寸 法を削減、などの有益さが向上する。〕 18 単一‐二重‐多重(差異の増大) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔異なる特性、逆の特性のモノを含むよ うになる。機能性、異なる使用状況への 対応力、利便性、反対の機能を実行する 能力、操作の柔軟性、システムの数やサイ ズの減少、などの面が向上する。〕 19 減衰の減少 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔ロスの量が減っていく。システム中での エネルギー損失の抑制、動的性能、応答 時間などの面が向上する。〕 93

94.

20 諸感覚の利用の向上 一つの感覚 二つの感覚 三つの感覚 四つの感覚 色の不使用 (モノクロ) 二色の利用 可視スペクトル の利用 色の全スペクトル の利用 不透明な構造物 部分的に透明 透明 能動的な透明要素 五つの感覚 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システムと人間の感覚機能との相互作 用が高度化。相互作用の制御の改善、人 間の関与の増加、感覚的没頭、シミュレー ションの実現感、等の面が向上する。〕 21 色彩の利用の向上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔使う光の波長か高度化。警告の表示、美 的外観、放射熱の管理、測定の柔軟性、 人間用のインターフェースへの干渉除去、 赤外・紫外線で新しい機能の追加、測定 範囲の拡大、等の面が向上する。〕 22 透明性の増大 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔透明要素の使用が増大。自然な照明、省 エネ、安全のための可視性、点検の容易 性、美的感覚、エネルギー管理、サイズが 小さくなった印象を付与、新しい機能の 塚、性質変化、などの面が向上する。〕 94

95.

23 顧客の購入の焦点 性能 信頼性 便利さ 価格 一次産品 製品 サービス 経験 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔顧客の購入の焦点が性能・信頼・便利 さ・価格へと発展。(ある段階から次の段 階にジャンプするのは、顧客が現在の購 入の焦点を「十分に」受け取った時であ る。様々な顧客たちは様々な位置にい る。)〕 24 市場の進化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔顧客の期待は、素材・製品・サービス・体 験へ発展。(顧客の期待は増大し、かつて 「興奮」させたものも急速に「当たり前の もの」になり、欠くと「不満」を持つように なる。)〕 25 設計の観点 変革 【顧客にぴったりの体験や訓練】 を提供しその結果【顧客を変え るような影響】を与えること 一つの操作点に 最適化した設計 二つの操作点に 最適化した設計 数個の離散的操作 点に最適化した設計 連続的に 再最適化した設計 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔稼働性能が最適化された操作点が拡大。 すべての動作条件での性能、エネルギー 損失、ユーザの操作の自由度、動作範囲、 動作の安全性とゆとり、相反する要求を 吸収する、などの面が向上する。〕 95

96.

26 自由度の増大 自由度一つ 自由度二つ 自由度三つ 自由度四つ 複雑なシステム 副次的な 構成要素の消去 副次的な サブシステムの消去 トリミングした システム 直接的な制御作用 仲介を用いた 制御作用 フィードバックの導入 知的なフィードバック 自由度五つ 自由度六つ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔動く部分の自由度が増大。操作性、位置 に関する順庵正、人間の動きに合わせる 動き、ダイナミックな応答、等の面が向上 する。 (自由度=XYZ軸方向+各軸の周りの回 転自由度)〕 27 トリミング ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔機能は維持しつつ、システムの部品点 数や全体の複雑さが減少。複雑性の減少、 製造コストの削減、信頼性、保守性、など の面が向上する。(※システムの複雑さが 現実可能な最大点を超えてから、発現す る。)〕 28 制御性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔制御の仕方が高度化。安全性、苦労の 減少、エラー減少、誤操作での故障の回 避、適応性、自己学習機能、自己修復機 能、システムの非線形性による故障の可 能性の抑制、等の面が向上する。〕 96

97.

29 人間の関与の減少 人間 人間+ツール 人間+動力ツール 人間+半自動ツール 人間+自動化ツール 試行錯誤 定常状態を 考えた設計 過渡的効果を 取り入れた設計 ゆっくりした劣化効果 を取り入れた設計 エネルギー変換3回 エネルギー変換2回 自動化ツール ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔作業へ人間が関与する量が減少。人間 にとって骨折り仕事の減少、ヒューマンエ ラーの抑制、正確さ、人間の能力を超え る極限的な機能能力、疲労低減、コスト 削減、などの面が向上する。〕 30 設計方法論 クロスカップリング効果 を取り入れた設計 「マーフィの法則」 を取り入れた設計 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システムの信頼性が改善するように設 計方法が高度化。設計リソース、開発コス トの無駄抑制、材料の浪費抑制、開発時 間短縮、信頼性、等の面が向上する。「機 能を販売するモデル」へ移行容易にす る。〕 31 エネルギー変換回数の減少(ゼロ エネルギー変換1回 エネルギー変換なし に) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システム内のエネルギー・フローが改善 され能率が上がる。システムの効率、廃 棄物の減少、システム全体としての複雑 性の低減、軽量化、有害な副作用の低減、 信頼性、低コスト、等の面が向上する。〕 97

98.

(1/4) TRIZ【技術の進化トレンド】 ① 表:『TRIZ実践と効用(1) 体系的技術革新』 ステップ説明 及び 挿絵:石井力重 対象とするモノ(製品、技術システム)の発展の仕方として 当てはまるトレンドを見つけ出す。 ② そのトレンド上の現在の段階を特定し、 一つ先~二つ先の段階に注目する。 (2/4) 5 マクロからナノスケールへの進化 10の3乗 10のゼロ乗 10の-3乗 10の-6乗 均質なシート構造 二次元の 規則的網目構造 負荷状況に応じた 三次元ファイバ配置 活性要素の付加 10の3乗 10のゼロ乗 10の-3乗 10の-6乗 対称的なシステム 部分的な非対称性 外部環境に対応 した非対称性 多数の境界 少数の境界 境界なし 点 (一次元の)線 (二次元の)平面 三次元の表面 平面構造 二次元構造 軸対称構造 全三次元構造 非可動システム 関節可動システム 複数関節 可動システム 全面柔軟システム 未調整の作用 部分調整 された作用 全面調整 された作用 休止期間に 異なる作用 10の-9乗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔空間的、時間的の細かさが発展。リソースの効率 的利用、強度/重量の比、システムのサイズ、実行 効率、高速実行、損失抑制の面が向上する。〕 6 網目とファイバ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔シートの構造が発展。材料減、柔軟性、変形能 力、(負荷のパス上への配置による)強度/重量の 改善、耐久性、新機能、特性変化を有するようにな る。〕 7 密度の減少 10の-9乗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔密度が低い方へ発展。強度重量の比、材料リソー スの消費の減少、柔軟性などが向上する。〕 (注意:連続的な進化であり、離散的な段階からなる進化ではない。 図示の都合上、象徴的に3乗ずつの段階を記したに過ぎない。) ③ 「現在のモノが、“その段階”に進化したらどんなモノになるか」を 思い浮かべてみる。 8 非対称性の強化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔非対称な形状に発展。変化のある動作、コンパクト 性、人間工学的な利点(向きが見てわかる、誤使 用の防止、操作の容易さ)の面が向上する。〕 9 境界の除去 1 適応型材料(賢い材料) 受動的材料 一通りの 適応型材料 二通りの 適応型材料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔弱点を生じさせる境界面や接合部が減っていく。 信頼性、強度特性、丈夫さ、コミュニケ―ションが、向 上する〕 全面的 適応型材料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔材料の有する機能が高度化。大きさや粘性の変 化、熱・電気・応力での変化、流動性、形状記憶、 自己分解性などを有するようになる。〕 10 幾何学的進化(線的) 2 空間の分割 中実の固体 中空構造 複数空洞構造 細管/多孔質構造 突起をもつ表面 三次元的に 粗くした表面 粗くした表面 +活性な孔 活性要素を入れた 多孔質構造 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔物体の構造が発展。軽さ、強さ、高いモーメント、 熱交換性、大きな表面積、新しい機能や性質変化 が向上する。〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔製造や加工の次元が向上。負荷分布、流れ、表 面積、強度、モーメント、適合性、美観が向上。向き の識別・変更、有用な機能を有するようになる。〕 11 幾何学的進化(体積的) 3 表面の分割 滑らかな表面 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔製造や加工の次元が向上。負荷分布、流れ、表 面積、強度、モーメント、適合性、美観が向上。向き の識別・変更、有用な機能を有するようになる。 〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔表面の構造が高度化。高摩擦、ノイズ生成、 抵抗減少、熱伝導性、自己洗浄、変化マーカーの 担持などの機能を有するようになる。〕 12 可動性の向上 4 オブジェクトの分割 単一の固体 分割した固体 粉末化した固体 分割した流体 (泡、エアロゾル) 流体 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔より少ないものでより多くのことを行えるようになる。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔可動度が発展。小ささ、連続性、柔軟性、耐衝 撃性が向上する。 更に流体や場によるシステムへと発展。効率、信 頼性や精度、出力密度が向上する。〕 流体または 流体圧システム 「場」に基づいた システム 固体の分割度合いが発展。輸送性、充填性、複 数機能の分離、応力の分離などの面が向上する。 更に流体、泡、気体に発展。粘性低下、混合しや すさ、自己水平保持性、表面積、質量あたりの有効 効果、流速の制御性が向上する。 更にプラズマ、場、真空に発展。新しい機能の付加、 損失や用いる物質の低減などの面が向上する。〕 気体 プラズマ 場 真空 13 作用の調整 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔実行されている作用(action、動作)の調整が 高度になる。時間の無駄削減、能率、外部変化へ の応答、安全性、損傷低減、利便性など面が向上 する。休止期間に異なる作用を挿入できる。〕 98

99.

2. 空間の分割 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔物体の構造が発展。 軽さ、強さ、高いモーメント、熱交換性、大きな表面積、 新しい機能や性質変化が向上する。〕 実 空 壁 細 孔・管 活性要素 加 99

100.

8. 非対称性の強化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔非対称な形状に発展。 変化のある動作、設置のコンパクト性、 人間工学的な利点( = 向きが見てわかる、誤使用の防止、操作の容易さ )を有するようになる。〕 対称 部分 的な対称 人間 や外部 のものに対応した形 100

101.

12. 可動性の向上 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔可動度が発展。 小ささ、連続性、柔軟性、耐衝撃性が向上する。 更に流体や場によるシステムへと発展。効率、信頼性や精度、出力密度が向 上する。〕 固 節 多 柔 流 場 101

102.

(3/4) 14 リズムの調整 連続的作用 周期的作用 共振の利用 線形として考えた システム 非線形性の 部分的考慮 非線形性の 全面的な考慮 23 顧客の購入の焦点 進行波の利用 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔顧客の購入の焦点が性能・信頼・便利さ・価格 へと発展。(ある段階から次の段階にジャンプするの は、顧客が現在の購入の焦点を「十分に」受け取っ た時である。様々な顧客たちは様々な位置にい る。)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔力をかけるリズムが高度化。エネルギー使用の減少、 廃棄物の減少、コストの減少、時間測定の可能性 の導入、共振の増幅効果の利用、システムの複雑さ の減少など、有益さが向上する。〕 15 (外部条件に対応した)非線形性 (4/4) 24 市場の進化 性能 信頼性 便利さ 価格 一次産品 製品 サービス 経験 変革 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔顧客の期待は、素材・製品・サービス・体験へ発 展。(顧客の期待は増大し、かつて「興奮」させたも のも急速に「当たり前のもの」になり、欠くと「不満」を 持つようになる。)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔非線形領域の動作も対処したつくりになる。(線形の 範囲内だけにとどまるよう、性能的に妥協したつくりに比べ、非線形に対処する 設計方法を取ることで) 製造やメンテの容易性、信頼性、 安全性、急激な故障の回避などの有益さが増す。〕 【顧客にぴったりの体験や訓練】を提供し その結果【顧客を変えるような影響】を与えること 16 単一‐二重‐多重(類似物) 単一システム 二重システム 三重システム 25 設計の観点 多重システム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔稼働性能が最適化された操作点が拡大。すべて の動作条件での性能、エネルギー損失、ユーザの操 作の自由度、動作範囲、動作の安全性とゆとり、相 反する要求を吸収する、などの面が向上する。〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔大事な部分が分割され増大する。提供可能な有 用機能の量、機能分布(~負荷分散)、ユーザの 利便性、相乗効果、構成要素あたりのコスト低減な どの面が向上する。〕 17 単一‐二重‐多重(多様物) 単一システム 二重システム 三重システム 26 自由度の増大 多重システム ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔多様なモノを含むようになる。システムの機能性、 操作性、ユーザの利便性、包装の削減、システム数 の削減、全体の寸法を削減、などの有益さが向上す る。〕 18 単一‐二重‐多重(差異の増大) 類似の構成要素 異なる特性の 構成要素 逆の特性を持つ 構成要素 27 トリミング さまざまに異なる 構成要素 大幅に減衰 クリティカルな減衰 軽度の減衰 28 制御性 減衰なし ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔使う光の波長か高度化。警告の表示、美的外観、 放射熱の管理、測定の柔軟性、人間用のインター フェースへの干渉除去、赤外・紫外線で新しい機能 の追加、測定範囲の拡大、等の面が向上する。〕 22 透明性の増大 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔透明要素の使用が増大。自然な照明、省エネ、 安全のための可視性、点検の容易性、美的感覚、 エネルギー管理、サイズが小さくなった印象を付与、新 しい機能の塚、性質変化、などの面が向上する。〕 連続的に 再最適化した設計 自由度一つ 自由度二つ 自由度三つ 自由度四つ 複雑なシステム 副次的な 構成要素の消去 副次的な サブシステムの消去 トリミングした システム 直接的な制御作用 仲介を用いた 制御作用 フィードバックの導入 知的なフィードバック 人間 人間+ツール 人間+動力ツール 試行錯誤 定常状態を 考えた設計 エネルギー変換3回 エネルギー変換2回 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔制御の仕方が高度化。安全性、苦労の減少、エ ラー減少、誤操作での故障の回避、適応性、自己 学習機能、自己修復機能、システムの非線形性に よる故障の可能性の抑制、等の面が向上する。〕 一つの感覚 二つの感覚 三つの感覚 四つの感覚 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システムと人間の感覚機能との相互作用が高度 化。相互作用の制御の改善、人間の関与の増加、 感覚的没頭、シミュレーションの実現感、等の面が向 上する。〕 21 色彩の利用の向上 数個の離散的操作 点に最適化した設計 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔機能は維持しつつ、システムの部品点数や全体の 複雑さが減少。複雑性の減少、製造コストの削減、 信頼性、保守性、などの面が向上する。(※システムの 複雑さが現実可能な最大点を超えてから、発現する。)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔ロスの量が減っていく。システム中でのエネルギー損 失の抑制、動的性能、応答時間などの面が向上す る。〕 20 諸感覚の利用の向上 二つの操作点に 最適化した設計 自由度五つ 自由度六つ 人間+半自動ツール 人間+自動化ツール 自動化ツール 過渡的効果を 取り入れた設計 ゆっくりした劣化効果 を取り入れた設計 クロスカップリング効果 を取り入れた設計 「マーフィの法則」 を取り入れた設計 エネルギー変換1回 エネルギー変換なし ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔動く部分の自由度が増大。操作性、位置に関す る順庵正、人間の動きに合わせる動き、ダイナミック な応答、等の面が向上する。 (自由度=XYZ軸方向+各軸の周りの回転自由度)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔異なる特性、逆の特性のモノを含むようになる。機 能性、異なる使用状況への対応力、利便性、反対 の機能を実行する能力、操作の柔軟性、システムの 数やサイズの減少、などの面が向上する。〕 19 減衰の減少 一つの操作点に 最適化した設計 五つの感覚 29 人間の関与の減少 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔作業へ人間が関与する量が減少。人間にとって骨 折り仕事の減少、ヒューマンエラーの抑制、正確さ、 人間の能力を超える極限的な機能能力、疲労低 減、コスト削減、などの面が向上する。〕 色の不使用 (モノクロ) 不透明な構造物 二色の利用 部分的に透明 可視スペクトル の利用 色の全スペクトル の利用 30 設計方法論 透明 能動的な透明要素 31 エネルギー変換回数の減少(ゼロに) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システムの信頼性が改善するように設計方法が高 度化。設計リソース、開発コストの無駄抑制、材料の 浪費抑制、開発時間短縮、信頼性、等の面が向上 する。「機能を販売するモデル」へ移行容易にする。〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔システム内のエネルギー・フローが改善され能率が 上がる。システムの効率、廃棄物の減少、システム 全体としての複雑性の低減、軽量化、有害な副作 用の低減、信頼性、低コスト、等の面が向上する。〕 102

103.

14. リズムの調整 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〔力をかけるリズムが高度化。 エネルギー使用の減少、廃棄物の減少、コストの 減少、時間測定の可能性の導入、共振の増幅効果の利用、システムの複雑さ の減少など、有益さが向上する。〕 連続 周期 共振 進行波 的作用 的作用 の利用 の利用 103

104.

「トレンド」の使い方 104

105.

⓪ シートと筆記用具を用意 紙 技術の進化トレンド・シート ペン 105

106.

① 対象とするモノ (製品、技術システム)の 発展の仕方として 当てはまるトレンド を見つけ出す。 (印をつける) 106

107.

当てはま らない 最終段階 が実現し ている 「あまり当てはまらないトレンド」 「最終段階に到達しているトレンド」はパスする。 107

108.

② そのトレンド上の現在の段階を特定し、 一つ先~二つ先の段階に注目する。 イマココ ↓ 現:チーズナイフ 108

109.

③ 「現在のモノが、“その段階”に進化したら どんなモノになるか」を思い浮かべてみる。 (思い浮かぶアイデアを書く。) 現:チーズナイフ 潤滑水を出す ウエット・ナイフ? 振動粒子で発熱し 焼き切るナイフ? 109

110.

コツ: 「対象」に「次の段階」を「率直に当てはめた」姿を まず、思い浮かべて、描いてみるとよい。 着想というものは、 結像し始めの頃は、 奇妙なものである。 着想は、書き出すと、 変形操作をしやすくなり 良案を見出しやすくなる。 110

111.

<<実践>> 111

112.

発想テーマ:以下のどれかの新製品アイデア 文房具 調理道具 (の具体的なもの1つ) (の具体的なもの1つ) 歯ブラシ ハサミ ウエラブル ・デバイス 112

113.

Timeline テーマ選び(1分) 全てのトレンドを見て、合うものをいくつか探しだす(5分) 現行品の進化段階を同定し、「次の段階」か「次の次」を、 ヒントに、新製品アイデアを考えて、書きだす(10分) ペアを作れる場合は、5分ずつアイデアを紹介する (聞き手は質問したり広げたりも)(10分) 113

114.

TRIZ 技術の進化トレンド 114

115.

• 開発工学の2分野TRIZとVEから抽出し た「理想的な機能集」を紹介します 6の導入 • 「この技術が潜在的に持つ有用機能には、 どんなものがあるのか」を見通す「目利き の力」として役立ちます 115

116.

IF60 既存品に理想的な機能を付与する 116

117.

IF60 開発工学の2分野 「TRIZ」と「VE」 の中から 『有益な機能の要素』 を抽出して、 60個に分類したもの 117

118.

発想ヒントになるように、ピクトグラム化 © IDEAPLANT 絵・大道レイチェル 118

119.

IF60 1 供給する ・与える 2 16 制限する 17 31 32 押さえる ・押す 46 付け加える 伝える 注入する 48 20 34 49 取り出す (=経験を通じて 状況に適応していく) 22 36 37 形成する 51 配置する 8 偏る 取り付ける 劣化を元に戻す ・狂いを直す 50 照らす 7 学習する 21 35 変換する ・変える 停止する ⇔開始する 6 かき混ぜる ・混合する 直線運動する 開閉する つなげる ・固定する 5 受ける 19 33 回転する 47 4 移動する 18 位置を揃える ・位置決めする 増幅する 貯め込む ・得る 3 スペースを作る ・穴をあける 集める 52 破壊する ©IDEAPLANT 9 決める 23 内蔵する 10 切り替える 24 中を満たす 11 下げる ⇔上げる 25 伸びる 12 支える 26 膨らむ 13 時間を測る 27 防ぐ・護る 28 補強する 38 39 40 41 42 43 汚れを取り除く ・火を消す 減少する ⇔増加する 電気・熱・物の流れを 遮る⇔流す 締め付ける ・密閉する 除圧する ⇔加圧する 振動を起こす 53 54 55 56 電気を得る 発生する ねばりつく ・張り付く 導く 57 良い状態へ 調整する 58 ラベルを つける 14 試験する 15 しみ込む (=物事の性能や 性質を試してみる) 29 保持する ・維持する 研磨する ・磨く 44 水平にする 45 スムーズに 動作する 59 冷却する ⇔加熱する 30 60 分ける 119

120.

全60個を紹介すると煩雑なので 8 偏る 5つだけピックアップ紹介 36 劣化を元に戻す ・狂いを直す 電気・熱・物の流れを 52 47 40 伝える 破壊する 遮る⇔流す 120

121.

どう使う? 絵で想像する 言葉で想像する 有益さを探す 121

122.

どう使う? 【絵で想像する】 • 「対象」と「ピクトグラムのイメージ」を、絵で結びつけてみよう。 【言葉で想像する】 • カードの言葉に、「頭」と「末」にゆるく言葉を追加してみよう。 • 「頭」=「みずから/自動で/ひとりでに」 「語尾」が「される」「させる」 • 「末」=「できる/される/させる」 になりえる言葉は、「対象」と 【有益さを探す】 影響しあう他の何かが存在し ます。それも、発想の材料に してみてください。 • 「思い浮かんだものが、意味を持つなら、 それはどんな製品だろう?」 と考えてみる。 122

123.

発想例 たとえば、既存商品「乾電池」が題材だったとして 123

124.

• 遮断する、乾電池?・・・ 124

125.

電流を、 「自動的に」遮断「する」 乾電池・・・ ↓ 意味のある案を考えてみる 振動を検知して、 手に持っている時だけ動く (=使っていない時は自動で止まる) 乾電池。 見回りの懐中電灯とかに。 125

126.

あるいは 126

127.

伝える、乾電池?・・・ フム… 127

128.

残量を、 (みずから)伝える「ことができる」 乾電池・・・ ↓これに意味があるなら 残量に応じて、 外装の色が変わる乾電池 (あるいは) 残量に応じた 通電開始タイムラグを起こす 乾電池 128

129.

残量を、 (みずから)伝える「ことができる」 乾電池・・・ ↓これに意味があるなら 残量に応じて、 外装の色が変わる乾電池 (あるいは) 残量に応じた 通電開始タイムラグを起こす 乾電池 129

130.

ある方向へ、イマジネーションを ガイドしてブレストする 「Guided Brainstorming」 130

131.

こんな風にして、 有用な機能を持つ 新製品を考案する ことができます 131

132.

期間限定公開 • 全コンテンツ • https://miro.com/app/board/o9J_lWGkd9o=/ • ポストイットを出したり、描いたりもできます。 (定期的に消します) 132

133.

発想の題材 自社製品 日用品 あるいは (業務で実践) (発想の練習) 133

134.

【 日用品リスト50 】 1 2 イヤリング サングラス 15 3 ベルト 4 ペンダント 5 6 長靴 手袋 7 腕時計 8 帽子 9 掛け布団 10 長椅子 11 枕 (新製品を発想する題材) 12 13 14 ヘアブラシ スプーン テーブル クロス 25 26 27 リュック サック 38 台車 財布 傘 39 けん玉 40 まな板 16 ヤスリ 28 17 虫眼鏡 18 マッチ 29 30 31 キーボード スピーカー ドライヤー 懐中電灯 43 44 41 フラフープ フリスビー 42 凧 浮き輪 網 19 蚊取り 線香 20 石鹸 32 電卓 接着剤 33 冷蔵庫 45 アンテナ 21 カミソリ 34 35 シャベル トンカチ 47 48 46 看板 22 鎖 手すり 23 スーツ ケース 24 ステッキ 36 バケツ 37 植木鉢 49 吊り橋 50 門 134

135.

別の学習の際には このようにやって みてください。 本研修では ワークは割愛します。 実践! IF60で、新しいプロダクトをたくさん発想しよう! 135

136.

❶ ワークシート(IF60)(アイテム50)を用意 136

137.

❷ 「IF60」カードと「日用品50リスト」カードの中から 組み合わせられそうなものを拾い上げます (好きに。何枚でも)。 なんか、面白そう 137

138.

❸ 組み合わせた「プロダクト」を考えて、付箋に書きます。 アイデアの良し悪しにこだわらずに出そう ❷~❹の 時間は 貯め込むのなら 「色素」とかは 面白いかも。 10分間 (着想を 手短に書く) 138

139.

❹ それらを、メンバーに紹介し、皆でさらに広げます。 聞き手も、想起することがあれば、逐次気軽にコメントを。 アイデアの良いところや欠点に着目して伸ばそう。 重視してほしいことは「創造的な会話を楽しむ」ことです。 ❹の時は 15分間 ひとりでに「貯め込む」 +「虫眼鏡」で、 具体的には…(説明) あ、これいいね。 絵を描くんだけど これ、便利かも。 139

140.

• 創発は『発散』(たくさん発想する)だけで はなく、他のステップもあります 7の導入 • デザイン思考をはじめ、多くの創造的思考 を分解・統合した『全体図』を紹介します • アイデア創発がうまくいかないとき、各ス テップを見直すことで、改善が図れます 140

141.

優れた「アイデア創出プロセス」 4つのフェーズ (+α)

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アイデア創出活動は、千差万別・・・ 142

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ですが、 大量に集めて、小さく刻み、組み直すと、、、 143

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アイデア創出の4つのフェーズ 拡げる 大量のアイデア・選択肢を手に入れる Generation 絞る アイデアを評価し、良案を抽出する Selection . 見る 現物を見たり、本質を探索する Observation & Insight 強化する 重要な懸念点を抽出し、 対策案を考案する Reinforcement 144

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ポイント ・良いアイデア創出活動は「拡げる」だけではない。 ・発想の前に「見る(観察・洞察)」ことに時間をかける。 ・発散・収束の後に批判力を使ってアイデアを「強化」する。 145

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アイデア創出の4つのフェーズ 拡げる 大量のアイデア・選択肢を手に入れる Generation 絞る アイデアを評価し、良案を抽出する Selection . 見る 現物を見たり、本質を探索する Observation & Insight ポイント ・良いアイデア創出活動は「拡げる」だけではない。 ・発想の前に「見る(観察・洞察)」ことに時間をかける。 ・発散・収束の後に批判力を使ってアイデアを「強化」する。 強化する 重要な懸念点を抽出し、 対策案を考案する Reinforcement 146

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アイデア創出プロセス (の全体像) 示す 定める はじめに語るべきこと Explanation 課題を定義する Setting 拡げる 絞る 大量のアイデア・選択肢を手に入れる 調べる Generation アイデアを評価し、良案を抽出する Selection 分析的に掘り下げる Analysis 具体を描く 探す Embodiment 外部の案や発想の素材も得る Explore . 見る 強化する 現物を見たり、本質を探索する Observation & Insight 重要な懸念点を抽出し、 対策案を考案する Reinforcement 精緻化&企画 案を精緻にし、プランにする Refinement & Plan ポイント ・良いアイデア創出活動は「拡げる」だけではない。 ・発想の前に「見る(観察・洞察)」ことに時間をかける。 ・発散・収束の後に批判力を使ってアイデアを「強化」する。 他 147

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アイデア創出ワーク・プロセス 示す はじめに語るべきこと 定める Explanation 課題を定義する Setting 拡げる 絞る 大量のアイデア・選択肢を手に入れる 調べる Generation アイデアを評価し、良案を抽出する Selection 分析的に掘り下げる Analysis 具体を描く Embodiment 探す 外部の案や発想の素材も得る Explore . 見る 強化する 現物を見たり、本質を探索する Observation & Insight 重要な懸念点を抽出し、 対策案を考案する Reinforcement 精緻化&企画 案を精緻にし、プランにする Refinement & Plan ポイント ・良いアイデア創出活動は「拡げる」だけではない。 ・発想の前に「見る(観察・洞察)」ことに時間をかける。 ・発散・収束の後に批判力を使ってアイデアを「強化」する。 他 創造性ベーシック 心理 関係性 組織風土 version:2024-08-08 ━━━━━━━━━━ 石井力重(IDEAPLANT) 152

153.

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154.

アイデア創出の4つのフェーズ (& 全体像) 154

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まとめ&メッセージ

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質疑応答

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メッセージ

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1 158

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「創造すらも習慣になる」 アレックス・オズボーン

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使わなければ失う アレックス・オズボーン (想像力について use it or lose it 論じるくだりで) 160

161.

(ディオゲネスか、キケロの言葉とされる) 161

162.

2 162

163.

何十年たっても、(別の道に進んでも、)役立つ知見です。 ぜひ、「行き詰った」ら、思い返してください ↓ 163

164.

「万策尽きた」が「スタート地点」 164

165.

165

166.

素朴な質問、大歓迎。 アイデアやブレストに関して困ったら、 いつでも、お気軽にご質問ください。 ↓ 石井力重 [email protected] (創造性の研究は未踏の闇が深い領域なので、答えられないこともたくさんありますが、 私でわかることであれば、全力でお答えします) 166