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March 16, 25
スライド概要
2024年度高知大学地域協働学部専門科目・サービスデザイン基礎演習Day4の様子をまとめたビジュアルレポート
2024年5月 2024年度 サービスデザイン基礎演習 ビジュアルレポート Day4 公開用 高知大学 地域協働学部 コミュニティデザイン研究室
構成 1.実施概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.3 2.インプット:ストーリーの大切さ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.7 3.ストーリー設計ワーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.21 4.プロトタイピングワーク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.24 5.インプット:リーンスタートアップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.28 6.LSPワーク:リーンキャンバス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.49 Appendix ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.62 ・仮説検証シート ・リーンキャンバス ・LSPリフレクションシート(Day4分) Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 1
1.実施概要 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
授業概要(シラバスより抜粋) 地域活性化や地域課題解決の方法の一つとして、商品開発やサービス開発、そして、イベント等が各地域で取り組 まれている。しかしながら、その多くが想定している成果を生み出しているのかといえば、必ずしもそうとは言えな いのが実情といえる。 本演習では、商品開発、サービス開発、公共サービス、政策形成を進める際に求められる基本的思考様式と行動様 式の獲得を目指す。具体的には、ニーズ調査、アイデア創造、試作品開発&検証という事業開発における一連のプロ セスの理解と、各場面において活用される様々な手法に加え、事例紹介を行いながら、実際に各種ワークに取り組み 、商品・サービス開発、政策立案に求められる実践的な力を身につけて行くことを目的とする。 演習(実践) デザイン思考/ サービスデザイン の 基礎的理解 リサーチ プロトタイピング Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 商品/サービス/政策立案 におけるマネジメント力の獲得 ◼ 商品/サービス/政策立案に必要な視点 ◼ 商品/サービス/政策立案のプロセス ◼ 商品/サービス/政策立案の基本スキル 3
スケジュール 授業回 第1回 第2回 第3回 授業概要 4/17 3-5限 ●オリエンテーション ●デザインシンキング/サービスデザインの基礎 ●自己理解ワーク ●アイデア創造の考え方/アイデア創造のワーク 4/24 3-5限 ●顧客設定と課題発見、ペルソナ構築 ●共感に基づいた顧客理解 ●行動観察の重要性 ●顧客行動の理解 ●バイアスの存在 5/8 3-5限 ●課題の深掘ワーク ●インサイトとは?/インサイト抽出トレーニング/インサイト定義ワーク ●アイデアの再創造 ●プロトタイプの重要性 ●ビジネスモデルの骨格 第4回 5/15 3-5限 ●ストーリーの重要性/ストーリー設計ワーク ●事業骨格設計ワーク 第5回 5/29 3-5限 ●LSPワーク:ゴールデンサークル ●弱者の戦略を意識する ●ビジネスモデル図解ワーク ●ピッチデッキの構成 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 4
達成目標/評価方法 【達成目標】 ① 商品開発/サービス設計/政策立案の全体像と手順・プロセスを具体的に述べることができる ② 価値創造・サービスデザイン(商品開発・イベント立案等)における基本的なリサーチ手法、アイデア創出手法及、 ビジネスモデルの設計方法を学び、活用できる ③ アイデア創出や事業創造に必要となる基本的なワークショップツール、フレームワークを利用することができる ④ 顧客や住民の潜在的ニーズに基づいた商品・サービス開発や政策立案についての企画書、事業設計書を作成する ことができる 【評価方法】 ◆ 授業への参加度(40%) ■授業での発言状況:講義への質問や、グループワークでの対話やディスカ ッションでの発言回数 ■グループワークへの参加姿勢:対話やディスカッションでの積極性 ◆ 振り返りレポート(リアクションペーパー含む)および、課題(40%) ■リアクションペーパー:講義終了時に、毎回コメントシート記載・提出 ■課題:講義に関連した資料作成及びリサーチ、レポートの作成・提出 ◆ 期末レポート(20%) ■最終課題(企画書) Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 5
2.インプット:ストーリーの大切さ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
ストーリーの重要性 近年、マーケティング領域において注目されるのが、「ストーリー」の存在である。ストーリーが我々にもたらす 効果としては次の点が指摘されている。「 第一に、ストーリーによって、商品価値が向上するという点である。ロブ・ウォーカーとヨシュア・グレンによっ て実施されたプロジェクトによると、商品を販売する際の説明に、個人的な物語を追加することで商品価値を60倍以 上高めたという。つまり、感情的な話を製品・サービスに付与することで、消費者が受け取る価値が大きく変化する ということになる。 2つ目は、ストーリーによって消費者の記憶に残りやすくなる点である。2014年にジョンズ・ホプキンズ大学のキ ース・A・クエゼンベリーらの調査によって、コマーシャルにおいてはコンテンツよりもその構造、つまり、ストー リーがより重要となることが指摘された。 3つ目は、ストーリーはドーパミンの生成に寄与する点である。神経学者のポール・ザックの研究では、ストーリ ーを通じて、今日アkんを促進するオキシトシンの生成が促進されることが指摘されている。また、ハッピー・エン ドのストーリーがドーパミンの放出のきっかけを与えるとの研究もあり、ストーリーが人間に強い神経反応を生み出 すことがわかっている。 WiLL Cloud Blog (2019) (https://willcloud.jp/blog/marketing/the-importance-of-story-telling/)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 7
ストーリー展開①:ナラティブアーク ストーリー展開には様々な型が存在するが、その代表的なものが「ナラティブアーク」である。ナラティブアーク とは物語の構造を表す概念で、主人公や登場人物が物語の始まりから終わりまで経験する成長や変化の過程を指して おり、具体的には、下図の7つの段階で構成され、事件・問題の解決の場面であるクライマックスでもっと盛り上が り、終焉を迎えるプロセスを辿ることになる。 株式会社Story (2019) (https://story-corp.jp/blog/1112/)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 8
ストーリー(例):美女と野獣 フランス民話を元にした「美女と野獣」のストーリーをナラティブ・アークに当てはめると以下のようになる。 株式会社Story (2019) (https://story-corp.jp/blog/1112/)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 9
ストーリー(例):もののけ姫 1997年のアニメーションの宮崎駿監督による映画「もののけ姫」のストーリーをナラティブ・アークに当てはめる と以下のようになる。 ◆ それぞれの生き方の理解 株式会社Story (2019) (https://story-corp.jp/blog/1112/)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 10
ストーリー展開②:HERO’S JOURNEY 続いて、ストーリーの型として知られるのが「ヒーローズ・ジャーニー(Hero‘s Journey)」である。これは神話学 者ジョゼフ・キャンベルが提唱した物語構造の一つとされ、多くの冒険物語に共通する普遍的なパターンを示してい る。この構造は、主人公が日常の世界から未知の冒険の世界に旅立ち、試練や仲間の助けを経て成長し、最終的に宝 や知恵を持って帰還する過程を描く。具体的には、「誘い」「師との出会い」「試練」「苦難」「帰還」などのステ ージに分かれており、多くの映画や文学作品で用いられている。 ◆ それぞれの生き方の理解 株式会社ルーシー (2020) (https://lucy.ne.jp/bazubu/customer-journey-37287.html)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 11
ストーリー(例): ONE PIECE (尾田栄一郎) 例として、 日本の人気漫画である「ONE PIECE」のストーリーは以下のようになる。 ◆ それぞれの生き方の理解 株式会社ルーシー (2020) (https://lucy.ne.jp/bazubu/customer-journey-37287.html)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 12
ストーリーの要素 さて、ストーリーには様々な型があり、どれが絶対正しいと言えるものではないが、おおむね、ストーリーに含ま れるべき要素は次の通り整理できる。 テーマ: 作り出したい世界観や目的、意義が明確に設定されていること 流れ(展開): 序盤・中盤・終盤があること 変化: 主人公の状況に変化があること Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 13
ストーリーの基本構造 より簡易にストーリーの基本構造を整理すると次のように整理できる。 課題直面 解決の手段 解決 ユーザーの姿 ユーザーが課題に 直面した場面 課題解決の 手段・方法 解決した場面 解決したときの ユーザーの姿 • どんな場面で困ってい るのか • 具体的にどういう方法 で解決するか • 解決した時はどんな状 態になるか • 課題に解決によってユ ーザーはどんな嬉しい 表情・声になるか • どんな話や声が聞こえ るのか • 提供される商品/サービ スの機能はなにか • どんな表情をしている のか • どんな感情になってい るのか Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 14
3.ストーリー設計ワーク Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
ストーリー設計ワーク ◼ 概要 各自で作成しているサービスの特徴を伝えるためにストーリーに書き起こす。 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶ストーリー骨子:5min Step❷顧客が課題(困りごと)に直面した場面:5min Step❸課題解決の手段方法:5min Step❹課題が解決した場面:5min Step❺解決した時の顧客の姿:5min ◼ 準備するもの ストーリー設計シート、ペン Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 16
ストーリー設計ワーク ストーリー設計ワークでは、各自が検討中のアイデア について、ストーリーの構成要素及び基本構造に照らし 合わせ、ストーリー設計を行い、専用のシートにまとめ た。 まず、ストーリーの骨子として、出演者、シーン、実 現したい状態について整理した。出演者は、主人公をユ ーザーとし、他にクライアントなど、主要な登場人物を 洗い出した。シーンでは、サービスや商品を利用するシ ーンを「課題に直面した場面」と「利用する場面」に分 けて書き出した。そして、実現したい状態では、サービ スや商品を利用することで「主人公はどんな状態になる か」「周りの人はどんな状態になるか」について想像し 、描き出した。 その後、場面を想起させるイラストとその場面の説明 、主人公が話すセリフを検討した。ストーリーは、①顧 客が課題(困りごと)に直面した場面、②課題解決の手 段方法、③課題が解決した場面、④解決した時に顧客の 姿、の順で専用シートに書き出しを行った。 作成後、グループ内でお互いが描いたストーリーにつ いて共有し、相互にフィードバックを行った。そして、 チーム内で最もストーリーが伝わるものを任意に選び、 プロトタイピングワークへ展開した。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 17
4.プロトタイピングワーク Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
プロトタイピングワーク ◼ 概要 ストーリー設計ワークで作成したストーリーを元に、サービスの試作(プロトタイプ)をスキットで表現する。 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶小道具作成&寸劇練習(40min) Step❷寸劇発表(5min) Step❸メッセージカード記入 ◼ 準備するもの 画用紙、折り紙、クレヨン、マーカーペン、 ガムテープ、マスキングテープ、ハサミ、のり、 麻紐、輪ゴム、リボン、粘土、ゴミ袋、 おもちゃ、モールなど Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 19
ストーリー設計ワーク ストーリー設計ワークで選んだストーリーを元にチーム メンバーで協働し、サービスの試作(プロトタイプ)とし てスキット(寸劇)を制作した。 まず、寸劇を行うためにストーリーの再検討、配役・セ リフ、小道具の準備を行った。さまざまな工作道具やおも ちゃなどが置かれている机から必要な物品を選び、小道具 を制作し、誰がどの役かをわかりやすくするため画用紙に 名前を書いて首から下げていたり、主人公の奇抜さを表現 するため被り物を作る等創意工夫が見られた。 その後、寸劇の披露のため、練習を行い、準備のできた グループから順に発表を行った。人前で寸劇をすることに 恥ずかしさを感じている受講生も多かったが、ストーリー を伝えようとセリフや動作に強弱をつけるなどしている姿 も見られた。思い切りふざけた劇の時には笑いが生まれる など、お互いのグループのプロトタイプを観覧した。 全グループの発表が終わった後は、お互いのグループへ フィードバックを含めたメッセージカードをプレゼントし た。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 20
プロトタイピングワーク 工作グッズやおもちゃなど、必要なものを手に取り、 小道具作りを行った ストーリーの再検討やセリフや配役決めを行った 寸劇の発表に向けて、セリフの確認など練習を行った 作成した小道具を身につけて、寸劇の発表を行った 演技に緩急をつけ、特に伝えたいストーリーやメッセ ージを強調しようとしていた お互いに感想や改善点などをメッセージとして書き合 い、プレゼントした Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 21
5.インプット:リーンスタートアップ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
事業計画の構成要素(概略) なぜ、この事業を行うのか? Why? What? 商品・サービスの内容は? Where? Whom? How? 想定市場は? 想定顧客は? どんな特徴で? どんなノウハウを使って? When? いつ行うの? Who? How much? 誰がやるのか? 資金は? 売上高や利益目標は? DREAM GATE (2011) (https://www.dreamgate.gr.jp/contents/manual/m-businessplan/54891)を参考. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 23
事業計画の構成要素(詳細) Why?(なぜこの事業を行うのか) このセクションでは、事業を開始する理由とその目的を明確に説明します。 問題認識:市場や社会に存在する具体的な問題や課題を示し、その解決がなぜ重要かを説明します。 ビジョンとミッション:事業の長期的なビジョンやミッションステートメントを明記し、会社の目指す方向性を示します。 価値観:事業の背後にある価値観や哲学を説明し、困難に直面した際の精神的なバックボーンとなる要素を強調します。 What?(どんな価値を提供するのか) このセクションでは、事業が提供する具体的な価値やサービス、製品について詳述します。 製品・サービスの概要:提供する製品やサービスの詳細な説明を行います。 価値提案:顧客にとっての価値や利益を明確にし、他の製品やサービスとの差別化ポイントを説明します。 ユニークセリングプロポジション(USP):何がこの製品やサービスを特別にしているのかを明確にします。 Where?・Whom?(市場と顧客) ターゲット市場:対象とする市場やセグメントを具体的に示します。例えば、地理的エリア、人口統計、行動パターンなど。 顧客ペルソナ:理想的な顧客像を描き、彼らのニーズや行動パターンを説明します。 市場調査:市場規模、成長性、競合環境などを詳細に分析し、市場の機会と脅威を評価します。 How?(どのように価値を提供するのか) 技術やノウハウ:使用する技術や独自のノウハウについて説明します。 競争優位性:競合に対してどのように優位性を保つかを明確にします。 オペレーション戦略:生産、物流、販売など、事業運営の具体的な方法を示します。 When?(タイミングと資源) タイムライン:主要なマイルストーンや重要なイベントのタイムラインを示します。 リソースプラン:どのタイミングでどのようなリソース(人材、資金)が必要になるかを具体的に計画します。 Who?(チームと必要な人材) チーム構成:事業を推進するチームメンバーの役割と責任を明確にします。 必要なスキルセット:事業成功に必要なスキルや経験を持つ人材の要件を定義します。 How much?(資金計画と財務目標) 資金調達計画:必要な資金額とその調達方法を具体的に示します。 売上予測:売上高や利益の目標を設定し、実現可能性を裏付けるデータや根拠を示します。 収支計画:詳細な収支計画を作成し、事業の財務的な健全性を示します。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 24
事業創造・プロジェクトにおける最大の無駄 事業創造・プロジェクトにおいては、次の2つの無駄をかけないことが重要となる。 時間 コスト まずは「時間」である。 市場環境は常に変動しており、顧客のニーズやトレンドも急速に変化するため、時間をかけすぎることで、開発し た商品やサービスが市場に投入されたときには既に顧客ニーズが変わってしまっている可能性や、競合他社が類似商 品・サービスを投入してしまう可能性があることから、できるだけ時間をかけないことが重要になる。 次に「コスト」である。 スタートアップや地域でのプロジェクトでは、必ずしも豊富な資金を使って事業開発ができるわけではない。その ため、できるだけ無駄なコストをかけず、事業開発に取り組むことが求められる。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 25
リーンスタートアップ リーンスタートアップの考え方は以下である。 既存の考え方 綿密なマーケティング調査に基づいて環境分析を行い、ビジネスプラン を練り上げ、それを実行に移す リーン・スタートアップの考え方 ◼ 新たなアイデアやコンセプトを素早く形にし、実際の顧客の反応を見な がら製品やサービスの改善や軌道修正を行い、サイクルを繰り返すこと で、事業の成功の確度を高める方法 ◼ スモールスタートで始め、できるだけ早い段階で小さな失敗から学び、 無駄なコストをかけずにユーザーのニーズに合った製品やサービスを開 発するプロセス ◼ 「成功を目指すのではなく、失敗の要素をそぎ落とす」 エリック・リース (2012)『リーン・スタートアップ』日経BP社. Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 26
これまでの事業開発のパターン:ウォーターフォール 「ウォーターフォールモデル」は、ソフトウェア開発や事業開発の手法の一つで、各工程を順次進めることを特徴 としている。このモデルでは各フェーズが明確に区分され、前のフェーズが完了してから次のフェーズに進むことに なる。 この手法は、大規模で複雑なプロジェクトにおいて、明確な進行管理が求められる場合に適しているとされる一方 で、各フェーズで成果物を作成し、次のフェーズに引き継ぐため、計画性と予測可能性が高い反面、後のフェーズで 発見された問題に対する修正が難しくなることが課題となる。 要求定義 システム分析 設 計 実 装 テスト 運 用 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 27
事業の中核的要素 事業において中核をなす要素は4つが挙げられる。 ① ターゲット -顧客は誰なのか -誰にその製品・サービスを届けるのか -誰を幸せにするのか ② 顧客がまだ気づいていない課題 -顧客が望んでいることは何か -顧客の不満、悩み、課題は何か ③ 独自の価値提案 -顧客に対する明確で説得力のあるメッセージ -主人公は誰で、どんなシーンで、何を実現するか ④ソリューション -課題解決につながる具体的な方法、解決策 -検討している商品・サービスのアイデア Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 28
6.LSPワーク:リーンキャンバス Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
LSPワーク ◼ 目的・ねらい 続いて、自己理解/自己認識を図ることを目的に、自分の好きと嫌い、そしてその背景にある理由について考える ワークを実施した。 ◼ 使用フレーム:リーンキャンバス Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 30
LSPワーク:リーンキャンバス① ◼ 問い 「顧客」 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶問いを立てる:1min Step❷組み立てる/意味を与える:10min Step❸ストーリーを語る/共有する:10min Step❹振り返る/学ぶ:5min ◼ AT: AT1(個人モデルとストーリーの作成) ◼ 使用キット: Identity&Landscape Kit Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 31
LSPワーク:顧客 学生は作った作品を動かしたり、ブロックを指で刺し たりしながら説明していた グループのメンバーが説明している時は相手の顔では なく、ブロックに目を向けて聞いていた 相手が作った作品は色や形に注目し、聞くように意識 した 作った作品は写真に記録し、後に写真を見ながら考え たことを振り返る 対話がうまくいっていない際には、認定ファシリテー ターから質問が投げかけられることもあった ブロックはさまざまな組み立て方や配置をすることで 様々な表現をしていた Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 32
LSPワーク:リーンキャンバス② ◼ 問い 「顧客が抱える課題」 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶問いを立てる:1min Step❷組み立てる/意味を与える:10min Step❸ストーリーを語る/共有する:10min Step❹振り返る/学ぶ:5min ◼ AT: AT1(個人モデルとストーリーの作成) ◼ 使用キット: Identity&Landscape Kit Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 33
LSPワーク:顧客が抱える課題 学生はブロックのあるテーブルに向かい、人やはしご など様々なパーツを手に取っていた 自分自身が想定している顧客がどんなことを考え、感 じているかを手を信じて作成していた 大小のブロックを使い、作品の中で差をつけたりしな がら作成していた ワーク中は認定ファシリテーターが周りながら、チー ムの状況や対話の状況を確認していた 対話がうまくいっていない際には、認定ファシリテー ターから質問が投げかけられることもあった 顧客をざっくりとした人々を想定している学生や特定 のある人を想定した学生など様々だった Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 34
LSPワーク:リーンキャンバス③ ◼ 問い 「ソリューション」 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶問いを立てる:1min Step❷組み立てる/意味を与える:10min Step❸ストーリーを語る/共有する:10min Step❹振り返る/学ぶ:5min ◼ AT:AT1(個人モデルとストーリーの作成) 作品をつくり、作品に意味・ストーリーを与える ◼ 使用キット:Identity&Landscape Kit Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 35
LSPワーク:ソリューション 作品の共有の際にはメモを取るなどその時に考えたこ となどを取り溜めていた とりあえずブロックを手に取り、作品のイメージが浮 かばなくても手を動かすようにした ワーク中は認定ファシリテーターが周りながら、チー ムの状況や対話の状況を確認していた 細かいブロックを使って、細部まで表現しようとして いる学生もいた 作品は一つで完結するものだけではなく、2つ以上作 り、距離感で表現する学生もいた ソリューションを一つに絞る学生もいれば、複数で詳 細に語る学生もいた Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 36
LSPワーク:リーンキャンバス④ ◼ 問い 「提供価値」 ◼ ワークプロセス・時間 Step❶問いを立てる:1min Step❷組み立てる/意味を与える:10min Step❸ストーリーを語る/共有する:10min Step❹振り返る/学ぶ:5min ◼ AT: AT1(個人モデルとストーリーの作成) ◼ 使用キット: Identity&Landscape Kit Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 37
LSPワーク:提供価値 共有の際、学生は発表者の手元にしっかり注目し、色 や形とストーリーを合わせながら聞いていた 作品を作り上げるごとに、様々なブロックの重ね方や 使い方をしていた 作品を作っている際は、何度かブロックを外して、つ けてを繰り返し、納得する形にしようとしていた 作品を持ち上げたり、様々な方向から見てブロックを つけるなどしていた 共有の後の質問タイムでは、想定してなかった質問に 戸惑いながらも意味づけをして説明していた 手元に持ってきたブロックを使ってとりあえず組み立 てようとしていた Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 38
事業創造の流れ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
事業創造の流れ 実際の事業創造の流れでは、まず思いついたアイデアをリーンキャンバスに落とし込む。次に、行動観察、インタ ビュー、プロトタイピングを行い、何かしらの間違いに気づいた際には再度修正を行い、リーンキャンバスに落とし 込む。重要になるのは、このプロセスを何度も高速でまわすことである。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 40
リーンキャンバスを描いたら、次は何をするか ①リスクを見つける -明確にできていない点を確認する -何をまずすべきかを検討する -競合との差別化のポイントがどこかを理解する ②評価する -課題:顧客の不満レベル -チャネル:近づきやすさ -収益の流れと7コスト構造:価格と粗利益 ③ビジネスモデルについて、外部の意見を求める -「このプランでリスクが高いのはどこか?どのように克服できるか?」 -「どのようにテストできるか?」 -「誰に話を聞けばよいか?」 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 41
スタートアップや地域でやってはいけないこと スタートアップや地域でやってはいけないことは以下の7つにまとめられる。 1つ目は、「誰がみても、最初からいいアイデアに見えるものを設定すること」である。誰が見ても良いアイデア なのに現状実行されていないということは、実行するに至らない相応の理由があるということである。 2つ目は、「ニッチすぎるアイデアを設定すること」である。そのアイデアがある地域のなかで問題とされてはい ても、それを課題と感じている人が数人しかいない場合、それを事業化することは困難になる。そのため、他の地域 や国内外でも活用できる(横への展開)が可能なものを実行することが正しい方法となる。 3つ目は、「自分が欲しいものではなく、作れるものを作ること」である。誰からも欲しいとは聞いていないが、 ある地域の資源を使わなければいけないといった考えは、誰もそれに対して自分ごと化されず、上手くいかない可能 性が高い。 4つ目は「根拠のない想像上の課題を設定すること」である。「人口が減って困っているのではないか」「地域の 子どもが困っているのではないか」といった、とりあえず誰もが合意できそうな課題を設定することは、なにひとつ リアルな課題をつかめていないということになる。 5つ目は「分析から生まれたアイデアを設定すること」である。すでにデータでわかってきていることがあるなか で、それでも解決されない課題が地域には特に多くある。そのため、新たな視点で、過去の定義づけを改めていくよ うな行動が重要となる。 6つ目は「激しい競争に切り込むアイデアを実行すること」である。すでに市場が出来上がっているものを用いる ことは、相当量のコストやプロモーション活動を行うことが必要となり、理にかなった行動とはいえない。そのため 、誰もやったことがないことを行う方が理にかなった行動となる。誰も使っていないモノ、テーマ、サービスを用い ることは、結果的にその市場で一番になりやすくなる、 7つ目は「一言では表せないアイデアを設定すること」である。顧客に対して長い時間を使わないとその製品・サ ービスの価値を伝えられない(または、それでも伝わらない)ということは、注目されないことになる。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 42
Appendix Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
仮設検証シート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
仮説検証シート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 45
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リーンキャンバス Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
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リーンキャンバス Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 76
LSP振り返りシート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.
LSPリフレクションシート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 78
LSPリフレクションシート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 79
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LSPリフレクションシート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 81
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