20250313_地域ビジネススタートアッププログラムin四万十町_Day7_修正

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March 16, 25

スライド概要

2024年6月より高知県四万十町でスタートした地域ビジネススタートアッププログラム、Day7の様子をまとめたビジュアルレポート。

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2025年1月 2024年度 地域ビジネススタートアッププログラムin四万十町 Day7 高知大学 ビジュアルレポート 地域協働学部 コミュニティデザイン研究室

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構成 1.プログラム概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.2 2.ワーク:メンタリングの振り返り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.13 3.キーノート:スピーチ丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役) ・・・・・・・・・・・・・・ p.15 4.ワーク:リーンキャンバスの作成 ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.21 5.ワーク:収益モデルの設計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.32 6.実施風景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.43 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 1

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1.プログラム概要 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.

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プログラム概要  名称: 地域ビジネススタートアッププログラム in四万十町  回数: 全9回 -6回目以降は、モチベーションとアクションの状況を踏まえて選定予定  期間: 2024年6月22日〜2025年3月16日  主催・運営: 主催:四万十町 運営:高知大学地域協働学部コミュニティデザイン研究室(須藤順研究室) Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 3

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スケジュール 講座回 実施概要 第1回 6/22:地域ビジネス概論&当事者意識の掘り起こし(自分のWill/Why&事業のWhy) 第2回 7/27:顧客の抱える課題を見つけるための観察・リサーチの方法 第3回 9/1:アイデアの生み出し方&コンセプトの作り方 第4回 10/5:試作品・モデルの制作&検証方法 第5回 11/9:デモデイ(アイデア発表・体験イベント) 第6回 12/14 :地域プロモーション&ファンマーケティングの考え方 第7回 1/11 :ビジネスモデル(リーンキャンバス)の設計&ビジネスプランの作り方 第8回 2/1 :ストーリーテリング&クラウドファンディング(資金調達&テストマーケティング)の進め方 第9回 3/16 :最終報告会 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 4

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プログラム構造 ダイアログ インプット アクション 受講生同士が 気づきを深める ゲスト&講師からの インプット アクションの 繰り返し 近況&アクションの共有 経験談&手法の習得 アクションを通じて学ぶ アクションの結果やそこでの 学び、事業アイデア自体のブ ラッシュアップを目的に、受 講生同士が対話を繰り返し、 相互に支え合う関係づくりを 行います。 地域ビジネスの経験豊富なゲ ストの経験談に加え、地域ビ ジネスを形にするための基本 的な手法をワークショップ形 式で学びます。 頭で考えるのではなく、とに かく小さくアクション(行動 )を行い、そこから学びや気 づきをフィードバックしてい きます。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 5

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プログラムポイント ①自分らしい地域ビジネスの構築 ②経験豊富なメンター陣によるサポート ③アイデア創造からビジネスモデル構築まで一貫サポート ④学び合う・支え合うコミュニティの形成 ⑤学生による伴走型サポート Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 6

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プログラムゴール 自分の強みや得意なこと、 好きを活かしながら、 自分が心からやりたいと思える 事業を創り出していく 自分・身の回りの人を幸せにする事業創り Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 7

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ゲスト&メンター 守時 健さん 鷲谷 恭子さん 町田 美紀さん 丑田 俊輔さん 株式会社パンクチュアル 代表取締役 株式会社ケイリーパートナーズ 代表取締役/2hours 代表 株式会社VISIONECT 代表取締役 / 株式会社and. 取締役 シェアビレッジ株式会社 / ハバタク株式会社 代表取締役 浅野 聡子さん 瀬戸口 信也さん 須子 善彦さん 原 亮さん 株式会社StoryCrew 代表取締役共同経営者 合同会社 高知カンパーニュブルワリー 代表取締役 マイプロジェクト株式会社 代表取締役 エイチタス株式会社 代表取締役 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 8

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学生メンター 柳原 伊吹 西上 一成 杉田珠夢 竹中 楓 高知大学大学院 総合人間自然科 学研究科 地域協働学専攻 2年 高知大学大学院 総合人間自然科 学研究科 地域協働学専攻 1年 高知大学 地域協働学部 地域協働学科 4年 高知大学 地域協働学部 地域協働学科 1年 田村 敢 奈良 可南子 小池 乙歌 高知大学 地域協働学部 地域協働学科 4年 高知大学 地域協働学部 地域協働学科 3年 高知大学 人文社会科学部 人文社会科学科 2年 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 9

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支援内容 ①個別メンタリング/集団メンタリング 活動を進める中での悩みや不安、事業化に向けての課題、事業内容について経験豊富なメンター陣からのサポート が受けられます。 ②プレゼンテーション機会の提供 プログラム内はもちろん、様々なプレゼンテーション機会を提供し、自らのアイデアへのフィードバックや協力者 集めの機会を提供します。 ③地域との関係づくりに向けたコーディネート支援 事業化に向けて地域内の事業者や関係部署を紹介し、事業の現実に向けたコーディネートを行います。 ④活動サポート 高知大学コミュニティデザイン研究室所属の学生が受講生の取り組みをサポートします。 ⑤試作品・モデルの実証実験経費の一部補助 試作品の開発や実証実験に係る経費の一部を補助します。 ⑥オリジナルテキスト『地域ビジネススタートガイドブック』の提供 地域ビジネスに取り組む際に必要となる視点や考え方、アイデアを形にするための各種フレームワークをまとめた オリジナルテキストを無料で提供します。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 10

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大切にしてほしいこと=講座全体を通してのルール ①安心・安全の場をみんなで創ろう ②ありのままの自分を素直に出そう ③仲間・プロジェクトを評価しない ④プロジェクトは変わってOK! ⑤お互いが最大の応援者になる Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 11

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Day7の目標・ゴール 収益モデルが構築されている Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 12

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2. ワーク:メンタリングの振り返り Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.

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ワーク:メンタリングの振り返り  目的・ねらい これまでのメンタリングで得られた気づきと事業の修正事項について振り返り、今後のアクションを設定する  ワークプロセス・時間 Step❶ メンターからのフィードバックを受けての気づき、学びの共有(メンタリング)の振り返り(10min) Step❷ 次回に向けたアクションについて確認する(5min) Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 14

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3.キーノートスピーチ:丑田俊輔氏 (シェアビレッジ株式会社 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 代表取締役)

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キーノートスピーチ:丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役)  プロフィール シェアビレッジ株式会社 代表取締役/ハバタク株式会社 代表取締役 丑田俊輔氏 2004年、大学在学中に神田のまちづくり拠点「ちよだプラットフォームスクウェア」の創業に参画。日本IBMを経 て、新しい学びのクリエイティブ集団「ハバタク」を創業、国内外を舞台に様々な教育事業を展開。 2014年より秋田 県五城目町在住。古⺠家を舞台に地域をつなぐ「シェアビレッジ」、遊休施設を遊び場化する「ただのあそび場」、 住⺠参加型の小学校建設「越える学校」、住⺠出資による温泉再生「湯の越温泉」、森林資源とデジタル技術を活か した集落「森山ビレッジ」等を推進。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 16

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キーノートスピーチ:丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役) ①丑田氏のこれまでの取り組みと事業の説明 丑田氏は、大学卒業後は外資系企業に勤めた後、教育事業会社を 創業し、全国・世界で教育事業を展開されている。2014年からは秋 田県五城目町に移住し、地域づくり活動も行なっているとのこと。 秋田県五城目町への移住後は、地域住民との関係形成を行いなが ら、町内に存在する藁葺き古民家を取り壊すという話から有効活用 できないかと考えられ、都市部の住民向けにサブスク型の里帰りコ ンテンツとして「シェアビレッジ町村」を生み出した。 また、町内の学校の建て替えの際、行政と連携し、町民参加型で 学校の姿などを考える「越える学校」を行なわれた。現在は、町内 の事業者として「発酵パーク構想」の取り組みや、鹿児島県で公教 育を変化させるために、「ふつうの学校」を作られている。 これまでの事業を複数生み出してきた経験を振り返りながら、事 業を作ることはタフで孤独なことであるため、誰にも譲れない強い 思いを持つことが重要であることが共有された。 また、相談できる仲間がいることは自分の支えにもなるため、起 業家になる上でも相談できる存在を持つことが重要であること、相 談できる人が多くいる環境を地域に生み出すことで事業が生まれや すく進めやすい環境になることが共有された。 五城目町でも「湯の越温泉」や「がっこちゃっこPJ」などのプロ ジェクトは、悩みを相談できる環境があったことで、町の人が主体 となって、力を結集して生まれたと話された。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 17

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キーノートスピーチ:丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役) ②地域課題解決と顧客のニーズの叶え方 地域資源を活用したサービスを顧客に届ける際の考え方を、五 城目町で藁葺き屋根の再生を行なった、「シェアビレッジ町村」 の取り組みを例にしながら説明が行われた。 シェアビレッジ町村を事業化した際は、東日本大震災の後で、 都市部の人々はボランティアとして地方に関わることが多く、関 係性に少し疲弊している雰囲気があったと言う。 そうした状況を捉えて、楽しみながら地方に関われるコンテン ツとして「シェアビレッジ町村」を生み出し、都会と地方のニー ズや課題を一致させることで注目されるプロジェクトになった。 また、日本で普及し始めたばかりであったクラウドファンディ ングを実施し、注目を集めて顧客のニーズを把握できたのも1つの 重要な要素であったそうだ。 地域資源を活用したビジネスであっても、顧客に情報を出す上 では、地域活性化などの文言は直接は出さず、顧客が求めている ものや、インパクトを与えることができる内容を整理してコンセ プトを作成し届けていくことが重要になる。 一方で、顧客にサービスを体験したもらった後は地域の良さや 地域貢献に繋がっていることを提示することによって、継続的に 地域と関係性を持ってもらうことが出来るようになるそうだ。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 18

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キーノートスピーチ:丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役) ③事業を行う上でのお金の集め方や選択すべきこと 事業を行う上でのお金の集め方としては、自分のビジネスがど こを目指しているのかを意識して決めることの必要性が共有され た。 具体的には、事業に合わせて、初期のお金の集め方も個人出資 で行うのか、クラウドファンディングにするのか、銀行から借入 にするのかを決める必要がある。 実現しようとしているビジネスに対して出資者のニーズが一致 しないことが起きてしまうと、お金が得られないだけではなくビ ジネスそのものに賛同が得られないこともあり、出資を集められ た場合でも地域で理解を得られない事業に変化してしまう可能性 もあるためだ。 お金以外にも組織形態の選択も重要な要素であるそうだ。株式 会社、一般社団法人、NPO法人など適切な法人形態を選ぶと、受 けられる補助やサービス、控除がある。 一方で、誤った法人形態を選択すると、得られないサービスや 出来ない事業も存在する。 適切なものを選択するためには、法律や制度を勉強して適切な 方法を選び取っていくことも、事業を進める上では重要なポイン トになるそうだ。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 19

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キーノートスピーチ:丑田俊輔氏(シェアビレッジ株式会社 代表取締役) ④Q&A キーノートスピーチ終了後は、質疑応答が行われた。 Q:アプリはなぜ作ったのか? A:コミュニティ運営をしたノウハウと困りごとの解決を アプリ化することで、どの方でも運営しやすい状況を作 るためにアプリを作成した。 作成する上では、エンジニ アがいなくて集めること、費用がかなり必要になって大 変だった。 Q:五城目町での仲間づくりはどのように行なったか? A:最初は五城目町で田植えを行なっていた。そうした活 動を聞いて訪ねて来ていただいた方や、移住者が当時は 珍しい存在であったために、繋がることも多く、考えて いる内容の共有が進みやすかったのと、集めた仲間が違 ったコミュニティを共有した存在でもあったため取り組 みが拡散しやすい状況となった。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 20

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4.ワーク:リーンキャンバスの作成 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.

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事業計画の構成要素(概略) WHY? なぜ、この事業を行うのか? WHAT? WHERE? WHOM? 想定市場は?想定顧客は? 商品・サービスの内容は? HOW? どんな特徴で、どんなノウハウを使って行うのか? WHEN? いつ行うのか? WHO? 誰がやるのか? Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. HOW MUCH? 資金は?売上高や利益目標は? 22

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新規事業の取り組む際に直面する課題 事業創造で一番難しいのは、解決すべき課題を見つける ことである。「製品・サービスを作る」「お客さんに買っ てもらう」などの重要に思える要素よりも難しいとされて いる。 そのため、当初に想定したビジネスアイデアは、そのま までは機能しないことを意識する必要があり、製品・サー ビスは顧客とコミュニケーションを取る中で修正を行いア イデアが更新されていくことが望ましい。更に、製品・サ ービスが完成する前に顧客を作ることができていることが 理想的である。 新規事業では、時間やコストを最小限に抑え、いかに早 く事業を立ち上げるかが重要である。 その点で最も参考になる考え方が「リーンスタートアッ プ」の考え方である。 従来のマーケティングの考え方では、市場調査を行い、 環境分析によってビジネスプランを練り上げ実行に移すと いうコスト・時間両方が必要となる方法が成功だとされて きた。 一方、リーンスタートアップは、商品のコンセプトを基 に、どのような人が顧客なのか、顧客は本当に存在するか をスモールスタートで検証を行い、ニーズに合った商品を 完成させていくことがポイントとなっている。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. リーンスタートアップの考え方  新たなアイデアやコンセプトを素早く形にし、実際の顧客の反 応を見ながら製品やサービスの改善や軌道修正を行い、サイク ルを繰り返すことで、事業の成功の確度を高める方法  スモールスタートで始め、できるだけ早い段階で小さな失敗か ら学び、無駄なコストをかけずにユーザーのニーズに合った製 品やサービスを開発すrプロセス  成功を目指すのではなく、失敗の要素をそぎ落とす 23

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これまでの事業開発のパターン:ウォーターフォール ウォーターフォールモデルとは、事業開発やソフトウェア開発において各工程を順番に進める手法のことである。 このモデルでは各フェーズが明確に区分され、前のフェーズが完了してから次のフェーズに進む。 この手法は、大規模で複雑なプロジェクトにおいて、明確な進行管理が求められる場合に適しているとされる。し かし、各フェーズで成果物を作成し、次のフェーズに引き継ぐことが必要となるため、後のフェーズで計画性と予測 可能性が高いことから、発見された問題に対する修正が難しくなることが課題となる。 要求定義 システム分析 設 計 実 装 テスト 運 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 用 24

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置かれている状況を踏まえた事業戦略を行う 大企業とスタートアップの事業開発の違い 右の図は大企業とスタートアップの事業開発を行う上 での考え方の違いを表したものである。 大企業は、目的地が明確で道具などの調達も行いやす く、最短時間でたどり着くための意思決定ができる。 一方で、スタートアップは目的地は存在しても、予算 や時間の関係でたどり着くための方法が限られたり、目 的地そのものがずれていたりするため、探索をしながら 事業を形作っていく必要がある。 やみくもに走り出すの は命取り 地域ビジネスが置かれている状況 地域ビジネスを作る上では、製品・サービスや顧客、 売上、ビジネスモデル、人も含めてゼロからスタートす る可能性が高い。そのため、お金や資源が大量にある大 企業のような製品・サービス開発の方法を行うことは難 しい可能性が高い。 つまり、地域ビジネスを行う上でも誰も欲しがらない サービスを作るリスクは大きいため、顧客を見つけてか ら製品・サービスを作るスタートアップ型の事業開発を 行うことが望ましい。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 確立されていない 25

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ワーク:リーンキャンバスの作成  目的・ねらい リーンキャンバスを作成して、自身のビジネスモデルの主要な要素を整理して、改善すべきことや検証すべきこと を可視化する  ワークプロセス・時間 Step❶ リーンキャンバスの各要素について画面に説明を受けながら書き込む(20min) Step❷ 書き込んだ内容を受講生や学生メンターに共有を行いフィードバックをもらう(10min)  使用するフレーム リーンキャンバス Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 26

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リーンキャンバスの記載すべきこと ①顧客セグメント:顧客/利用者を描く 顧客セグメントには、顧客と利用者を記載する。顧客 とは、実際にお金を払ってくれる人や存在を指す。一方 で、利用者(ユーザー)とは、サービスを使ってくれる 人や存在を指す。顧客と利用者が一致しない場合もある ため、サービス設計を考えていく上では注意する必要が ある。 記載する上では、具体的な顧客と利用者を規定する必 要があり、実在の1人を発見することが重要である。 ②課題:解決すべき課題を考える 課題では、顧客/利用者が抱えている課題、解決を望ん でいる課題について洗い出す。 不満、苦情、妥協していること、優先度の高いものを 意識し、動詞になるように記載する。 また課題を考える上では、上記の課題を解決するため に現在、使用/利用している代替サービスや商品・手段を 思い浮かべると良い。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 27

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リーンキャンバスの記載すべきこと ③独自の価値提案:他との違いや提供する価値 顧客/利用者に対する明確な説得力のあるメッセージで、 自身のサービスが他のサービスと違っているのかを表現し たものである。 考える上では、どうして他ではなく、あなたを選ばない といけないのかを意識して考えると良い。 また、独自の価値提案を表現する上では、類似する既存 のサービスや事例に例えることで伝わりやすくなる。 誰のための商品か、どんなシーンで利用するか、使用す ることでどんなベネフィットを提供するものなのかを意識 して記載すると良い。 ④ソリューション:課題解決のための機能 ソリューションには、課題解決につながる具体的な方法 や解決策を記載する。 そのサービスがどんな商品・サービスなのか、どのよう に提供されるものなのか、具体的に何をするのかの3点から 掘り下げてサービスを考えることが重要になる。 書き出す上では、核となるソリューションを提示し、課 題を解決できるものである必要がある。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 28

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リーンキャンバスの記載すべきこと ⑤チャネル:どうやって顧客に届けるか チャネルには、どのようにサービス・商品(情報)を 顧客の手元に届けるのかを記載する。 顧客/利用者との接点が生まれる場所やつながりの方法 についても具体的に記載する。 チャネルの分類として、インバウンドとアウトバウン ドの2つの考え方が存在しており、インバウンドはプル型 (顧客から近づいてくる方法)、アウトバウンドはプッ シュ型(こちらから顧客に近づくもの)という2つの方向 性が存在しているため、分類して考えると良い。 ⑥収益の流れ/社会的影響:収益モデルと社会的インパク トを想定する 収益の流れ/社会的影響では、顧客からどのようにお金 をもらうのかを記載する。 収益は右の図を参考にすると良いとされる。一方で、 収益は必ずしも金銭的なもとは限らないため注意する必 要がある。 また、どのような社会的影響(インパクト)が起きる のかも記載する必要がある。サービスを提供することに よって金銭以外にも社会に対してどのような良い影響を 及ぼすのか考えることも重要なポイントとなる。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 事業収入 「主な事業」から得られる総額 物品販売によって受け取った代金、サービス の提供による対価として獲得した料金の他、 労務提供による賃金など 会費・寄付 会員制度を取る場合、募集会員×会費で総額 を計上 クラウドファンディングなどによる寄付等 補助金・助成金 公的補助、行政や財団・社団などからの助成 金等 その他 家賃収入、利子収入などのその他の収入とし て見込めるもの 29

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リーンキャンバスの記載すべきこと ⑦コスト構造:サービス提供にかかるコストを考える コスト構造には、サービスを提供・運営する上で必 要になるコストについて記載する。具体的な内容とし て、事業を運営する上で必要になる顧客獲得コスト、 流通コスト、製造コスト、仕入れコスト、広告宣伝コ スト、人件費、家賃、MVP(最小の試作品)構築コス ト、仮説検証のコストなどを考える必要がある。 事業費 「主な社会的活動」「主な収益活動」にかかる事業 費(材料費など仕入れ、製造、販売にかかる経費) の合計 人件費 社員、アルバイト、外部職員などにかかる人件費の 総額 賃借料 家賃、駐車場代などの総経費 通信費 電話、インターネットなどの通信費、郵送費(宅配 便含む) 交通費 通勤費(定期代)、および活動における日常上の交 通費の総計 備品費 備品、消耗品(机、椅子、筆記用具など)の総計 雑費 高熱水費、租税公課(印紙代ほか)等、活動上 返済 事業に関連する返済計画 ⑧主要指標:成長を計測するための指標を考える 主要指標には、サービスの成果、成長度合いを計測 するための指標は何かを記載する。 顧客獲得(ユーザーはどのように見つけるか)、顧 客の定着(満足度)、継続利用 (ユーザーは戻ってく るか)、収益(どのように儲けるか)、紹介(ユーザ ーが どれだけ紹介するか)などの要素を数的な指標と して、事業の成果を把握する方法について検討する必 要がある。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 30

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リーンキャンバスの記載すべきこと ⑨圧倒的な優位性:他社よりも優れている要素は何か 圧倒的な優位性では、自社製品が他の会社では真似・コ ピー・購入できないポイントを示す。 具体的な例として、内部情報(組織能力・メンバーのス キル・ネットワーク・経験・過去の実績)、正当な「専門 家」の支援(サポートしてくれる専門家や機関、プロボノ の存在)、ネットワーク(独自のネットワーク)、コミュ ニティ(アクセス可能なコミュニティ)、既存顧客(確実 に買ってくれている顧客)、経路依存性(他社では購入で きない強み)などが挙げられる。 ※リーンキャンバス作成後にすべきこと リーンキャンバスを作成後は、とにかく行動を起こすこ とが重要である。その中でも①サービスのリスクを見つけ る、②顧客の不満レベルを評価する、③外部の意見を求め るという3つのプロセスを行い検証することが事業を成功 させるために必要である。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 31

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5.ワーク:収益モデルの設計 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 ビジネスモデルには、基本的には収益が生まれやすい 10の型が存在する。今後新しい型が生まれる可能性もあ るが、現在は右に示す10の型を意識してモデルを考える と良い。 ①販売モデル(物販モデル) ②小売モデル ③広告収入モデル ④サブスクリプションモデル(定期課金モデル) ⑤従量課金モデル ⑥レンタルモデル ⑦フリーミアムモデル ⑧ライセンスモデル ⑨マッチングモデル(プラットフォームモデル) ⑩コレクションモデル ①販売モデル(物販モデル) 販売モデルは、商品やサービスを作って、直接顧客に 販売し、その対価として収益を得る伝統的なビジネスモ デルである。 中山間地域では、地域特産品や加工食品が主な対象に なる。商品・サービスの競争優位性が最重要になるビジ ネスモデルである。 ¥ 一般消費者 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 33

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 ②小売(卸売)モデル ¥ ¥ 一般消費者 仕入れ先 卸売 中山間地域では、観光地や地域密着型スーパー、地域 商社などが一般的で、商品以外の部分で何らかの差別化 が必要になる。 小売 小売モデルは、中間業者として地域の生産者から商品 やサービスを仕入れて売ることで利益を得る仕組みであ る。 ¥ ¥ 小売店 仕入れ先 ③広告収入モデル 広告収入モデルは、利用者に無料でサービスを提供し て、広告主からの収入で運営するモデルである。 ¥ 中山間地域では、観光や地域情報の発信を行うビジネ スモデルなどで活用されている。近年ではSNSなどの活 用も広告収入モデルのビジネスモデルに当てはまる。 認知料金 ¥ 広告費 広告枠 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 一般消費者 コンテンツ&広告 商品/サービス購入 広告主 ¥ 商品/サービス 34

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 サブスクリプションモデルは、定期間ごとに料金を徴 収して、顧客にサービスの利用権を貸与するビジネスモ デルである。 所有権 買い切り ④サブスクリプションモデル(定期課金モデル) ¥ 中山間地域では農産物や特産品の定期配送などのプラ ンで活用されることがある。 利用権 サブスク ¥ 利用権 ¥ 利用権 ¥ ⑤従量課金モデル 従量課金モデルは、サービスや商品の使用量に応じて 課金するモデルである。完全従量課金型から、定額テー ブル型など課金モデルも様々な形態が存在している。 中山間地域では観光体験や施設利用に適用されるビジ ネスモデルである。 参考) https://www.pci-sol.com/business/service/product/blog/subscription-billing-model/ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 完全従量課金型 従量型(上限あり) 定額従量混在型 定額テーブル型 35

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 ⑥レンタルモデル レンタルモデルは、商品や施設を一定期間貸し出し て収益を得るモデルである。 サービス 納品 中山間地域では、アウトドア用品や施設レンタルと して活用されることが多いビジネスモデルである。 返却 仕入先 ¥ ¥ 仕入れ代金 利用料 顧客 ベーシック版 ⑦フリーミアムモデル フリーミアムモデルは、基本サービスを無料で提供 し、追加機能やプレミアムサービスで収益を得るモデ ルである。 多くの顧客から収益を得られないため、プレミアム サービスに切り替えてもらう仕組みや提供価値をどれ くらい準備できるかが重要になるビジネスモデルであ る。 ¥ ベーシック版 多くの顧客 ¥ 0円 プレミア版 ¥ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 有料 一部の顧客 36

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 ⑧ ライセンスモデル サービス ライセンスモデルは、自社が持っているブランドや特 許技術を他社に与えて収益を得るモデルである。 地域ビジネスの場合は、地域が持っているブランドや 特許技術をライセンスとして他社に提供し、使用料を得 ることができる。 ¥ 利用権 ¥ 使用料 利用料 サービス ¥ 利用料 ⑨マッチングモデル(プラットフォームモデル) マッチングモデルとは、供給者と需要者をマッチング させる仕組みで収益を得るモデルである。 中山間地域では観光や移住支援に活用することができ るビジネスモデルである。 仲介サービス 掲載主 ¥ 掲載料 サービス ¥ ¥ 手数料 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 顧客 37

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収益モデルの検討とビジネスモデル図解 ⑩コレクションモデル コレクションモデルは、収集欲を満たす商品やサービ スを販売するモデルである。 中山間地域では特産品や観光地の限定アイテムを対象 にして作ることができるビジネスモデルである。 パーツA 顧客 ¥ 料金 パーツB ¥ パーツC ¥ Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 38

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ビジネスモデル図解の基本構造 ビジネスモデルの設計においては、ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバスなど様々なツールが広がってい るが、より視覚的にビジネスの主要な関係性を可視化する方法として、ビジネスモデル図解がある。 ビジネスモデル図解では、ビジネスモデルに関係する事業主体、顧客、利害関係者、メインプロダクト、関係サー ビスの間のモノ・カネ・情報の流れを可視化したものである。 参考)『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』全文公開 https://note.com/bizgram/n/n3dbed12f95ea Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 39

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ビジネスモデル図解の構造(詳細) Who ビジネスモデルの事業が誰に向けたものなのか、利用者 や顧客について書き出す部分となる。 Who だれに What 提供する商品やサービスについて記載する部分となる。 How 商品・サービスを顧客に届ける方法について記載する部 分となる。 Who 事業の実施主体と連携パートナーについて記載する部分 となる。 How What どのように なにを Who だれが 参考)『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』全文公開 https://note.com/bizgram/n/n3dbed12f95ea Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 40

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ビジネスモデル図解の書き方と中核要素 ビジネスモデル図解は次の順番に沿って検討していくことに なる。 ①「だれに」は、その事業は誰のために行われているかにつ いて考え、具体的なターゲットを記載する。 ②「なにを」は、何がその事業として行われているか、サー ビス名や商品名を記載する。 ③「だれが」は、事業の実施主体が誰かについて記載する。 ④「なにが重要」は、事業と特徴づける重要な関係者やモノ を記載する必要がある。 ⑤「だれが関係(企業側)」は、事業実施に影響を与える企 業や重要な関係にある組織について記載する。 ⑥「だれが関係(顧客側)」は、顧客に影響を与える利用者 や重要な人物や組織について記載する。 ⑦「だれが関係しているか線をつなぐ」は、モノ、お金、情 報の流れについて記載を行う。 参考)『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』全文公開 https://note.com/bizgram/n/n3dbed12f95ea Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 41

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ワーク:ビジネスモデル図解の基本構造  目的・ねらい ビジネスモデル図解シートを作成して、ビジネスモデルの構造を理解するだけではなく、ビジネスを進める上で必 要となるパートナーや顧客側の関係者などの全体像を把握することを目的に行う  ワークプロセス・時間 Step❶ ビジネスモデル図解の作成を行う(30min) Step❷ 学生メンターが受講生のビジネスモデルにフィードバックを行う(10min)  使用するフレーム ビジネス図解フレームシート 参考)『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』全文公開 https://note.com/bizgram/n/n3dbed12f95ea Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 42

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6.実施風景 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved.

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ワーク:メンタリング振り返りワーク 最初のワークとしてメンタリングの振り返りワー クを実施した。 振り返りワークでは、メンターとのアドバイスの振 り返りを行い、今後のアクション設定を行うことが 共有された。 担当の学生メンターと受講生がペアとなって振り返 りを行った。 受講生からは、実施してみた感想やメンターから 得られた新たな考え方が共有された。 メンタリング内容の共有後は、学生メンターが内 容を深堀りし、メンタリング当日には感じられな かった気づきについて深めた。 振り返り後は、アイデアブラッシュアップのため に、次回メンタリングまでのアクションについて 話し合いが行われた。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 44

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キーノート:丑田氏の講演の様子 講師の須藤より、丑田氏の紹介が行われキーノー トがスタートした。 丑田氏よりこれまで立ち上げてきた事業の詳細や注 意点、お金の集め方などが共有された。 受講生は、各々の関心と紐付けながら丑田氏の話を 聞いていた。 丑田氏の話をメモとして残している受講生も見ら れた。 話を深掘ることを目的に講師との対話も行われ、 地域ビジネスの顧客への情報発信の注意点につい て述べられた。 講演後は、受講生から質問も行われた。丑田氏の 事業を進める上での仲間の集め方などが質問され た。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 45

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インプット 最初のインプットとして、地域ビジネスでとるべ き検証方法が共有された。 受講生は、現在のビジネスの検証方法が誤った方向 性になっていないか考えていた。 ワークの途中にも、受講生の理解状況に応じて講 師より追加のインプットが行われた。 後半のインプットでは、ビジネスモデルの型につ いて共有が行われた。 メモ用紙などを持参して、メモを取っている受講 生も見られた。 インプットの途中には疑問点について質問が行わ れることもあった。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 46

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ワーク:リーンキャンバスの作成 地域ビジネスのブラッシュアップには、時間をか けずにビジネス内容を可視化するリーンキャンバ スが適切であることが共有された。 受講生は、リーンキャンバスに自分のビジネスプラ ンの要素を記載した。 リーンキャンバスを書く際には、講師が要所ごとに 解説を入れながらワークが進められた。 解説として、9箇所の各要素の記載内容やアイデア を深掘るポイントなどが共有された。 リーンキャンバスへの記載は、修正できるように 付箋に書き出された。 作成中に困った点がある場合は、学生メンターが サポートに入った。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 47

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ワーク:ビジネスモデルキャンバスの作成 ビジネスモデルキャンバスの作成前にビジネスモ デルの10の型が共有された。 共有後、受講生は各自ビジネスモデルキャンバスの 作成に取り組んだ。 作成方法が不明な場合は、何度もスクリーンを確認 して作成が進められた。 自分のビジネスプランが型の中のどれに当てはま るか考える受講生も見られた。 思い浮かばない場合は、学生メンターに質問を行 う受講生も見られた。 受講生のビジネスモデルには学生メンターからフ ィードバックが行われ、ブラッシュアップを行な った。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 48

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問い合わせ先 四万十町役場人材育成推進センター 担当:中井智之・吉村愛 〒786-0008 高知県高岡郡四万十町榊山町3番7号 E-mail:103060@town.shimanto.lg.jp TEL:0880-22-3163 FAX:0880-22-3345 高知大学地域協働学部コミュニティデザイン研究室(須藤順研究室) 担当:准教授 〒780-8520 須藤順 高知県高知市曙町2-5-1総合研究棟1階 Web:https://www.communitydesign-kochi.jp/ E-mail:j.suto@kochi-u.ac.jp TEL:088-888-8077 FAX:088-888-8043 ※本講座に関する問い合わせは上記までお願いいたします。 ※本資料の無断での配布、外部組織や個人への配布・閲覧、及び二次使用は、固く禁止させて頂きます。 Copyright © 2024 Jun SUTO All Rights Reserved. 49