Evidenced-based Nursing (EBN) とは

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September 26, 24

スライド概要

オープンゼミ #1の資料です。

ななーる訪問看護デベロップメントセンターでは、「看護研究を"楽しむ"のみんなのTIPS」と題して、定期的なオープンゼミを開催します。

このオープンゼミの目的は、看護師や若手研究者、看護系大学生・院生が看護分野の研究に対する理解を深め、知識を共有し、研究コミュニティの輪を広げることです。

〇参加できる方
・看護師
・保健師
・助産師
・看護系学生
・看護系研究に関わる研究職や教職員

いずれの方も、ゼミの参加者・発表者双方の役割を自由に担うことができます。
弊センターは訪問看護に関する研究施設ですが、オープンゼミは研究フィールド等を制限しません。
詳しくはゼミページへ:https://seminar-dc.peatix.com

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訪問看護・在宅看護の研究施設「ななーる訪問看護デベロップメントセンター」のセンター長。「研究と実践をつなぐ」がミッション。 研究テーマ:神経難病支援、訪問看護データベース研究 etc

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各ページのテキスト
1.

Evidenced-based Nursing (EBN) とは ななーる訪問看護デベロップメントセンター オープンゼミ #1 石川 武雅

2.

EBNの歴史

3.

EBNの始まり-Florence Nightingale • Florence Nightingale (1820-1910) • クリミア戦争 兵士の死亡率と罹患率の影響因子分析 →衛生環境改善の取り組み Florence Nightingale from Carte de Visite

4.

EBNの始まり-Florence Nightingale David Rumsey Map Collection

5.

EBMの基礎を築く―Archie Cochrane • Archie Cochrane (1909-1988) • 1972年 治療の意思決定が系統的な臨床証拠に基づいていない →系統的レビューの重要性を主張 • のちの「コクランレビュー」 Cochrane

6.

EBMの概念を提唱-Evidence-Based Working Group • EBM -”A NEW paradigm for medical practice” • 1990年代以降 科学的な根拠に沿った治療選択を Evidence-Based Medicine Working Group: Evidence-based medicine. A new approach to teaching the practice of medicine. JAMA. 1992.

7.

EBMからEBP,そしてEBNへ “EBP:根拠に基づく実践”として 看護を含むコメディカルへ

8.

EBMからEBP,そしてEBNへ 看護分野で 「Research-based practice」という 言葉が使われ始める Church S, Lyne P. Research-based practice: some problems illustrated by the discussion of evidence concerning the use of a pressure-relieving device in nursing and midwifery. J Adv Nurs. 1994.

9.

EBMからEBP,そしてEBNへ Williams K, Roe B, Sindhu F. Using a handbook to improve nurses' continence care. Nurs Stand. 1995.

10.

EBMからEBP,そしてEBNへ (恐らく) 初めてEvidence-based nursingが 使われだした論文 Simpson B. Evidence-based nursing practice: the state of the art. Can Nurse. 1996.

11.

21世紀 EBNの急速な発展 グロー バル化 個別化 した看護 DX AI ビッグ データ

12.

EBNのステップ Step Zero: 探求心を養う (Cultivate a spirit of inquiry) Step 1: PICOT形式で臨床的質問を問う (Ask clinical questions in PICOT format) Step 2: 最適なエビデンスを探す (Search for the best evidence) Step 3: エビデンスを批判的に評価する (Critically appraise the evidence) Step 4: エビデンスを臨床的専門知識や患者の嗜好、価値観と統合する (Integrate the evidence with clinical expertise and patient preferences and values) Step 5: 実践結果をエビデンスに基づき評価する (Evaluate the outcomes of the practice decisions or changes based on evidence) Step 6: EBNの成果を普及する (Disseminate EBP (N) results) Melnyk BM et al. 2010

13.

Step Zero: 探求心を養う どうすればもっと良いケアが提供できるのかを考える →日ごろから疑問を

14.

Step 1: PICOT形式で臨床的質問を問う Q: 耐圧分散マットは長期寝たきりの高齢者における褥瘡発生を減らすのか? P (Patient) • 長期寝たきりの高齢者 I (Intervention) • 耐圧分散マットの使用 C (Comparison) • 通常のマット O (Outcome) • 褥瘡の発生 T (Time) • 3か月間

15.

Step 2: 最適なエビデンスを探す PICOT形式の臨床疑問をもとに検索 キーワード 「長期寝たきり」 「高齢者」 「耐圧分散マット」 「褥瘡」

16.

Step 3: エビデンスを批判的に評価する 見つけた文献を批判的に評価 どれだけ信頼できるか 研究結果は信頼できるか? 研究結果は重要か? • 研究方法は適切か • 介入研究……信頼性,バイアス, 再現性など • 質的研究……研究目的にあった アプローチか 研究結果は自分の患者ケア に役に立つか? • 自分の患者と類似しているか • 利益がリスクやコストを上回るか

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Step 4: エビデンスを臨床的専門知識や患者の嗜好、価値観と統合する 自分の臨床経験 エビデンス 社会的背景 患者の価値観や希望

18.

Step 5: 実践結果をエビデンスに基づき評価する 論文と同様の結果が得られたか 得られなかったとしたら,それはなぜか

19.

Step 6: EBNの成果を普及する 結果を仲間,他の医療機関と共有する 職場内の共有だけでなく,学会や専門誌への投稿も

20.

Take Home Messages • EBNの歴史 始まりはナイチンゲール 1990年代 医学分野からコメディカルへ 22世紀 ITの進歩とともに 急速に発展 • EBNとは ステップを踏んで実践・評価 エビデンスを,実際の対象を見て吟味する 単にエビデンスに従うことではない