openEHR 2026年第2回研究会

155 Views

February 28, 26

スライド概要

openEHR/FHIRでのarchetype, template, profie設計について解説しています。

profile-image

スライドで断りのないものはCC-BYライセンスで公開しています。自由に改変、再配布してもらって構いませんが、出典は明記してください。 1970年生まれ。マイコン少年として育ち、1995年に医師免許取得。以後、血液内科で修練すると同時にインターネット、情報システムに興味を持ち医療情報学の研究を始める。 医療分野のオープンソースソフトウェア、医療情報標準規格について研究、医療DX教育にも携わってきた。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

2026年第2回 openEHR研究会 小林慎治

2.

Agenda • openEHR/FHIR設計プロセス • 事例紹介 • 特定疾患克服研究事業 • 抽象化・具象化 • モデリング • スプレッドシート • マインドマップ • 分解

3.

openEHR Template / FHIR Profile 設計プロセス • 対象を決める • 対象に関連した帳票や資料を集める • 帳票を分析し、繰り返して現れる「言葉」や「構造」をまとめる • それらの「言葉」や「構造」に対応する過去の事例や使える標準を 探す • ない場合はそれらの「言葉」や「構造」を元に既存の Resource/Archetypeに加える。 • Archetype/templateやProfileにまとめる

4.

特定疾患克服研究事業 • 「難病」 • 原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病 • 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等 に著しく人手を要す るために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾患 • 「特定疾患」 • 一応の診断基準があり難治度・重症度が高く原因究明・治療確立などが公費負 担の形をとらないと困難となる可能性のある疾患 • 56疾患,16万人 • 公費負担 • 収入,重症度に応じて治療に補助(原則無料) • 調査研究 • 疫学研究,治療効果,治療の質の評価向上

5.

対象56疾患 01 ベーチェット病 22 後縦靱帯骨化症 41 亜急性硬化性全脳炎 02 多発性硬化症 23 ハンチントン病 42 バット・キアリ (Budd-Chiari)症候群 03 重症筋無力症 24 モヤモヤ病 (ウィリス動脈輪閉塞症) 43 慢性血栓塞栓性 肺高血圧症 04 全身性エリテマ トーデス 25 ウェゲナー肉芽 腫症 44 ライソゾーム病 05 スモン 26 特発性拡張型 (うっ血型)心筋症 (1)ライソゾーム病 (ファブリー病を除く) 06 再生不良性貧血 27多系統萎縮症 (2)ライソゾーム病 (ファブリー病) 07 サルコイドーシ ス (1)線条体黒質変性 症 45 副腎白質ジ ストロフィー 08 筋萎縮性側索硬化症 (2)オリーブ橋 小脳萎縮症 46 家族性高 コレステロール血症(ホモ接合体) 09 強皮症/皮膚筋炎及び多発性筋炎 (3)シャイ・ドレー ガー 47 脊髄性筋萎縮症 10 特発性血小板減 少性紫斑病 28 表皮水疱症(接 合部型及び栄養障害型) 48 球脊髄性筋萎 縮症 11 結節性動脈周囲炎 29 膿疱性乾癬 49 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 (1)結 節性多発動脈炎 30 広範脊柱管狭窄症 50 肥大型心筋症 (2)顕微鏡的多発血管炎 31 原発性胆汁性肝硬変 51 拘束型心筋症 12 潰瘍性大腸炎 32 重症急性膵炎 52 ミトコンドリア病 13 大動脈炎症候群 33 特発性大腿骨頭 壊死症 53 リンパ脈管筋 腫症(LAM) 14 ビュルガー病 (バージャー病) 34 混合性結合組織 病 54 重症多形滲出 性紅斑(急性期) 16 脊髄小脳変性症 35 原発性免疫不全症候群 55 黄色靭帯骨化症 17 クローン病 36 特発性間質性肺炎 56 間脳下垂体機能障害 18 難治性肝炎のう ち劇症肝炎 37 網膜色素変性症 1.PRL 分泌異常症 19 悪性関節リウマ チ 38 プリオン病 2.ゴナドトロ ピン分泌異常症 20 パーキンソン病関連疾患 (1)クロイツフェル ト・ヤコブ病 3.ADH分泌 異常症 (1)進行性核上性麻 痺 (2)ゲルストマン・ ストロイスラー・シャインカー病 4.下垂体性 TSH分泌異常症 (2)大脳皮質基 底核変性症 (3)致死性家族性不眠症 5.クッシング 病 (3)パーキンソン病 39 肺動脈性肺高血圧症 6.先端巨大症 21 アミロイドーシ ス 40 神経線維腫症Ⅰ 型/神経線維腫症II型 7.下垂体機 能低下症

6.

特定疾患の特徴 • 鑑別の難しい疾患が多い • クローン,UC • 眼瞼下垂を伴うSLE • 疾患概念が変遷する可能性がある • 球脊髄筋委縮症 • 湯浅三山変性を伴うALS • 今後,病型移行がありうる • 20代女性,ITP,抗核抗体陽性 疾患横断的なデータ収集が必要!

7.

とりくむべき課題 • データ項目の整理 • 疾患横断的,共通項目の洗い出し • 個人ID • 追跡調査のための個人識別 • 診断,評価の精度向上 • 除外診断項目,確定診断項目 • 感度特異度 • 重症度分類の整理 • 項目を入力するか,評価した重症度のみにするか • Hb<10g/dl,Alb<3g/dl or 重症度2

8.

情報モデルの作成 • 共通項目,関連項目の整理 • スプレッドシート • マインドマップ図 • 既存のデータ標準との整合性 • ISO 13606規格準拠 • 先行しているオーストラリアの例にならって

9.

調査票(潰瘍性大腸炎)

10.

スプレッドシート ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 初発症状 精神症状 知能障害 視力障害 聴力障害 構音障害 嚥下障害 歩行障害 感覚障害 膀胱直腸障害 その他 あり・なし あり・なし あり・なし,左,右,両側 あり・なし,左,右,両側 あり・なし あり・なし あり・なし あり・なし あり・なし あり・なし,自由記載 臨床経過 再発寛解型,一次進行型,二次進行型 ● 診断書作成時の状況 増悪期、寛解期(再発からの期間) 病態 病型 経過 病巣 MS:寛解 増悪型,2. 一次進行 型,3.二 次進行 型,NMO, その他 診断まで の再発回 数,進行 期移行時 期 1:視神 経,2:大 脳,3:脳 幹,4:脊 髄,5:その 他( ) ● ● ● 2. 既 往歴(あ り 、 な し、あり の場合疾 患 名 、 必ずしも 必 要 な い)、 present/ab ● ● ● ● ● 家族歴 present/a bsent, relationshi p(UCの場 合は家族 内UC/CD の有無 も), SLE/PAN の場合は 膠原病の 種類 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 薬剤投与歴 喫煙歴 飲酒歴

11.

マインドマップ1

12.

マインドマップ2

13.

マインドマップ3

14.

抽象化・具象化 抽象モデル 具象モデル • 汎用性志向 • 実用性志向 • 長所 • 長所 • 多くの帳票で共通する部分をデー タとして定義する • 実装を多用途に利用できる。 • 再利用性が高い • 短所 • 設計コストが高い。 • 具体的な事例には個別対応が必要。 • 実際の帳票そのままデータとして定 義する。 • 設計コストが低い • 短所 • 個別用途のみで再利用性が低い。

15.

制約モデル • 抽象モデルに制約を設けることで個別事例に対応 • 汎用モデルに対応した汎用実装を使うことで実装コストを低減 • 制約を設けて選択肢を少なくすることで実装コストを下げる。 • 制約 • Cardinality:繰り返しの有無、省略の有無 • ターミノロジー結合:使用するターミノロジーを指定する • エレメントの追加:個別のエレメントを追加する。 •例 • FHIR: Resource-Profile • openEHR: Reference model – Archetype model Template

16.

モデル分析・設計 openEHR Template HL7 FHIR Profile • 階層構造 • 階層構造 • COMPOSITION • ENTRY (EVALUATION, OBSERVATION, INSTRUCTION, ACTION) • CLUSTER • 全てArchetype。 • 下位のArchetypeを組み込むことはで きるが逆はできない • 特殊化対応 • Archetype – specialize • 分解-結合 • 全ての項目をArchetypeに分解し Compositionで組み合わせる • Bundle-Composition • Resource • Profile • 個別用途はProfileで定義していくが Profileの下にProfileが入ったり Resourceが入ることもある • 特殊化対応 • Profile • 分解-結合 • 全ての項目をResource/Profileで設 計しBundle profileで設計する

17.

openEHR参照モデルの構造

18.

FHIR Resource index

19.

情報モデルの探し方 openEHR Archetype HL7 FHIR • 種別を同定する • 種別を同定する • 構造 • COMPOSITION • SECTION • 臨床情報 • ENTRY • • • • EVALUATION OBSERVATION INSTRUCTION ACTION • CLUSTER • 患者属性情報 • DEMOGRAPHICS • 既存の情報モデルを探す • CKM • Resource index • • • • • Foundation Base Clinical Financial Specialized • 既存の情報モデルから探す • 各国で整備されている**-Coreを探す • 日本だとJP-Core

20.

openEHR CKM

21.

該当する情報モデルがない場合 openEHR HL7 FHIR • 既存のArchetypeで近いも のを探す • 既存のResourceで近いもの を探す • 近いものを用途に合わせて Specialiseする • Resouceに対応するProfile を作る • 存在しない場合 • 対応する参照モデルから Archetypeを設計する • 存在しない場合 • Document-Profileなど設計 していく必要がある。

22.

仕様するツール類 openEHR FHIR • Archetype Designer • Simplifier • Ocean Archetype editor • Ocean Template designer • Sushi • Web上でArchetypeを編集す るツール • Profile設計を行うツール • Teamで行うには有料 • FSHという言語でProfileなど を設計するツール

23.

Excelでの作業 • 項目、値の正規化 • 複合項目の分離 • 繰り返し構造の分離 • 値と修飾の分離 • データ型、単位 • 再分類 • 項目の関連性ごとに分類 • 既存の分類に合わせる • 「しろぼん」 • 教科書 • レイアウト上のグループ • Terminology binding • Model binding

24.

Mindmapでの作業 • 項目、値の正規化 • 枝分け • 再分類 • 枝まとめ • Terminology binding • Model binding

25.

肥満度

26.

情報モデル設計 • 対象や目標を改めて確認 • 目的:帳票・フォームのデータ格納、データ交換 • 対象としないもの • 既存(あるいは類似)のモデルはあるのか • Profile, Archetype, Template • 項目名決定 • どのTerminologyを使うか • ない場合は整備するか • Cardinality • 省略可(0..1)、必須(1..1)、繰り返しあり(0..*)(1..*) • Terminology bindings • 値でTerminologyが必要なものがあるか • 値の扱い • 単位 • 序数(1+, 2+..) • 範囲や日時などの特殊な値

27.

LOINCの6軸分解 • Component • 何を観察したものか? • Property • その性質はどのようなものか? • Time • いつ観察されたものか?どの時間軸か? • System • どの検体か?対象は何か? • Scale • 結果の尺度、定量、定性、序数 • Method • 測定方法はどのようなものか?

28.

JLACコードの構成 • 分析物 • 大分類、中分類、小分類 • 総蛋白、白血球など • 識別 • 定性、定量、ウイルス抗原、 • 材料 • 便、尿、血液など • 測定法 • ラジオイムノアッセイ、 • 結果識別 • 定量値、構成比など • 単位(JLAC11) • /mL, mg/dLなど

29.

openEHR OBSERVATION

30.

FHIR Observation • code • value • Quantity, Boolean, string, integer, range, period, ratio, time • bodySite • method • specimen • reference range • interpretation

31.

参照モデルの選び方 • 頻用されるもの • Story(病歴や症状) • Lab result(検査結果) • Problem/Diagnosis • OBSERVATION/EVALUATION • APGAR Scoreなどの指標やがんの病期など • OBSERVATION • データが発生した時刻が1点で記録できる(過去形) • 主観的な解釈の余地がない • EVALUATION • データが発生するまでのある程度の期間を元にデータが作成される(完了形) • 主観的な判断に基づく

32.

まとめ • HL7 FHIRやopenEHRで標準形式を作る場合に現実の帳票や フォームに合わせて情報モデルを設計する必要がある。 • スプレッドシートを使ったり、マインドマップを使って整理していけ ば、対象が「みえてくる」。 • LOINCの6軸分解やopenEHR RM-OBSERVATION、FHIR のObservationの構造を理解しておくと整理がしやすい。