プレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する手法の提案

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January 20, 22

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プレゼントと渡す相手の持ち物との被りを軽減する手法の提案と有用性の検討を行った

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

プレゼントと相手の持ち物との 被りを軽減する手法の提案 清水亜美(明治大学 4年) 野中滉介 中村聡史(明治大学)

2.

はじめに プレゼントを渡す機会はたくさんある • 誕生日 • 卒業式 • 結婚 • 出産

3.

はじめに プレゼントに対して悩みを持つ人は多い あなたはこれまでにプレゼントを選ぶときに 困ったことがありますか? N=500 マイボスコム株式会社 2015 「プレゼント選び」に関する インターネット意識調査より

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はじめに プレゼント選びで困る理由は様々ある • あげる相手の趣味嗜好を掴むことが困難 • 家族や友人に対するプレゼントのネタ切れ ↓ プレゼントに関するまとめサイトや プレゼントに適した商品を推薦してくれるサービスがある

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問題 プレゼントともらう側が既に持っている物が被ってしまうことが起き, お互い気まずい思いをしてしまう プレゼントが あるんだ! これ持ってる.. 楽しみ! あれ,なんか 反応悪いなぁ ありがとう...

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問題 • 直接相手に欲しい物を聞く →サプライズ感が減ってしまう • ほしい物リストを公開してもらう →ほしい物リストを他者に知られることに躊躇する人も多い

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目的 プレゼントをあげる相手に直接欲しいものを聞かずに プレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する

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問題解決のために プレゼント選びでは • 相手の趣味嗜好を探りつつ, 直接欲しいものを聞かずに, コミュニケーションを 取りながら選ぶことが必要 adidas puma 鬼滅の刃 スニーカー 漫画 僕の好きなもの 僕の詳しいもの • どの程度好きなのかや 知識量などの情報も重要 Nike

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マインドマップ 表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置き, そこから放射状にキーワードやイメージを広げ,繋げていくデータ表現の1つ

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マインドマップと趣味嗜好の類似 鬼滅の刃 puma adidas Nike スニーカー 漫画 似ている 僕の好きなもの 僕の詳しいもの

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提案手法 • マインドマップの要素を取り入れた,あげる相手に 直接欲しいものを聞かずに欲しいものを探るシステム 「プレゼントマップ」を提案 • お互い会話をすることなく趣味嗜好や詳しい事柄を 枝分かれグラフに交代で追加していき,あげる相手の 興味度合いや知識などを推し量りながらプレゼントを考える

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提案手法への期待 あげる側 もらう側 普段の会話やメッセージのやり取りからは 知り得なかったお互いの趣味嗜好に関する 情報が得られ,今まで思いつかなかった プレゼントを思いつくことができるようになる プレゼントマップのどこからプレゼントが もらえるのかわからないというサプライズ感 を得られると期待される

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システムデザイン • あげる側ともらう側が自分の好きなものや詳しいことを 追加していくことで作成を進めていく • 追加はターン制とし,1回のターンで3回操作を要求するものとした → テンポよくノードを広げつつ, また操作をしなければならないという強制力を発揮するため • 相手がそれに詳しいかどうかを把握するための「問いかけ機能」や, 相手の書き込みに対して共感を示す「いいね機能」を組み込む

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プレゼントマップの様子

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仮説 プレゼントマップによって相手の趣味嗜好や興味度合いを探るこ とができ,プレゼントと相手の持ち物との被りが軽減できる

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実験 オンラインで会話をせずにプレゼントマップの作成を行った 「卒業のお祝いのプレゼントを考えてください」 「誕生日のプレゼントを考えてください」 あげる側 もらう側

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実験 • もらう側の人1名に対してあげる側の人を 2名割り当て,一対一でプレゼントマップを 作成する実験を2回実施した • 事前プレゼント2つと事後プレゼント2つを 匿名で表示し,もらう側に人に満足度や 既に持っているかどうかの評価をしてもらった

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作成例①

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作成例②

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作成例③

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結果 「プレゼントは既に持っていましたか」 →「持っている」と回答 事前プレゼント 事後プレゼント 5件/16件 2件/16件

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結果 あげる側 • 「選んだプレゼントに自信がありますか」(1〜5の5段階評価) • 「プレゼントはすぐに思いつきましたか」(1〜5の5段階評価) • 「相手の趣味嗜好をどの程度把握していますか?」(1〜5の5段階評価) もらう側 • 「プレゼントの満足度」(100点満点) もらう側 について あげる側について プレゼントの自信 思いつき速度 相手の趣味の把握度合い 満足度 事前 2.9 3.4 2.1 78.1 事後 4.0 3.0 3.0 87.2

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考察:被りの軽減について 「このプレゼントを選んだ理由は何ですか?」 事前プレゼント 事後プレゼント • 「いくつあっても困らないものだから」 • 「スキンケアに興味があるということだったため」 • 「相手からの問いかけから, 興味はあるけど詳しくないものであるの でまだ持っていないものではないかと思った」 • 「無難で何枚あっても困らなそうだから」 → 相手の趣味嗜好を考えずに選んだ 無難なものであったり, 相手が持っているものかどうかを 考えずに選んでいる → 相手の趣味嗜好を プレゼントマップから探るようになった

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考察:被りの軽減について • 事後プレゼントで被ってしまった2件は, 「コーヒーとフィナンシェ」と「switchのワイヤレスコントローラー」であった • しかし,事後プレゼントが被っていてもその満足度が上がっていた • 「プレゼントマップに書き出したものの中で 今一番自分が欲しいもの(or興味あるもの)は何ですか?」 被っていたとしても欲しいものであった →「コーヒー」と回答

25.

考察:プレゼントマップの作成傾向(あげる側) 「相手が持っていないものかどうか判別は出来たか?」 判別できた 7件/16件 そもそも判別しな かった 7件/16件 判別しようとした ができなかった 2件/16件

26.

考察:プレゼントマップの作成傾向(あげる側) 決定のタイミングについて 𝑘 𝛽= 𝑁 k:最終的に選ばれたプレゼントに関連するノードが 追加された操作番号 𝑁:総操作数 操作番号 操作内容 1 2 3 4 5 6 7 映画を追加 韓国を追加 K-popを追加 音楽を追加 漫画を追加 少女漫画を問いかけ 洋画を追加 8 音楽にいいね 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 ファッションを追加 ドラマを問いかけ ジブリを追加 グルメを追加 ジブリにいいね K-popにいいね BTSを追加 BLACK PINKを追加 フランス映画を追加 Disney映画を追加 トトロを追加 (ジブリのグッズが選ばれた場合k=13, N=19, β=0.68)

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考察:プレゼントマップの作成傾向(あげる側) 「相手が持っていないものかどうか判別は出来たか?」 判別できた 7件 β=0.550 そもそも判別しな かった 7件 β=0.709 判別しようとした ができなかった 2件 β=0.711

28.

考察:プレゼントマップの作成傾向(あげる側) 「相手が持っていないものかどうか判別は出来たか?」 判別できた (判別群) 7件 β=0.550 そもそも判別しな かった途中で候補が浮かんだ後も探索を続ける β=0.709 7件 (無判別群) ことによって,判別していった 判別しようとした ができなかった (判別失敗群) 2件 β=0.711

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考察:プレゼントマップの作成傾向(もらう側) 「プレゼントの満足度:最高得点−最低得点=30点」 差あり群 差なし群 4件/8件 4件/8件

30.

考察:プレゼントマップの作成傾向(もらう側) 「選ばれたプレゼントのノードがrootから何番目のノードか 」 差あり群 4件 3.6 差なし群 4件 2.8

31.

考察:プレゼントマップの作成傾向(もらう側) 「選ばれたプレゼントのノードがrootから何番目のノードか 」 差あり群 3.6 好みがはっきりとしていると 分岐が深くなっていく傾向が見られた 差なし群 2.8

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考察:プレゼントマップの影響(あげる側) 「実験について感想があれば教えてください」 • 「相手の趣味嗜好を新しく知ることもできるし, 再確認も可能であったためプレゼントを考える上で 事前 使っていてすごくやりやすかった」 • 「喋らないでやることで,相手の次の動きがどうなるか 事後 ワクワクする感じがしたのでおもしろいなと思った」 • 「いいねやノード追加の動きから相手の心を読み取るのが, 推理ゲームみたいで面白かった」 プレゼント の自信 思いつき 速度 相手の趣味の把 握度合い 2.9 3.4 2.1 4.0 3.0 3.0 → 普段のコミュニケーションからは得られなかった 新たな相手の趣味嗜好をより知ることができたのではないか

33.

考察:プレゼントマップの影響(もらう側) 「1位のプレゼントはなぜ1位にしたのですか?」 • 「そういうものがあること自体知らなかった」 • 「自分では買おうとはならないけれど,使ってみたいと思ったから」 • 「持っていないけどとても気になっていたものだったし, 自分では買わないようなものだから」 →もらう側の趣味嗜好だけではなく あげる側の趣味嗜好も考慮しプレゼントを選んでいるため, 自分では買わないようなものがもらえるようになり プレゼントに対する満足度が上がったのではないか 満足度 事前 78.1 事後 87.2

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今後の展望 • 1つのプレゼントマップによる双方向のプレゼント交換への 有用性を調査し,もらう側の負担を軽減するように検討していく • 実際にプレゼントをあげるケースに適用し,有用性を検証していく

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まとめ 背景 問題 プレゼント選びに困る人がたくさんいる • プレゼントと相手の持ち物が被ってしまうことがある • 直接聞くのはサプライズ感が減る・ほしい物リストは公開したくない人もいる 目的 直接欲しいものを聞かずに,プレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する 結果 • 被りが軽減された あげる側:新たな相手の趣味嗜好が得られ,プレゼントに対する自信がついた もらう側:プレゼントに対する満足度が上がった 展望 双方向のプレゼント交換への有用性を調査・もらう側の負担の軽減を検討