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December 19, 17
スライド概要
SIGHCI175発表資料(高橋拓)
タスクの作業効率をあげるには,集中することが重要であるが,集中をコントロールする手法は確立されていない.ここで,1 つのことに集中すると周りが見えなくなるという表現はよく利用されている.つまり,集中時は非集中時に比べて受け取る情報量が少ないと予想される.そこで,ユーザの周辺視野にあえてノイズとなる妨害刺激を提示し,そのノイズを徐々に減衰させることによって,ユーザが集中しているかのように錯覚させ,集中を促進する手法を提案する.また,本手法を PC での作業に適用し,周辺視野へ減衰型妨害刺激を提示することによって,人の集中度やタスク達成度がどのように変化するのかを調査する.
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
周辺視野 における妨害刺激 の 減衰 が 集中度 に及ぼす影響 高橋 拓(明治大学 総合数理学部 3年) 福地 翼 山浦 祐明 松井 啓司 中村 聡史 明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科
背景 集中をすることは重要!
背景 集中をすることは重要! 自力での集中促進は困難…
背景 集中をすることは重要! 自力での集中促進は困難… 外部刺激 から 集中 をコントロール! ?
関連研究 | 嗅覚・聴覚刺激 嗅覚刺激で 聴覚刺激で [阪野 2008] [阿部 2010] 集中を促進 集中を促進
関連研究 | 嗅覚・聴覚刺激 嗅覚刺激で 集中を促進 聴覚刺激で 集中を促進 環境に左右される 個人への提示が困難 [阪野 2008] [阿部 2010]
関連研究 | 視覚刺激 視覚刺激で 集中を促進 [橘 2012]
関連研究 | 視覚刺激 視覚刺激で 集中を促進 [橘 2012]
関連研究 | 視覚刺激 視覚刺激で 集中を促進 汎用性が低い 認知すべき情報が多い [橘 2012]
目的 より少ない視覚刺激で 無意識的に 集中操作!
視野特性 中心視野 周辺視野
視野特性 | 中心視野 中心視野 対象をはっきりと知覚 色の識別が得意
視野特性 | 周辺視野 周辺視野 対象をぼんやりと知覚 光・動きに敏感
視野特性 | 周辺視野 周辺視野 対象をぼんやりと知覚 光・動きに敏感 無意識の操作が可能
視野特性 | 有効視野 有効視野 周辺視野に 含まれる範囲 比較的解像度が高い 心理要因によって変化 [三浦 1998]
視野特性 | 有効視野 有効視野 周辺視野に 含まれる範囲 比較的解像度が高い 複雑な課題時に狭窄 [三浦 1998]
視野特性 | 図 非集中時 集中時の視界 図
視野特性 | 集中時の視界 図 図 非集中時 集中時
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 妨害刺激 減衰した図
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 妨害刺激 減衰した図
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 減衰した図 妨害刺激 刺激を減らす
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 減衰した図 妨害刺激 刺激を減らす
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 減衰した図 妨害刺激 刺激を減らす
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 減衰した図 妨害刺激 刺激を減らす
| 妨害刺激の減衰 仮説 妨害刺激の図 減衰した図 集中時の感覚が再現可能? 妨害刺激 刺激無し
仮説 | まとめ ・集中をする =周辺視野で情報を受け取りにくくなる ・妨害刺激を提示する →刺激量を減らしていく →周辺視野で受け取る情報量が下がる =集中する?
提案手法 周辺視野の特性を考慮 輝度値が高く、動きのある刺激 考えられる刺激例 ・円が回り続ける ・モザイクノイズ etc… これらを減衰させていくことで 集中状態を再現する
提案手法
提案手法 | 応用例
実験システム
実験システム タスク 視覚刺激
実験の流れ
実験の流れ 30cm 23inch
実験の流れ JINS MEME を使用 瞬目回数・瞬目の強さ・姿勢 から 集中ptを算出 https://jins-meme.com/ja/
集中の測定
集中の測定 集中度・深い集中度 の割合 集中度 =集中pt60以上 深い集中度 =集中pt80以上
集中の測定 15秒ごとの 集中ptの遷移
実験の流れ ヘッドフォンによって刺激遮断
実験システム 視覚刺激
妨害無し
持続型妨害
視覚刺激 妨害無し 持続型妨害 減衰型妨害
実験システム タスク
実験の流れ マウス操作によって回答!
タスク設計 | 間違い探し http://www.saizeriya.co.jp/entertainment/oil.html
タスク設計 | 間違い探し http://www.saizeriya.co.jp/entertainment/oil_answer.html
タスク設計 | 100マスタスク
実験の流れ
実験の流れ • 実験5分・休憩5分 →疲労感による影響を考慮 • アンケート実施 →主観疲労度、主観集中度を集計 • 実験順序を調整 →慣れによる影響を考慮 • 実験協力者は12人の男子大学生
実験結果 | 間違い探し・集中ptの遷移 pt 秒
実験結果 | 間違い探し 表1:間違い探しタスクにおける結果 間違い探し 妨害無し 持続型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 86.1 91.4 90.6 深い集中度(%) 46.2 46.3 47.1 タスク達成率(%) 72.5 78.3 71.7 主観集中度 3.8 3.8 4.0 主観疲労度 2.2 2.5 2.4
実験結果 | 間違い探し・持続型妨害 表1:間違い探しタスクにおける結果 間違い探し 妨害無し 持続型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 86.1 91.4 90.6 深い集中度(%) 46.2 46.3 47.1 タスク達成率(%) 72.5 78.3 71.7 主観集中度 3.8 3.8 4.0 主観疲労度 2.2 2.5 2.4 集中度、タスク達成率、主観疲労度において最大
実験結果 | 間違い探し・減衰型妨害 表1:間違い探しタスクにおける結果 間違い探し 妨害無し 持続型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 86.1 91.4 90.6 深い集中度(%) 46.2 46.3 47.1 タスク達成率(%) 72.5 78.3 71.7 主観集中度 3.8 3.8 4.0 主観疲労度 2.2 2.5 2.4 深い集中度、主観集中度において最大
実験結果 | 100マス・集中ptの遷移 pt 秒
実験結果 | 100マス 表2:100マスタスクにおける結果 100マスタスク 間違い探し 妨害無し 妨害無し 持続型妨害 持続型妨害 減衰型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 集中度(%) 87.1 86.1 90.1 91.4 92.8 90.6 深い集中度(%) 深い集中度(%) 36.3 46.2 48.4 46.3 51.9 47.1 タスク達成率(%) タスク達成率(%) 80.1 72.5 81.3 78.3 72.9 71.7 主観集中度 3.8 3.8 3.9 3.8 4.1 4.0 主観疲労度 11.4 2.3 13.5 2.4 12.3 2.3
実験結果 | 100マス・持続型妨害 表2:100マスタスクにおける結果 100マスタスク 間違い探し 妨害無し 妨害無し 持続型妨害 持続型妨害 減衰型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 集中度(%) 87.1 86.1 90.1 91.4 92.8 90.6 深い集中度(%) 深い集中度(%) 36.3 46.2 48.4 46.3 51.9 47.1 タスク達成率(%) タスク達成率(%) 72.5 80.1 71.7 72.9 主観集中度 主観疲労度 主観疲労度 3.8 3.8 11.4 2.3 78.3 81.3 3.8 3.9 13.5 2.4 4.0 4.1 12.3 2.3 タスク達成率、主観疲労度において最大
実験結果 | 100マス・減衰型妨害 表2:100マスタスクにおける結果 100マスタスク 間違い探し 妨害無し 妨害無し 持続型妨害 持続型妨害 減衰型妨害 減衰型妨害 集中度(%) 集中度(%) 86.1 87.1 91.4 90.1 深い集中度(%) 深い集中度(%) タスク達成率(%) タスク達成率(%) 46.2 36.3 72.5 80.1 46.3 48.4 78.3 81.3 3.8 3.8 11.4 2.3 3.8 3.9 13.5 2.4 主観集中度 主観集中度 主観疲労度 主観疲労度 90.6 92.8 47.1 51.9 71.7 72.9 4.0 4.1 12.3 2.3 集中度、深い集中度、主観集中度において最大
実験結果 | 集中度 100マス・t 検定 深い集中度
実験結果 | まとめ ・減衰型妨害を提示した際、集中を持続できた ・持続型妨害でも集中は増加した ・タスク達成率と測定した集中度の間に、 相関は無かった
実験結果 | 考察 ・減衰型妨害を提示した際、集中を持続できた ・持続型妨害でも集中は増加した ・タスク達成率と測定した集中度の間に、 相関は無かった
実験結果 | 考察 減衰型妨害を提示した際、集中を持続できた ・深い集中度、主観集中度において常に最大 ・実験終了時まで高い集中ptを維持している
実験結果 | まとめ ・減衰型妨害を提示した際、集中を持続できた ・持続型妨害でも集中は増加した ・タスク達成率と測定した集中度の間に、 相関は無かった
実験結果 | 考察 持続型妨害でも集中は増加した ・設計した妨害刺激が妨害をできていなかった →規則的な運動が集中の促進に繋がった? ・有効視野の狭窄を引き起こしていた可能性 →邪魔な刺激を排除するために有効視野が 狭まった?
関連研究 | 視覚刺激 視覚刺激で 集中を促進 [橘 2012]
考察 | 先行研究との比較 • 橘らの刺激は有効視野範囲にも提示している • 縞の向きが違う • 視線誘導の観点ではない
実験結果 | まとめ ・減衰型刺激を提示した際、集中を持続できた ・持続型妨害でも集中は増加した ・タスク達成率と測定した集中度の間に、 相関は無かった
実験結果 | 考察 タスク達成率と測定した集中度の間に、 相関は無かった ・個人差が大きく出ていた可能性 ・今回得られた集中がタスク達成に 逆効果だった可能性
まとめ ・周辺視野に減衰型妨害刺激を提示した際に より深い集中状態を維持できた ・単純な妨害刺激提示だけでも集中は 増加した ・タスク達成率の増加は得られなかった
今後の展望 ・より有効な刺激を調査 →速度、減衰タイミングの調整 ・今回の集中度の増加で達成率が上昇 するタスク設計 →計算タスク、文章作成など? ・ブラウザ上で動作するシステム実装 →Chrome拡張など