コミック読者のネタバレ遭遇タイミングによる興味度合い変化

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September 21, 17

スライド概要

人工知能学会で発表してきたスライドです.

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

コミック読者の ネタバレ遭遇タイミング による興味度合い変化 牧 良樹 中村 聡史 明治大学大学院 先端数理科学研究科

2.

背景・目的

3.

コミックは 単行本派ですか? 雑誌派ですか?

4.

単行本派?雑誌派? 単行本派 76% 雑誌派 24% http://vote.smt.docomo.ne.jp

5.

単行本派?雑誌派? 単行本派 メリット 物語をまとめて読める デメリット 雑誌派よりも進みが遅い ネタバレのリスクが高い

6.

あ〜好き, でも○○って 死んじゃったよね まだ読んでない つらい △△って漫画 面白いよね わかる 〇〇ってキャラ好き

7.

〇〇? 週刊誌だと 〇〇死んだよww △△って漫画 面白いよね 人づてによるネタバレ わかる つらい 〇〇ってキャラ好き

8.

作品を見ることによる ネタバレ

10.

インターネットによる ネタバレ

11.

関連研究 スポーツのネタバレを防止するTwitterクライアント の開発と諸検討[中村,2013] Twitter上のネタバレを検知・防止する手法の提案 レビュー文を対象と したあらすじ分類手法の提案 [岩井,2013] amazonのレビュー文上のネタバレを検知・防止する手法

12.

ネタバレは作品を 面白くするヨー

13.

関連研究 Story Spoilers Don’t Spoil Stories [Leavitt, 2011] ネタバレが小説をより面白くすることを明らかに The Effect of Spoilers on the Enjoyment of Short Stories[Levine, 2013] 小説を読んでいる最中にネタバレをすると面白くなる The role of spoilers in comic book reading [Hassoun, 2013] コマ割りにおけるネタバレはコミックを面白くする

14.

関連研究 作品を 面白くする ネタバレ

15.

関連研究 Story Spoilers Don’t Spoil Stories [Leavitt, 2011] ネタバレが小説をより面白くすることを明らかに The Effect of Spoilers on the Enjoyment of Short Stories[Levine, 2013] 小説を読んでいる最中にネタバレをすると面白くなる The role of spoilers in comic book reading [Hassoun, 2013] コマ割りにおけるネタバレはコミックを面白くする

16.

関連研究 Story Spoilers Don’t Spoil Stories [Leavitt, 2011] ネタバレが小説をより面白くすることを明らかに あらすじやページ内など ネタバレとは言い難いものだった 小説を読んでいる最中にネタバレをすると面白くなる The Effect of Spoilers on the Enjoyment of Short Stories[Levine, 2013] The role of spoilers in comic book reading [Hassoun, 2013] コマ割りにおけるネタバレはコミックを面白くする

17.

目的 コミックにおけるネタバレタイミング による興味度合い影響の変化を調査 興味度合いは面白さと比例すると仮定 ネタバレのタイミングを分け実験 ネタバレ調査によって定義

18.

実験

19.

実験 実験設計 1 2 3 ネタバレ 提示方法は口頭?ページ? 内容は生死?勝敗?

20.

事前調査 実験協力者 作品数 アンケート 作品既知の大学生4人 4ジャンル×2作品=8作品 ネタバレである見開きページ を1~3位で順位づけ

21.

作品 バトル スポーツ サスペンス ラブ

22.

事前調査結果 サスペンスジャンルはネタバレページがばらける 物語のオチとなる場面 犯人を特定する場面 謎解きの場面 1位率の高い場面 or 2~3位率の高い場面 バトルやスポーツジャンルはネタバレページが同一にな りやすい 物語のオチ 主人公やキャラの成長場面 1位率の高い場面

23.

実験 実験設計 1 2 3 被験者 人数 グループ 読書数

24.

実験 実験設計 1 2 3 被験者 人数 グループ 読書数 作品未知の大学生23人

25.

実験 実験設計 1 2 3 被験者 人数 グループ 読書数 ネタバレなし あらすじ後 序盤後 中盤後

26.

実験 実験設計 1 2 3 被験者 人数 グループ 読書数 8作品×4グループ×3人 96回

27.

実験 実験設計 1 2 3 アンケート 内容 タイミング

28.

実験 実験設計 1 2 3 アンケート 内容 タイミング 面白さを5段階のリッカート尺度 面白い場所を自由記述

29.

実験 実験設計 1 2 3 アンケート 内容 タイミング

30.

実験 ネタバレなし あらすじ あらすじ後 ネタバレ あらすじ 序盤後 ネタバレ あらすじ 序盤 中盤後 ネタバレ あらすじ 序盤 序盤 終盤 中盤 序盤 ネタバレタイミング 中盤 中盤 終盤 中盤 終盤 終盤 アンケートタイミング

31.

実験結果

32.

面白さの推移

33.

面白さの推移 ネタバレ直後は 面白さの値が減少

34.

タイミング別面白さ ネタバレタイミングが 後の方になればなるほど 面白さが減少 有意差はなかった

35.

ネタバレNG作品の面白さ ネタバレをされると面白くなくなる作品 8作品中4作品 ネタバレなしグループの評価が高い All You Need Is Kill(バトル) GIANT KILLING(スポーツ)

36.

ネタバレOK作品の面白さ ネタバレをされると面白くなる作品 8作品中4作品 ネタバレなしの評価が低い ピンポン(スポーツ) 赤髪の白雪姫(ラブストーリー)

37.

ネタバレNG作品の場面数 面白い場面で記述された場面数 ネタバレなしの面白いと思う場面が一致 ネタバレグループは場面が分散 All You Need Is Kill(バトル) GIANT KILLING(スポーツ)

38.

GIANT KILLING(NG)の場面数 なし なし なし 勝負の勝敗 勝負の勝敗 勝負の勝敗 あり 勝負の勝敗 あり 主人公の 成長シーン あり ゴールの 爽快感

39.

ネタバレOK作品の場面数 面白い場面で記述された場面数 ネタバレなしの面白いと思う場面が分散 ピンポン(スポーツ) 赤髪の白雪姫(ラブストーリー)

40.

赤髪の白雪姫(OK)の場面数 なし なし なし 2人の結末 互いの 協力し合い ヒーローの 成長シーン あり 2人の結末 あり 2人の結末 あり 2人の結末

41.

ネタバレNG作品(場面数+面白さ) 面白さの平均と場面数の比較 面白さの値と面白いと記述された場面数が逆相関 All You Need Is Kill(バトル) GIANT KILLING(スポーツ)

42.

ネタバレOK作品(場面数+面白さ) 面白さの平均と場面数の比較 面白さの値と面白いと記述された場面数が逆相関 ピンポン(スポーツ) 赤髪の白雪姫(ラブストーリー)

43.

考察

44.

考察 ネタバレ直後はどのグループも値は下がった ネタバレによって読者の興味度合いは減少した 作品毎にネタバレによって面白くなる作品, つまらなくなる作品があった 読者の評価が高い作品では,ネタバレによって面 白くなくなった 読者の評価があまり高くない作品では,ネタバレによ って面白くなった

45.

考察 ネタバレOK,NGな作品どちらも面白さと面白い と感じる場面数は逆相関 読者の評価が高い作品では,ネタバレによって読者が面 白いと感じられる場面が分散し,つまらなくなる 読者の評価があまり高くない作品では,ネタバレによっ て読者が面白いと感じられる場面が集中し,面白くなる 名作と言われるものを選んだため,差が出にく かった可能性

46.

まとめ 事前調査 ネタバレとなるページの特定 ネタバレとなるページが一致しやすいジャンル, 一致しにくいジャンルが存在 実験 ネタバレOKな作品,ネタバレNGな作品が存在 ネタバレなしで面白さが高いか低いかによって ネタバレの影響が変化 面白い場面数に応じて面白さも変化