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March 17, 20
スライド概要
メッセージ画面のスクリーンショットを用いた横断型返信忘れ防止手法の検討
松山 直人, 又吉 康綱, 中村 聡史. メッセージ画面のスクリーンショットを用いた横断型返信忘れ防止手法の検討, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), Vol.2020-GN-110, No.18, pp.1-8, 2020.
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
メッセージ画面のスクリーンショットを 用いた横断型返信忘れ防止手法の検討 松山直人(明治大学 又吉康綱 総合数理学部 中村聡史 (明治大学) 4年)
返信忘れ あ
あ 橋本
橋本 橋本 橋本 橋本
橋本 橋本 返信忘れを防止する手法の提案 橋本 橋本
コミュニケーションツールの発展 • LINEを身近なユーザと気軽なやりとりに 使っている[若本 2016] • ビジネス利用を目的としたSNS コミュニケーションツールは さまざまな話題に対して使われている
サービスやチャンネルの乱立 サービスやチャンネルがたくさん存在する LINE バイトグループ LINE 友達グループ Twitter ダイレクト メッセージ Slack 研究室 グループ
サービスやチャンネルの乱立 サービスやチャンネルがたくさん存在する Twitter LINE 返信すべきメッセージが見つからず、 ダイレクト バイトグループ メッセージ 返信を忘れてしまうといった問題が生じる LINE 友達グループ Slack 研究室 グループ
記憶の外在化や再通知 • リマインダ等による記憶の外在化 →「〇〇に返事をする」ことは わざわざリマインダに登録しない • 再通知を行う手法[笠井ら 2007] →たくさん通知が溜まった際に 全ての通知を把握できない 可能性がある
記憶の外在化や再通知 • リマインダ等による記憶の外在化 →「〇〇に返事をする」ことは わざわざリマインダに登録しない 様々なツールにおける返信すべきメッセージを • 再通知を行う手法 [笠井ら 2007] 横断的に把握できるようにすべき →たくさん通知が溜まった際に 全ての通知を把握できない 可能性がある
関連研究 画像を用いた記憶想起 • 画像がタスクを想起させるためのトリガとして 十分に機能し,想起しやすい画像がタスクへの モチベーションを高められることを明らかにした [松田 2019]
メッセージ画像に着目 • メッセージが提示される画面 • 会話をやりとりする画面 →メッセージ画面と定義 →そのスクリーンショットをメッセージ画像とする
メッセージ画像の提示方法 そのまま縮小 画像が小さすぎて、 閲覧性や想起しやすさが下がる
関連研究 サムネイル化に関する研究 • たくさんの画像を羅列する際にサムネイル化する研究 • テキスト情報から重要語を抽出し提示することで、 縮小時の読みにくさを改善した研究[Lam 2005] • Webページ中のロゴ画像とタイトル、最も目立つ画像 を抽出し、サムネイルを自動生成する手法 [Teevan 2009]
関連研究 サムネイル化に関する研究 • たくさんの画像を羅列する際にサムネイル化する研究 • テキスト情報から重要語を抽出し提示することで、 縮小時の読みにくさを改善した研究[Lam 2005] • Webページ中のロゴ画像とタイトル、最も目立つ画像 メッセージ画像の要素を抽出し サムネイルを自動生成する手法 を抽出し、 [Teevan 2009]サムネイル化することで、 返信すべきメッセージを探しやすくなるのでは
目的 メッセージ画像内の要素を用いた、 一覧性が高く、返信することを想起させやすい 手法の提案 • どのような手法が想起しやすいかの調査 • 画像が小さくなる状況においても有用である手法の検討
提案手法 • メッセージ画像における重要な要素として 「トーク相手のアイコン画像」「メッセージテキスト」に着目
提案手法 • メッセージ画像における重要な要素として 「トーク相手のアイコン画像」「メッセージテキスト」に着目 • 多くのサービスに共通する要素 • アイコン画像からトーク相手が想起可能
提案手法 アイコン名詞手法 • アイコン画像 +トーク相手の名詞 • 重要語として名詞を抽出 アイコン メッセージ手法 • アイコン画像 +最後のメッセージの一部 • 最後のメッセージが 記憶に残っている可能性
実験 目的 画像が小さくなる状況における 想起しやすい画像の生成手法の調査 • メッセージに関する情報 (サービス名,グループ名と相手の名前, 相手との関係性,前提条件,聞かれていること) を記憶する • サムネイルを数種類提示し,記憶した項目を想起する • 実験協力者:16名(男性8名、女性8名)
実験 • 架空のメッセージ画像を25種類用意 • 実験協力者ごとに実データを用意することは困難 • 記憶の定着を図るために、記憶タスクを2回行う 1日目 2日目 3日目 相手の名前:高橋 間柄:学会の人 etc… 想起タスク 想起タスク x25枚分 記憶タスク 記憶タスク 事後アンケート
実験:提示手法 提案手法 アイコン名詞手法 アイコン メッセージ手法 比較手法 元画像 加工なし (そのまま縮小) 中央トリミング 手法 文字のみ
実験:使用したサービス メッセンジャー アプリ LINE Twitter Gmail iOSメール メールアプリ Slack
実験:トークテーマ カジュアル 友人からの依頼 友人と遊びの約束 フォーマル バイト先からの連絡 教授からの進捗確認 家族からの依頼
実験:記憶タスク
実験:記憶タスク
実験:記憶タスク
実験:想起タスク 自由記述のアンケート • サービス名 • グループ名/相手の名前 • 相手との関係性 • 前提条件 • 聞かれていること (メッセージの内容) • 上記以外で覚えていること 7段階評価のアンケート • メッセージが思い出しやすかっ たか • 画像は見やすかったか
結果(平均点)
結果(平均点) 加工なしはどの手法よりも 思い出す要素が少ない傾向があった
結果(平均点)
結果(平均点)
結果(平均点) 文字のみのものより,画像要素を用いたものが 思い出す要素の数が多い
結果(平均点)
結果(平均点)
結果(平均点) 中央トリミング手法(比較手法) が思い出す要素が多い傾向にあった
結果(思いだしやすさ)
結果(思いだしやすさ)
結果(思いだしやすさ) 中央トリミング手法(比較手法) が主観的に思い出しやすい傾向にあった
結果(見やすさ)
結果(トークテーマ間)
結果(トークテーマ間)
結果(トークテーマ間) カジュアルな場面では中央トリミング手法、 フォーマルな場面ではアイコン画像+テキスト が高い傾向にあった
考察 文字のみは思い出す要素が少なかった • 「UIがちょっと画像に含まれていると何のSNSを使っている かわかりやすかった」 • 「アイコンの形と文字列の背景がねずみ色か白色かなど がヒントとなる」
考察 加工なしは思い出す要素が少なかった • 画像が小さかったために解像度が下がり、 視認できなかった 解像度が低く、視認しづらい 一度に閲覧可能な 数が少ない
考察 加工なしは思い出す要素が少なかった • 画像が小さかったために解像度が下がり、 視認できなかった 加工なしは想起手法として適していない 解像度が低く、視認しづらい 一度に閲覧可能な 数が少ない
考察 • 中央トリミング手法は思い出す要素が多かった • 画像の大きさが、文字を視認できる範囲であった • 特徴的な画像が含まれており、その画像が記憶に 残っていた
考察 • 中央トリミング手法は思い出す要素が多かった • 画像の大きさが、文字を視認できる範囲であった • 特徴的な画像が含まれており、その画像が記憶に 残っていた アイコン画像に加え、 特徴的な画像も拡大して提示することで、 想起しやすい画像を生成することができるのでは?
考察:トークテーマ間 • カジュアルなもの →中央トリミング手法 • フォーマルなもの →アイコン名詞手法/アイコンメッセージ手法
考察:トークテーマ間 • カジュアルなもの →中央トリミング手法 • フォーマルなもの →アイコン名詞手法/アイコンメッセージ手法 カジュアルなもの • 画像全体に話題が 広がっている • 中央トリミング手法では、 ぎりぎり文字が視認できて いた
考察:トークテーマ間 • カジュアルなもの →中央トリミング手法 • フォーマルなもの →アイコン名詞手法/アイコンメッセージ手法 フォーマルなもの • 始めに用件が述べられて いる • 特徴的な名詞が多い • 文字が認識しやすい
考察:トークテーマ間 • カジュアルなもの →中央トリミング手法 • フォーマルなもの →アイコン名詞手法/アイコンメッセージ手法 フォーマルな場面において、 アイコン画像とメッセージの一部や特徴的な語 を抽出する手法が有用である可能性
考察 • 中央トリミング手法についての議論 • 並べた際の一覧性 • 画像サイズがさらに小さくなった際に 想起できるか →今後調査する必要がある
考察:実験について • 各画像における評価者の最大人数が4人 • 個人による影響が大きかった? • 人数を増やして再実験 • 重要語を名詞として定義 • トークテーマにあまり関係ないワード • 抽出されたワード数が極端に少ない • 動詞や形容詞、またはメッセージ画像内の頻出語の 抽出などの検討
考察:実験について • 架空のメッセージ画像を使用している • アイコン画像と相手の名前が紐づいていなかった 高橋 鈴木 教授 アイコン画像と名前を紐づけるタスクや 実際のメッセージ画像を用いる必要がある
システムのイメージ図 メッセージ画像を自動取得したのち、 サムネイルを自動生成し、提示するシステム スクリーンショットを 撮る メッセージ画像の スクリーンショット検出 サムネイル化し、 羅列するシステム
まとめ • メッセージ画像をサムネイル化し、 横断的に返信を想起できる手法の提案 • 思い出す要素数や主観的な思い出しやすさにお いて、中央トリミング手法(比較手法)が高い • フォーマルな場面において、アイコン画像と テキストの一部が有用である可能性が示唆 今後の展望 • 実際のメッセージ画像を用いた検証 • システムの実装
メッセージ画像:LINE/Twitter
メッセージ画像:Slack
メッセージ画像:Gmail/iOSメール