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November 09, 15
スライド概要
人間の目には中心視野と周辺視野があることが知られており,周辺視野では物をぼんやりとしか把握できないかわりに,無意識的に多くの情報量を処理していることが知られている.そこで本稿では,動画コンテンツの周辺にカメラ映像を提示し,さらにそのカメラ映像に対してエフェクトをかけることで視聴者の周辺視を刺激し,動画の視聴体験を拡張する手法を提案する.また,システムを実装することにより有用性を検証する.
※著作権などの都合により,発表したものに一部変更を加えています.
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室
周辺視へのエフェクト提示による 動画の視聴体験拡張 松井 啓司(明治大学B3 / JST CREST) 中村 聡史(明治大学 / JST CREST) 大島 遼(JST CREST) Entertainment Computing 2015 2015/09/26
研究背景 ・動画を視聴する楽しさを増幅したい! ・大きなディスプレイを用いた視聴 ・高品質なスピーカーでの視聴
関連研究 ・IllumiRoom[Brett 2013] ・プロジェクションマッピングを用いて臨場感などを増加 ・Focus Plus Context Display[岡野 2008] ・低解像度のプロジェクタと高解像度のディスプレイを 組み合わせることで大型ディスプレイのような使用感 周辺視の活用
研究背景 人間の視界には周辺視野と呼ばれる部分が存在し 無意識的に情報の処理なども行っている これを動画の視聴にも活用したい!
研究目的 視聴する動画コンテンツの周辺視野部分に エフェクトを提示することで動画の印象を強調 ・動画コンテンツの透過度を調整しエフェクトに重畳 ・周辺視への刺激, 自身のコンテンツに対する 没入感を増すためにカメラ映像も表示
提案手法 動画コンテンツ エフェクト カメラ映像 エフェクト
実装 ・アプリケーション ・動画の重畳 ・動画コンテンツに対してエフェクトとなる動画を重畳 ・Processing ・シェーダーの重畳 ・自作したシェーダーを重畳 ・Processing + GLSL ・ブラウザ拡張 ・Mozilla Firefoxの拡張機能として実装 ・GLSL + JavaScript
評価実験 実験1:エフェクト提示の効果を調査(10名) VS カメラ映像のみ カメラ映像+エフェクト 実験2:カメラ映像提示の効果を調査(14名) VS エフェクトのみ カメラ映像+エフェクト ・2グループがそれぞれ4個の動画を視聴 ・エフェクト, 映像の有無による印象の変化を, -3から+3の7段階のリッカート尺度によって評価
評価実験1:エフェクトの有無 緊迫感 驚き 不快感 すっきり 水中感 動きなさ 不安 恐怖 エフェクト あり +1.4 +1.0 +0.8 +0.4 +1.6 -0.4 +1.0 +2.0 エフェクト なし -1.2 -0.8 -1.4 -1.2 -0.2 -0.4 -1.0 -1.4 ほぼ全ての項目で印象の評価値が上昇 視聴者の行動に目立った変化は見られなかった
評価実験2:カメラ映像の有無 -3 -2 -1 0 1 2 評価値の平均が-1.0を下回った実験協力者を 低評価者として分離
評価実験2:カメラ映像の有無 高評価者 緊迫感 驚き 不快感 すっきり 水中感 動きなさ 不安 恐怖 10名 カメラ映像 あり +1.6 +1.4 +1.0 -0.6 +2.0 +0.6 +0.4 +1.0 カメラ映像 なし +1.4 +0.8 +0.8 +0.8 0.0 -0.8 +0.6 +1.2 低評価者 緊迫感 驚き 不快感 すっきり 水中感 動きなさ 不安 恐怖 4名 カメラ映像 あり -3.0 -3.0 -1.0 -2.0 0.0 -1.5 -2.0 -3.0 カメラ映像 なし -2.0 -1.0 -1.5 -0.5 -2.5 -3.0 -2.0 -2.0 カメラ映像の提示には適するものと適さないものが 存在する可能性
考察 ・周辺視へのエフェクトの提示において印象を強調す る場合などは有効 ・エフェクト提示範囲を調節することで効果向上の可能性 ・エフェクトの生成しやすさ ・動画はプログラミングの必要はないが検索の必要あり ・シェーダでは思ったものを作成可能だが開発力が必要
考察 ・カメラ映像の提示には適するコンテンツとそうでない コンテンツが存在 ・自身の顔の映り込みが不快であるなどの意見 ・コンテンツの透過度が原因? ・他のコンテンツへの応用例 ・テレビやスマートフォンなどの媒体を使用 ・ゲームなど操作が必要なシステム
まとめ ・周辺視へエフェクトを提示し、動画視聴体験 の拡張を行うシステムを提案と実装 ・評価実験によってシステムの有用性、問題 点などを整理 [今後の課題] ・システムの問題点の解消, 再実験 ・インタラクティブなシステムの実装