20231216_探していた本に出会う方法

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December 16, 23

スライド概要

ライブラリーフレンズ四日市主催「第5回あったらいいなこんな図書館」の発表スライドです。

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1977年茨城県生まれ|皇學館大学文学部国文学科准教授・図書館司書課程|つくば→スロベニア→伊勢|図書館情報学(文学館・文学散歩・文学アーカイブ・ウィキペディアタウン・学生協働・読書会)|ビブリオバトル普及委員会代表理事(二代目)済|知的資源イニシアティブLibrary of the Year選考委員長|伊勢河崎一箱古本市

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各ページのテキスト
1.

皇 學 館 大 学 文 学 部 国 文 学 科 准 教 授 岡 野 裕 行 二 〇 二 三 年 十 二 月 十 六 日 土 方出本探 に し 法会 て う い た 第ラ 五イ 回ブ ラ あリ たフ らレ いン いズ な四 こ日 ん市 な主 図催 書 館

2.

自己紹介 二 〇 二 三 年 亀 山 市 図 書 館 協 議 会 委 員 長 研 究 開 発 室 学 術 ア ド バ イ ザ 三 重 大 学 情 報 教 育 ・ 研 究 機 構 情 報 ラ イ ブ ラ リ セ ン タ 二 〇 二 二 年 二 〇 二 一 年 二 〇 二 〇 年 二 〇 一 九 年 二 〇 一 八 年 二 〇 一 七 年 愛 知 県 子 供 読 書 活 動 推 進 協 議 会 委 員 ビ ブ リ オ バ ト ル 普 及 委 員 会 ア ド バ イ ザ 知 的 資 源 イ ニ シ ア テ 桑 名 ラ 市 イ 立 ブ 図 ラ 書 リ 館 協 ・ 議 オ 会 ブ ブ 委 ・ 員 ザ I 長 ・ R イ I ヤ 名 張 市 立 図 書 館 協 議 会 委 員 津 伊 伊 三 市 勢 勢 重 子 市 市 県 子 立 立 も ど 図 図 読 も 書 書 書 読 館 館 活 書 協 協 動 活 議 議 推 動 会 会 進 推 委 委 会 進 員 員 議 会 長 副 議 委 委 員 員 長 長 選 考 委 員 長 二 〇 二 〇 年 ま で 二 〇 一 六 年 一 般 社 団 法 人 ビ ブ リ オ バ ト ル 協 会 副 代 表 理 事 皇 學 館 大 学 附 属 図 書 館 ふ み く ら 倶 楽 部 顧 問 伊 勢 河 崎 一 箱 古 本 市 実 行 委 員 会 運 営 委 員 ビ ブ リ オ バ ト ル 普 及 委 員 会 代 表 理 事 二 〇 二 一 年 ま で 二 〇 一 五 年 二 〇 一 三 年 皇 學 館 大 学 文 学 部 国 文 学 科 准 教 授 ビ ブ リ オ バ ト ル 普 及 委 員 会 理 事 二 〇 一 一 年 ラ イ ブ ラ リ ・ オ ブ ・ ザ ・ イ ヤ N P O 法 人 知 的 資 源 イ ニ シ ア テ ビ ブ リ オ バ ト ル 普 及 委 員 会 普 及 委 ブ 員 選 I 考 R 委 I 員 皇 學 館 大 学 文 学 部 国 文 学 科 助 教 図 書 館 司 書 課 程 担 当 二 〇 〇 七 年 ま で ス ロ ア ヴ 図 ジ 書 ア ニ 館 ・ ア 情 ア 共 報 フ 和 メ リ 国 デ カ リ ア 研 究 ブ 専 科 リ 攻 博 日 本 ナ 士 研 大 後 究 学 期 講 文 課 座 学 程 専 部 修 任 了 講 師 二 〇 〇 六 年 二 〇 〇 三 年 二 〇 〇 〇 年 一 九 七 七 年 筑 波 大 学 大 学 院 図 書 館 情 報 メ デ 図 書 館 情 報 大 学 大 学 院 情 報 メ デ 図 書 館 情 報 大 学 図 書 館 情 報 学 部 図 書 館 情 報 学 科 卒 業 茨 城 県 生 ま れ 情 報 メ デ ア 専 攻 博 士 前 期 課 ア 程 ア 研 修 研 究 了 究 科 科

3.

「探していた本」との出会い方 ●図書館に行く ●本屋に行く ●古本屋に行く ●家族・友人に相談する ●家族の本棚を漁る ●インターネットで検索する

4.

なぜ「探していた本」を探すのですか? ●新しい知識を得たいから、学びたいから。 ●おもしろいことを追求したいから。 ●自分や周りの人たちに何か困った出来事が 起こってしまったから。 ●暇つぶしをしたいから。

5.

「探していた本」とは何でしょうか? ●自分のなかで「探していた本」になる前は、 「存在すら知らなかった本」だった。 ●世の中に存在している本の大部分は、 そもそもそれまでのあなたにとってみれば 「存在すら知らなかった本」である。 ●その存在を把握できたことが奇跡的であり、 特筆すべき状況になったと言える。 ●それは自分が変化するタイミングでもある。 ●あなたが「探していた本」に気がつく前の 自分はどんな状態でしたか?

6.

「存在すら知らなかった本」に出会う ●あなたが何かしらの「探していた本」について 考えるようになったという変化が訪れた背景に、 何かのきっかけで「存在すら知らなかった本」の 存在を知る、というプロセスがあったはず。 →本と「出会う」「遭遇する」「邂逅する」などとも 言いかえられる。 ●そもそも「存在すら知らなかった本」というのは 検索によって探すことができない。 →検索には適切なキーワードが必要である。 →本を「思い浮かべる」「連想する」という力が 求められることになる。

7.

「私」を変えるための情報検索 ①情報検索とは今の「私」を変えるために行う。 ●進学先を選ぶ(高校案内・大学案内) ●住環境を変える(不動産情報・沿線情報) ●ファッションや化粧を変える(気分を変える) ②困っている状況の解決策や参考情報を探したり、 何かの実行を思い立ったときのアイデアを探す。 ●腹立つこと(復讐の方法を探す) ●嬉しいこと(気の利いたプレゼントを探す) ●楽しいこと(チケットや宿泊の手配) ③参考にできる同じような事例を知りたい。 ●トラブルや病気など(判例、闘病記、手記)

8.

言葉を獲得することは難しい ●そもそも私たちは自分が探そうとしている 情報について、上手に言語化することが できていない。 ●まずは「存在すら知らなかった本」を 「探していた本」に変えていく過程がある。 ●そのためには適切な検索キーワードを 獲得していく作業が必要となる。

9.

キーワードを獲得する ①目的の情報を特定するための検索。 ●ある物事を突き抜けていくため。 ②自分に関連する言葉や思考を獲得する ための検索。 ●自分を閉じ込めていた枠を広げるため。

10.

キーワードをつなげていく「連想」 新書マップ https://shinshomap.info/ 「想」IMAGINE Book Search https://imagine.bookmap.info/ Webcat Plus http://webcatplus.nii.ac.jp/

11.

「横断検索」で複数のOPACを一度に検索 カーリル https://calil.jp カーリルローカル https://calil.jp/local/

12.

「横断検索」で複数のOPACを一度に検索 国立国会図書館サーチ https://iss.ndl.go.jp/ CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/ CiNii Books https://ci.nii.ac.jp/books/

13.

国立国会図書館の提供するデータベース 国立国会図書館オンライン https://ndlonline.ndl.go.jp/ 国立国会図書館 デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/ 国立国会図書館 歴史的音源 https://rekion.dl.ndl.go.jp/

14.

国立国会図書館の提供するデータベース 国立国会図書館 インターネット資料収集保存事業 (WARP) https://warp.ndl.go.jp/ 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ 日本法令索引 https://hourei.ndl.go.jp/

15.

国立国会図書館の提供するデータベース リサーチ・ナビ https://rnavi.ndl.go.jp/ レファレンス協同データベース https://crd.ndl.go.jp/reference/ NDLイメージバンク https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/

16.

データベースとは ①私たちが暮らしてきた結果として残される さまざまな痕跡の集積物である。 ●本・雑誌・新聞などの文字情報はもとより、 写真・絵画・図面、音声記錄や音楽、映画や記録映像、 コンピュータプログラムなど、多様な形態がある。 ②データベースそのものも誰かの活動の痕跡 である。 ●データベースをつくる側だけではなく、 データベースをつかう側の活動も痕跡に残される。

17.

データベースを活用した成果の事例 「 柏 か し 小 書 け た 説 房 て の の 紹 で 世 2 介 2 界 0 す 0 が 1 る 万 明 9 本 字 治 年 く に ら 存 い 在 山 ボ バ 下 コ ン 舞 泰 ボ カ 姫 平 コ ラ 著 に と の す ア 主 る フ 人 最 リ 公 高 カ を の 人 が

18.

公共性を持つ「私」という存在 ●誰かの「知りたい」という気持ちは 個人的な営み(知的好奇心)であり、 なおかつ社会的な営みでもある。 ●まちで暮らす「私」は社会的な存在であり、 「知りたいと思う私の存在」が公共性を 帯びたものとなる。

19.

公共性を持つ「私」の事例 2023/12/16 4:46 Mallmall エリア案内 アクセス マンホールの蓋の展示(都城市立図書館) 図書館 未来創造ステーション まちなか広場 まちなか交流センター 保健センター ぷれぴか Mallmallトップ > 展⽰「みやこんじょマンホールめぐり」 図書館 イベント マンホールのふたをもっと楽しもう! 展⽰「みやこんじょマンホールめぐり」 気になるもの 展示「みやこんじょマンホールめぐり」 http://mallmall.info/event.html?no=1982 キーワード マンホール, 展⽰, 地図⿊板 内容 みなさんは都城市のマンホールのふたがどんなデザインになってい るか知っていますか? ⾜下のふたは種類や地域によってデザインが ちがい、まちの魅⼒が詰まったものがたくさんあります。 今回は、市内で⾒ることができるマンホールをご紹介します。ま

20.

私の疑問に答えてくれるのは誰か ①自分の興味関心に答えてくれるのは、 過去の誰かが残してくれた興味関心の 結果である。 ●本やデータベースとは「私」以前の 誰かの興味関心の痕跡の集積物である。 ②自分の興味関心で解決した疑問点は、 未来の誰かが疑問に感じたことの 参考情報となる。 ●現在の「私」の言葉はみんなの言葉になる。

21.

たとえば「読書」の意味の違い ①たどりつくプロセス(広義の読書) ●本の生産・流通の仕組みや保存された場所なども含む。 ②理解するプロセス(狭義の読書) ●ほかの誰かに読み聞かせしてもらうことや、 誰かに文字を習うことも含まれる。 ③伝えるプロセス(広義の読書) ●自分が持っている本の知識をほかの誰かに話したり、 感想を書いたりすることで自分の読書体験を残していく。 ●オーラルヒストリーの取り組みのように、まだ活字化 されていない情報を言語化していくことも含まれる。 【参考資料】和田敦彦著『読書の歴史を問う:書物と読者の近代 改訂増補版』 文学通信、2020年

22.

「探していた本に出会う方法」を考える ①何かをきっかけに生じてきた「私」の情報要求が 生まれ出てきた背景について考えていく。 ●現在の「私」が抱えている興味・関心は、 周りの環境や人間関係によってつくり出されている。 ②何かの疑問を抱えた「あなた」が知りたいと思う ことに寄り添ってくれる人に頼ってみる。 ●図書館員・書店員・カウンセラーなどのお仕事を されている方々は、仕事・生業としてほかの誰かの 情報要求に寄り添っている。 ③「私たち」が知りたいと思ったことを積極的に 語り残していく。 ●「私」の興味・関心は「私たち」の公共財である。

23.

私たちが情報検索を行う理由 ①「私」を知るため。 ●自分の関心のある領域を知る。 ●自分の興味関心の限界を知る。 ②「私」を変えるため。 ●自分のなかに新しいものの見方を付け加える。 ③「私」を語るため。 ●自分に関係する主題を言語化できるようにする。 ④「私」を公共的な存在にするため。 ●自分は過去の誰かの関心事を参考にしている。 ●自分の存在は未来の誰かにとっての参考情報になる。

24.

「探していた本に出会う方法」とは ①自分の疑問点や興味関心を適切な言葉で 表現し続ける。 ●「検索」という行為を繰り返していく。 ②わからないことは遠慮なく他者に相談する。 ●誰か(図書館員など)に質問してみる。 ③自分が解決した疑問とその答えの探し方を 記録に残していく。 ●自分の関心事は他者にとっての関心事でもある。 ●社会に存在する「私たち」の興味・関心を、 たまたま「私」が言語化したと考える。