【令和8年度改定】高度急性期4管理料の見直し総まとめ|ICU・HCU・救命救急・SCU

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March 11, 26

スライド概要

令和8年度診療報酬改定における高度急性期入院医療の見直しを解説。特定集中治療室管理料(6区分→3区分)、HCU管理料(実績要件新設・点数引き上げ)、救命救急入院料(4区分→2区分・番号再編)、脳卒中ケアユニット管理料(実績要件新設)の4管理料の変更点を横断的に整理しています。
メルマガ『【令和8年度改定】ICU・HCU・救命救急・SCUはこう変わる|区分統合・実績要件・点数を一覧解説』:https://www.daitoku0110.news/p/r8-icu-hcu-emergency-scu-revision

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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各ページのテキスト
1.

【令和8年度診療報酬改定】 高度急性期入院医療の再編と対応戦略 実績に応じた評価へのパラダイムシフトと医事・運用への影響

2.

高度急性期医療は「実績に応じた評価」へ一斉移行する 実績に応じた評価 ICU (特定集中治療室) 6区分→3区分 へ統合。 救急・手術実績 の新設。 HCU (ハイケアユニット) 救急・手術実績 の新設。 要件未達時の 救済措置。 救命救急 (Emergency) 4区分→2区分へ 統合。 算定番号の「逆 転」に注意。 SCU (脳卒中ケアユニット) 超急性期治療 (血栓回収等)の 件数要件化。 施設基準の厳格化と引き換えに、ベース点数は全体的に引き上げ(↑)の傾向。

3.

4つの管理料における改定項目の適用マトリクス ICU HCU 救命救急 SCU 区分統合・簡素化 新規実績要件の追加 点数の引き上げ 重症度・看護必要度の変更 広範囲熱傷の分離 全項目において、 令和8年12月31日まで の経過措置あり。

4.

【ICU】広範囲熱傷の分離による3区分への再編とベース点数の引き上げ Before & After 現行:6区分 改定後:3区分 広範囲熱傷管理加算 (200点) Point Delta Table 管理料1 7日以内:14,406点 → 14,980点 ▲ 8日以上:12,828点 → 13,371点 ▲ 配置要件の厳格化 ・管理料2:宿日直医師を含む専任医師が「治療 室内に常時勤務」必須へ。 ・管理料1:「治療室勤務」から「治療室専任」へ 表記変更(宿日直を行わないことを明確化)。

5.

【ICU】管理料1における救急搬送と全身麻酔手術のハードル新設 救急搬送件数 年間1,000件以上 いずれかを 満たすこと 全身麻酔手術件数 年間1,000件以上 ※小児関連病床が5割以上の病院:手術 年間500件以上 ※医療資源の少ない地域:搬送 800件以上 / 手術 800件以上(小児は400件) 重症度・医療・看護必要度の見直し ・追加項目:「蘇生術の施行」「抗不整脈剤の使用」「一時的ペーシング」 ・SOFAスコア該当患者割合:1割 → 2割へ引き上げ▲

6.

【HCU】管理料1・2への実績要件導入と重症度基準の厳格化 救急搬送件数 年間1,000件以上 いずれかを 満たすこと 全身麻酔手術件数 年間500件以上 ※小児病床5割以上(手術250件)。医療資源寡少地域(搬送800件 / 手術400件 / 小児200件)。 点数引き上げ HCU管理料1:6,889点 → 7,202点 ▲ HCU管理料2:4,250点 → 4,501点 ▲ 看護必要度 ・追加:「抗不整脈剤の使用(注射剤)」「一時的ペーシング」 ・該当患者割合(基準①):1割5分 → 2割へ引き上げ▲

7.

【HCU】新基準を満たせない既存施設に対する「注5」の救済措置 救済点数: 4,401点 新しい実績要件を 満たせない 既存届出治療室 算定上限: 21日限度 戦略的留意事項 令和8年12月31日までの経過措置期間中に要件クリアが困難な場合、 この救済措置(注5)への移行、または病棟機能自体の転換の決断が必要となる。

8.

【救命救急】4区分から2区分へ統合。算定番号の「逆転」に厳重注意 現行 入院料1 (4:1看護) 入院料2 (2:1看護) 改定後 新・入院料1 新・入院料2 現行の3・4(広範囲熱傷)は廃止。 「広範囲熱傷管理加算」へ移行。 看護体制と番号の対応関係が変わります。 医事システムの設定変更時における重大なエラーリスクとなります。

9.

【救命救急】新区分の期間別点数比較(ベースアップの全容) 1 2対1看護 (現行 入院料2 → 新 入院料1) 3日以内:11,847点 → 12,379点 ▲ 4~7日:10,731点 → 11,240点 ▲ 8日以上:9,413点 → 9,894点 ▲ 2 4対1看護 (現行 入院料1 → 新 入院料2) 3日以内:10,268点 → 10,623点 ▲ 4~7日:9,292点 → 9,629点 ▲ 8日以上:7,934点 → 8,469点 ▲

10.

【SCU】なぜ実績要件が新設されたのか? (DPCデータが示す施設間格差) 2 施設 SCU算定患者に対する 「超急性期脳卒中加算」の算定がゼロ 7 施設 「経皮的脳血栓回収術」 の算定がゼロ 導入の背景 算定回数が多い病院ほど、救急搬送入院割合や医療資源投入量が高い。 この「機能のばらつき」を是正し、SCUの本来の役割を明確化するため、厳格な実績要件が導入された。

11.

【SCU】新設された「超急性期治療」の実績要件ハードル 超急性期 脳卒中加算 + 経皮的 脳血栓 回収術 = 合計 年間 20回以上 算定 令和8年12月31日までの経過措置あり。 既存のSCU施設は、自院の手術・処置件数の早急なアセスメントが必須となる。

12.

区分統合により独立した「広範囲熱傷管理加算」の運用 ICU (旧区分) 救命救急 (旧3・4) 新しい基本入院料へ移行 広範囲熱傷管理加算 (200点) 背景 これまで特定集中治療室管理料(ICU)や救命救急入院料において、 広範囲熱傷の有無で分けられていた区分を廃止・簡素化。 実務上の対応 旧区分(広範囲熱傷対象)を届け出ている医療機関は、移行先の新しい 基本入院料に加えて、本加算の届出への切り替えが必要。

13.

全管理料共通:体制整備のデッドラインは「令和8年12月31日」 【経過措置期間】 令和8年12月31日 令和6年度 診療報酬改定 スタート 要件充足に向けた実績構築・ 体制見直し・届出準備 経過措置終了。全施設 が新基準へ完全移行。 実績要件(救急搬送・手術件数)、SOFAスコア要件、重症度基準など、 高いハードルに対して約2年半の猶予期間が設定されている。

14.

病院経営層・医事課が直ちに取り組むべき3つのアクション 1. 自院の実績データ(DPC・ レセプト)の即時監査 搬送件数(1,000件等)、麻酔手術件 数、SCUの超急性期治療件数が新 基準の閾値に達しているかを定量 評価する。 2. 要件未達リスクの評価と 病棟機能転換の シミュレーション HCU等の実績未達が予想される場 合、救済措置(4,401点)の活用か、 病棟自体のダウンサイジング・ 機能転換かを経営判断する。 3. 医事システムの設定変更 と届出の準備 特に救命救急の「算定番号の逆転 (1と2)」による請求漏れ・誤請求 を防ぐためのマスタ改修と、熱傷加 算の分離対応を完了させる。