令和8年度改定|かかりつけ医機能の5大見直し総まとめ──診療所向けアクションガイド

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April 19, 26

スライド概要

令和8年度診療報酬改定でかかりつけ医機能の評価体系が大きく変わります。①機能強化加算(BCP策定)②生活習慣病管理料(包括範囲縮小)③特定疾患療養管理料(NSAIDs除外)④地域包括診療加算(対象患者拡大)⑤時間外対応体制加算(点数引き上げ)の5項目を整理し、「体制整備の強化」「対象適正化」という2つの方向性で読み解きます。施行日までの即時対応とBCP策定など中長期対応をマトリクスで提示した、診療所向け実務ガイドです。

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【令和8年度改定】かかりつけ医機能の5大見直しを総まとめ|機能強化加算から時間外対応まで
https://www.daitoku0110.news/p/r8-primary-care-revision-summary

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病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用

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【令和8年度改定】かかりつけ医機能の5大見直し総まとめ 機能強化加算から時間外対応まで、診療所向け実務・アクション完全ガイド

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令和8年度改定を貫く2つの方向性 方向性1:体制整備の強化 災害対応・データ提出・夜間休日の体制構築による機能底上げ ① 機能強化加算 (BCP策定・データ提出) ⑤ 時間外対応体制加算 (名称変更と評価引き上げ) ④ 地域包括診療加算等 (外来データ提出加算新設) 方向性2:対象患者・疾患の適正化 実態に即した対象範囲の限定と、必要な患者への対象拡大 ② 生活習慣病管理料 (包括範囲の大幅縮小) ③ 特定疾患療養管理料 (胃・十二指腸潰瘍のNSAIDs除外) ④ 地域包括診療加算等 (高血圧+要介護への対象拡大) ① 機能強化加算 (期限付き指定診療所の除外)

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① 機能強化加算の見直し: 点数据え置き、施設基準に3つの新要件を追加 点数:80点(変更なし) 1. BCP(業務継続計画)の策定【最優先課題】 災害等発生時における医療提供継続計画の策定・実施・定期見直しを義務化。 既届出機関は経過措置あり(次スライドへ) 2. 期限付き指定を受けた診療所の除外 外来医師多数区域で、都道府県知事の要請等に応じない診療所(健康保険法第68条の2第1項に基づく期限付き指定)は算定不可に。 3. 外来データ提出加算の届出【努力義務】 「望ましい」要件として追加。早期の体制整備を推奨。

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機能強化加算:既存届出機関におけるBCP策定のタイムライン 「経過措置期間」 現在 令和8年度改定 施行 令和9年5月31日 経過措置期限 (BCP策定・届出のデッドライン) 算定要件の完全適用 算定要件の完全適用 災害等の発生時においても医療の提供を継続するための計画を策定し、計画に従った措置の実施と定期的な見直しが必須。経過措置終了までに完了しない場合、算定要件を満たさなくなります。

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② 生活習慣病管理料の見直し(1):包括範囲の縮小による包括範囲の縮小による併算定の拡大 Clinical Blueprint 旧・生活習慣病管理料 (包括範囲) 生活習慣病の 基本指導 がん患者 指導管理料 + 認知症専門 診断管理料 + + 生活習慣病の 基本指導 + 救急外来 医学管理料 在宅自己注射 指導管理料 (※糖尿病以外・ 骨粗鬆症など) 【実務上のインパクト】包括範囲の縮小により、生活習慣病を主病とする患者の「併存疾患管理」や「時間外対応」を別途算定可能に。収益構造見直しの大きなチャンスとなります。

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② 生活習慣病管理料の見直し(2):連携強化、要件厳格化、そして事務負担軽減 歯科・眼科連携加算の新設 糖尿病の重症化予防目的。眼科医療機関連携強化加算(60点)、歯科医療機関連携強化加算(60点)を年1回算定可能に。 血液検査等の実施要件化(管理料I) 疾病管理の質担保のため、原則「6月に1回以上」の検査実施を要件化。 療養計画書における「患者署名」の不要化 同意自体は引き続き必要だが、形式的な署名手続きを省略。医療事務および現場のオペレーション負担が大幅に軽減。

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③ 特定疾患療養管理料の見直し: 胃・十二指腸潰瘍のNSAIDs除外ルール 【改定の背景】胃潰瘍算定患者(約18.5万人)の約6.5%に禁忌であるNSAIDsが処方されていたNDBデータに基づく是正措置。 主病名は「胃潰瘍」または「十二指腸潰瘍」か? NO 通常通り算定 YES NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の投与を受けているか? (※他科処方も含む) NO 算定可能 YES 算定不可× 該当患者の処方状況の確認と、他の対象疾患(併存疾患)を主病とした算定可否の再点検、電子カルテ・レセコンのロジック更新が必須です。

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④ 地域包括診療加算等の見直し:対象患者の拡大と要件の再編 新規対象 (慢性疾患1つ+要介護被保険者等) 従来対象 (6疾病のうち2つ以上) 「高血圧のみ」の要介護認定患者でも算定可能に(算定対象の大幅増) 1. 認知症加算の統合 患者類型に応じた2段階の点数へ再編。 2. 薬局24hルールの緩和 院内で解熱鎮痛剤等の緊急処方体制があれば、連携薬局の24h対応体制は不要に。 3. 認知症患者の案内 診断後支援(地域包括支援センター等)の案内を「望ましい」要件化。 4. 薬剤適正使用連携加算 外来で他院に通院している患者も対象に拡大。 5. データ提出&配置緩和 外来データ提出加算(10点)の新設と、医療資源過疎地での医師配置要件緩和(2名→1.4人以上)。

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⑤ 時間外対応体制加算の充実:名称変更と全区分での点数引き上げ 【要注意】名称に「体制」が追加されました。届出済みの医療機関は、施行日までに院内掲示や患者向け案内(ホームページ等)の表記更新が必須です。 区分 旧点数 (時間外対応加算) 新点数 (時間外対応体制加算) 引き上げ幅 加算1 5点 7点 ↑+2点(最大幅) 加算2 4点 5点 ↑+1点 加算3 3点 4点 ↑+1点 加算4 1点 2点 ↑+1点 休日・夜間に病院を受診する軽症患者の減少と、病院勤務医の負担軽減を目指し、診療所の「体制整備」そのものを高く評価。

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次のステップ:令和8年度改定に向けたアクション・マトリクス 即時対応(施行日まで) 中長期対応(令和9年5月まで) システム・ 事務業務 ・レセコン/電子カルテのNSAIDs除外 ロジック実装(特定疾患) ・療養計画書フォーマットの更新 (署名欄の削除対応等) ・院内掲示・HPの名称変更 (時間外対応体制加算) ・外来データ提出体制の検討・準備 (機能強化・地域包括) 体制・計画策定 ・生活習慣病管理料の併存疾患・時間外 対応の算定フロー再構築 ・「慢性疾患1つ+要介護」患者のリス トアップ(地域包括) ・【最優先】BCP(業務継続計画)の策定・ 見直し・届出(※令和9年5月31日まで)

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制度適応を、自院のオペレーション進化の契機に。 今回のかかりつけ医機能の見直しは、単なる要件の追加・変更ではありません。 それは、診療所が地域医療において果たすべき「設計図」のアップデートです。 自院の現在地を正確に把握し、期限を見据えた着実な実装を進めてください。 □ 自院の各種加算の届出状況の再点検 □ 対象患者のデータ抽出と新基準との照合 □ 院内スタッフ(医師・看護師・事務)への変更点共有 【令和8年度改定】かかりつけ医機能アクションガイド