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January 26, 26
スライド概要
本資料はメンター向けに、組織と個人の成長を同時に促進する『成長支援』の全体像と実践フレームワークを提示します。成長支援は「環境構築」「機会創出」「要素調整」の3要素からなるサイクルで、信頼関係の構築や適切な課題提供を通じてメンティの自律的な学習と成果創出を支援します。キーアクションとして、観察・真摯な質問・リファクタリングの3ステップを習慣化し、メンティの本質的なニーズを引き出します。また、メンターはHRT(Humility, Respect, Trust)を基盤としたマインドセットを持ち、アンチパターンを回避しながら効果的に介入します。これにより、組織のパフォーマンス向上、エンゲージメント向上、そして持続的な人材獲得が可能になります。
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成⻑⽀援の基本 メンター向けの全体像と実践のためのガイド @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 00 成⻑⽀援の存在意義 / なぜ成⻑⽀援が必要なのか? メンバーへの成⻑⽀援は、中⻑期でのAll-Winを⽬指した組織への投資 組織能⼒の強化 従業員LTVの最⼤化 組織のスケーリング 事業を推進する実⾏⼒(速度‧品質‧再現性)を押し上げ組織パフォーマンスが⾼まる 組織内での属⼈性を下がり安定化することで、新しい領域への投資余⼒が⽣まれる 成果を出せる状態になって期待する個⼈パフォーマンスを満たすタイミングが早まる 従業員のエンゲージメントが⾼まり、⻑い期間にわたって成果を出しつづけられる 成⻑実感とエンゲージメントの⾼さが、新たな⼈材獲得の容易性に繋がる 幅広く望ましい候補者を採⽤でき、組織がさらに強化する⾃⼰増幅サイクルが⽣まれる @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - ⽬次 本資料は、メンターへ向けた成⻑⽀援の概要インプットを⽬的とする 01 成⻑⽀援の全体像 成⻑⽀援の2⼤要素と、成⻑⽀援を加速させる3STEPのサイクル 02 成⻑⽀援のキーアクション 最低限メンターに求められる要素と、3つの⾏動習慣 03 メンターが持つべきマインドセット メンターが陥りやすいアンチパターンと、対応すべき⽅針 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - ⽬次 成⻑⽀援をざっくり理解するため、⽬的と全体の流れをさらう 01 成⻑⽀援の全体像 成⻑⽀援の2⼤要素と、成⻑⽀援を加速させる3STEPのサイクル 02 成⻑⽀援のキーアクション 最低限メンターに求められる要素と、3つの⾏動習慣 03 メンターが持つべきマインドセット メンターが陥りやすいアンチパターンと、対応すべき⽅針 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 成⻑⽀援の全体像 / 成⻑⽀援とは何か? 成⻑⽀援は、組織と個⼈の重なりを明確にしながら広げていく営み 組織の 成果創出 All-Winな ココを広げる ココだけでは継続できない 個⼈の ⾃⼰実現 ココだけでは結果が出ない @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 成⻑⽀援の全体像 / 成⻑⽀援は何のためにやるのか? 成⻑⽀援の⽬的は、メンティの成果創出と⾃⼰実現の質を⾼めること 成果創出 1 ⾼度化 重なりをさらに強める 2 ⾃律化 サポートを不要にする 3 触媒化 他者への⽀援にまわる ⾃⼰実現 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 成⻑⽀援の全体像 / メンターは何をすべきか? メンターは、メンタリングとアサインメントでメンティの成⻑を⽀援する メンタリング アサインメント 対話議論による⽀援 (発⾒‧学習の促進) 機会提供による⽀援 (経験‧挑戦の促進) @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 成⻑⽀援の全体像 成⻑⽀援は「構築‧提供‧介⼊」のサイクルによって実現される ① 環境構築 ② 機会創出 ③ 要素調整 信頼関係を築き 成⻑を阻害する要素を排除する 志向性と特性が重なる 挑戦の場を設定‧調整する 必要⼗分な介⼊により 成果と成⻑の最⼤化を⽀援する @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 全体像 / 要素① 環境構築 ベースとなる環境を整え、成⻑⽀援を機能させる⼟壌を固める ■ メンティから信頼‧信⽤を獲得する 対話の機会を⼗分な量/頻度で確保し、⼼理的安全性を⾼める 📝 強がりは逆効果。⾃⾝の弱みも隠さず⾃⼰開⽰する ■ 環境構築 期待値と動作習慣を担保する 関わり⽅をすり合わせ、未来の⽅針を⽰して不安を排除する 📝 オープンにするだけでなく、⾔語化や内省の習慣は初期に作る @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 全体像 / 要素① 環境構築 / 補⾜:HRT メンティと真摯に向き合い対話を重ねることで、信頼関係を醸成する H R T Humility Respect Trust 謙虚 尊敬 信頼 世界の中⼼は⾃分ではなく、 全知全能でもない ⼀緒に働く⼈を⼼から思いやり、 相⼿を「1⼈の⼈間」として扱う 相⼿が有能であり、 正しい⾏動を とってくれると考え任せる ⾃分が常に正しいわけでもない。 常に⾃分を改善していく 相⼿の能⼒や功績を⾼く評価し、 貢献を願って建設的に対話する 指摘を攻撃と捉えず、相⼿は 恩恵をもたらしてくれると信じる 参考:Brian W. Fitzpatrickら「Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか」 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 全体像 / 要素② 機会創出 本⼈と組織のWin-Winが重なる機会をクリティカルに切り出す ■ メンティと組織の"重なり"を⾒つける 本⼈の志向性と特性を把握した上で、成⻑ロードマップを描く 📝 志向性は経験に依存する。実⾏前のWillを尊重しすぎない ■ 機会創出 重なりを 強める/広げる 機会を調達する 本人と組織でWin-Winとなる&成⻑に響く経験をデザインする 📝 ストレッチになるよう、業務の難易度や範囲を調整する @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 全体像 / 要素③ 要素調整 必要⼗分な介⼊と周囲の巻き込みによって、成果と成⻑を最⼤化する ■ 状況に応じて介⼊をチューニングする 必要な成果が出る範囲で、教える/引き出す/寄り添う を使い分ける 📝「聞かれるまで答えない」も「⼿取り⾜取り教える」も責任放棄 ■ 要素調整 未来を予測して外部要因をコントロールする 成果と成長を最大化できるよう、阻害要因/促進要因を動かす 📝「失敗は⽬に⾒えているが敢えて助⾔しない」も1つの選択 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 01 全体像 / 要素③ 要素調整 / 補⾜:介⼊⽅法の使い分け メンティの状況と環境に合わせて、コミュニケーション⽅法を使い分ける 引き出す ■ カウンセリング コーチング 場⾯により必要な⼿段は変わる 例:答えがある場⾯でメンティにゼロから 考えさせるのは無駄 整える 果たす ■ ティーチング コンサルティング 複数の⼿札を常に持っておく 例:考え方はティーチングするが、実際の行動 計画はコーチングで引き出す 伝える @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - ⽬次 メンティの成⻑を⽀えるため実際にメンターが実践すべき要素をさらう 01 成⻑⽀援の全体像 成⻑⽀援の2⼤要素と、成⻑⽀援を加速させる3STEPのサイクル 02 成⻑⽀援のキーアクション 最低限メンターに求められる要素と、3つの⾏動習慣 03 メンターが持つべきマインドセット メンターが陥りやすいアンチパターンと、対応すべき⽅針 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 成⻑⽀援のキーアクション 健全な成⻑を促すべく、習慣的に「観察‧質問‧整理」を続ける ① 観察の徹底 ② 真摯な質問 ③ リファクタリング ⾔動と思考から本当に 必要な⽀援を⾒極める 裏のない対話を重ね ⾃律的な思考を促進する 思考を可視化‧整理し バイアスなく前提を揃える @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 キーアクション / ① 観察の徹底 表層的な「要望」に惑わされず、⾔動を観察して「要求」を探る ■ 事実から要求を炙り出す メンティの⾔動を観察し、対話を重ね、必要な要素を特定する 📝 意⾒は主観。鵜呑みにせず、仮説を客観的に検証しつづける ■ 観察の徹底 メンティを補完する 見えていない観点、経験していない内容から情報を補足する 📝 今の延⻑線上で予測しづらいものは抜けやすい。先回りする @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 キーアクション / ② 真摯な質問 裏表のない創造的な対話が、メンティの⾃律的な発⾔や⾏動を引き出す ■ “裏の意図”を持つ誘導的な問いかけを避ける 例:「やる?(やる以外ない)」「どっち?(間違うと詰められる)」 📝 重なると、メンティはメンターの顔⾊を伺うようになる ■ 真摯な質問 思考のオーナーシップを渡す 相⼿の思考プロセスを尊重し、結論を導く機会を確保する 📝 ⾔語化を代⾏してしまうと、⾃律的な思考を奪ってしまう @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 キーアクション / ② 真摯な質問 / 補⾜:成⽴要件 ⾃⼰主張ではなく他者理解に集中し、発⾒や変化を歓迎する 成⽴要件 1. 真の好奇⼼ 本当に答えを知りたい 2. 驚きへの許容 驚く答えが返ってきても当然 3. ⾃⼰変容の覚悟 ⾃分の⾔動を変える⽤意がある 陥りやすいエラー ⾃問すべきポイント 質問の裏に“⾃分が主張したいこと”が隠れている 誘導していないか?質問は本⼼と⼀致しているか? 答えが想定外だったときに反論/詰問してしまう 反射的に防衛していないか?発⾒を歓迎できるか? 形式的に質問するだけで回答に興味を⽰さない 質問して満⾜していないか?共創できているか? 参考:Douglas Squirrelら「組織を変える5つの対話 ―対話を通じてアジャイルな組織⽂化を創る」 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 キーアクション / ③ リファクタリング 前提を揃えて不要なブレーキを取り除くことで、フラットに思考できる ■ 思考を可視化する メンティの思考を場に出した上で、観点や情報を補う 📝 脳内に意⾒/感情が溜まると思考が進まない。まず吐き出す ■ リファクタリング 阻害要因をなくす バイアスを排除し、事実と解釈を分け、論点を明らかにする 📝 基本的には、答えではなく考える“武器”を優先して渡す @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 02 キーアクション / ③ リファクタリング / 補⾜:⾃⼰説得と明晰化 思考を明晰化して⾃⼰説得を「⽀える」ことで⾃律性を⾼める 傾聴 感情で埋まった脳内リソースを空ける ⾃⼰説得 メンティが⾃ら解決策を導ける よう、問いかけを重ねる 可視化 問題を解決可能な問いとして明確にする リフレーミング 前提を棚卸ししてとらわれを脱却する 参考:広⽊ ⼤地「エンジニアリング組織論への招待 〜不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング」 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - ⽬次 成⻑⽀援に関わる上で、事前に避けるべきポイントと対処⽅法をさらう 01 成⻑⽀援の全体像 成⻑⽀援の2⼤要素と、成⻑⽀援を加速させる3STEPのサイクル 02 成⻑⽀援のキーアクション 最低限メンターに求められる要素と、3つの⾏動習慣 03 メンターが持つべきマインドセット メンターが陥りやすいアンチパターンと、対応すべき⽅針 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 03 メンターのマインドセット メンティとフラットに向き合い、ひとりの⼈間として刃を研ぎつづける ① コーチャビリティ ② 棚上げ ③ ⾃⼰充⾜の回避 ⾃ら⽀援を受けることで ⽀援する⼒を磨く 未熟さを棚に上げてでも 必要なFBを届ける ⾃分をのエゴを捨て 相⼿の幸福を⽬的とす る @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 03 マインドセット / ① コーチャビリティ メンター⾃⾝が学び良質な⽀援を受けることで、⽀援の質が磨かれる アンチパターン 取るべき対応 そもそも⾃分⾃⾝が成⻑していない 学ぶスタンスを⾃ら体現する ⾃分が柔軟ではないまま、メンティに変化を求 理論や事例をインプットしたり、他メンバーか めているため説得⼒がない らフィードバックを受けたりして背中を⾒せる 過去の⾃⼰成⻑を分析できていない ⽀援「される」ことに熟達する 成⻑したプロセスを棚卸しできていないままメ メンティの⽴場で理想的な振る舞いを探りつ ンターになり、妥当な⽀援か肌感を持てない つ、成⻑プロセスの実感と @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 03 マインドセット / ① コーチャビリティ / 補⾜:背中を⾒せる メンター⾃⾝がコーチャビリティを⾼めることからはじめる 参考:櫻本 真理「リーダーの成⻑⾓度の源となる『コーチャビリティ』とは?」 @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 03 マインドセット / ② 棚上げ ⾃分の未熟さを棚に上げてでも、相⼿に必要なフィードバックを届ける アンチパターン 取るべき対応 メンティと⾃分を重ね合わせて⾜踏みする 棚上げして⾃分の状況と⽀援内容を分離する 「⾃分ができていないから」を⾔い訳に、 ⾃分が現在できているかに関係なく、相⼿に フィードバックしないまま放置する とって必要なことを必要なときに伝える ⾃分の知っている⽀援を再現しようとする メンティの特性に合わせて個別化する 「⾃分が過去にされたから」「⾃分に合う⽅法 ⾃⾝の特性や経験に依存せず、常に相⼿を観察 だから」という理由で⽀援スタイルを決める し相⼿の特性に最適な⽀援スタイルを探る @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 03 マインドセット / ③ ⾃⼰充⾜の回避 「役に⽴ちたい」など⾃らの欲求から離れ、⽬的に合っているか問い直す アンチパターン 取るべき対応 ⾃分の欲求が成⻑⽀援の⽬的になる ⽮印が⾃分に向いていないか点検する 貢献欲求など⾃分のエゴや、メンター⾃⾝の成 ⽬的が⾃分ではなく、相⼿の成果‧成⻑‧幸福 ⻑実感の低さを、⽀援により解消しようとする を⽬指しているか、常にセルフチェックする 満たされなかった過去をメンティに投影する 相⼿にとって必要な⽀援にフォーカスする ⾃⾝が我慢してきた機会やコンプレックスを、 メンティーの特性やWill/Can/Mustを踏まえて本 メンティに経験させることで満たそうとする 当に必要な⽀援を問い直しつづける @abstconcre
成⻑⽀援の基本 - 補⾜:メンターの成⻑ ⾃らメンター‧メンティとして成⻑⽀援の⼒を磨きつづける ⾃らが良きメンティーになる ⽀援の量と質を確保する ⾃分⼀⼈で完結せず、⾃⾝の課題や特性を埋めて ⽀援する⽅法‧観点が⾃分だけに偏らないよう、 くれるメンターを⾃ら探しに⾏く 他の⽀援者をメンティに紹介する ⾼いコーチャビリティを発揮して⽀援を受ける 事例や理論を継続的にインプットし、メンターの 経験が、他者⽀援の引き出しを増やす 経験に閉じず⽀援の幅を広げつづける @abstconcre
成⻑⽀援の基本 メンティとともに歩み、 関係者全員の成果‧成⻑‧幸福を⽬指す @abstconcre