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February 21, 22
スライド概要
C プログラミング入門 (スライド資料とプログラム例)(Visual Studio 2019 を使用)(全15回)
https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html
金子邦彦研究室ホームページ
https://www.kkaneko.jp/index.html
金子邦彦(かねこくにひこ) 福山大学・工学部・教授 ホームページ: https://www.kkaneko.jp/index.html 金子邦彦 YouTube チャンネル: https://youtube.com/user/kunihikokaneko
cp-6. 整数データと浮動小数 データ (C プログラミング入門) URL: https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html 金子邦彦 1
本日の内容 例題1.単純な金種計算 例題2.硬貨の金種計算 整数の変数 浮動小数と整数の違い 例題3.複利計算 整数の変数と,浮動小数の変数を混在させると きに気を付けねばならないこと 2
目標 • プログラムでの「整数データ」と「浮動小数 データ」の違いについて理解する • 目的に応じて,整数の変数,浮動小数の変数 を正しく使い分けることができるようになる 3
例題1.単純な金種計算 • 金額を読み込んで,適切な紙幣と小銭の枚数を求 め,表示するプログラムを作る. 例) 金額が1050円のとき, 千円札: 1枚 1円玉: 50枚 • 例題では,簡単のため,紙幣は千円札のみ,小銭 の種別は考えない(1円玉のみ)ということにす る. • 金額,千円札の枚数,1円玉の枚数を扱うために, 整数の変数を使う 4
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int kingaku;
int en;
int sen;
printf("kingaku=");
入力部分
scanf("%d", &kingaku);
計算部分
sen = kingaku/1000;
出力部分
en = kingaku%1000;
printf("senensatsu: %d mai\n", sen);
printf("kozeni: %d en\n", en);
return 0;
5
}
実行結果例 kingaku=13500 senensatsu: 13 mai kozeni: 500 en 6
プログラム実行順 メッセージ「kingaku=」を表示 printf("kingaku="); (出力文) 整数データを読み込み scanf("%d", &kingaku); (入力文) sen = kingaku/1000; en = kingaku%1000; 千円札と1円玉の数 を計算 printf("senensatsu: %d mai\n", sen); printf("kozeni: %d en\n", en); return 0; 終わり 計算結果を表示 (出力文) 7
プログラムとデータ メモリ ② ① scanf("%d", &kingaku); kingaku sen = kingaku/1000; en = kingaku%1000; 千円札と1円玉の数 を計算 en 整数データを読み込み ③ printf("senensatsu: %d mai\n", sen); printf("kozeni: %d en\n", en); sen 計算結果を表示 データの集まり 8
整数データと浮動小数データ • 整数データ • 整数 • およそ4桁まで • 割り算では小数点以 下切り捨て 例) 0 3 28 4778 -1 -10 -1250 • 浮動小数データ • 小数付きの数も可 • およそ10桁まで 例) 0 3 28 4778 -1 -10 -1250 1278748623 ー4563759398 2.190872 0.000178 9
整数データと浮動小数データの精度 • 整数データ(int) • -32767から+32767までの範囲の数 • 数学での「整数」では無い • 浮動小数データ(double) • 精度が10桁で,10の-37乗から10の+3 7乗までの正と負の範囲数 • 数学での「実数」とは違う 10
整数データと浮動小数データの違い 整数データ 変数 int kingaku; 宣言 int en; 入力 scanf("%d", &kingaku); 浮動小数データ double teihen; double takasa; scanf("%lf", &takasa); 出力 printf("kozeni: %d en\n", en); printf("takasa: %f \n", takasa); 四則 四則演算には,+, -, *, / を 演算 使う 剰余 en = kingaku%1000; 四則演算には,+, -, *, / を使 う z = fmod(x,y); 11
変数 • 変数には,名前と型(型とはデータ の種類のこと)がある • 変数宣言では,名前と型を書く 「型」の例 • 整数データ int • 浮動小数データ double 12
整数データの算術演算子 + 和 - 差 * 積 / 商 % 剰余(整数データの場合) → 浮動小数データの剰余は fmod(x,y)を使うこと 13
入力文と出力文の機能 • printf の機能 • メッセージの表示 • 整数データの表示 • 浮動小数データの表示 • scanf の機能 • 整数データの読み込み • 浮動小数データの読み込み 14
入力文 scanf("%d", &kingaku); 書式 & 読み込むべき変数名 • 入力文とは,データを読み込むための文 • 「書式」と読み込むべき変数名を書く 書式の書き方 %d: 整数データ キーボードから読み込まれる数字を10進の整数データ とし て解釈 %lf : 浮動小数データ キーボードから読み込まれる数字,小数点などを10進 の浮 動小数データとして解釈 • 変数名の前には「&」を付けること 15
出力文 printf("kozeni: %d en\n", en); 書式 表示すべき変数名 • データとメッセージを表示するための文 • 「書式」と読み込むべき変数名を書く 書式の書き方 %d: 整数データ 10進数の数字に直してこの位置(表示文字列の一部)に置 け,という指示 %f : 浮動小数データ 10進数の数字に直してこの位置(表示文字列の一部)に置 け,という指示 • 変数名の前には「&」は付けない 16
整数データの読み込みと表示 (1/3)
#include <stdio.h>
int main()
{
プログラム例 int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%d", &n );
printf( "n=%d\n", n );
return 0;
}
実行結果例
n=?100
n=100
17
整数データの読み込みと表示 (2/3)
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
プログラム例 {
int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%lf", &n );
printf( "n=%d\n", n );
return 0;
}
正しくは「%d」
実行結果例
n=?100
読み込もうとすると,
エラーが現れて,
結局読み込めない
18
整数データの読み込みと表示 (3/3)
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
プログラム例 {
正しくは「%d」
int n;
printf( "n=?" );
scanf( "%d", &n );
printf( "n=%f\n", n );
return 0;
}
実行結果例
n=?100
表示しようとすると,
エラーが現れて,
結局表示されない
19
例題2.硬貨の金種計算 • 金額を読み込んで,適切な小銭の枚数を求め,表示するプログラム を作る. 例) 金額が768円のとき, 500円玉: 1枚 100円玉: 2枚 50円玉: 1枚 10円玉: 1枚 5円玉: 1枚 1円玉: 3枚 • 例題では,簡単のため,紙幣は考えない(硬貨のみ)ということに する • 各硬貨の枚数を扱うために,整数データの変数を使う 20
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int kingaku;
int gohyaku, hyaku, gojyu, jyu, go, ichi;
printf("kingaku=");
scanf("%d", &kingaku);
gohyaku = ( kingaku % 1000 ) / 500;
hyaku = ( kingaku % 500 ) / 100;
gojyu = ( kingaku % 100 ) / 50;
jyu = ( kingaku % 50 ) / 10;
go = ( kingaku % 10 ) / 5;
ichi = kingaku % 5;
printf( "五百円 = %d\n", gohyaku );
printf( "百円 = %d\n", hyaku );
printf( "五十円 = %d\n", gojyu );
printf( "十円 = %d\n", jyu );
printf( "五円 = %d\n", go );
printf( "一円 = %d\n", ichi );
return 0;
}
入力部分
計算部分
出力部分
21
実行結果例 kingaku=768 五百円 = 1 百円 = 2 五十円 = 1 十円 = 1 五円 = 1 一円 = 3 22
課題1.金種計算 • 金額を読み込んで,適切な紙幣と小銭の枚数を求め,表 示するプログラム(金種計算)を作りなさい. • 但し,すべての種類の紙幣と硬貨を考えること. 紙幣:1万円札,5千円札,千円札 硬貨:500円,100円,50円,10円,5円,1円 例) 金額が13,486円のとき, 1万円札: 1 5千円札: 0 500円: 0 100円: 4 千円札: 3 50円: 1 10円: 3 5円: 1 1円: 1 23
課題1の実行結果例 kingaku=13486 一万円= 1 五千円 = 0 千円 = 3 五百円 = 0 百円 = 4 五十円 = 1 十円 = 3 五円 = 1 一円 = 1 24
課題1のヒント 1000円札の枚数は 「(金額) を5000円で割った余り」 /1000 例えば,17,600円のとき 1万円札: 17,600/10,000 = 1 5千円札: (17,600 % 10,000)/5000 = 1 17,600を10,000で割った余りのこと(値は7,600) 1千円札: (17,600 % 5,000)/1000 = 2 17,600を5,000で割った余りのこと(値は2,600) 25
課題2.時間の換算 • 秒数 x を読み込んで,h 時,m 分,s 秒を計 算するプログラムを作りなさい. 例) x=3723 のとき, 1 h, 2 m, 3 s 26
例題3.複利計算 • 元金 gankin 円を年利 nenri (パーセント)で nensu 年運用したときの利息を求めるプログラ ムを作る • 単利計算では,年数に比例. • 複利計算では,利息が利息を生む. • 複利計算を行うために,pow関数を使う • 年数は整数データ,利息は浮動小数データ 27
#include <stdio.h>
#include <math.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int gankin, nensu, ganri;
double nenri, r;
printf("gankin=");
scanf("%d", &gankin);
printf("nenri=");
scanf("%lf", &nenri);
printf("nensu=");
scanf("%d", &nensu);
r = 1 + nenri * 0.01;
ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu));
printf("risoku = %d\n", ganri - gankin);
return 0;
}
計算部分
28
複利の計算 • 複利の公式: ganri= gankin (1+nenri) nensu • べき乗 xy の計算のために,ライブラリ関数 pow(x,y) を使用する ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu)); 29
(int) の意味 ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu)); 整数 整数 浮動小数 整数 • 右辺は浮動小数の精度で計算される • (int) の意味: • 結果の小数点以下を切り捨てて,整数部だけを ganri に代入. • (int) は,変数 ganri への代入時に,「データの精 度が落ちてもかまわない」ことをコンピュータに 教える 30
(int) が必要な場合 ganri = (int)(gankin*pow(r, nensu)); 整数 整数 浮動小数 整数 • 左辺が整数の変数,右辺が浮動小数を含む式 • このとき、右辺は、浮動小数の精度で計算され, 最後に,左辺の変数の代入される 31
1/2 の値は 0
#include <stdio.h>
int main()
{
double r;
r = 1 / 2;
printf("r = %f\n ", r );
}
このプログラムの実行結果は,直感とは一致しない
かも知れない
r = 0.000000
右辺に整数の変数しか登場しないので,右辺は整数
の精度で計算される
32
1.0/2.0 の値は 0.5
#include <stdio.h>
int main()
{
double r;
r = 1.0 / 2.0;
printf("r = %f\n ", r );
}
「 1 / 2 」 と 「 1.0 / 2.0 」 は,意味が違う
r = 0.500000
右辺に浮動小数の変数が登場するので,右辺は浮動小数
の精度で計算される
33
1/2 と 1.0/2.0 の違い • 1/2 は,整数と整数の割り算 • 文法的には 「2000/30 (値は66) 」と書くのと同じ • 1/2 の値は 0 (やはり整数) • 1.0/2.0 は,浮動小数と浮動小数の割り算 • 1.0/2.0 の値は 0.5 (浮動小数) 34