WBA 2024_12_13 yasufumi資料

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December 13, 24

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関連スライド

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Mind Uploadingはどこまで遠いか? 12/13 WBA 発表資料 yasufumi

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Mind Uploadingとは https://eiga.com/movie/36406/

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イントロダクション ❏ Mind Uploadingという技術がある.今回 講演で られるかについて議論する こ 技術 歴史と今後ど ような進展が考え Mind Uploadingと ...定義が様々あるが,「人 意識が機械に移す」という部分を押さえておけ い. 今回 講演で 1. 2. 3. 4. 良 前提 Mind Uploading 実現する技術である.可能かどうか 考えず,技術が一定水準まで達すること でできるも として考える. Mind Uploadingによって生じる社会的な課題や倫理的,哲学的な議題に 触れない 歴史についてなぞったり するが最小限に止める(倫理や哲学を除くと学術空間で触れているも 限りなく少なくなる) 脳を解析し,体と 相互作用など 情報を含めて再現できれ 可能とする これらが大丈夫な人だけゆっくりしていって !

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Mind Uploadingの歴史について ❏ ❏ Mind Uploading 1980年代から考えられている技術である. 多く 論文 2010年代に出版されている Mind Uploading =個人脳と精神 デジタルコピー Mind (and) Uploadingで検索:下 出版数 ,右上 分野 (Scopus) https://en.wikiversity.org/wiki/Mind_Children https://www.hup.harvard.edu/books/9780674576186 https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2023.1254846/full

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これまでのアイディアについて ❏ 1980年代に脳 計算モデル等が提唱され,そ 後90年代から2000年代にかけて具体的な方法 などが議論されていった 2000年に すでに全脳 スライス 技術が確立されていたが,それら 人が生きている状態で行われ るようなも として 不十分である. 非侵襲 脳波計測など 電極 多密化や解析 現在 論文において ■ 以下が提案されている Génova, G., Moreno, V. & Parra, E. A free mind cannot be digitally transferred. AI & Soc 39, 389–394 (2024). https://doi.org/10.1007/s00146-022-01519-7 極薄 スライスを用いて微小な要素を観測する方法 • ■ 高速化などによって発展してきた. 小さなマイクロマシンを用いて脳 情報を吸い出す方法 • ■ 計算 Vanderbeke, D. “The Digital Hereafter, Or: Nirvana in the Cloud”. Journal of Posthumanism, vol. 4, no. 2, Sept. 2024, pp. 159-67, doi:10.33182/joph.v4i2.3344. だんだんと人工 • ニューロンに置き換えていく方法 Sandberg, A. & Bostrom, N. (2008): Whole Brain Emulation: A Roadmap, Technical Report #2008‐3, Future ofHumanity Institute, Oxford University https://intelligence.org/files/AdvantagesOfAIs.pdf Génova, G., Moreno, V. & Parra, E. A free mind cannot be digitally transferred. AI & Soc 39, 389–394 (2024). https://doi.org/10.1007/s00146-022-01519-7

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他のMind Uploadingに関する言及 ❏ ❏ 論文以外にもMind Uploadingを扱ったも ある. また,日本人 方でも研究を行っている方がいる. https://www.amazon.co.jp/dp/B09J1MGRJD https://www.tokyo-np.co.jp/article/301160

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こぼれ話 ❏ Mind Uploading 時に避けて通れない「意識」について『脳 さんと話した時 議論 意識 機械 意識』 著者 渡辺

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ではyasufumiはどう思っているか? ここまで 調べ学習

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Mind Uploadingについて ❏ ❏ ここから Mind Uploading 定義 「脳 可換性と拡張性を改善する」とする いわゆる機械である必要 なく,上記が達成できれ よしとする ● 脳 可換性について ● ● ○ 例え 脳卒中で脳 一部が深刻なダメージを受けたとする.現代医学で 脳 可塑 性でカバーできる部分以外 まだ交換等ができないが機械で置き換えたりIPSでうま く補充ができれ 治療が可能かもしれない 脳 拡張性について ○ 例え 可換性が担保されている であれ 一部 脳を自発的に若返らせることで言 語 習得などがより簡単にできるかもしれない 必ずしもデジタルにならなくても良い理由 ○ デジタル化にこだわらない なくともよくするためである. 意識がコピーにより二つに分裂するなど 問題を考え

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Mind Uploadingの段階について ❏ ❏ 大まかに3段階 研究として捉えることができる それぞれ 領域 中で最も進展が必要な センシングである 「脳活動を外に持っていけるか」 脳波計測 赤外線による測定 壁 自由エネルギー原理 「脳活動をより拡張できるか」 電脳化 半導体研究 測定 [ゴール] 運用 [ゴール] そ 人自身 意識など 主観につい ても外的な測定によって一意に決めら れる そ 人自身であるという判断がつくよ うな情報を保ったまま,アップロードが できる NEEDED 壁 拡張 [ゴール] 生身 状態で できないような能力を 獲得する

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Mind Uploadingの段階について ❏ ❏ 現在 人類において,最も研究 進展が必要な センシング 技術 運用側 ハード 研究 進んでいるも ソフト=脳 情報処理 深い部分が未発達 「脳活動を外に持っていけるか」 壁 「脳活動をより拡張できるか」 壁 電脳化 脳波計測 赤外線による測定 測定 運用 如何にして脳 情報処理 をする か?が不明 ソフト面 拡張 弱さ

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現代のMind Uploading技術の弱点 ❏ ❏ 脳研究においてスケール 違う研究 接合が課題になっている 違うスケール 情報処理をまとめる理論がない(ニュートン 不在) 扱う情報 文字通りスケールが違う スケールや種類 違う研究を繋ぎ合わせる https://www.jst.go.jp/crds/report/CRDS-FY2019-RR-06.html http://transomics.umin.jp/gaiyo.html

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これまでの中田の取り組み ❏ ❏ 主として脳情報解析(EEG)を用いた研究を行ってきた 侵襲ほど気を使わなくていい→トライアンドエラー 利く分野 脳波研究を中田がやる利点 脳波研究 利点 非侵襲である 産業応用 可能性が高い コストが安い 所属大学に 研究者がいる 色々な分野(特に心理) と接している で 人を巻き込みやすい 接合しにくい分野 (回路→部位) 情報技術に明るい =改良しつつ取り組める

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Mind uploadingはどのくらい遠いのか ● ● おおよそ進捗率 45±5%程度. 今後10年後に 60%,今後50年後に 90% 可能性で実現する. 「脳活動を外に持っていけるか」 測定 進捗率:30% [理由] 先述 通り,理論的な解析が不十分 (本当に理論がいる か? 議論) 他方で課題 明白. ASIとかで解けるかも 壁 「脳活動をより拡張できるか」 運用 進捗率:50% [理由] ハード 研究 上々(量子,オルガノ イド,シリコン) ソフト面 薄さが課題. 壁 拡張 進捗率:60% [理由] ソフトなど,用件が決まらないと詳しい こと 言えないがファンタジー 世界 で 多くある で

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『測定』の遠さ ❏ 各サイズごとに注目すれ わかってきていること 多いも うことがまだまだ足りない. ● マウスレベルであれ 全脳 観察 ● ハエであれ 脳全体 神経回路地図を作成した(エレメント ● ダイナミズム 部分 まだ未解明 ● 他方,より小さい分野である分子 いる部分もある ○ ○ それぞれ 行われている(センシング) NIRSを用いたも や顕微鏡を用いたも など マウスレベル 0.5g.人間 1300g程度.3000倍 重量 比 部分) ○ 哺乳類ですらない ○ 『あるチャネルが発火することでこ シナプス どう変わ る?』 問いに回答できない ○ 知見が統合されるとい 活動等 ある程度わかってきて チャネルやタンパク質レベル シミュレーションを用いた 実験等が上手くいく で進化が早い https://www.bri.niigata-u.ac.jp/research/column/000963.html https://room.lifesci-found.com/%E7%AC%AC56%E5%9B%9E%E3%80%80%E3%83%8F%E3%82%A8%E3%81%AE%E8%84%B3%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AE%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E5%9B%9E%E8%B7%AF%E5%9 C%B0%E5%9B%B3%E3%82%92%E5%AE%8C%E6%88%90/ https://github.com/google-deepmind/alphafold?tab=readme-ov-file#updating-existing-installation

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『観測』に関するこぼれ話 ■ ■ ■ ■ ■ ■ 脳波データ 1000Hz✖64〜256ch 電極 データ 一秒 データが4バイト(float型)とすると4✖200✖64=51200バイト(50KB) 1年測り続けても64GBにしかならない!(通常実験 3時間程度) ChatGPT 1日に1000億語を生み出してる 少ないデータ,意味 ある か? 深層学習モデルとかを使う研究もあるが公開されないこともし し … 情報量となる. https://twitter.com/sama/status/1756089361609981993 Bai, Yunpeng, et al. "Dreamdiffusion: Generating high-quality images from brain eeg signals." arXiv preprint arXiv:2306.16934 (2023).

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『運用』の遠さ ❏ ❏ マシンスペックよりもシステム 理論 方がわかっていないことが多い. システム 実際を観測から学ぶ必要がある. ● 実際に動かしてみるまでわからないがシミュレーションに 860 億個 ニューロンとそれぞれ10000個 接続がある.よって数 ゼタバイト(10^21) ストレージが必要であると試算されている. 理論ごとにそ 人 同一性やグリアなど 条件 変わるが1.4 ペタバイト(10^15)まで できている. ● ○ ○ ● な でストレージ等 そこまで遠い問題で ない. ムーア 法則や生成AI関連 需要からDC 建設等 が多い でこれからも放っておいても むしろ,ただ動きを真似る で なくそこにあるダイナミズムも含 めるとマシンパワーよりもシステム理解 方が必要である. https://en.wikipedia.org/wiki/Brain_simulation https://www.science.org/doi/10.1126/science.adk4858

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『拡張』の遠さ ❏ ❏ 人間 性能を拡張していくということ すでにある. 問題 記憶や意識を拡張してくこと ● 画像 方 頭蓋骨にアンテナを埋め込み,色 波数を音に変換することで色を『見て』いる 周 ○ な ● 本質的に視覚 細胞へ いが,拡張でもある. 刺激などで これら 拡張 脳 システム 理解を深めることで より意識など 高次機能にアプローチすることがで きる https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1712/15/news083.html

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サマリ Mind Uploading 概要と背景 ❏ ❏ Mind Uploading 「人 意識を機械に移す技術」 こと。こ 講演で 技術的な実現可能性を前提として議論している。 こ アイデア 1980年代から考えられていて、 2000年代以降に非侵襲的な計測技術や理論研究が進展。 技術 進捗状況と課題 ❏ 現状、全体 進捗率 約 45%(±5%)。以下が分野別 進捗状況: ❏ 測定:30%(理論がまだ不十分) ❏ 運用:50%(ハード 進展しているが、ソフトが課題) ❏ 拡張:60%(具体的な応用例が求められている) 課題として、異なるスケールや種類 研究を結びつける理論 不足が挙げられる。また、脳 情報処理 メカニズム解明も進んでいな い。 ❏ 中田 取り組み ❏ ❏ ❏ 非侵襲的な脳波計測( EEG)を使った研究を中心に活動。 心理学や情報技術を活用し、産業応用 可能性を模索中。 大学 環境やスキルを活かして、技術 改良や新しい取り組みを行っている。 今後 見通し ❏ ❏ 今後10年で進捗率 60%、50年で90%に達する可能性がある。 最大 ボトルネック 「センシング技術」。測定 精度向上や理論 構築が今後 カギ。