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November 20, 25
スライド概要
Tokyo Test Fest で発表した資料です。
https://tokyotestfest.com/
バーチャルな QA組織の作り方と その実践事例 Tokyo Test Fest 2025 at 大崎ブライトコアホール 2025年11月14日(金) 13:50 - 14:20 株式会社ナレッジワーク QA Engineer 河野哲也 / tettan(@TetsuayaKouno)
発表のサマリ ● ● アウトライン ○ 背景:QA組織の変遷とそれに伴う課題 ○ 実践事例:スキルアセスメント/Quality Practice Map/新機能共有会 ○ 工夫事例:会議体の設計/採用活動/読書会 お伝えしたいこと ○ 組織改編やメンバー増員に応じたバーチャルな組織の工夫を紹介 ■ ○ 決してすべてが上手く回っているわけじゃない ■ ○ 泥臭い話、今後の組織運営の参考になれば幸いです 現在も試行錯誤中、正解はないので最適な形に近づけている 時間が限られているため事例や工夫の詳細を話すことは難しいので 概要にとどめながら話を進めます 本発表では、QAエンジニアのことをQAEと略す © Knowledge Work Inc. 2
自己紹介:河野哲也 (𝕏:@TetsuayaKouno) ● 現職:株式会社 ナレッジワーク QA Engineer ○ プロダクトのQA・横断的QA活動 ■ QAエンジニア積極採用中 ● 経歴 ○ 高校卒業後日本無線でハードウェアQA(約10年) →電気通信大学で社会人マスタ/ドクタ + フリーのコンサルタント →日立製作所でストレージ管理ソフトウェアのQA(約6年) →DeNAでWeb・モバイルのQA(3年半) →メルカリでグローバル環境でQA →2023年5月ナレッジワークにジョイン ● 著書(Kindle本) ○ QA・テストがモヤモヤしたら読む © Knowledge Work Inc. ITスタートアップのためのQAの考え方 3
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 4
背景 ● 当時の状況(約2年くらい前) ○ プロダクト数の拡大とそれに伴う開発グループの流動化 ■ ○ 合わせてQAEの増員 QAの状況 ■ QAEはQAグループに所属していた(QAEは約5〜7名) ■ QAEは開発グループのメンバーとしてQA業務を担っていた ● 当時の問題とその対応 ○ 各開発グループとQAグループ、それぞれの組織目標やOKRに 対してアラインすることが煩雑となっていた ○ QAグループを解体し各QAEはそれぞれの開発グループに 所属するような組織改編で対応を行った © Knowledge Work Inc. 5
QA組織の変遷:組織改編前 ● QAEは開発グループの一員として従事するがQAグループに所属 ○ 開発グループとQAグループの両方の組織目標達成に取り組む ■ ○ ■ © Knowledge Work Inc. マネージャ レポートラインはQAグループのマネージャ 開発グループは4グループ 今後グループの拡大が 予定されており組織課題が 複雑化することが予想された QAグループ 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループD PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 6
QA組織の変遷:組織改編後すぐ ● QAEは開発グループに所属(QAEは7名) ○ 開発グループの組織目標のみにアラインする ■ レポートラインは開発グループのマネージャ ■ 結果的にGMはQA職以外の職能 ● バーチャルなQA組織: QA Guildを設立 QAEはそこに所属 ○ ○ QAに従事する職能の集まり 組織目標などは特に持たない © Knowledge Work Inc. QA Guild: 仮想の QA組織 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループD PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 7
QA組織の変遷:組織改編したその後 ● QAEは開発グループに所属(QAEは約10名) ○ 開発グループ拡大に伴い QAEも増員 ■ ○ ○ ● QA Guild 仮想の QA組織 開発は現在7グループ QAEが新規入社した際には オンボーディングのため すでにQAEがいるグループにアサインした 品質に関わるプロセスは各開発グループの 自律性に委ねる QA Guildの運営 ○ 新規入社のQAEはQA Guildに所属し 心理的安全性を確保する ○ 運営をリードする Guildマスターを配置 ○ Guildメンバーが集まるミーティングも開催 © Knowledge Work Inc. 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 8
QA組織変遷による 3つの課題 ● ● キャリア開発やスキルアップの見通しが悪い ○ QAや品質の観点でのフィードバックが少ない ○ QAエンジニアとして目指す方向性が不透明 プロセス視点のサイロ化 ○ 各開発グループの自律性に任せることにより グループ間でプロセスにばらつきが出る ■ ● 各グループが開発するプロダクトが 他グループのQAエンジニアにとって 詳細を知る機会がない ■ ■ © Knowledge Work Inc. 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 例えば、JIRAとGithubProjectの併存 プロダクト視点のサイロ化 ○ QA Guild 仮想の QA組織 お客様は組織構造とは関係なく 一つの製品として利用されているため 他プロダクトの理解が必要 また内部仕様で関係していることも多い 9
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 10
QA組織変遷による 3つの課題 ● ● キャリア開発やスキルアップの見通しが悪い ○ QAや品質の観点でのフィードバックが少ない ○ QAエンジニアとして目指す方向性が不透明 プロセス視点のサイロ化 ○ 各開発グループの自律性に任せることにより グループ間でプロセスにばらつきが出る ■ ● 各グループが開発するプロダクトが 他グループのQAエンジニアにとって 詳細を知る機会がない ■ ■ © Knowledge Work Inc. 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 例えば、JIRAとGithubProjectの併存 プロダクト視点のサイロ化 ○ QA Guild 仮想の QA組織 お客様は組織構造とは関係なく 一つの製品として利用されているため 他プロダクトの理解が必要 また内部仕様で関係していることも多い 11
課題への対応:スキルアセスメントとキャリアラダー 河野, QAロールのスキルアセスメントの試行とキャリアラダーの構築 , JaSST'24 Hokkaido ● ナレッジワークQAメンバーでゼロから取り組みを進めた ○ 先行事例の示唆 武舎 など(訳), エンジニアのためのマネジメントキャリアパス, オライリー・ジャパン, 2018 (Fournier, C. , The Manager’s Path, O’Reilly Media, 2017) ■ キャリアラダーやスキルアセスメントなどの同じテンプレートを使ったとしても 企業や組織のコンテキストによってうまく機能する場合もあればしない場合もある ■ キャリアラダー作成には現場のエンジニアの協力を仰ぎ意見を反映することを推奨 ● 本取り組みの流れ ○ 現在必要なスキルもしくは1年くらい先に必要になるであろうスキルを 洗い出し、スキル全体を示すスキルマップを作成 ○ スキルマップをベースにスキルアセスメントシートを作成 ○ スキルマップの領域と難易度に基づきQAEのキャリアラダーを構築 ■ © Knowledge Work Inc. 上記を進めるうえで関連する取り組みを参考にした 12
スキルマップ設計とアセスメントシート作成の流れ Docs スキルマップを考 えるという ドキュメント Docs 社外事例 資格など PFDで表現した テストプロセス 網羅性 の確認 Figma 河野 整理された 業務一覧 Figma 日々の 業務 業務の 分類・整 理 散らかった 業務一覧 業務の 洗出し グループ グループ SpreadSeet アウトライ ンで 階層化 SpreadSeet スキルマップと アセスメントシート 難易度と習 熟度 の付与 グループ スキル一覧 Mindmap スキル っぽくす る グループ 階層で表現した 業務 河野 難易度 習熟度 認識合 わせ グループ スキルの難易度 と習熟度の定義 の素案 SpreadSeet 枠組み 枠組み の議論と 定義 グループ © Knowledge Work Inc. 13
QAEのスキルマップ ● スキルマップの4領域 QAロールのスキルマップの抜粋 ○ QAエンジニアリング ○ Test Automation ○ 品質マネジメント ○ QAマネジメント © Knowledge Work Inc. 14
スキルアセスメントシート ● アセスメント:習熟度 ○ 自分でできるかつサポートができる ○ 自分でできる(サポートは不要) ○ 自分でできる(サポートが必要) ○ できない、もしくはやったことがない スキルアセスメントシートの抜粋(スキルマップを包含する) © Knowledge Work Inc. 15
QAEのキャリアラダー ● キャリアラダー ○ QAエンジニア:プリンシパル/シニア/ミドル/ジュニア ○ QAマネージャ:プリンシパル/シニア/ミドル ■ ● マネージャの業務の性質上ジュニアは設けない ラダーに対応するスキルの例 ○ ○ ミドルQAマネージャ:以下の条件をANDで達成すること ■ 難易度低のチェックポイントすべてで習熟度 2を達成している、 ■ QAエンジニア領域の難易度中のチェックポイントすべてに対して習熟度 2を達成している ■ QAマネジメントと品質マネジメントの難易度中のチェックポイントの合計の 50%以上を達成している シニアQAエンジニア:以下の条件をANDで達成すること ■ ミドルQAエンジニアの要件を達成している ■ Test Automationと品質マネジメントの難易度高のチェックポイントの合計の 50%以上を達成している © Knowledge Work Inc. 16
スキルアセスメントの運用 ● QAE全員が半年に一回スキルアセスメトを実施する(現状計3回実施) ○ ● 各スキル項目に対して習熟度と合わせて関心度を選択していく スキルアセスメント結果を QA Guild のミーティングで共有する ○ 共有会を開催し前回との差分や関心度や直近で伸ばしたいスキルを共有する ○ 上記に対して簡単なディスカッションを行ったりする+各QAEの強みを把握する ■ © Knowledge Work Inc. 普段の業務で接することが少ないからこそQAE間で関心を示す時間とする 17
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 18
QA組織変遷による 3つの課題 ● ● キャリア開発やスキルアップの見通しが悪い ○ QAや品質の観点でのフィードバックが少ない ○ QAエンジニアとして目指す方向性が不透明 プロセス視点のサイロ化 ○ 各開発グループの自律性に任せることにより グループ間でプロセスにばらつきが出る ■ ● 各グループが開発するプロダクトが 他グループのQAエンジニアにとって 詳細を知る機会がない ■ ■ © Knowledge Work Inc. 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 例えば、JIRAとGithubProjectの併存 プロダクト視点のサイロ化 ○ QA Guild 仮想の QA組織 お客様は組織構造とは関係なく 一つの製品として利用されているため 他プロダクトの理解が必要 また内部仕様で関係していることも多い 19
課題への対応:プロセスとプラクティスの見える化 ● 各グループの過度な自律性/最適化によりプロセス視点がサイロ化していた ○ QAEがリードするテストを含めた品質プロセスが局所最適化されていた ■ 同種の問題は Spotify’s Failed #SquadGoals でも述べられている 日本語ではこちらの記事が非常にわかりやすい 「チームの自律性を重んじるだけでは組織がうまく回らない/ 「Spotify’s Failed #SquadGoals」を読み解く」 ● ● 品質プロセスとそのプラクティスの見える化と品質施策の運用 ○ 横軸に品質プロセス・縦軸に各開発グループをマッピングした表を作成 ○ セルにプラクティスを記述する 見える化 ○ ● 各開発グループのプラクティスを記述し、As IS を見える化する 品質施策の運用 ○ 四半期単位で各開発グループの品質施策の計画を記述し改善のサイクルを回す © Knowledge Work Inc. 20
Quality Practice Mapの例:見える化 Acceptance testの詳細については「冨田 , SaaSプロダクト開発におけるバグの早期検出のための Acceptance testの取り組み , JaSST'25 Tokyo」を参照 PRD レビュー Knowledge QA Dev レビュー テスト設計 (QAのテスト実施 レビュー 動作確認 デザイナー チェック 前) バグ 出し会 エピック 振り返り会 Acceptance 非同期でレ バグ出し会 大きめのエ 実施してい test の実施 ビュー に統合 ピックを対 ない 必須 象に実施 その他 E2E実装 Q毎にバグ FE or QAが チケの棚卸 実装 しを実施 Work Dev QA レビュー 任意 開発者が 実施 開発担当者 エピック 大きめのエ 大きめの が同期でレ ごとに実施 ピックを対 エピックを 特になし ビュー 象に実施 対象に実施 FE or QAが 実装 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ © Knowledge Work Inc. ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 21
Quality Practice Mapの例:品質施策の運用(オレンジ色:計画) PRD レビュー テスト設計 (QAのテスト実施 レビュー 動作確認 デザイナー チェック 前) バグ 出し会 エピック 振り返り会 その他 E2E実装 Acceptance 非同期でレ エピック test の実施 ビュー ごとに実施 大きめのエ 大きめの Q毎にバグ FE or QAが ピックを対 エピックを チケの棚卸 実装 象に実施 対象に実施 しを実施 Work Dev QA レビュー 必須 Acceptance 開発担当者 エピック test の実施 が同期でレ ごとに実施 大きめのエ 大きめの ピックを対 エピックを 特になし 象に実施 対象に実施 FE or QAが 実装 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ Knowledge QA Dev レビュー 必須 ・・・ © Knowledge Work Inc. ビュー ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 22
直近の取り組み プロセスの平準化 ● 各プロセスに対して最低限なプラクティスを定義したGuildelineを作成・整備予定 … Acceptance testのガイド PRD レビュー 動作確認 Guideline Knowledge QA Dev レビュー (QAのテスト実 施前) テスト設計 レビュー ハンドブック … テスト設計 レビュー デザイナー チェック … バグ 出し会 … エピック 振り返り会 E2E実装 象に実施 Q毎にバグ FE or QA チケの棚卸 が実装 対象に実施 しを実施 Work Dev QA レビュー 必須 Acceptance 開発担当者 エピック 大きめのエ 大きめの test の実施 が同期でレ ごとに実施 ピックを対 エピックを ・・・ ・・・ ・・・ その他 … Acceptance 非同期でレ エピック 大きめのエ 大きめの test の実施 ビュー ごとに実施 ピックを対 エピックを 必須 © Knowledge Work Inc. … ビュー ・・・ ・・・ 象に実施 対象に実施 ・・・ ・・・ 特になし FE or QA が実装 ・・・ ・・・ 23
Quality Practice Mapの活用例 ● 新規グループ立ち上げの際に迷子にならない、参照情報がある ● 問題・課題があった際に、他のチームのプラクティスが参照できる ● 全体の施策・計画が俯瞰できる … Guideline Acceptance test のガイド テスト設計 レビュー ハンドブック … … … … その他 E2E実装 テスト設計 レビュー デザイナー チェック バグ 出し会 Acceptance test の実施 非同期でレ ビュー エピック ごとに実施 大きめのエ 大きめの Q毎にバグチ FE or QAが ピックを対象 エピックを対 ケの棚卸しを 実装 に実施 象に実施 実施 QA レビュー 必須 Acceptance test の実施 開発担当者 が同期でレ ビュー エピック ごとに実施 大きめのエ 大きめの ピックを対象 エピックを対 特になし に実施 象に実施 FE or QAが 実装 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ PRD レビュー 動作確認 Knowledge Dev QA レビュー 必須 Work Dev ・・・ © Knowledge Work Inc. (QAのテスト実施 前) エピック 振り返り会 … ・・・ ・・・ 24
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 25
QA組織変遷による 3つの課題 ● ● キャリア開発やスキルアップの見通しが悪い ○ QAや品質の観点でのフィードバックが少ない ○ QAエンジニアとして目指す方向性が不透明 プロセス視点のサイロ化 ○ 各開発グループの自律性に任せることにより グループ間でプロセスにばらつきが出る ■ ● 各グループが開発するプロダクトが 他グループのQAエンジニアにとって 詳細を知る機会がない ■ ■ © Knowledge Work Inc. 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 例えば、JIRAとGithubProjectの併存 プロダクト視点のサイロ化 ○ QA Guild 仮想の QA組織 お客様は組織構造とは関係なく 一つの製品として利用されているため 他プロダクトの理解が必要 また内部仕様で関係していることも多い 26
課題への対応:新機能共有会の開催・運用 ● ● 大きめのエピック開発でリリースされる機能に対してQA Guildで共有会を開催 ○ 新機能に対しての品質観点でのフィードバック ○ 自身のテスト対象に対してのフィードフォワード 共有会の概要 ○ 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開催は本番リリースの前 ■ ○ QA Guild 仮想のQA組織 ギリギリ修正の 対応できるタイミング 通常は30分 ○ 開催者は事前に説明資料を 準備する ○ 質問やフィードバックを受ける ○ アーカイブを共有する © Knowledge Work Inc. 27
課題への対応:新機能共有会の拡張と様々な気づき ● 共有会の拡張 ○ QA Guildメンバー以外にも開催案内 ■ ● Eng.全体・PdM・CS 共有会の気づき ○ 業務上接点が少ない QAEの業務を 知ることができる ○ 開催者として、準備によって 仕様の整理や深い理解につながる ○ CSから実ユーザー観点の フィードバックが得られる ○ CSは事前にリリース予定の機能を 知ることができる © Knowledge Work Inc. QA Guild 仮想のQA組織 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 28
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 29
会議体の設計 ● 設計の概要 ○ 既存の延長はお勧めしない ■ ○ ○ ゼロベースで会議の目的や頻度、参加区分 (必須・任意)を設計し直す ■ 既存はオフィシャルな組織をベースとしたつながりがある ■ バーチャルな組織はそのつながりがゼロになるので 会議体の工夫によりつながりを設計・実装する 設計時の会議に施策を盛り込む ■ ● QAグループの会議体をそのまま名称変更で運用していた 例:インシデントの共有 設計後の会議体 ○ 毎朝10分:雑に相談ができるザッソウ会を開催(木曜は読書会) ○ 毎週30分:QA Guild定例 ■ © Knowledge Work Inc. インシデントの共有、他の共有事項、 QAトピックの議論 30
会議体の設計の例 © Knowledge Work Inc. 31
採用活動 ● 基本方針はQA Guildの仲間は皆で探す:全員採用 ● 採用のコアメンバーで前に進める ○ 候補者のパイプラインの形成 ○ 選考に関与できる QAEに育成:カジュアル面談、スキル面接の対応者 QA Guild→全員採用 開発グループA PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 採用コアメンバー 開発グループB PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア HR © Knowledge Work Inc. 開発グループC PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 開発グループN PdM ソフトウェアエンジニア QAエンジニア 32
読書会 (詳細はBlogに書いてあります「 QA Guild メンバーで論文読書会始めました」) ● ● ● 英語論文(ICSE、ICST、IEEE Transactions on Software Engineering など) ○ 海外の最新の動向をチェックできる ○ 実務に役立つ研究を知ることができる ○ 論文の型が理解できる(将来的に自身が論文を書く際に役立つ) 事前準備 ○ ハンドブックを作成:参加者が迷子にならないようにするため ○ 読書用のテンプレート作成:読み込むときの型を用意 読書会 ○ ○ 読書(厳密には読書ではない): 20分 ■ 論文をAIツールにアップ ■ AIツールとやり取りしながら、テンプレートをベースにメモを残す 共有:10分 © Knowledge Work Inc.■ 気づきや感想を共有 33
読書会:開催実績 © Knowledge Work Inc. 34
発表のアウトライン ● 背景 ○ QA組織の変遷とそれに伴う課題 ● 実践事例 ○ スキルアセスメント ○ Quality Practice Map ○ 新機能共有会 ● 工夫事例 ○ 会議体の設計 ○ 採用活動 ○ 読書会 ● おわりに © Knowledge Work Inc. 35
さいごに ● ● アウトライン ○ 背景:QA組織の変遷とそれに伴う課題 ○ 実践事例:スキルアセスメント/Quality Practice Map/新機能共有会 ○ 工夫事例:会議体の設計 お伝えしたいこと ○ 組織改編やメンバー増員に応じたバーチャルな組織の工夫を紹介 ■ ○ 決してすべてが上手く回っているわけじゃない ■ ● 泥臭い話、今後の組織運営の参考になれば幸いです 現在も試行錯誤中、正解はないので最適な形に近づけている その後:QA Guildの代表者としてのマスター制度の廃止 ■ 中央集権的な体制により主体性が薄れてきた ■ QA Guildマスター=全員 とすることで自ら考え自律的に動けるようにした © Knowledge Work Inc. 36
ご案内 ● QAエンジニア積極採用中!!! ○ QAエンジニアの仲間を探してます ■ まずはカジュアルにお話しましょう! https://herp.careers/ref/LZW8Wj74b1Fgo6o4nLE5Uoe42ynKQKUkA3KJW8o8FoJaE3 KgjMc96o2DkljQFo9WjXE5ZGHzkGqq11R6fdoJklbdMvu5bjj3Rke ■ X でDMいただいても大丈夫です! 𝕏:@TetsuayaKouno © Knowledge Work Inc. 37
ご清聴ありがとうございました バーチャルな QA組織の作り方とその実践事例 Tokyo Test Fest 2025 at 大崎ブライトコアホール 2025年11月14日(金) 13:50 - 14:20 株式会社ナレッジワーク QA Engineer 河野哲也 / tettan(@TetsuayaKouno)