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August 29, 21
スライド概要
0829の1on1カンファレンス登壇資料です
https://www.1on1meeting.org/
話すことで「自分」を知れる1on1ミーティング~その人らしさを発揮する支援への挑戦物語~
というタイトルで発表した資料になります。
・Webディレクター→商品企画→人事→独立 ・心理療法など用いて職場内のコミュケーション支援(1on1など)、社 員のメンタリング、研修、ファシリテーションを通して人材開発に取り 組んでいる。 ・本執筆や質問カードなど教材開発 ・100人規模の1on1カンファレンス主催
話すことで「自分」を知れる 1on1ミーティング 〜その人らしさを発揮する支援への挑戦物語〜 尾澤 愛実
本日の流れ ・自己紹介 ・1on1ミーティングや個への支援に興味を持っ たきっかけ ・1on1ミーティングはなぜ難しいのか ・前提を踏まえてどんなアプローチができるか
皆さんへのお願い チャット、できる可能な限り拾いま す! 感想でも相槌でもOK どんどんつぶやしてくれるほど調子が 上がりますので ぜひリアクション、お願いします!
尾澤愛実 ・全日本キャリア教育改善推進協会 代表 ・キャリアは「 Webディレクター」からスタートし、「商品企画 」「人事」を経験 ・職場のコミュニケーションから組織を支援する人(1on1、研修 、ファシリテーション) ・心理療法分野を学びながら実践し、1on1などに取り入れている 実践家 ・キャリア支援分野専門でもある
どんな仕事をしている人? メンバーとの会話 関係者との会話 ・お互いの話を聞き、お互い を知り、すれ違いを解消する ・メンバーがパフォーマンス 出せるように⽀援する 個だけでなく、チーム、会社に合わせて1on1で得た 情報を元に組織を⽀援
この仕事をしている背景 人ぞれぞれその人が活きる場所がある。 世の中には沢山の当たり前やしなければならな いが存在してしまっており、それに苦しむ人が 沢山いる。押し付けてしまう人も沢山いる。 人それぞれやり方は自由でいい。既存のや り方に捉われなくていい。その人にあった 形をちゃんと考えたいと思った。 私は私と胸を張っている人を増やしたいと 思って活動している。
そんなことを思った私の背景 ・学生時代試験が苦手で、課外活動での成果でAO 入試で大学入るような学生だった。好きなこととで きないことのギャップが大きかった ・働くようになって、自分のやり方を評価してくれ る場所とそうじゃない場所があった。後者の時、そ うまく伝えられない自分がいた。 だから人と人が理解できるように 繋ぐ人になりたいと思った。
こんな仕事していますが。。 • 元々はそんなにコミュニケーション上手な方ではない し、今も自分の意見を話して突破するのは苦手です • でも話ちゃんと聴いて、相手に合わせて言い換えると 通じやすくなるなぁと感じているので、色々理論を学 んでは取り入れて実践しています • ちょっと話し下手でもちゃんと考えている、頑張って いるならそれが伝わって優しい社会になったらいい なぁと思ってこういう取り組みをしています
「個を大事にする」を どう考えるか ・相手のことを知ることから始まる ・自分とは違う人なのだと分けて考える ・そのひとのいいところを見つける ・そのひとが苦手と思われることはどうしたら代 用できるか考える ・その人にあった「場所」「仕事」を渡せるのか ・一緒にその人にあったやり方を考えられるのか
そんな私が思う「個を大事にする ことをゴール」にした時に こんなアプローチをしています というお話をします
そもそも1on1は難しい ・そもそも話を聴いてもらったこととかな いからどう聴いたらいいのかわからない ・自分と仕事のスタンスが違って何考えて いるかわからない 上司目線 ・ネガティブな報告したら怒られたり、評価落ちな いかな。。 ・うまく話がまとまっていない状態で時間使うのは 申し訳ない ・なんか話せと言われても思いつかないのだけど。。 部下目線
1on1が難しい理由を紐解く 関係性が話を聴くには複雑。 話すひとと受け止める人 上司(評価者)と部下 同じ組織にいる ・純粋に話を聞けばいいわけではない ・上司(評価者)相手に言いにくい ・上司自身に想いや会社の事情だってある。 それが難しくさせる。(多重関係といいます)
1on1が難しい理由を紐解く コミットしてもらう難しさ コーチングやカウンセリングを個人で受ける人は どうにかしたいと目的を持って訪れる 1on1ミーティングは会社からの設定がきっかけの 場合、本人に話したいとは限らない。 これは1on1ミーティングに限りませんが、相手にも一緒に 取り組んでもらう意識を持ってもらえるかがとても大事。 (作業同盟といいます)
1on1が難しい理由を紐解く 話を聴いてもらった体験が 1on1ミーティングする側にない ・仕事だからやるもんで理由関係なく頑 張ってきた ・自分自身だって今後どうしたいとか考え たことない ・自分がやりたいと思うことをちゃんと考 えたことがない 1回の研修のみで練習ができなかったり、そもそも聴いても らう状態のゴールもわからない
そうした前提を踏まえて 相手とどう向き合ったら いいだろう。
相手とどう向き合うか ・「話を聴くこと」 ・1on1ミーティングを行う意味に同 意してもらえるか ・内省を促すためには
話を聴くこと
話を聴いてもらう体験が生み出す 効果 ちゃんと話を聴いてもらえる 自分と向き合うことができる 自分の気持ちに丁寧に触れることができて 自分でも気づかなかった気持ちに気づける 最後まで聴いてくれて、言ってもいいのかと思えると 本当は言いたいことを伝えてくれる。
人には事情を話すもんではないと抱え込んでいた人が ・考える時間がとれ、不安な感情を補正できた ・圧倒的に話すことを許される ・話すことの良さを知れて、周りにも自己開示を していきたい ・少し生きやすくなった やりたいこととかないと言っていた人が やりたいことがないと思っていたけど、何が やりたいは確かに限定できないけど、それよ りも自分にとって新しいことを知り続けられ る現場にいたいということがわかった。 話を聴いてもらった経験はない人が多いから、効果が想像しにくい。 はじめは、え?話すだけ?となりがち。
話を聴く側のメリット 相手のことは相手の中にしかわからない 指摘したい、アドバイスをしたいと思ったとしても、相手のことを 知った方が相手にあったことが言える。耳が痛い話は本人が自覚して いる場合も多い。 自分の伝わって欲しいことが伝わっているか確かめられる 自分の伝えたいことがどこですれ違ったかわかる、相手がどこにつま づいたのかは分かれば再度アプローチできる 相手のことを知れて、相手が正直に言える状態になれるほど すれ違いは早く気づけるし、一緒に考えることもできる
「聴く」態度をどう伝えるか 「教えてほしい」のスタンス ・ネガティブな話は一緒に解決方法を考えたいから ・自分と価値観が違う、想定した結果と違う時は相手はどう 思っていたのかわからないから 評価面談の場と分ける ・評価のことが気になってしまうから別に時間をとる ・評価面談で一気に話さずこまめに話す機会を作って、 評価面談で初めて知る情報がない状態を目指す(ただの確認の場にする) 強く言ったり、遮ってしまったら謝って訂正する ・意識していている最中だと言って、失敗したら謝ってしまう ・相手にも遮ってしまったら言ってもらうように伝える
話を自分も聴いてもらう体験を。 ・話を聴いてもらう体験をできたらしてみよう ・専門家でもいいし、場合によってはメンバーに してもらうのもありかもしれない ・上司もさらに上司がいて、上司自身に抱えてい るものがあったら人の話を聴く余裕が生まれにく い
1on1ミーティングを行う意味に 同意してもらえるか
1on1を行う意味 ・仕事時間削られたら困るんだけど。。 ・言って意味があるの? ・そんなに頑張る気はないのだけど、、 期待の先は相手も望んでいるのか ・どんなにこちらが期待をしても相手はそれを望まないと変わらない ・コミュニケーションは一方通行ではないから、相手も話そうとして くれないと成立しない ・直してほしいことなどある場合は本人に自覚があるかもポイント 小さなことでも言った意味を持てるか ・伝えても何も変わらないのであれば言った意味がないと思ってしまう ・ちょっとしたことでも支援や変えていって話す良さを作っていこう
うまくいかなかったこともあっ た。。。 ・本人よりもどうにかしたいと思ってし まった ・私の方が焦ってしまった ・本人は望んでいなかった、、、 こちらが期待してもそんなに頑張りたくないという 場合だってある。仕事の価値観はそれぞれ。 そもそも本人はどう受け止めているのか。そこから 始まる。そこが一番時間がかかる。
1on1ミーティングを行うと同時 に影響すること ・自律性を持った時に組織はどこまで許容できるのか (異動できる?仕事工夫できる?) ・失敗はどこまで許容できるのか ・本人はどう感じて、どうしたいと思っているのか、周 りが思うことを本人は認識できているのか ・話すこと自体が嫌だったり、意思聞かれるより言って 欲しい人もいる(そうなってしまった場合もあるから難 しいけれど、、) 相手にも話すことをお願いすると同時に 話した意味がある状態を作る必要がある
内省を促すためには
内省してもらうには ・就職するまで自分がやりたいこと とか、自分がどうしたいかに向き 合ってきてない人も多い ・さぁどうしたい?と聴かれても答 えられない人が多い 即答できるものは本人がもう知っていること。 うーんと沈黙するのは考えているからかもしれない。
内省自体を練習する ・材料を探してきてもらう ・アクションを決めてやらなかったことも大事に する。なんでやりたくなかったのかを知ることが 次に繋がる ・事実を整理してきてもらう ・考える範囲を少しずつ広げる ・考えるのにも体力を使うから、一歩ずつ。
最後に
人と人だからいつもうまく話 せるとは限らない。 お互いのコンディションで変 わる時も少なからずある。
でも積み重ねていって お互いのことちょっとずつわかって 新たな発見を繰り返しながら お互いのことが協力しあった結果 仕事で成果が繋がると思います
相手の話を 聴くことを諦めない。 そして必要あれば気持ちは伝える
参考文献 ・会話の引き出しを増やす 1on1 カード と 使いこなしブック,尾澤 愛実(2019) ・1on1 ミーティングで悩んだ時に読む本,尾澤愛実(2020) ・現場の「ズレ」を解消するコミュニケーションメソッド 第2版,尾 澤愛実(2019) ・カウンセリングにおける「秘密」─クライエントの秘 密 https://psych.or.jp/publication/world078/pw10/ ・Bordin, E. S.(1979) The generalizability of the psychoanalytic concept of the working alliance. Psychotherapy, 16 , 252-260. ・精神力動的サイコセラピー入門―日常臨床に活かすテクニック Sarah Fels Usher,岡野 憲一郎, 重宗 祥子(2018) 7.コーチング心 理学ハンドブック,スティーブン パーマー, アリソン ワイブラウ, Alison Whybrow, Stephen Palmer, 堀 正, 自己心理学研究会 (2011)
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