基礎計算のミス防止に向けた2種類の数式ハイライト手法の比較検討

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

基礎計算のミス防止に向けた 2種類の数式ハイライト手法の比較検討 明治大学 植木里帆、中村聡史 2023.09.12.Tue

2.

背景 数学において基礎計算でミスをすることは致命的!! 正負の数、文字式の計算 • 基礎計算は中学校・高校数学の基盤となる • 基礎計算での計算ミスを早い段階で修正しないと 今後の学習に影響を及ぼす 2

3.

背景 • テスト最初の計算問題でミスをする • 文章題で立式はできるのに計算ミスで点を落とす もったいないミスが多い 3

4.

背景 一度計算ができるようになっても 期間が空いてしまったり 新しいことを覚えていくうちに 計算ルールを忘れてしまったりすることもある 4

5.

背景 システムで計算ミスを防止したい! 5

6.

数式って複雑 • 数字 • 数学記号 • 符号 • 演算記号 • x,yなどの文字 • 長い式になればなるほど複雑化する 6

7.

シンタックスハイライト • テキストの可読性を向上させるもの (例)プログラムのコードに色がつく拡張機能 7

8.

関連研究 • シンタックスハイライトありとシンタックスハイライトなしの コードについてタスクを用意し、被験者内で比較した • タスク完了時間が大幅に短縮 • この効果がプログラミングの経験の増加とともに弱まる [Advait, 2015] Advait, S.. The impact of syntax colouring on program comprehension. Proceedings of the 26th Annual Conference of the Psychology of Programming Interest Group (PPIG 2015), pp.49-58, 2015. • プログラムの読みやすさと理解に対する色の影響を調査 • 色による強調がされている方がプログラムの理解をしやすいことを 明らかにした [Gerard, 1986] Gerard, K. R.. The influence of color on program readability and comprehensibility. vol.18, no.1, pp.173-181, 1986. 8

9.

過去の研究[植木 2022] • テキストの可読性を向上させるもの (例)プログラムのコードに色がつく拡張機能 数式にもハイライトすることで可読性が向上し 計算ミスが減るのではないか 植木里帆, 中村聡史. 中学基礎計算の途中計算を促進する記号ハイライト手法の提案, 情報処理学会 研究報告 HCI, vol.2022-HCI196, no. 4, pp. 1-8, 2022 9

10.

過去の研究[植木 2022] • 「=」「+」「-」「×」「÷」のような 数学記号へハイライトするプロトタイプシステムを作った • 中学生数名と理系大学生数名に利用してもらった 植木里帆, 中村聡史. 中学基礎計算の途中計算を促進する記号ハイライト手法の提案, 情報処理学会 研究報告 HCI, vol.2022-HCI196, no. 4, pp. 1-8, 2022 10

11.

過去の研究[植木 2022] 【問題点】 • 数式認識精度が不十分 • 数学記号への色付与が計算ミス防止に及ぼす影響は明らかにな らなかった 植木里帆, 中村聡史. 中学基礎計算の途中計算を促進する記号ハイライト手法の提案, 情報処理学会 研究報告 HCI, vol.2022-HCI196, no. 4, pp. 1-8, 2022 11

12.

過去の研究[植木 2022] • 色付与により途中式量が増減する例が見られた • 「色数の多さから自分の書いた計算式が見えづらく感じた」 という意見も 植木里帆, 中村聡史. 中学基礎計算の途中計算を促進する記号ハイライト手法の提案, 情報処理学会 研究報告 HCI, vol.2022-HCI196, no. 4, pp. 1-8, 2022 12

13.

過去の研究[植木 2022] • 色付与により途中式量が増減する例が見られた • 「色数の多さから自分の書いた計算式が見えづらく感じた」 という意見も 数式への適切なハイライト手法についての検討が不十分 植木里帆, 中村聡史. 中学基礎計算の途中計算を促進する記号ハイライト手法の提案, 情報処理学会 研究報告 HCI, vol.2022-HCI196, no. 4, pp. 1-8, 2022 13

14.

ハイライトについて考慮すべき点 • 視認性について • 複数のハイライト法を組み合わせても良いのか • 何色まで使っていいのか • どうやってハイライトするか • 文字色変え/太文字/マーカー/下線 • 何をハイライトするか • 数学記号/かっこ/文字式 • 間違え方によって最適なハイライト法があるのか • 計算順序のミスなら数学記号、まとまり意識ならマーカー 14

15.

ハイライトについて考慮すべき点 • 視認性について • 複数のハイライト法を組み合わせても良いのか • 何色まで使っていいのか • どうやってハイライトするか • 文字色変え/太文字/マーカー/下線 • 何をハイライトするか • 数学記号/かっこ/文字式 • 間違え方によって最適なハイライト法があるのか • 計算順序のミスなら数学記号、まとまり意識ならマーカー 15

16.

ハイライトについて考慮すべき点 • 視認性について • 複数のハイライト法を組み合わせても良いのか • 何色まで使っていいのか • どうやってハイライトするか • 文字色変え/太文字/マーカー/下線 • 何をハイライトするか • 数学記号/かっこ/文字式 • 間違え方によって最適なハイライト法があるのか • 計算順序のミスなら数学記号、まとまり意識ならマーカー 16

17.

ハイライトについて考慮すべき点 • 視認性について • 複数のハイライト法を組み合わせても良いのか • 何色まで使っていいのか • どうやってハイライトするか • 文字色変え/太文字/マーカー/下線 • 何をハイライトするか • 数学記号/かっこ/文字式 • 間違え方によって最適なハイライト法があるのか • 計算順序のミスなら数学記号、まとまり意識ならマーカー 17

18.

ハイライトについて考慮すべき点 • 視認性について • 複数のハイライト法を組み合わせても良いのか • 何色まで使っていいのか • どうやってハイライトするか • 文字色変え/太文字/マーカー/下線 • 何をハイライトするか • 数学記号/かっこ/文字式 • 間違え方によって最適なハイライト法があるのか • 計算順序のミスなら数学記号、まとまり意識ならマーカー これらを考慮し条件選定へ 18

19.

条件選定 Baseline条件 L-color条件 B:かっこ L:同類項 B-color条件 B-marker条件 Mix条件 (B-marker & L-underline) 24

20.

条件選定 Baseline条件 L-color条件 B:かっこ L:同類項 B-color条件 B-marker条件 Mix条件 (B-marker & L-underline) 25

21.

条件選定 Baseline条件 L-color条件 B:かっこ L:同類項 B-color条件 B-marker条件 Mix条件 (B-marker & L-underline) 26

22.

前回実験概要・HCG2022 すでに最後まで計算された計算問題の正誤を判定する実験 • ハイライトは8条件(正負:3条件、文字式:5条件) • ランダムな順序で出題 明治大学に通う理工系大学生または大学院生の29名 システムの対象は中学生や数学を苦手とする人も含むが 本実験は視認性の調査であるため理系大学生でもよいと判断した 植木里帆, 中村聡史. 数学の基礎計算におけるミス防止のためのハイライト手法の比較検討. HCGシンポジウム2022, no.C-5-3, pp.1-8, 2022 27

23.

前回実験の結果・HCG2022 正負の数 • 正答率が最も高く、解答時間が最も短いB-color条件が 最も良いことが示唆された →B-marker条件は誘目性が高かった可能性 文字式の計算 • 正答率が比較的高く、解答時間が最も短いB-color条件が 良いことが示唆された • Mix条件は正答率が最も低く、解答時間が最も長かった →注目すべき箇所が多くなってしまい混乱を招いた可能性 植木里帆, 中村聡史. 数学の基礎計算におけるミス防止のためのハイライト手法の比較検討. HCGシンポジウム2022, no.C-5-3, pp.1-8, 2022 29

24.

前回実験の課題・HCG2022 • 実験協力者は数学に慣れ親しんだ理系大学生及び大学院生であった • 8条件をランダムに提示していたため、 学習効果や慣れの影響がわからない 植木里帆, 中村聡史. 数学の基礎計算におけるミス防止のためのハイライト手法の比較検討. HCGシンポジウム2022, no.C-5-3, pp.1-8, 2022 32

25.

前回実験の課題・HCG2022 • 実験協力者は数学に慣れ親しんだ理系大学生及び大学院生であった カリキュラムの都合で数学の授業が少ない人文系大学生では どうなるか • 8条件をランダムに提示していたため、学習効果や慣れの影響がわか らない 同じ手法を連続提示したらどうなるか 植木里帆, 中村聡史. 数学の基礎計算におけるミス防止のためのハイライト手法の比較検討. HCGシンポジウム2022, no.C-5-3, pp.1-8, 2022 33

26.

目的 2種類のハイライト法を比較し、 人文社会学系への最適なハイライト法の調査をする 34

27.

実験 すでに最後まで計算された計算問題の正誤を判定する実験 • 明治大学に通う人文系大学生の30名 • B-color群とB-marker群に15名ずつ割り振る 35

28.

使用条件 Baseline条件 B:かっこ B-color条件 B-marker条件 36

29.

システム画面 37

30.

システム画面 正誤 どこから 間違えてるか https://ueki.nkmr.io/find_mistake_marker/ 38

31.

実験概要(システム画面) https://ueki.nkmr.io/find_mistake_marker/ 39

32.

実験概要(システム画面) B-color群 https://ueki.nkmr.io/find_mistake_color/ B-marker群 https://ueki.nkmr.io/find_mistake_marker/ 40

33.

実験の流れ • 全部で3セット、各セット20問の計60問 B-color群 Baseline条件 20問 B-color条件 20問 B-color条件 20問 B-marker条件 20問 B-marker条件 20問 B-marker群 Baseline条件 20問 41

34.

実験の流れ • 全部で3セット、各セット20問の計60問 B-color群 Baseline条件 B-color条件 B-color条件 理工系の学生に比べ、基礎的な数学力に差があるのでは 20問 20問 20問 B-marker群 Baseline条件 20問 B-marker条件 20問 B-marker条件 20問 42

35.

実験 実験協力者全員に固定の問題20問をテストとして出題 B-color群 Baseline条件 20問 B-color条件 20問 B-color条件 20問 B-marker条件 20問 B-marker条件 20問 B-marker群 Baseline条件 20問 43

36.

結果・考察 44

37.

Baseline条件の結果 • 平均正答率はB-color群の方が高い • 平均解答時間はB-marker群の方が短い • 2群間のベースにばらつきが見られた 平均正答率 平均解答時間[s] B-color群 0.939 19.32 B-marker群 0.913 17.88 45

38.

正答率の結果 正答率 set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.877 0.887 0.882 46

39.

正答率の結果 • B-color群の方が平均正答率が高い • Baseline条件と同じ 正答率 set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.877 0.887 0.882 47

40.

正答率の結果 • 両群ともBaseline条件からハイライト条件に移行し、 正答率が下がっている 正答率 Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 0.939 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.913 0.877 0.887 0.882 48

41.

解答時間の結果 解答時間[s] set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.33 16.07 16.70 49

42.

解答時間の結果 • B-color群の方がB-marker群より平均解答時間が長い • Baseline条件と同じ 解答時間[s] set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.33 16.07 16.70 50

43.

解答時間の結果 • 両群ともBaseline条件→set1→set2の順で 解答時間が短くなっている 回答時間[s] Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 19.32 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.88 17.33 16.07 16.70 51

44.

考察 • B-color群はB-marker群に比べて正答率は高く、 解答時間は短いという結果だった • どちらもBaseline条件と同じ結果に 正答率 Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 0.939 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.913 0.877 0.887 0.882 解答時間[s] Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 19.32 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.88 17.33 16.07 16.70 52

45.

考察 • B-color群はB-marker群に比べて正答率は高く、 解答時間は短いという結果だった • どちらもBaseline条件と同じ結果に 正答率 Baseline set1 set2 Avg(set1,2) 基礎的な数学力の統制ができていない B-color群 0.939 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.913 0.877 0.887 0.882 解答時間[s] Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 19.32 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.88 17.33 16.07 16.70 53

46.

考察 • 両群ともセットを追うごとに解答時間が短くなり、 正答率が下がっている 正答率 Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 0.939 0.911 0.904 0.907 B-marker群 0.913 0.877 0.887 0.882 解答時間[s] Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 19.32 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.88 17.33 16.07 16.70 54

47.

考察 • 両群ともセットを追うごとに解答時間が短くなり、 正答率が下がっている あまり考えずにハイライトに頼った正誤の判定をした 正答率 Baseline set1 set2 Avg(set1,2) Baseline条件からハイライト条件で十分に休憩を取れておらず、 B-color群 0.939 0.911 0.904 0.907 後半に疲れが出てしまった B-marker群 0.913 0.877 0.887 0.882 解答時間[s] Baseline set1 set2 Avg(set1,2) B-color群 19.32 17.86 16.84 17.35 B-marker群 17.88 17.33 16.07 16.70 55

48.

解答時間が速い人、遅い人 • Baseline条件の結果から解答時間が速い人、遅い人に分けて 分析した • 解答時間が遅い人はハイライトを見ている時間が長いため ハイライトの効果が出るのでは 61

49.

解答時間が速い人、遅い人(B-color群) 正答率 解答時間 1.00 25.00 0.90 0.80 20.00 0.70 0.60 15.00 0.50 0.40 10.00 0.30 0.20 5.00 0.10 0.00 0.00 Baseline B-color群速い set1 set2 B-color群遅い Baseline B-color群速い set1 set2 B-color群遅い 62

50.

解答時間が速い人、遅い人(B-marker群) 正答率 解答時間 1.00 25.00 0.90 0.80 20.00 0.70 0.60 15.00 0.50 0.40 10.00 0.30 0.20 5.00 0.10 0.00 0.00 Baseline B-marker群速い set1 set2 B-marker群遅い Baseline B-marker群速い set1 set2 B-marker群遅い 63

51.

解答時間が速い人、遅い人 • B-color群のもともと解答時間が遅い人はハイライト条件にお いて、解答時間は短くなり、正答率が高くなっていた しっかり数式を見ている人は問題数を増やして練習していけば B-color条件は効果的になる可能性がある 64

52.

問題別解答時間の結果(正負) 問題別平均解答時間(正負の数) 45.00 40.00 解答時間[s] 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 65

53.

問題別解答時間の結果(正負) B-color条件の方が 解答時間が短い問題 問題別平均解答時間(正負の数) 45.00 40.00 解答時間[s] 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 66

54.

問題別解答時間の結果(正負) • どちらの問題もハイライトではない部分に間違えがある問題 • B-marker条件はマーカー部分で視線が止まってしまう可能性 がある 22番 36番 67

55.

問題別解答時間の結果(正負) 問題別平均解答時間(正負の数) B-marker条件の方が 解答時間が短い問題 45.00 40.00 解答時間[s] 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 68

56.

問題別解答時間の結果(正負) • どちらの問題もハイライト部分の次の計算に間違えがある問題 • マーカー部分に注目したおかげで誤り部分を即座に発見できた 可能性がある 11番 18番 69

57.

問題別解答時間の結果(文字式) 問題別平均解答時間(文字式の計算) 70.00 60.00 解答時間[s] 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 70

58.

問題別解答時間の結果(文字式) B-color条件の方が 解答時間が短い問題 問題別平均解答時間(文字式の計算) 70.00 60.00 解答時間[s] 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 71

59.

問題別解答時間の結果(文字式) • どの問題もハイライト部分の次の計算に間違えがある問題 • 正負の数とは逆の結果となり、分配法則のミスはB-color条件 の方が判断が早くなる可能性がある 24番 29番 62番 72

60.

問題別解答時間の結果(文字式) 問題別平均解答時間(文字式の計算) B-marker条件の方が 解答時間が短い問題 70.00 60.00 解答時間[s] 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 73

61.

問題別解答時間の結果(文字式) • 6番はハイライト部分ではないところ、66番はハイライト部分 に間違えがある問題 • 違いといえばB-color条件の赤は目立つが、紫は目立たない可 能性 6番 66番 74

62.

間違えた問題 • 全部で121の間違えたデータがあった • B-marker条件は文字式の計算に適していない可能性がある 正負の数 文字式 B-color群 32問 18問 B-marker群 36問 35問 75

63.

問題別不正解率(正負) 不正解率(正負の数) 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 76

64.

問題別不正解率(正負) B-color条件の方が 不正解率(正負の数) 不正解率が低い問題 (正答率が高い問題) 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 77

65.

問題別不正解率(正負) • 類似問題だが、間違えている箇所は違う • B-color条件には赤に近い色を用いており、間違えの発見に適 していた色かもしれない 12番 14番 78

66.

問題別不正解率(正負) 不正解率(正負の数) B-marker条件の方が 不正解率が低い問題 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 2 3 5 6 8 9 11 12 14 15 18 19 20 22 23 25 27 28 29 30 31 34 35 36 37 38 40 41 42 問題番号 B-color群 B-marker群 79

67.

問題別不正解率(正負) • 3番はハイライト外にミスがあり、35番と41番はハイライト付 近にミスがあった • 各条件で用いている色の寒色と暖色が違っていた 3番 35番 41番 80

68.

問題別不正解率(文字式) 不正解率(文字式) 0.70 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 81

69.

問題別不正解率(文字式) 不正解率(文字式) 0.70 0.60 0.50 B-color条件の方が 不正解率が低い問題 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 82

70.

問題別不正解率(文字式) • ハイライトのない行からハイライトの行へ計算するときに間違 えがある問題 54番 66番 83

71.

問題別不正解率(文字式) 不正解率(文字式) 0.70 0.60 B-marker条件の方が 不正解率が低い問題 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 1 2 4 5 6 8 9 11 12 13 14 15 16 18 19 20 21 23 24 25 26 27 28 29 31 32 33 34 35 36 37 39 40 41 42 43 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 58 59 61 62 63 64 66 問題番号 B-color群 B-marker群 84

72.

問題別不正解率(文字式) • ハイライトのない行からハイライトの行へ計算するときに間違 えがある問題 12番 64番 85

73.

問題別不正解率(文字式) • ハイライトのない行からハイライトの行へ計算するときに間違 えがある問題 色を統一した追実験や、 間違え方の種類や色に関する詳細な分析を進めていきたい 12番 64番 86

74.

課題・今後 • 数学に触れる機会が少ない人文系大学生であっても 正答率は9割を超えていた より複雑な式(長い数式、文字の種類を増やす、二重括弧)にして 難易度を上げることでハイライトが効果的になる可能性がある 89

75.

課題・今後 • 実験で提示した問題画像は筆頭著者によって書かれた計算式であった • 本来の計算中は素早く計算するために速記になり、雑な字になってしまう 可能性がある • 本実験は計算問題を解き終わった後の見直し作業を想定していた • 計算中にリアルタイムにハイライトするシステムを考えている 速記したような字を用いて追実験 計算中のハイライトの効果を検証する予定 90

76.

まとめ 背景 基礎計算大事なのに計算ミスをしてしまう 大目的 計算ミス防止システムの作成 今回の目的 最適な数式ハイライト手法の調査 実験 人文系大学生を対象に2種類条件群にわけて正誤判定 結果・考察 2群の間に差は見られなかった 解答時間が短くなり、正答率が低くなったため、 ハイライトに頼った正誤判定をしてしまった可能性がある 今後 問題難易度を上げた実験を予定 色に関する詳細な視認性調査や計算中におけるハイライト手法の効果の 検証をしていく予定 リアルタイムにハイライトしたシステムを実装し、見直しとの差を調査 91