ドレミハンドル: 操舵角に応じた音階提示手法の実車を用いた検証

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May 14, 24

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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各ページのテキスト
1.

ドレミハンドル: 操舵角に応じた音階提示手法の 実車を用いた検証 松田 さゆり 渡邉 健斗 中村 聡史(明治大学) 鳥居 武史 高尾 英行 清水 紗英里(株式会社SUBARU )

2.

去年、HCS2023にて メロ字ィ: ペンの位置に応じた音階の音提示による 手書き文字練習システムの提案 を発表させていただきました ドレ ミ ファ ソ ラ シ ド 今日のお話は同じ時に発表がありました、 操舵角度に応じた音提示の音高変化が カーブ走行時の操舵に及ぼす影響 の続きの研究になります 1

3.

背景 滑らかなカーブ走行は難しい ハンドルを回すタイミングや量が 視覚と腕の感覚に委ねられている 無駄なハンドル操作が多くなりがち 安定した走行をすることは難しい 2

4.

目的 滑らかなカーブ走行を支援 3

5.

聴覚からの支援 • 運転中、報酬音が鳴る聴覚刺激により、車両行動を安定化 [澄川ら 2021] • メロディーロードの設置によって、平均速度を遅くさせた [芳野ら 2008] • 視覚を主に使用するタスクにおいて、 聴覚掲示によって認知的負荷を軽減[岩田ら 2009] • 澄川瑠一, 鳥居武史. 直線とカーブ走行時の車両挙動の変化を用いた聴覚刺激による運転行動の誘導に関する研究. 自動車技術学会誌, 2021, vol. 75, no. 6, pp. 112-117. • 芳野 幹生, 野田 宏治, 荻野 弘.豊田市川手町におけるメロディーロードの評価. 豊田工業高等専門学校研究紀要 • 岩田貴裕, 山邉哲生, 中島達夫. マルチタスク環境下における認知負荷の測定と評価. 情報処理学会研究報告, 2009, p. 1. 4

6.

ドレミハンドルの提案(KES2022) ドレ ミ ファ ソ ラ シ ド ハンドル角度に応じた音階の ド レ ミ ドレミ音が鳴る ファ ソ ハンドル角度を 感覚的に伝えられる 無音 ド レ ミ ファ ソ ラ ラ シ シ ド ド 5

7.

これまで ドレミハンドルは実車向けシステムではあるが、 シミュレータを用いて実験を行ってきた • • • 繰り返し同じカーブを走行する実験(KES2022) 複数種のカーブを走行する実験(HCI200) Assetto Corsaを用いた複合的なカーブを 走行する実験(HCI204) 6

8.

これまで ドレミハンドルは実車向けシステムではあるが、 シミュレータを用いて実験を行ってきた • • • 繰り返し同じカーブを走行する実験(KES2022) 複数種のカーブを走行する実験(HCI200) Assetto Corsaを用いた複合的なカーブを 走行する実験(HCI204) →ドレミハンドルを使用すると修正舵が減少することが明らかに ハンドル操作の評価指標 ハンドルの切り足し戻しにより、 ハンドル操作を微調整すること 7

9.

今回検証したいこと・仮説 ドレミハンドルは実車においても効果があるのか 「実車においても、ドレミハンドルを用いて運転練習を行うと 修正舵回数が減少する」 という仮説をもとに実験 8

10.

実車向けドレミハンドルシステムの実装 車両情報取得 モジュール UDP通信 ドレミ音提示 モジュール 後部座席に置いた スピーカーから鳴らす 9

11.

実験環境 期間 :2023/11/21-23 場所 :株式会社SUBARU スバル研究実験センター コース :全長約1800m 一周あたり2~3分 実験参加者:50km/h走行維持訓練参加者 10

12.

実験の流れ 1セット目 慣 熟 2セット目 3セット目 訓練前走行 訓練走行 訓練後走行 休 休 ア 憩 ア 憩 ア イ イ イ 0 1 2 3 4 5 ウ 1 2 3 4 5 ウ 1 2 3 4 5 ウ ン ン ン ト ト ト ドレミハンドル群(5名) ドレミハンドルを使用して走行 講師指導群(5名) 講師から直接指導を受けつつ走行 • • • 操舵角の大きさに応じて ドレミの音が変化 音の変化を頼りにスムーズな操作を 心がける • 急な操舵をしないように切り始めを 遅くしたり切り戻しを速くしたりしない 一定の操舵角変化や少ない修正舵を意識 11

13.

結果と考察(修正舵) 12

14.

結果と考察(修正舵回数の変化) ドレミ音により修正舵を意識できている 講師指導の効果 13

15.

結果と考察(修正舵回数の変化) 14

16.

結果と考察(修正舵回数の変化) そもそも修正舵回数が少ない 15

17.

結果と考察(修正舵回数の変化) 講師に見られている プレッシャーにより修正舵の増加 そもそも修正舵回数が少ない 16

18.

結果と考察(修正舵回数の変化) 訓練後に修正舵が増える ドレミを頼りに運転した結果 反動で増えてしまった 17

19.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) 18

20.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) 音が鳴りつつも、 車速への意識を保てた人が多い 19

21.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) 20

22.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) 普段エンジン音を頼りに速度を調整 「ドレミハンドルの音に集中すると、 車速を調整しづらくなった」 21

23.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) 22

24.

結果と考察(車速維持率:48~52km/hを維持できた割合) • • プレッシャーを感じていたと 考えられる人 もともと修正舵が少ない人 ハンドルに強く意識が向く分 車速維持率が低下してしまう 23

25.

←ドレミハンドル使用前 ←ドレミハンドル使用中 24

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ハンドルの切り始めにおける 大きい修正舵の改善 25

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ヘアピンカーブでの 早すぎる切り戻しによる 修正舵の改善 26

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上り坂での 修正舵の改善 27

29.

講師の指導との比較 ドレミハンドル 講師指導 導入さえしてしまえば 講師の確保、時間、 いつでも自由に使える お金などコストがかかる 速度を意識しながらも 修正舵を意識できる人が多い 見られているプレッシャー 修正舵へ意識が強く向く分、 速度を意識しづらくなる 28

30.

今後の展望 どこでも誰でも使えるようにスマホアプリ化 参加者を増やして再度実験 29

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まとめ 背景:運転のハンドル操作は難しい 目的:滑らかなカーブ走行の支援 提案:ドレミハンドル 実験:実車によるドレミハンドルの効果の検証 結果:カーブの切り方に変化 速度への意識も保てる 今後:スマホアプリ化により、手軽に使えるように 30