周辺視野への視覚刺激提示によるプログレスバーの主観的な待機時間短縮手法

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February 11, 19

スライド概要

SIGHCI181で発表した「周辺視野への視覚刺激提示によるプログレスバーの主観的な待機時間短縮手法」という研究のスライドです。

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 中村聡史研究室

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

周辺視野への視覚刺激提示による プログレスバーの主観的な待機時間短縮手法 松井啓司(明治大学大学院 先端数理科学研究科) 中村聡史(明治大学大学院 先端数理科学研究科) 鈴木智絵(ヤフー株式会社) 山中祥太(ヤフー株式会社)

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研究背景 • PC操作時に様々な待機時間が発生 ◯ データの読み込みや画像のDLなどによるもの • 他の作業をするには短い時間 • ただ待つだけでは長い時間 待機時間を短く体感したい!

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関連研究 • 待機時間をなんとかするための手法 ◯ プログレスバー(視覚的フィードバック) • プログレスバーの効果を高めるための手法 ◯ ◯ アニメーション付与[Chris 2010] インタラクティブな要素の付与[Hohenstein 2016]

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提案手法 • 提案手法 ◯ ◯ プログレスバーの効果を高めるためのもの 特に視野範囲に着目したもの

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視野範囲について 周辺視野 中心視野

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提案手法 • 2種類の視野に着目した視覚的フィードバック ◯ 効果が強まる?阻害しあう??

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これまでの研究成果 • SIGHCI171で発表 ◯ ◯ 20〜160秒の待機時間が対象 視覚刺激の速度変化によって体感時間が変化 • SIGHCI176で発表 ◯ ◯ 8〜12秒の待機時間が対象 特に短い待機時間において有効

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今回の発表内容 • さらに短い待機時間を対象に実験 ◯ ◯ これまでの実験でも扱っていなかった範囲 今回の実験によって扱える時間条件を把握する

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今回の研究目的 • より短い時間を対象に実験 ◯ 待機時間を網羅して提案手法の適応範囲を調査 • 実験によって改めて提案手法の有用性を示す ◯ 短い時間でも体感時間が短縮されるか検証

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実験手続き①

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実験手続き② • 何秒間待機していたか回答する

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実験手続き③ • ランダムな時間のインターバルをはさむ ◯ 直前の施行の影響を軽減する

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実験手続きまとめ • 実験の流れ ◯ ◯ ◯ プログレスバー提示 体感時間を回答 インターバル 繰り返す

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実験条件① • 時間条件 [2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 10, 12](秒) ◯ プログレスバーが伸びきるまでの時間の条件 • いずれかの条件に従ってプログレスバーが進む ◯ 8~12秒はすでに実験したため9と11は省略 • 例:時間条件が10 ◯ 10秒でプログレスバーが進みきる

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実験条件② • 速度条件[0, 1.4, 2.0, 2.8, 4.0](radians/秒) ◯ ◯ 周辺視野に提示される視覚刺激の速度の条件 2つの条件を選出 → 速度の変化は4パターン • 施行開始時の速度と施行終了時の速度 • 「静止」「加速」「一定」「減速」 • 例:時間条件が10, 速度条件が2.0と0 ◯ ◯ 10秒で進みきるプログレスバー 10秒かけて速度が2.0から0に減速する視覚刺激

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実験条件まとめ 時間条件 9 速度条件 (開始時と終了時) 5×5 組み合わせ 225

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実験内容まとめ • 実験の流れ ◯ ◯ ◯ プログレスバー提示 体感時間を回答 インターバル 225回繰り返す • 実験協力者:大学生15名 • 時計などを視認できない状況 • 時間条件が変わっても体感時間が短縮するか検証 ◯ 仮説:短い時間条件でも体感時間は短縮

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実験結果① -速度変化の4パターン静止 加速 一定 減速 体感時間(%) 97.4 96.0 96.3 95.5 分散 0.017 0.018 0.016 0.019 • 体感時間(%) ◯ ◯ 100%:10秒の待機時間を10秒と体感 50% :10秒の待機時間を5秒と体感 • 静止 = プログレスバーのみの効果 • 提案手法の適応によって体感時間が短くなる

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実験結果② -加速度ごとの分類加速 減速 静止 一定 大 小 小 大 体感時間(%) 97.4 100.6 91.6 96.3 92.6 98.5 0.017 0.021 0.016 0.016 0.015 0.026 分散 • (終了時の速度 – 開始時の速度)÷ 時間条件 ◯ 例:(2.0 – 0)÷ 10 = 0.2 • 正と負の加速度をそれぞれ中央値基準に分類 ◯ ◯ 中央値 ≒ 0.286 > 0.2 > 0 0.2は加速 小に分類 • 加速度の大きさが体感時間に影響

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実験結果② -加速度ごとの分類加速 減速 静止 一定 大 小 小 大 体感時間(%) 97.4 100.6 91.6 96.3 92.6 98.5 0.017 0.021 0.016 0.016 0.015 0.026 分散 • (終了時の速度 – 開始時の速度)÷ 時間条件 ◯ 例:(2.0 – 0)÷ 10 = 0.2 • 正と負の加速度をそれぞれ中央値基準に分類 ◯ ◯ 中央値 ≒ 0.286 > 0.2 > 0 0.2は加速 小に分類 • 加速度の大きさが体感時間に影響

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考察① • 実験結果① ◯ いずれも提示なしよりは短縮 • 実験結果② ◯ 小さい速度変化:体感時間の短縮 • 研究目的と合致 ◯ 大きい速度変化:体感時間の延長 • これはこれで • 楽しい時間や落ち着きたい時間を長く体感?

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実験結果③ -時間条件ごとの分類速度条件の変化 • 体感時間が 静止 加速 一定 減速 短縮:2, 3, 4, 10, 12 2 120.0 116.7 113.3 108.3 延長:5, 6, 7, 8 3 113.3 99.8 104.9 101.6 4 103.3 97.5 98.3 97.2 5 93.3 97.2 95.2 97.3 6 84.4 92.6 93.1 91.4 7 85.7 92.3 91.8 91.6 8 91.7 89.5 91.8 92.4 10 94.7 89.5 91.1 90.5 12 90.6 89.1 87.4 88.9 ◯ ◯ 時 間 条 件

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考察② • 2〜4および10,12秒では体感時間が短縮 ◯ 2〜4秒において特に有効(昨年度の結果と一致) • 5〜8秒では体感時間が延長 ◯ 扱う時間条件の幅によるもの? • 扱う時間条件の幅が広いと中間程度の条件でこうなる? ◯ 5〜8秒は従来手法が有効な時間帯? • 提案手法の効果が落ちているわけではない? ◯ 異なる時間条件で再実験するなど調査

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考察③ • 仮説:短い時間条件でも体感時間は短縮 ◯ ◯ 2〜4および10, 12秒については立証? 5〜8秒は改めて検証が必要 • もしも体感時間の延長が可能であれば ◯ ◯ コンテンツの楽しさを延長 あわただしい時間をゆっくりに体感

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まとめ • 周辺視野への視覚刺激提示により プログレスバーの効果を高める手法の提案 • 前回の実験を踏まえて再実験 ◯ ◯ 短い待機時間をより短く体感 むしろ延長される時間条件も存在 • 今後の展望 ◯ ◯ 時間条件を調整して再実験 Webブラウザを想定した実験の実施

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Webブラウザ想定実験 • より実際に使うシーンを想定 • 4種類の視覚的フィードバックを比較 ◯ ◯ ◯ ◯ 提示なし プログレスバーのみ提示 周辺視野への視覚刺激のみ提示 両方とも提示

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提示なし • 提示内容 ◯ ◯ ◯ ◯ 提示なし プログレスバーのみ提示 周辺視野への視覚刺激のみ提示 両方とも提示

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プログレスバーのみ提示 • 提示内容 ◯ ◯ ◯ ◯ 提示なし プログレスバーのみ提示 周辺視野への視覚刺激のみ提示 両方とも提示

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周辺視野へ視覚刺激のみ提示 • 提示内容 ◯ ◯ ◯ ◯ 提示なし プログレスバーのみ提示 周辺視野への視覚刺激のみ提示 両方とも提示

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両方提示 • 提示内容 ◯ ◯ ◯ ◯ 提示なし プログレスバーのみ提示 周辺視野への視覚刺激のみ提示 両方とも提示

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Webブラウザ想定実験 • 視覚的フィードバックの内容による影響を観察 ◯ ◯ 行動変容(ブラウザバック回数) 生理的指標(吐き気など) • 視覚的フィードバック提示のタイミング ◯ リンクをクリック → HTML要素の読込完了まで • 待機時間が終了するとHTMLが一気に表示

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Webブラウザ想定実験 • 調べ物タスク ◯ 4つのテーマ • チョコレート,ボードゲーム,十二星座,相撲 ◯ 20個の資料 • それぞれに1〜20秒の待機時間 • 待機時間が完了してから資料の内容が表示 • テーマごとに異なる視覚的フィードバック提示 ◯ ◯ ブラウザバック率(20件中何件か) 主観アンケート(各4点満点)

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Webブラウザ想定実験 提示なし 発生率(%) 53.0 提示なし プログレスバー 24.0 プログレスバー 周辺視野 45.5 周辺視野 両方提示 22.5 両方提示 吐き気 0.30 0.30 0.27 0.40 眼精疲労 0.05 0.30 0.35 0.45 頭痛 0.05 0.05 0.10 0.10 • 提案手法でブラウザバック率が低下 ◯ ただし生理的指標への影響がわずかに高い

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まとめ • 周辺視野への視覚刺激提示により プログレスバーの効果を高める手法の提案 • 前回の実験を踏まえて再実験 ◯ 短い待機時間をより短く体感 • Webブラウザでの使用を想定した実験 ◯ 行動変容が確認 • 今後の展望 ◯ ◯ ◯ 時間条件を調整して再実験 副作用を軽減するための条件調査 応用可能性の検討(VRコンテンツなど)