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December 03, 23
スライド概要
JE6RPM(opr. JH5GHM)での2023年CQWW CW参加顛末記
2023 CQWW CW JE6RPM SOABHP
WRTC 2022以降の参加コンテストの顛末は? ▸ WRTC 2022を終え、睡眠負債が本番に大きく影響することを身をもって体験し た。以降、可能な限り日常の生活で睡眠時間を削らないことを肝に銘じてきた。 ▸ WAEDC CW、All Asian Phone、WAEDC SSBの参加記の下書きをしたためてはい たが、8月中旬以降公私ともに忙殺され、推敲すらままならない状態。 ▸ CQWW SSBは下書きすら書く余裕もなし。 2
2BSIQ ▸ CWコンテストは日々の2BSIQの成果が如実に結果に反映されるという信念。 ▸ 日々の練習は1R、2BSIQ、SO2R(Run+S&P)の三つだが、合計で90分は必要となり、 それだけ就寝時刻が遅くなる。 ▸ 睡眠負債への影響を考慮し、日々の練習は1Rと2BSIQにのみ絞って可能な限り継 続。 3
本命コンテスト ▸ WRTC 2026のqualification対象コンテスト。 ▸ 太陽活動の活発化により2BSIQの効果を発揮できる最良のコンテストとして期 待。 ▸ 2019年に達成した定位置となっていたSOABHPの国内トップの奪取は2BSIQによる ところが大きい。 4
本命コンテスト ▸ 2021年はSO2R Neoを使用した初の実コンテストで あったが、リグとの組み合わせによる確認不足が 原因で2BSIQが中途半端な状態。 ▸ これがためにコロナ禍後半での返り咲きは叶わ ず。 ▸ リグを使用し、問題点をすべて解消して以降のCW コンテストのraw scoreでは国内トップを維持で きている。残りのピースとしてのコンテストがこ のコンテスト。 5
各種準備(FTC編) ▸ All Asian Phoneで10mへの看過できないノイズが露 呈(画像の例では4本ぐらいある三つの縦スジがそ れ)。 ▸ 28.4〜28.5あたりが特にひどく、何度もQSOの障害 となる。 ▸ 当初はシャック外からのノイズと見込んだものの、 BPFのアンテナ側の同軸を外した状態でも派手なノイ ズを確認。 ▸ シャック内の各種装置を一つひとつあたると、FTCか らであることが判明。 6
各種準備(FTC編) ▸ 過去FTCからのノイズが気になったことはな く、一つ試練をもらったと考えることとした。 ▸ FTCはバンド変更時にアンテナとBPFの切り替 えの目的でも10年以上利用。 ▸ FTCにはバンドデータが出力されていて、BPF のような外部装置の切り替えのために連動可 能。 ▸ バンドデータの自前のBCD変換箇所もFTCの ケース内に同梱(写真内フォトリレーが載った ユニバーサル基板)。 7
各種準備(FTC編) ▸ 変換基板をFTCのケース外部に出しただけではノイズ は収まらず。FTCからはバンドデータラインのみを引 き出してFTCのケース外部で変換させて使用すること とした。 ▸ BPF駆動用の電源は個別に取れるようにした(この問題 が発生する時まではFTC内部から供給)。 ▸ 変換部を小型のアルミのダイキャストケースに入れる べく個別に基板を作成。 ▸ 変換部の電源の分離によりノイズは多少抑えられたも のの、対策としては不十分。 8
各種準備(FTC編) ▸ FTCの電源とリグの電源を別系統にすることで耳では確認できない程度に解消さ れることを発見。 ▸ この状態でCQWW SSBに望むも、動作条件をすっかり忘れ、FTCとリグの電源を同 系統にしたまま運用。 ▸ 終了後この条件を思い出し、ノイズが減らなかった原因について再認識。 ▸ 今回はこれを忘れずに設営したためようやくノイズがない環境となった。 ▸ そもそもCWで使用する周波数界隈ではノイズは発生していないので今回のコンテ ストには直接影響しない対策だったが、今後のSSBコンテスト対策として実施。 9
各種準備(ロギングソフト編) ▸ 日々の練習はロギングソフト内に独自に実装されたシミュレータを使用。 ▸ 各種メッセージは普段利用するものが同じ操作でそのまま利用可能。 ▸ これにより、ロギングソフトの各種動作の確認も可能。 ▸ 2BSIQを実践するにあたって想定されるすべての状態遷移は自分自身で取りまと め、それをコード化したものをロギングソフトに取り込んでもらった。 ▸ 2BSIQ運用中は必要最小限の動作で確認をしたい状況が多く発生。 ▸ そのうちの一つが入力したコールサインがSCPあるいはExchange Database(他 のロギングソフトではhistory dataとも呼ばれる)にマッチしているかどうかの 確認。 10
各種準備(ロギングソフト編) ▸ これによって自分が入力したコールサインの確度が高まり、不安に駆られての コールサインの聞き返しはほとんど発生しなくなる。 ▸ 聞き返しがないことで、他方のリグからのAFに集中可能。 ▸ 視線の移動なしの確認のためにロギングソフト作者に要望した機能としてマッチ 時にコールサイン入力フィールドの背景色を変えるという機能がある(私の環境 では画像のようにグレーに変更させている)。 ▸ 5年以上この環境での日々の練習や実践運用があるためすでに体が覚えている。 11
各種準備(ロギングソフト編) ▸ 昨年後半あたりから、日々の練習時にこの背景色の変更のタイミングが遅くなっ ていることに気づく。 ▸ 2BSIQで他方のリグ側の局への対処が背景色の変更の遅延によって遅れてしま い、タイミングが取りづらくなっていた。 ▸ 使用しているMacの性能に起因して遅くなっていると判断し、これを解決するた めに今年になってからM2のMacBook Pro(MBP)を入手。 ▸ このMBPを利用しての日々の練習では、背景色の変更のタイミングの遅延も解 消。 ▸ が、WRTC 2022が終わったぐらいから遅延が再発していることに気づく。 12
各種準備(ロギングソフト編) ▸ ロギングソフト作者に確認すると、私のMBPより高性能なMac Studioでも同様と のこと。 ▸ コールサイン入力フィールドの左側はPartial Paneと呼ばれ、入力したコール サインに近いコールサインが最大で8局分表示される。 ▸ マッチ時の背景色の変更は元々この表示と同期して動作していたが、非同期とす ることで背景色変更の動作が個別処理となり、かつての使い勝手が復活。 13
各種準備(移動編) ▸ WRTC 2022より前のコンテストでは金曜早朝に自宅を出て現地入りして設営とい うスタイル。WAEDC CWは毎年盆と重なり、金曜日の航空便は最初から繁忙価格 であるため今年はやむなく木曜夜出発とした。 ▸ これまでのように金曜の朝出発だったとすると、04:45起床必須となるが、この スケジュールではコンテスト直前に睡眠負債を溜め込む原因の一つとなる。 WAEDC CW以後のコンテストでは自宅は木曜夜に出発し、金曜朝の起床を現地と することで起床時刻を普段とほぼ同じとし、睡眠負債を極力増やさないようにし た。 14
各種準備(宿編) ▸ コロナ禍後、国内外の人の流れが急激に回復したこともあって以前の定宿が低価 格でなくなってしまい、都度最安の宿を選択している。 ▸ コンテスト毎に宿を変える中、CQWW SSBで泊まったホテルが自分自身に最適であ ることに気づく。 ▸ 建物外部からの音をかなり遮蔽。 ▸ 他のホテルでは期待できなかった室内の完全遮光が実現。 15
各種準備(宿編) ▸ 以前の定宿あるいは他のホテルでは以下のいずれかあるいは両方の問題がある。 ▸ 早朝や深夜の路面電車の走行音がホテルのどの客室内でもかなり大きく聞こ え、個人的には騒音レベル。 ▸ 街あかり、あるいは日の出後の明るさがかなり入り込み、遮光カーテンの役割 を果たせていない。冬場はまだしも夏場は日の出がかなりの早朝となるため困 る。 ▸ これらにより、入眠時あるいは起床前の眠りを妨げていた。 ▸ 睡眠環境は十人十色で、私には就寝時は音無し、光無しが最適。何かのアダプタ の暗いLED灯ですら気になる。 16
各種準備(宿編) ▸ 今後はCQWW SSBの時と同じホテルの利用でコンテスト直前の睡眠環境の向上を 図る。 ▸ このホテル、全国チェーンのホテルであるためどこでも同じコンセプトなのでは と思い試しに名古屋でも利用してみた。 ▸ 音は静かで良かったものの、遮光環境は特筆する感じでもなく、おそらく屋号 が変わる前のホテルのつくりがそういう設計だったのだろうと勝手に想像。 17
前日の各種確認 ▸ 当地での運用を始めて以降、このコンテストでは開始前日の金曜早朝にシャック 入りし、ローバンドの状況を確認。今回も同様に実施。 ▸ 02:45(日本時間)の目覚ましで起床し、シャックには03:40(日本時間)には到着。 ▸ 過去の記憶からは日の出間近にヨーロッパ奥深く、そしてzone 33あたりも聞こ えたように思うが今回はこの状況にはなかった。 ▸ 一方で80mと40mとで適宜高速CWにてCQを送出。東ヨーロッパ界隈の局はすぐに 反応して呼んでくるが、目的は彼の地にあるSkimmerにどの程度拾ってもらえて いるかの確認。 18
前日の各種確認 ▸ 日の出前後からはハイバンド(20m、15m、10m)で同様の確認。 ▸ いずれも特筆するような方面からのspotはなかったが、コンディションがいい状 態であることは確認できた。 ▸ この日の就寝は20時過ぎ。翌日(土曜日)の起床は06:15の予定で10時間は寝られ る算段。起床が早く眠かったとは言え、慣れない時間の就寝は体内リズムを考え るとよかったとも言えず。来年以降、状況に応じて確認することのメリットとの 天秤にかける予定。 19
回り込み ▸ いつもコンテストが始まってから事前にやっておけば良かったと思う各バンド間 での回り込み調査も金曜日の確認にて実施。 ▸ 高調波を除けばリニアを定常運転させてもほとんどかぶらず、2BSIQには好環 境。ただし、radio 1の10mで30°〜90°に向けるとradio 2のAFに盛大に回り込 む。 ▸ 機材に常携しているST-71を使用したAFアイソレータとコモンモードチョークを それぞれ2段投入するも、カスカスな局を拾うには相当厳しい。 20
回り込み ▸ この時SO2R Neoにも回り込み、下記のような状態になる。 ▸ 相手のコールサインを一文字のみ送信してすぐさまPTTは停止するも、ロギン グソフトからはSO2R Neoから送信中と認識。 ▸ とりあえずSO2R NeoのUSBケーブルの抜き差しで復旧。 ▸ 機材に常携していたはずのUSBアイソレータが見つからないため対処療法として radio 1で10m運用時のアンテナでの30°〜90°は鬼門とし、この区間を転回中は radio 1の10mで送信しないこととした。 ▸ この対処によりコンテスト終了まで大きな問題とはならずに済んだ。 21
開始直前(コンテスト開始当日) ▸ シャックには08時前に到着。 ▸ 15mも10mも東海岸が短いエコーを引きながらもそこそこの強さで入感。復活した ハイバンドを久しぶりに堪能できそうな気配。この状況より、先発から20mを除 外。 ▸ 早々に周波数取りをしたところで経験的にあまり意味はなく、開始2分前まで waterfallを眺めつつかぶりそうにない場所を目視で探索。 ▸ 5分前にいつものICレコーダで48時間連続の録音を開始。 22
開始直前(コンテスト開始当日) ▸ 開始まで2分切った頃に空き場所を定めてAlternating CQ(N1MM+で言うところ のDueling CQ)を開始。 ▸ コンテストはまだ始まってはいないが、CQを出してはいけないというルールはな く、開始前に呼ばれてもQSOを開始しなければいい。 ▸ いつもはフライング気味の局から呼ばれるが、今回は誰にも呼ばれることなく開 始時間。 23
開始 ▸ 最初の1分間は1Qのみ。WRTC 2022の時もそうであったが、出だしではこういう こともある。 ▸ 0001Zには15mと10mで合わせて5局呼ばれ、その後も同様な調子。 ▸ 0005Zに15mでP40Lから呼ばれる。 ▸ いつものことながら実践だとシミュレータで呼ばれるよりも緩く感じる。なので 日々の練習よりも楽な感じで捌ける。0025Zの時点で100Qに到達し、国内からに してはかなりのハイペース。 24
0025Z、トラブル発生 ▸ radio 1側(10m)の受信音が突然かなり小さくなる。聞こえはしていたのでその ままRunを続けるも、radio 1側はまったく呼ばれなくなる。 ▸ ふとradio 1のSWRを見ると3近く。リニアのバンドの状態を見るとWARCバンド。 ▸ シャックに到着してすべての機器を起動後、radio 1側のリニアのバンドがFTC に同期していなかったことを思い出す。この時はリグでバンドを切り替えて戻す ことで復旧。この経験は初。起動した頃の不安定な状態を引きずっていた模様。 リニアのバンド制御用のデータラインを抜き挿しすることで復旧。 ▸ その後コンテスト終了まで同様な事象は発生せず。 ▸ この箇所での接続(接触)が物理的に不安定だったと推測。 25
0025Z、トラブル発生 ▸ このトラブルで10mは5分間QSOが途絶。 ▸ それまでと同様のペースが続いていたとすれば少なくとも10局以上はQSOを逃し たことになる(皮算用)。 26
期待大 ▸ トラブル回復から間も無く、10mでOHから呼ばれる。アンテナは30°。 ▸ コンテスト中40m〜10mでshort path経由でのEuとQSOする場合、20°あたりに向 けるとノイズも少なく、対Euで頻用する方角とほぼ同じ。今回もおそらく short Path。夏場ならともかく、この時期の10mでshort path経由での北欧と のQSOは初めて。 ▸ トラブルに見舞われつつも幸先良い。 27
0100Zまで(1日目) ▸ 最初の1時間で205Q。この時点でのdupeは0Q。 ▸ 国内からのsingle operatorでの正味60分間の最高レートは自身がJH1GBZにて 達成した2014年の187Q。これを18Q上回るペース。 ▸ 北米相手だと多くは日本時間の日曜朝の7時から8時台というのが過去の国内の高 レートとなる状況。出だしの1時間ですでにこの数字を上回ったことからなおさ らこの先の期待感が高まる。 28
0200Zまで(1日目) ▸ 0100-0159Zの1時間で、165Q。これとて国内からの過去のレートからしても悪く ない。 ▸ 0200Zの時点でdupe抜きで合計370Q。この1時間でdupeは4Q。 29
0200Zから(1日目) ▸ 10mでやや北米が落ち気味となったため太平洋方面の局を期待し、2BSIQを継続 しつつ、アンテナを135°へ。 ▸ 0246ZにCT1BOHから呼ばれる(10m)。 ▸ 終了後クラスタを見たところ、long pathとコメントがある。方角もほぼその通 り。 ▸ 6分後の0252ZにはCOから呼ばれる(10m)。アンテナは135°のままなのでskew pathか。この時間のこのパスも今回初めて。 30
0300Zから(1日目) ▸ 10mとの比較から15mの落ち目感は否めず、15mを20mに切り替え引き続き2BSIQ。 ▸ 0304Zには10mでEAから呼ばれる。先のCTと同様long path。 ▸ 20mに切り替えたことで03Z台のレートが3桁に復活。 31
0400Zから(1日目) ▸ 20mのレートが落ち目となり、他の地域でもハイバンドが良く、それだけ彼の地 でも20mが手薄となっていると判断。20mを離れ再び15m(10mはそのまま)。 ▸ 04Z台は「中休み」相当の呼ばれ方で、dupe抜きで59Q。この状況は05Z台になっ ても同様。 32
0600Zから(1日目) ▸ 過去の状況からは、この時間帯から09Z過ぎまではトータルでかせぎ時。今年は それが15mと10m。 ▸ 08Zを前に1000Qに到達。 ▸ 10mでは自分の電波が地球を一周し、送信の最後の100ミリ秒弱がほぼ毎回聞こえ てくるが、当地からだとEuはlong pathよりもshort pathが強い。 ▸ 初っ端の00Z台で205Qに達したが、0812Zからの1時間でdupe込みで207Qに到 達。 ▸ 以前も触れたように、太陽活動状況に関わらず朝の北米だけがレートの稼ぎ時 だったのはすでに過去。今やEuは無視できない存在。 33
0900Zから(1日目) ▸ 09Zを回って間もなくすると10mが急激に下降し、呼ばれ続ける状況ではなくな る。 ▸ この状況での10mへの長居は時間の無駄。 ▸ radio 1を10mから20mに切り替えて2BSIQを継続。 ▸ 20mと15mが同じぐらい呼ばれるが、10Zを前に15mで呼ばれなくなる。 ▸ そういう状態でも惰性でバンドを変えず2BSIQを継続。 34
1000Zから(1日目) ▸ 15mを40mに切り替えて2BSIQ。が、2019年や2021年の時のようには40mで呼ばれ ず。11Zに近づくあたりから20mと15mを除く各バンドを徘徊し、S&P。1130Zあた りから40mと20mで2BSIQを再開。 ▸ 12Z過ぎに1500Q。全行程の4分の1経過なので6000Qを妄想。 ▸ 13Z台は124Q、14Z台は98Q。この時間帯は2019年とほとんど変わらないレー ト。 ▸ しかし15Z以降さっぱり振るわなくなり、21Zを迎えるまでレートがガタ落ち。 ▸ 彼の地(Euあたり)では日が落ちてもハイバンドが好調で依然としてローバンドに 局が降りて来ないのだろうと推測。 35
1000Zから(1日目) ▸ 20mでは東海岸やEuの音が北極近辺のオーロラの影響を受けたと思しき状態で 濁って聞こえる。この状態でもQSOは可能ではあるものの、高速CWだとデコード しづらい。 ▸ 18Zになる時点で2019年の同時刻の局数より少ない状態となり、その後さらに差 が開く。 ▸ 160mや80mは設備的に局数よりマルチ重視とならざるを得ないが、Euはほとんど 聞こえず。 ▸ 80mはジャミングによってバンドの大部分がマスクされ、NBを入れた程度ではど うにも聞こえて来ない。 36
2100Zから(1日目) ▸ 日の出前のローバンドを期待したが不発。 ▸ 40mではshort pathで東海岸と何局かQSO。 ▸ 日の出時間(2205Z)を迎えたため、ローバンドを見限る。 ▸ 10mでは昨日(日本時間)の蓄えによってこの時点でdupe抜きで735Q。10mより QSO数が少ない20mと15mに2BSIQにて注力。 ▸ この時間帯の北米、特に東海岸の局はごく短いエコーを引いていて、2BSIQ時の 高速CWでは聞きづらい。 ▸ そしてコンテスト中盤での北米方面に多いのがこちらが送信終了後に数秒遅れて 自コールを送出し始める局(delayed callerと我流命名)。 37
2100Zから(1日目) ▸ この場合反対側のリグ側でのQSOが進行中だと進行中の側の送信メッセージがす でにロギングソフトの送信バッファに入った状態になっていることもあり、ESC で送信を止めるのは避けたい。その結果delayed callerが送信中にこちらも送 信(CQ)開始状態となる。 ▸ こうなるとdelayed callerとのQSOはその次のCQが契機となることが多く、 2BSIQでの1局分の時間が無駄になる。 ▸ そういう事情に加えて短いエコーを引いた受信音もあり、レートは絶好調と言え る程度までには至らず。 38
2359Zまで(1日目) ▸ レートは劇的に上がらないとは言え、局数は着実に伸ばすことができ、24時間で dupeを除いて2323Q。 ▸ 自己ベストとなったスコアの2019年より50局上回る。 39
二日目突入 ▸ 一日目とは違い、広く開けた感じはしない。ペースは落ちるが耐えるしかない。 ▸ 昼を回り、ヨーロッパが開ける05Z頃より15mと20mで2BSIQ。一日目よりはレー トは落ちるが07Zから09Zは各時間140〜160Qを確保。 ▸ 0830Z頃にはdupe抜きで3000Qを超えた。 ▸ 一日目からの予想で10mが先に落ちると見込み、0920Zから10mで1Rに切り替え、 その後0940Zまで刈り取り。 ▸ ふたたび15mと10mの2BSIQを開始するも予想通り10mが急速に落ちる。15mが落 ちるのも時間の問題と判断し、10Zから15mにて1Rで刈り取り。 40
二日目突入 ▸ ローバンドの北中南米の刈り取りのタイミングはあまり残されていないため 1030Zからローバンドに移行するも、刈り取る相手がおらず程なく1Rで20mへ。 ▸ 以降1R/2BSIQをおり混ぜたが、低調なレートが21Z過ぎまで続く。dupe抜きでの 3500Qは15Z過ぎに到達。 41
仮眠 ▸ 2019年も2021年もそれまでの経験から二日目の午前中(日本時間)から昼ごろに いずれも90分程度の一回の仮眠のみとしていた。 ▸ 2019年も2021年も月曜日の明け方(日本時間)には朦朧状態となり、自分が何を しているのか理解不能状態となる幻覚を感じてしまうことを経験。この状態で最 後の駆け込みの北米を捌こうにもCWの脳内デコードが追いつかず、2BSIQはおろ か1Rすらきつく感じる。 ▸ 今回は新たな試みとして、15分間の仮眠を複数回想定。一日目の出だしの好コン ディションから二日目の午前中の仮眠は避けた。トメルミンは今回も必要に応じ て服用しているが、効きはWRTC 2022の時とは違い、期待通り。なのでこのまま 仮眠せず運用を続行。 42
仮眠 ▸ 初回の仮眠は二日目の1115Z。胸ポケットにアラームをセットしたスマホを入れ て椅子をリクライニングさせ、椅子に付属のオットマンを出して仮眠。目を閉じ ていただけで寝たという感覚はほとんどないが、目覚ましに気づいた時の状態か らすると実際にはわずかながら眠っていた模様。時間通りに目覚めて復帰。 ▸ 二回目(最後)は二日目の1730Z。こちらも同様な仮眠状態で時間通りに目覚め。 ▸ 幸いこの二回の仮眠で幻覚に遭遇せず、そしてデコード不全にも至らず最後まで やり遂げられた。 ▸ 睡眠負債の状態もあろうが、今回は最小限の仮眠でやり通せたように思う。 43
最後の追い込み ▸ 2100Zの時点でdupe抜きで3637Q。4000Qが見え隠れする数字。 ▸ 朝の北米がそれなりに開ければ無理でもなさそうな感触。最終目標を4000Qと定 め、21Z過ぎにハイバンドに移るが10mはまだ開け切っていないため20mと15mで 2BSIQ。 ▸ この時も昨日の同時間帯と同様に軽くエコーを引く局が少なくなく、2BSIQで双 方受信した場合の分別に往生する。さらに時折delayed callerからも呼ばれ、 ペースが乱れる。この状態で1時間耐えたが23Zを前に10mの立ち上がりを期待し て刈り取りを開始。ただし、エコーやdelayed callerによる効率低下を想定 し、1R。 44
最後の追い込み ▸ 30分ほど刈り取った後、1Rで15m、その後同様に1Rで20mと個別の刈り取り。終 了まで残り20分となったところで15mと10mの2BSIQに切り替え。この時刻までに は相手局の多くが東海岸から中西部に移っているためエコーはほとんどなくな り、終了間際の駆け込み状態からdelayed callerもあまりいないだろうと見込 む。 ▸ 残り49Qを積み上げられれば4000Qの大台。この時間帯の2BSIQのレートからすれ ばギリギリ達成できそうな見込み。 45
終了 ▸ 終了2分半前に4000Qに到達し、その勢いのまま積み上げ、4006Qで終了。 46
総評 ▸ 数字だけを見ればQSOと得点は過去最高ではあるが、正直な感想としてAll Asian CW以降のいずれのコンテストも同じで、「やった感がない」。 ▸ この感覚がどこから来るのかはっきりしないが、おそらく数字的にはもっといけ るというのがあるためでは、と薄々感じている。 ▸ もっとできるはずと無意識に思っている一方、レート低下時のS&PによるQSOの少 なさが課題である。コンディションによってやり方が変わるのは当然だとして も、このような時にどのようにすべきかの見極めをしきれていない模様。 ▸ 老化によるものか別の要因かわからないが、キーボードの打ち間違いを以前より 多く感じ、2BSIQ時にtypoしたコールが送出されることが何度か発生。 47
総評 ▸ 繰り返しにもなるが、S&Pでの刈り取りが少な過ぎ、加えてS&Pが結果的に1R状態 となってしまった。日々の練習からSO2R(Run+S&P)を睡眠負債を抑えるために一 時的に端折ったことでSO2Rの運用の慣れが薄まり、運用中に気が回らなくなって いた可能性が高い。呼ばれることに慣れすぎるとS&Pに気が回らなくなり、今回 はS&Pしてはいても漫然とVFOを回して時間だけが過ぎてしまっていたように思 う。 ▸ YBのCWが数年前より格段に垢抜け、ほぼ全てのYBからこちらのペースに合わせて 呼んでもらえた(SSBの時も同様に感じた)。今後のYBからの参加局の増加にも期 待。 48
49
day 1 day 2 50
51
52
JE6RPM 4500 dupe込みのQSO数の時間変移(QSO時のみにプロット、プロットが切れている箇所は無QSO) 4000 2023: orange 2019: light green(参考データ) 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 2023/11/25 0:00 2023/11/25 6:00 2023/11/25 12:00 2023/11/25 18:00 53 2023/11/26 0:00 2023/11/26 6:00 2023/11/26 12:00 2023/11/26 18:00 2023/11/27 0:00
JE6RPM 30 dupe込みのQSOのバンドと時間変移(オレンジがQSO、QSO間は青線) 25 20 15 10 5 0 2023/11/25 0:00 2023/11/25 3:00 2023/11/25 6:00 2023/11/25 9:00 2023/11/25 12:00 2023/11/25 15:00 2023/11/25 18:00 2023/11/25 21:00 54 2023/11/26 0:00 2023/11/26 3:00 2023/11/26 6:00 2023/11/26 9:00 2023/11/26 12:00 2023/11/26 15:00 2023/11/26 18:00 2023/11/26 21:00 2023/11/27 0:00