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August 05, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で新設されるNGS-SBT法実施加算2,000点を図解で解説します。臍帯血の組織適合性試験は従来法なら手術料に包括、NGS-SBT法を用いた場合のみ上乗せ評価となります。従来法4座とNGS法11座の違い、加算の根拠となった臨床エビデンス、算定漏れを防ぐ院内連携と移植スケジュールの見直しまで、実務者向けに整理しました。
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【令和8年度診療報酬改定】臍帯血移植にNGS-SBT法実施加算2,000点を新設
https://www.daitoku0110.news/p/cord-blood-transplant-ngs-sbt-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
実務解説・運用ガイド 【令和8年度診療報酬改定】 臍帯血移植の質を 変える新評価 NGS-SBT法実施加算 2,000点新設の背景と実務対応
WHAT (制度改定) K922造血幹細胞移植「3 臍帯血移植」に対し、 NGS-SBT法による組織適 合性試験を実施した場に 限り、例外的に2,000点 (約20,000円相当)の 加算が新設。 WHY (臨床的根拠) NGS法による11座の高解 像度判定により、不適合 ユニット(DP/DQ抗体 等)を事前回避。生着率 の劇的な向上と白血病再 発率の低下を実現。 ACTION (現場への影響) 医事課での「算定漏れ」 を防ぐ連携フローの構築 と、検査期間(1~2週間) を考慮した移植スケジュー ルの再設計が急務。
包括評価の原則を維持しつつ、治療成績を向上させる手法のみを 上乗せ評価。 +2,000点 (NGS-SBT法実施加算) 従来法 / 従来評価 K922 手術料 (66,450点) 組織適合性試験: PCR-SSO法 (包括) 令和8年度 新評価 K922 手術料 (66,450点) 組織適合性試験: 従来法等の場合 (包括) 従来のPCR-SSO法等を用いた場合は引き続き手術料に包括され、別途算定は不可。 NGS-SBT法を用いた場合のみ、例外的に2,000点の加算が認められる。
従来法とNGS-SBT法の比較マトリクス 従来法 (PCR-SSO法) 新評価 (NGS-SBT法) 判定対象 (Loci) 4座 (A, B, C, DRB1) 11座 (A, B, C, DRB1 + DRB3/4/5, DQA1, DQB1, DPA1, DPB1) 結果返却時間 (TAT) 数日以内 1~2週間程度 診療報酬 (Reimbursement) 手術料に包括 (追加なし) 所定点数に+2,000点加算 臨床的利点 (Clinical Edge) 標準的な安全性確認 不適合ユニットの事前回避による 生着率向上・再発率低下
解像度のギャップ:NGS法が照らし出す「隠れた不適合」 従来法の可視領域 (4座) NGS法が解像する隠れた適合マーカー (追加7座) A B C DRB1 DRB3/4/5 DQA1 DQB1 DPA1 DPB1 従来法では同定不可能なアレル 従来法は主要な4座の確認に留まるが、NGS法は11座を網羅。これにより、従来は ブラックボックスであったHLA-DP/DQ等の詳細なアレル同定が可能となる。
臨床的帰結:事前の不適合回避が移植の成否を分ける 好中球の生着率 91.8% 55.6% DP/DQ抗体保有臍帯血を使用 抗体を持たない臍帯血を使用 (不適合) (NGSで回避成功) 白血病再発率の推移 HLA-DPB1不適合移植 HLA-DPB1適合移植 Time NGS法による11座の高解像度判定が、好中球の生着率を飛躍的に高め、 白血病再発のリスクを有意に抑制する。これが加算新設の最大のエビデンスである。
トレードオフの解消: 質の高い移植を推進するためのインセンティブ設計 高い臨床価値 (生着率向上・再発低下) + 診療報酬加算 (2,000点) 令和8年度 改定の意図 医療機関の負担 (検査期間1~2週間) 高い初期検査費用 NGS法は治療成績を劇的に向上させる一方で、結果返却までの時間(1~2週間)と 費用負担が医療機関のしかかる。今回の2,000点加算は、この実務的ハードル を相殺し、高精度な検査手法の普及を国が後押しするものである。
実務対応①:診療科から医事課への「算定トリガー」を構築する 最大の算定漏れリスク・ポイント 検査室/外部委託 NGS-SBT法による 検査実施 診療科 検査結果の受領・ 移植計画 医事課 K922 + 加算のレセプト請求 電子カルテ・オーダリングシステムに「NGS-SBT法の使用有無」のチェック項目を新設。 医事課のレセプト点検項目において、臍帯血移植(K922)算定時に検査手法の確認を必須化。
実務対応②:1~2週間の検査期間を織り込んだ移植スケジュールの再設計 Timeline A (通常スケジュール) NGS-SBT検査 (1~2週間) 前処置 移植 決定ポイント Timeline B (緊急性の高い症例) 従来法で急ぐか? (数日で結果) 移植 院内プロトコルの策定が必須 NGS法を待つか? (1-2週間待機) 移植 「結果返却までのタイムラグ」が移植計画に直結する。緊急症例において、迅速な従来法を選択するか、 高精度なNGS法を待つか、あらかじめ施設内での選択プロトコルを策定しておくことが必須である。
Summary & Next Steps 1 価値の共有 NGS-SBT法が生着率向上・再発防止にもたらす 臨床的価値を院内で周知する。 2 システムの改修 医事システムの算定チェック項目に「NGS-SBT法加算 (2,000点)」のフラグを実装する。 3 プロトコルの更新 1~2週間の検査期間を前提とした移植準備 スケジュール・緊急時フローを確立する。 4 通知の注視 今後発出される「留意事項通知」にて、NGS-SBT法の カルテ記録要件や算定単位の細則を必ず確認する。 質の高い造血幹細胞移植へのシフトを、確実な院内連携で実現する。