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August 07, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定「感染症に係る検査の見直し」を3つの要点で解説。細菌薬剤感受性検査の再算定、同時抗原検査の対象患者限定、マルチプレックスPCRの区分再編と施設基準の適用拡大について、算定要件の変更点と実務への影響を図解します。
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令和8年度改定 感染症検査の見直し3つの要点
https://www.daitoku0110.news/p/infectious-disease-test-revision-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
Explanatory Compliance Guide & Operational Playbook 対象:医療機関管理者・保険請求担当者・臨床検査技師 各位 令和8年度診療報酬改定: 感染症検査の見直し 3つの要点 抗菌薬と検査の適正使用に向けた算定要件・ 施設基準の変更と実務への影響
必要な検査への 評価拡大 複雑な耐性菌治療や重症化リ スクの高い患者に対する適切 な検査体制を評価する。 必要性の低い検査 の絞り込み スクリーニング目的の乱用を防 ぎ、対象疾患が強く疑われる ケースに要件を限定する。 抗菌薬と検査の適正使用 この「適正使用」の哲学に基づき、3つの主要な検査の算定要件が大きく見直されます。
改定の3つの柱と実務への影響 [算定要件:拡大] 細菌薬剤感受性検査 [算定要件:厳格化] 同時抗原検査 [算定要件:体系再編・厳格化] マルチプレックスPCR 多剤耐性菌に有効な新規抗 菌薬の適応判定を行うた めの追加検査について、再 度の算定を明記。 スクリーニング目的での使用 を制限し、同時に検出する感 染症の「すべて」が疑われる 患者に算定対象を限定。 評価体系を再編。SARS-CoV-2 を含む検査 (全体の99%) にも 施設基準と対象患者要件を新 たに適用しつつ、患者定義は 一部拡大。
[算定要件:拡大] 背景:新規抗菌薬と既存プレートのギャップ 近年、多剤耐性グラム陰性桿菌の治療薬として3つの新規抗菌薬が承認されました。しかし、 これらは国内の薬剤感受性装置の感受性プレートに搭載されておらず、同時に測定ができません。 従来の抗菌薬 (既存の感受性プレート) セフィデロコル (CFDC) セフタジジム・ アビバクタム (AVI/CAZ) レレバクタム・イミペ ネム・シラスタチン (REL/IPM) 別途プレートでの 追加測定が 物理的に必須 従来の課題:「一連の治療につき1回に限り算定」が原則であり、同一菌に対して別途プレート を用いて追加検査を行った場合の算定可否が不明確でした。
[算定要件:拡大] 追加の薬剤感受性検査 算定フロー 【初回検査実施】 細菌薬剤感受性検 査の結果... 【要件1】 カルバペネム系抗 菌薬を含む、通常の 治療で用いられる抗 菌薬に対する「非感 受性」又は「耐性」 が確認される。 + 【要件2】 カルバペネム耐性 腸内細菌目細菌 (CRE)等、多剤耐 性を有する細菌に 対して有効な抗菌薬 の適応判定を行う必 要がある。 【追加算定可能】 上記2つの条件を満 たして別途プレー トで再度実施した 場合、改めて所定点 数を算定可能。
[算定要件:厳格化] 背景:発熱患者へのスクリーニング検査に対する警鐘 発熱 (Fever) 3-in-1 Antigen Test Kit STOP 日本感染症学会・日本臨床微生物学会 (令和7年8月25日提言) 「COVID-19とインフルエンザの いずれか一方しか流行していない 時期について、特別な必要性が ない場合は単独の検査キットを 優先的に使用することが望まし い」 現行の課題:対象患者が「COVID-19が疑われる患者」とのみ規定されているため、インフルエンザやRS ウイルスを疑わない発熱患者への網羅的スクリーニングにも同時抗原検査が算定できてしまう状態でした。
[算定要件:厳格化] 同時抗原検査の新たな対象患者定義 「同時に検出する感染症のすべてが疑われる患者」に限定。 算定不可 (単独疑い) COVID-19を疑う インフルエンザ を疑う RSウイルス を疑う 算定可能 (すべて疑う) 算定不可 (単独疑い) 算定不可 (単独疑い) 実務への適用例 (2種キットの場合) SARS-CoV-2・インフルエンザ ウイルス抗原同時検出性を算 定する場合、COVID-19 および インフルエンザの両方の感染症 が疑われ、両者の診断を目的と する場合のみ「1回に限り」算定 可能となります。
[算定要件:厳格化] キット別:陰性時における追加算定の例外ルール比較 対象キット 実施目的 (新ルール) 陰性時の追加算定条件 (診断がつかない疾患の定義) SARS-CoV-2・ インフルエンザ同時検出 すべての感染症 の診断 【変更!】「COVID-19以外」から「COVID-19 又はインフルエンザウイルス感染 症以外」の 診断がつかない場合に拡大。 SARS-CoV-2・ RSウイルス同時検出 すべての感染症 の診断 【変更なし】「COVID-19又はRSウイルス感染 以外」の診断がつかない場合。 3疾患(COVID/Flu/RSV) 同時検出 すべての感染症 の診断 【変更!】「対象の3疾患以外」の診断がつか ない場合に拡大。 結論: 陰性時の追加算定ルールは維持されるが、「診断がつかない疾患」の定義が 検査キットの標的疾患に合わせて厳格化・拡大されます。
[算定要件:体系再編・厳格化] マルチプレックスPCR:実務への甚大な影響 令和5年度 マルチプレックスPCR算定回数の内訳 1%未満: 含まないもの 99%以上: SARS-CoV-2核酸検出 を含むもの 99%以上: SARS-CoV-2核 酸検出を含むもの これまで、施設基準の届出と対象 患者の限定は「含まれないもの (1%未満)」にのみ課されていま した。 改定後は、この要件が区分全体 (99%以上を占めるCOVID-19含 む検査)に拡大適用されます。 施設基準の届出漏れは、全体の 99%の検査において算定不可 に直結します。
[算定要件:体系再編・厳格化] 段階1:微生物核酸同定・定量検査の区分再編 現行 963点 ・ウイルス・細菌核酸多項目同時検 出(SARS-CoV-2含まない) ・結核菌群耐性遺伝子同時検出 1,350点 ・SARS-CoV-2核酸検出を含むもの 改定後 結核菌群耐性遺伝子同時検出 (独立区分:963点) マルチプレックスPCR区分 イ:SARS-CoV-2核酸検出を含むもの (1,350点維持) ロ:SARS-CoV-2核酸検出を含まない もの(963点維持) 点数は据え置きですが、算定要件の構造が根本的に再編成されます。
[算定要件:体系再編・厳格化] 段階2・3:施設基準の簡素化と対象患者定義の拡大 施設基準要件 (全体へ適用拡大) 旧:「必要な医師の配置」 + 「治療を行う十分な体制の整備」 新:「必要な医師の配置」のみに簡素化 ※全マルチプレックスPCR (SARS-CoV-2含む) で事前の届出が新たに必須化。 対象患者の定義 (いずれかに該当) 「重症の呼吸器感染症」と診断/疑われる +「集中治療」を要する患者 OR [新規追加] COVID-19又はインフルエンザウイルス感染 症等が疑われ、重症化のおそれが高い患者 (※日本感染症学会の実施指針を反映)
[Synthesis] 3つの見直しを貫く「適正使用」の基本設計 Expand/Positive Focus 必要な検査への評価拡大 (Evaluating Medical Necessity) ■ Point 1: 多剤耐性菌(CRE等) への適応判 定のための追加培養検査の算定許可。 ■ Point 3(患者要件): マルチプレックスPCR 対象に「重症化リスクの高い患者」を追加。 Restrict/Striction 必要性の低い検査の絞り込み (Curbing Indiscriminate Use) ■ Point 2: スクリーニング目的での同時抗原 検査の制限 (全対象疾患の疑いが必須)。 ■ Point 3(施設要件): 99%を占めるSARS- CoV-2含むマルチプレックスPCRへの施設 届出の義務化。 コアインサイト: 令和8年度改定は単なるコスト削減ではなく、医療資源(抗菌薬・検査キット)を 「真に必要とする重症・複雑症例」へ戦略的に再配分する意図があります。
[Action Plan] 医療機関管理者が直ちに行うべき3つの対応 Step 1: 届出状況の緊急確認 (マルチプレックスPCR) SARS-CoV-2核酸検出を含むマルチプレックスPCRを実施している場合、改定に向けた 新たな施設基準(必要な医師の配置)の届出状況と要件適合性を確認する。 Step 2: 院内プロトコルの改訂 (同時抗原検査) 救急・外来部門における「同時抗原検査キット」のオーダー基準を見直し、スクリー ニング目的の漫然とした使用を停止するよう臨床医へ周知徹底する。 Step 3: 検査室・医事課の連携強化 (細菌薬剤感受性検査) CFDC、AVI/CAZ等の新規抗菌薬適応判定に向けた「追加の薬剤感受性検査」が発生した 場合に、医事課へ確実に伝達され、追加算定の条件(カルバペネム耐性等)がレセプトに 反映されるフローを構築する。