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May 05, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定で、在宅療養指導管理材料加算の算定回数が「3月に3回」に統一されます。月1回・2月に2回・3月に3回と3種類に分かれていたルールが通則に一本化。現行ルール別の3つの影響グループに分けて、自院の対応すべきポイントと施行に向けた3ステップを実務担当者向けにわかりやすく解説します。
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【令和8年度改定】在宅療養指導管理材料加算が「3月に3回」に統一
https://www.daitoku0110.news/p/home-care-material-additions
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https://notebooklm.google.com/notebook/52afe0c0-caad-4a28-8c41-de1fcb55459d
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度診療報酬改定: 在宅療養指導管理材料加算の完全統一 「3月に3回」への一本化がもたらす実務への影響と対応ガイド 実務・算定アクションプラン
本改定の要点:ルールの複雑性を排除し、算定を「3月に3回」へ一本化 何が変わるのか(改定内容) 全項目の統一:すべての在宅療養指導管理材料加算の算定回数が「3月に3回」に統一されます。 通則の変更:基本ルールが「月1回」から変更され、各項目の重複条文は削除されます。 なぜ変わるのか(改定の目的) 事務負担の削減:項目ごとの複雑なルール確認をなくし、実務を大幅に簡素化します。 患者本位の医療:事務作業から削減された時間を、患者のきめ細かなケアへ還元します。 何をすべきか(実務対応) 自院の加算を分類:現在算定している加算を3つの「影響グループ」に仕分けます。 システム・計画の更新:施行に向けてレセコンの改修と、算定機会が拡大する項目の患者管理計画を見直します。
現状の課題:項目ごとに異なる算定要件が実務のボトルネックに 「月1回」(通則適用項目) 複雑化による弊害 医療機関の事務担当者は、膨大な加算項目ごとに異なる算定回数ルールを記憶・確認する必要があり、確認漏れや請求業務の負担増大が慢性的な課題となっていました。 「2月に2回」(例:間歇注入シリンジポンプ加算) 「3月に3回」(例:血糖自己測定器加算)
改定の狙い:算定ルールのシンプル化で「患者対応の時間」を創出する 複雑な個別ルール -> 「3月に3回」への一本化 -> 事務作業の削減 -> 患者ごとのきめ細かな医療提供 算定実務の簡素化は、目的ではなく「手段」です。 算定要件をシンプルに統一することで、医療機関は事務作業に費やす時間を大幅に削減できます。 この本質的な目的は、削減されたリソースを患者対応に振り向け、状態に応じた適切な医療提供(患者ごとの柔軟な対応)を実現することにあります。
ルールの構造改革:通則のアップデートと個別条文のクリーンアップ 通則(ベースルール)の改定 現行:特に規定する場合を除き、月1回に限り算定する 改定後:特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する 個別項目(各加算)の改定 現行:個別条文に残る「3月に3回に限り」や「2月に2回に限り」の文言 改定後:重複する回数規定をすべて削除 【結果】すべての加算が「新・通則(3月に3回)」のルールの下に完全統合されます。
影響の仕分け:現行ルールを基準とした「3つの影響グループ」 第1グループ 現行ルール:月1回 インパクト:最大(算定機会が3倍に拡大) 第2グループ 現行ルール:2月に2回 インパクト:中(算定機会が微増・上限の引き上げ) 第3グループ 現行ルール:3月に3回 インパクト:事務的(算定回数は不変、条文整理のみ) 次頁の「診断マトリクス」で、自院の算定項目がどのグループに該当するか特定してください。
算定項目の診断マトリクス:自院の該当グループと影響度を特定する 第1グループ | 第2グループ | 第3グループ 現行の算定ルール:通則適用(月1回) | 2月に2回 | 3月に3回 改定後の算定ルール:3月に3回 | 3月に3回 | 3月に3回 実務への影響度:最大(算定機会の大幅拡大) | 中(算定上限の引き上げ) | 事務のみ(回数変更なし) 具体的な対象加算項目(代表例)(現行条文に個別の算定回数規定が記載されていない項目すべて): ・間歇注入シリンジポンプ加算 ・持続血糖測定器加算 ・経腸投薬用ポンプ加算 ・持続皮下注入シリンジポンプ加算 ・注入ポンプ加算 ・血糖自己測定器加算 ・血中ケトン体自己測定器加算(40点) ・酸素ボンベ加算 ・酸素濃縮装置加算 ・液化酸素装置加算 ・呼吸同調式デマンドバルブ加算 ・特殊カテーテル加算 ・在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算 ・在宅酸素療法材料加算 ・在宅持続陽圧呼吸療法材料加算 ・在宅ハイフローセラピー材料加算 ・在宅経肛門的自己洗腸用材料加算 ・在宅ハイフローセラピー装置加算
第1・第2グループの対応:算定機会の拡大と「切れ目のない支援」 Calendar/Timeline 月ごとの厳格な算定制限 3カ月の枠内で柔軟な算定が可能に 実務アクション 患者ごとの管理計画の見直し 算定タイミングが変わるため(例:間歇注入シリンジポンプ加算)、在宅療養を支える材料の供給計画と算定タイミングを連動させることが重要です。これにより、患者の実態に合わせた「切れ目のない支援」が可能になります。
第3グループの対応:条文整理に伴う「事務処理の完全な簡素化」 Before -> After マスターページ 全項目共通:通則に従う 算定回数の変更はなし。負担軽減の恩恵を最大化する。 代表例である血糖自己測定器加算など、すでに「3月に3回」であった項目は算定頻度に影響はありません。 最大のメリットは「確認作業の撤廃」です。項目ごとに条文を確認する手間がなくなり、通則の規定に従うだけで完結するため、算定マニュアルの記述を極めて簡潔に再構築できます。
令和8年度施行に向けた「3つの準備アクション」 Step 1: 管理計画の再構築 算定機会が拡大する第1・第2グループを中心に、患者の材料供給計画と新たな算定タイミング(3月に3回)が連動するように、院内の提供フローを見直す。 Step 2: 算定マニュアルの更新 項目ごとに異なっていた回数ルールを撤廃し、すべての在宅療養指導管理材料加算が「通則:3月に3回」となるよう院内マニュアルを書き換える。 Step 3: システム・ロジックの改修 改定内容に合わせて、電子カルテおよびレセプトコンピュータ(レセコン)の算定チェックロジックを更新し、施行日までエラーが出ない運用体制を整備する。
ルールのシンプル化で、医療の焦点を「事務から患者へ」 令和8年度の改定は、単なるルールの変更ではありません。 複雑な縛りを解き放ち、医療機関の「時間」と「柔軟性」を取り戻すための改定です。 システム改修とマニュアルの早期一新により事務負担を最小化し、患者一人ひとりに最適な、切れ目のない在宅医療を実現しましょう。