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September 05, 26
スライド概要
令和8年度診療報酬改定は本体+2.41%のプラス改定。しかし一部の検体検査は点数が引き下げられます。SARS-CoV-2核酸検出700→650点など具体例と、衛生検査所検査料金調査という根拠、令和8年6月施行に向けた算定マスタ更新・委託費再点検・実施体制の再評価という3つの対応を解説します。
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一部の検体検査で点数が下がる|令和8年度改定「実勢価格を踏まえた適正化」の要点
https://www.daitoku0110.news/p/lab-test-fee-revision-2026
病院事務長。急性期から回復期まで多岐にわたる医療機関で勤務。 医事、介護事務、経理、財務、税務、監査、総務、設備、情報システム、地域連携、法人業務まで、幅広い部門で自ら実務を経験し全体を統括。福祉業界の知見やイベント開催経験に加え、課題解決のためにAIエージェントを作成し、法人を支援した実績も多数有する。 【公開資料】主に以下の2テーマでスライド・動画を提供。 1. 令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈など)や施設基準、医療DXの解説 2. AIエージェント(miiboなど)の構築・活用
令和8年度改定の死角:一部検体検査の「点数引き下げ」と医療機関の防衛策 実勢価格調査がもたらす収益インパクトと、令和8年6月に向けた3つの必須アクション
全体像はプラス改定 +2.41% (令和8年度診療報酬改定の本体部分) 隠れた「適正化」の波 項目IV-3-1 「実勢価格等を踏まえた検体検査等の評価の適正化」 全体像のプラス改定に目を奪われると、検査部門のP&L(損益計算書)を直撃するピンポイントな点数引き下げを見落とすリスクがあります。
厚生労働省の価格適正化メカニズム 医薬品 薬価調査 医療材料 材料価格調査 検体検査 衛生検査所検査料金調査 国は、医療機関が衛生検査所に委託する際の「実際の取引価格」を正確に把握し、公定価格(点数)を市場価格に連動させる体制を確立しています。
公定価格(診療報酬点数) 「乖離(ズレ)」 改定による「乖離の是正」=点数の引き下げ 機器の性能向上・実施件数の増加 検査キット・試薬の単価下落 外注委託価格の低下 実勢価格(委託価格)
どの検査が「適正化」の標的になるのか? 実施件数が大幅に増加した検査 普及によりスケールメリットが働き、市場での取引価格が下落しやすい項目。 キット・試薬の供給が安定した検査 開発初期のプレミアム価格が剥落し、単価が定常状態(低価格)に落ち着いた項目。 全ての検体検査が一律に下がるわけではありません。 「調査で大きな乖離が確認された特定の検査」のみが個別に見直し(引き下げ)を受けます。
厚労省が提示した「引き下げ」の2つの具体例 アデノウイルス抗原定性(糞便を除く。) 診療証明書 改定前:179点 改定後:174点 インパクト:-5点(約2.8%減) SARS-CoV-2核酸検出 診療証明書 改定前:700点 改定後:650点 インパクト:-50点(約7.1%減/1件あたり500円減) 注意:これはあくまで【例示】です。対象となる全検査のリストは、今後の「告示・通知」で確認する必要があります。
検査部門が抵した、年間実施件数との 1件あたりの減少額 X 年間実施件数 = 検査部門のサイレントな収益悪化 わずか50円(5点)のマイナス... 年間数千件の実施ボリューム = 年間数十万円〜数百万円単位の利益喪失 減少幅(%)が小さくても、実施件数が多い基幹検査であれば、年間のP&Lへのダメージは甚大です。
令和8年6月施行に向けた、医療機関の防衛ロードマップ Action 1 算定マスタの更新 Action 2 検査委託費の再点検 Action 3 実施体制の再評価 令和8年6月(施行月) 施行月に間に合わせるためには、告示・通知の発表直後から迅速に動く必要があります。
Action 1:算定マスタの確実な更新 令和8年6月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 レセプトコンピュータ・電子カルテのシステムマスタ更新 スムーズな処理完了 更新が遅れ、旧点数(高い点数)のまま6月以降に請求した場合のペナルティ: 返戻(へんれい) 査定(さてい) ベンダー(システム提供元)の更新スケジュールと対応手順を、早期に確認・確保してください。
Action 2:検査委託費(外注費)の再点検と交渉 今回の点数引き下げの根拠は「委託価格(実勢価格)が下がっていること」です。 「保険償還価格(点数)」 「外注委託費」 クリニックの利益 もし自院が委託している検査センターの単価が下がっていないまま、保険点数だけが引き下げられれば、検査部門の採算は確実に悪化(逆ざや化)します。 告示で引き下げ対象となった検査について、現在の委託契約単価が「市場の実勢価格」に見合っているか、直ちに点検・交渉を行ってください。
Action 3:「院内実施 vs 外部委託」の損益分岐点の再評価 実施体制(院内実施 vs 外部委託) コスト構造(固定費 vs 変動費) 院内実施 高い固定費(機器・人件費)。点数下落により、初期投資を回収するための「損益分岐点となる実施件数」が上昇する。 外部委託 高い変動費(委託費)。交渉により実勢価格まで委託費を下げられれば、点数下落のリスクをヘッジしやすい。 点数が下がる局面では、これまで「院内で回した方が得」だった高ボリューム検査の採算ラインが変動します。実施件数の多い検査ほど、このバランスシートの再評価が急務です。
エグゼクティブ・サマリー:明日からのアクションリスト 1. 全容の把握:今後の「告示・通知」を注視し、自院で実施件数の多い検査が引き下げの対象(例:アデノウイルス、SARS-CoV-2など)になっていないかリスト化する。 2. インパクト試算:対象検査の「引き下げ幅 × 年間実施件数」を算出し、P&Lへの影響額を可視化する。 3. ベンダー連携:令和8年6月に向けた電子カルテ・レセコンの算定マスタ更新スケジュールを確定させる。 4. 委託費の見直し:対象検査の点数引き下げ幅と、現在の外注委託単価を比較し、必要に応じて検査センターとの価格交渉に着手する。 実勢価格に基づく適正化は、今後も継続されるトレンドです。 早めの体制構築が、医療機関の経営を守ります。