振り返ったら最高のPBL研修だった 研修と実務のギャップをきっかけに更に学んだ実体験

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March 14, 24

スライド概要

2024年3月16日開催のAgile PBL祭り 2024にて発表された「振り返ったら最高のPBL研修だった 研修と実務のギャップをきっかけに更に学んだ実体験」です。

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シンプレクスは1997年の創業以来、メガバンクや大手総合証券を筆頭に、日本を代表する金融機関のテクノロジーパートナーとしてビジネスを展開してきました。現在では、金融領域で培った豊富なノウハウを活用し、金融機関以外の領域でもソリューションを展開しています。2019年3月にはAI企業のDeep Percept株式会社、2021年4月には総合コンサルティングファームのXspear Consulting株式会社がグループに加わり、創業時より付加価値の創造に取り組んできたシンプレクスとワンチームとなって、公的機関や金融機関、各業界をリードする企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を支援しています。

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各ページのテキスト
1.

Agile PBL 祭り 2024 振り返ってみたら最高のPBL研修だった 研修と実務のギャップをきっかけに更に学んだ実体験 シンプレクス株式会社 武井 真輝 1 © 2024 Simplex Inc.

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アジェンダ • 簡単な自己紹介 • 何をPBLで行ったのか • 実際にやってみてどうだったか • 「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び • まとめ 2 © 2024 Simplex Inc.

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簡単な自己紹介 • 氏名:武井 真輝(たけい まさき) • 所属:シンプレクス株式会社 クロス・フロンティアディビジョン • 現在の業務内容:株式の時価や投資情報などを一般消費者 向けのアプリに配信するシステムの運用・保守 3 © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 4 © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 新人研修の一環として行ったチーム開発 • 4~5月にかけて5人1組のチーム開発を行った • ルールは以下の3つ • 社内の課題を解決するプロダクトを作ること • 毎週プロダクトのプレゼンを行うこと • 日次の報告、週次の振り返りをすること • 設定した課題 • 所属プロジェクト以外の人との交流が少ない • 作ったプロダクト • ランダムに社員を繋ぎ、昼食会を設定するアプリ 5 © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 1スプリントの流れ 機能検討 設計~開発 プレゼン 振り返り 今週はフロント担当 今週はサーバー担当 チーム全体で議論し、 必要な機能を検討する 担当を交代制にし、全員のスキルアッ プや知見の交換を活発にする 6 デモを含め開発中のプロダクトを プレゼンし、フィードバック (以降、FB)を得る 1スプリントの活動やプレゼンのFBを 振り返り、次週の活動に活かす © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 1スプリントの流れ 機能検討 設計~開発 プレゼン 振り返り 今週はフロント担当 今週はサーバー担当 チーム全体で議論し、 必要な機能を検討する 担当を交代制にし、全員のスキルアッ プや知見の交換を活発にする 7 デモを含め開発中のプロダクトを プレゼンし、フィードバック (以降、FB)を得る 1スプリントの活動やプレゼンのFBを 振り返り、次週の活動に活かす © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 1スプリントの流れ 機能検討 設計~開発 プレゼン 振り返り 今週はフロント担当 今週はサーバー担当 チーム全体で議論し、 必要な機能を検討する 担当を交代制にし、全員のスキルアッ プや知見の交換を活発にする 8 デモを含め開発中のプロダクトを プレゼンし、フィードバック (以降、FB)を得る 1スプリントの活動やプレゼンのFBを 振り返り、次週の活動に活かす © 2024 Simplex Inc.

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何をPBLで行ったのか 1スプリントの流れ 機能検討 設計~開発 プレゼン 振り返り 今週はフロント担当 今週はサーバー担当 チーム全体で議論し、 必要な機能を検討する 担当を交代制にし、全員のスキルアッ プや知見の交換を活発にする 9 デモを含め開発中のプロダクトを プレゼンし、フィードバック (以降、FB)を得る 1スプリントの活動やプレゼンのFBを 振り返り、次週の活動に活かす © 2024 Simplex Inc.

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実際にやってみてどうだったか 10 © 2024 Simplex Inc.

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実際にやってみてどうだったか 結論 • 開発課題にチームで取り組むからこそ生じる相互作用があった • チーム開発環境、プロダクト改善のPDCAサイクルを自然と回すことができた 11 © 2024 Simplex Inc.

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実際にやってみてどうだったか 開発課題にチームで取り組むからこそ生じる相互作用があった • 双方向通信(WebSocket)の理解の違いが原因で、チャット機能を実現する方法の認識違い、手戻りが発生した ⇒お互いの前提によって語彙を変えることや、理解が一致していることを確認する大切さを学んだ • 知見の少ない状態で開発を行ったため、試行錯誤のコストが大きかった ⇒フロント、サーバーの開発を交互に行い、知見の交換をできるようにすることで、効率よくスキルアップできた 12 © 2024 Simplex Inc.

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実際にやってみてどうだったか チーム開発環境、プロダクト改善のPDCAサイクルを自然と回すことができた • 昼食会の「セッティング中」、「開催予定」、「開催済み」の3つのステータスを色で表現していたが、プレゼンで直感的に違いが分 かりにくいというFBを得て、改善を行った ⇒1スプリントごとに得られる客観的なFBによって、「作って、評価されて、改善する」というサイクルを回すことができた • 開発で詰まったときに1人で考えすぎた結果、タスクが遅延した ⇒スプリントの振り返りでチームで話し合い、「メンバーの負担になることが申し訳ない」、「もう少しで解決できるかもがずるずる続 いてしまう」ことが原因だと分かった ⇒対策として詰まったことを社内コミュニケーションツールに投稿し、15分解決できなければ他メンバーも協力することを実施した ⇒スプリントの振り返りで、チームの課題についてその根本原因を考え、その解決策を実行できた 13 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び 14 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び 以下の3つの観点で述べる • プロダクトの品質の考え方 • コミュニケーションの取り方 • 情報の探し方 15 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び プロダクトの品質の考え方 例えば実務でこんなことがあった(設計をした時の話) 必要最低限のコードを変更するように設計し、レビュー依頼 テスト工数削減や保守性に貢献するリファクタリングも設計するようにFB 私 先輩 実務での気づき 追加・変更対象のコード品質だけではなく、既存システムを俯瞰して品質を考えなければ、 今後の保守・拡張コストが増えていってしまうこと 16 © 2024 Simplex Inc.

17.

「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び プロダクトの品質の考え方 研修では 1から作る、かつプロダクト規模も小さいため、機能追加に伴うリファクタリングは意識しなくても開発できてしまった 対して、実務では (私のプロジェクトでは)既に15年以上、これからも数年~十年単位で運用・保守されていくであろう、プロダクトの保守・エンハン ス開発を行う時に、長期的な保守性や拡張性を考慮して、システム全体のコード品質を考える必要がある ギャップから得た学び プロダクトは作って終わりではなく、継続的に運用、改善されるため、保守性や拡張性を 意識してコード品質を向上させていく必要があること 17 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び コミュニケーションの取り方 例えば実務でこんなことがあった(システムの変更について複数のプロジェクトと合意をとる必要があったときの話) 合意をとる相手は複数で、かつ前提や背景が異なる(こと自体に着目してた) ⇒認識のずれが起こらないように、丁寧に説明しなくてはならないと考えた ⇒背景や合意事項、対応事項等を丁寧に伝えた 私 • 何がポイントで、何を求めているのかが伝わっていない • 前提や背景によって、理解の仕方がことなり、認識のずれが発生 先輩 実務での気づき 相手の前提や背景を考えて、情報の取捨選択を行い、簡潔に整理して コミュケーションを行うことが大切であること 18 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び コミュニケーションの取り方 研修では お互いの前提によって語彙を変えることや、理解が一致していることの確認を意識したコミュニケーションを主にチーム内で行った 対して、実務では 別のプロジェクトなど、様々な前提や背景をもった相手とのコミュニケーション機会があり、相手によって情報の取捨選択を行う必要 がある ギャップから得た学び 相手の前提や背景を考え、認識のずれに注意して伝えるべき語彙や情報を 選択することは共通しており、これが本質的に大切であること 19 © 2024 Simplex Inc.

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「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び 情報の探し方 例えば実務でこんなことがあった(タスクの背景、要件の理解をしていた時の話) 要件定義書等の不明点の内、ネット検索をしても得られない部分を質問 社内コミュニケーションツールの過去のやり取りを引用して回答 私 先輩 実務での気づき 社内ツールも検索対象にすることで解決できる範囲が広がること プロジェクト固有の知識を社内ツールに残し、属人化させないことの重要性 20 © 2024 Simplex Inc.

21.

「PBLで行った研修」と「実務」のギャップから得た学び 情報の探し方 研修では プロダクトの仕様は全て自分たちで決め、1から作るため、既存のコードやネット検索をしても分からない背景や要件などもなかった 対して、実務では 大量の既存コードがあり、ネット検索をしても分からない業務要件がある また、要件定義書や設計書がそろっているとは限らない ギャップから得た学び プロジェクトやプロダクト固有の情報を積極的にテキストにしておく重要性 (検索しても分からない→検索できるようにする) 21 © 2024 Simplex Inc.

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まとめ • PBLで行った研修では、自然と自ら学んでいくサイクルを作ることができた • PBL研修で学びを得た後の実務では、それゆえの試行があり、 そこから気づきを得ることができた • PBL研修での学び、それを土台とした実務での試行錯誤から、 ギャップを感じ、学びのレベルが上がった 22 © 2024 Simplex Inc.

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ご清聴ありがとうございました 23 © 2024 Simplex Inc.