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November 24, 25
スライド概要
同じようにManusで作りました。こちらも見やすいです。 :https://www.docswell.com/s/MXE05064/K6EPE4-2025-11-24-104425
2025年に以下の論文が出ました。 Herráez-Tondo MG, Gay-Escoda C, Toledano-Serrabona J, Sánchez-Garcés MÀ. Review of clinical practice guidelines on the diagnosis and treatment of third molars. Evaluation of adherence to AGREE II publication guideline. Med Oral Patol Oral Cir Bucal. 2025 Nov 22:27578. doi: 10.4317/medoral.27578. Epub ahead of print. PMID: 41273735.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41273735/
この論文によると、以下の2つの診療ガイドラインの質が高いとされています。
the Spanish Society of Oral Surgery (SECIB) and the Malaysia Oral Health Programme (MOHP)
スペイン2023:https://portal.guiasalud.es/wp-content/uploads/2023/11/gpc_626_terceros_molares_secib_compl.pdf
スペイン(英語要約):https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11249379/
マレーシア2021:https://www.moh.gov.my/moh/resources/Penerbitan/CPG/Dental%20&%20Oral/CPG_MANAGEMENT_OF_UNERUPTED_AND_IMPACTED_THIRD_MOLAR_TEETH_(2ND_EDITION)_Nov_2021.pdf
残念ながら、どちらもGRADEアプローチではありません。いわゆるエビデンスレベルで作成されております。
そのためどちらも診療ガイドラインの質が高いとは言えないのが現状でありますが、AGREE IIで評価すると質が高いということになることも多いので問題があります。
今回はより年代が最近のスペイン2023の診療ガイドラインを取り上げたいと思います。
上にも述べたように、GRADEアプローチで作成されていないため、その 作成方法に問題があるという点を考慮しながら使用することが必要となります。
「推奨グレード」と表記されているのですが、実際は、いわゆるエビデンスレベルとした研究のデザインを示しているだけと考えるべきで、エビデンスの確実性・推奨の強さを示しているものではありません。
プロンプト:
上記の内容と、以下の内容をいれてNotebookLMのスライド作成で作成
グラフィックレコーディング風にわかりやすく解説して。
作成方法が、SIGNであり、GRADEアプローチ無いため、信頼性が下がる作成方法である事を明記。
SIGNの作成方法は、Development of recommendationsの項目より、研究デザインとgrade of recommendation(推奨グレード)が独立していないという欠点があることを明記。
推奨グレードは、推奨の強さと言うより、研究デザインと考えた方が良いということを明記。
Yuasa H, Kawai T, Sugiura M. Classification of sur-gical difficulty in extracting impacted third molars.Br J Oral Maxillofac Surg. 2002;40:26–31.と、Hatano Y, Kurita K, Kuroiwa Y, Yuasa H, Ariji E.Clinical evaluations of coronectomy (intentionalpartial odontectomy) for mandibular third molars
using dental computed tomography: A case-controlstudy. J Oral Maxillofac Surg. 2009;67:1806–14.の引用箇所は、記載する。
日本語の漢字は当用漢字、常用漢字のみ。
すべてのCO(PICO)の回答をスライドにすること。
追加:コロネクトミーは、エナメル質を残さないのがコツです。
Kurita K, Yuasa H, Taniguchi S, Achiwa M, Goto M, Kubota E, Nakayama A, Abe A. Residual enamel removal to improve outcomes of mandibular third molar coronectomy: A single-center retrospective cohort study. J Craniomaxillofac Surg. 2024 Sep;52(9):1042-1049. doi: 10.1016/j.jcms.2024.06.003. Epub 2024 Jun 10. PMID: 39025695.
臨床家のための羅針盤:SECIB 2023 第三大臼歯ガイドラインの要点解説 グラフィックレコーディングで読み解く、エビデンスに基づいた意思決定 Extraction Decisions IMPACTED THIRD MOLAR Prediction Complications SECIB
なぜ第三大臼歯の管理は、今なお議論の的となるのか? 第三大臼歯(智歯)の抜歯は、口腔外科で最も一般的な手技の一つです。 しかし、無症状で病理所見のない智歯を予防的に抜歯すべきかについては、長年議論が続いています。 不適切な抜歯は患者への侵襲や医療費の増大を招き、一方で安易な経過観察は隣接歯への深刻なダメージにつながる可能性があります。 本ガイドラインの位置づけ スペイン口腔外科学会(SECIB)が2023年に更新した本ガイドラインは、最新のエビデンスを体系的に整理し、臨床家が直面する具体的な疑問(PICO)に答える形式で構成されています。 このスライドデッキは、その要点をグラフィックで分かりやすく解説し、日々の臨床における意思決定をサポートすることを目的とします。 抜歯 (Extraction) 経過観察 (Watchful Waiting)
ガイドラインを読み解くための「クリティカル・レンズ」 SIGNアプローチの限界点 欠点:SIGNの作成方法では、「研究デザインの質」と「推奨グレード」が独立していません。 具体的には: グレードAは、少なくとも1つのメタ分析や質の高い(1++)ランダム化比較試験(RCT)に基づくと定義される。 グレードDは、専門家の意見や質の低い研究(レベル3 or 4)に基づくと定義される。 このように、推奨の強さが研究デザインに直接紐づけられています。 作成方法: 本ガイドラインはSIGNアプローチに基づき作成されています。 注意点: 一般的に信頼性が高いとされるGRADEアプローチは採用されていません。 SIGN GRADE 臨床家へのメッセージ 「推奨グレード」の解釈:本ガイドラインの推奨グレード(A, B, C, D)は、「推奨の強さ」そのものよりも、その根拠となった「エビデンスの研究デザイン」を反映したものと理解することが極めて重要です。
SECIBガイドラインが答える17の臨床的疑問(PICO) 第1章: 抜歯か、経過観察か? - 中核となるジレンマ P1: 病理所見がある場合 P9: 無症状・病理所見なしの場合 P11: 完全骨埋伏の場合 P10: 年齢の影響 第2章: 難易度と合併症を予測する P3: 外科的難易度の予測因子 P2: 歯根完成度と術後合併症 P8: 術後QOLへの影響因子 P13: 埋伏位置と将来のリスク 第三大臼歯の管理 第5章: 経済的・制度的視点 P15, P16, P17: コストベネフィット分析 第4章: 高度なツールとテクニック P12: CBCTの適応 P14: コロネクトミーの有効性 各PICOの詳細は、以降のスライドで解説します。
第1章: 抜歯か、経過観察か? - 中核となるジレンマ P1: 病理所見がある第三大臼歯:抜歯か、保存か? PICO Question: 病理所見(反復性智歯周囲炎、嚢胞、第二大臼歯遠心う蝕、歯周病変など)を伴う患者において、抜歯と保存的治療(経過観察)のどちらが臨床経過良好か? 結論 文書化された合併症(修復不能なう蝕、感染、歯周病、反復性智歯周囲炎、嚢胞、腫瘍など)の増加が確認されているため、病理所見があれば抜歯が適応となる。 感染や他の病理所見がなければ、抜歯は適応とならない。 症状のある患者の術後QOLは、外科的抜歯後に改善する。 う蝕 嚢胞 歯周病 抜歯 経過観察 推奨グレード:グレードD - 病理所見がある場合は抜歯 推奨グレード:グレードA - 感染や他の病理所見がない場合は非抜歯
P9: 無症状で病理所見のない第三大臼歯:抜歯は有益か? PICO Question 病理所見のない第三大臼歯を持つ患者において、抜歯は経過観察と比較して有益か? 結論 無症状で病理所見のない、完全または部分的に埋伏している第三大臼歯の場合、経過観察を支持する十分な臨床的エビデンスがある。 これは予防的抜歯をルーチンで行うことへの警鐘となる重要な勧告である。 推奨グレード:グレードB - 経過観察を支持 臨床のポイント 「無症状」は「病理なし」を意味しない。定期的な臨床的・X線的評価による「積極的監視(Active Surveillance)」が不可欠である。
P11: 完全な骨内埋伏歯の管理方針 PICO Question: 1. 完全な骨内埋伏歯を持つ患者は、抜歯から利益を得られるか? 2. 抜歯しない場合、合併症を避けるためのフォローアップ方法はず? 抜歯 抜歯の決定:無症状で病理のない完全骨内埋伏歯を抜歯するかの決定は、リスクとベネフィット、そして患者自身の意見やライフスタイルを考慮し、症例ごとに評価すべきである。 リスク ベネフィット 積極的監視 経過観察の指針:経過観察を選択した場合、起こりうる病理を検出するために、患者の生涯にわたる「積極的監視(Active Surveillance)」、すなわち定期的な臨床的・X線的評価が必要である。 2年 定期評価 推奨グレード:グレードB - 症例ごとの個別評価 推奨グレード:グレードA - 積極的監視の実施
P10: 年齢は抜歯関連の合併症にどう影響するか? PICO Question: 年齢(25歳以上/未満)は、第三大臼歯の抜歯に伴う合併症の発生に関連する要因か? 結論 年齢は抜歯に伴う局所的および全身的な合併症のリスクを増加させるが、それ自体が無症状で病理のない第三大臼歯の予防的抜歯を正当化するものではない。 しかし、年齢が上がるほど、埋伏歯の術中・術後合併症の確率が高まることは考慮に入れるべきである。 例:骨の硬化、癒着、全身疾患の併発など。 年齢 (Age) 低リスク 高リスク 推奨グレード:グレードD
第2章: 難易度と合併症を予測する P3: 外科的難易度を予測する臨床的・X線的基準 PICO Question: 抜歯適応のある患者において、外科的難易度(手術時間の短縮、合併症の低減)に関連する術前の臨床的・X線的基準は存在するか? X線写真による評価(推奨グレードA) 埋伏の位置:水平埋伏、遠心傾斜は難易度が高い。 埋伏の深さ:深いほど難易度が高い。 第二大臼歯との関係:近接・接触していると難易度が高い。 歯根の形態:根の数が多い、肥大、湾曲していると難易度が高い。 患者要因による評価 年齢とBMI(推奨グレードB):高齢、高いBMI(過体重)は難易度を上げる。過体重は頬の厚みにより術野の視認性を低下させる可能性がある。 最大開口量(推奨グレードB):45mm未満の開口量は手術を困難にする。 **重要な相関*: 外科的難易度が高いほど、術後の経過は不良となる(推奨グレードA)。
P2, P8: 歯根の完成度と患者因子は術後経過にどう影響するか? PICO 2: 歯根完成度の高い埋伏歯は、低いものより術後合併症が多いか? 結論: 歯根の完成度は、術後合併症リスクの増加とは関連しない。 例外: 下歯槽神経損傷のリスクは、歯根完成度が高いほど増加する。 推奨グレード: D 根未完成 根完成 下歯槽神経 高リスク PICO 8: どのようなリスク因子が術後のQOLに影響を与えるか? 結論: 21歳以上の年齢 女性 上記の因子は、QOLの回復時間を延長させる。 推奨グレード: C >21 回復の遅延
P13: 埋伏位置は将来の病理リスクを予測するか? PICO Question: 第三大臼歯の位置は、将来の臨床症状や病理の出現と関連するか? 埋伏位置:垂直位 or 遠心傾斜位(軟組織に一部覆われ、咬合平面に近い) リスク:智歯周囲炎のリスクが高い 推奨:予防的抜歯が適応となりうる(推奨グレードC) 埋伏位置:部分萌出、近心傾斜位 or 水平位 リスク:第二大臼歯遠心のう蝕頻度が高い 推奨:予防的抜歯が適応となりうる(推奨グレードC) 埋伏位置:水平位 or 重度な近心傾斜位(患者年齢 25-30歳) リスク:第二大臼歯遠心の歯周組織へのダメージ 推奨:予防的抜歯が適応となりうる(推奨グレードB) 特殊なケース:コンタクトスポーツ選手など下顎骨骨折リスクが高い患者 リスク:智歯の存在は下顎角骨折のリスクを増すが、非存在は下顎頭骨折のリスクを増す。 推奨:予防的抜歯は適応とならない(推奨グレードC)
第3章: 隣接組織への波及効果 P4: 第三大臼歯と歯周病の関連性 PICO Question 第二大臼歯遠心に4mm以上の歯周ポケットがある患者は、全身的な歯周病の発生率が高いか? 第三大臼歯領域の4mm以上の歯周ポケットが、全身的な歯周炎の発生率増加と関連することを示すエビデンスは不十分である。 局所的な問題が必ずしも全身的な問題に直結するとは言えない。 推奨グレード:グレードD 臨床のポイント ただし、第三大臼歯部の歯周状態が悪化することは、それ自体が抜の基準となりうる。抜歯により第二大臼歯遠心の歯周状態は不変または改善することが多い。
P5, P6: 第三大臼歯は歯列叢生の原因となるか? PICO 5: 第三大臼歯の抜歯は、前歯部叢生の解消に寄与するか? 前歯部叢生の予防、抑制、または解消を目的とした第三大臼歯の抜歯は正当化されない。利用可能なエビデンスは、両者に因果関係がないことを示している。 推奨グレード:C PICO 6: 矯正治療後、第三大臼歯の抜歯は歯列の維持に貢献するか? 矯正治療終了後、前歯部の不正咬合の再発予防を目的とした第三大臼歯の抜歯は正当化されない。 推奨グレード:B 第三大臼歯の抜歯は、歯列叢生の解決策にはならない。
P7: 補綴治療と第三大臼歯の管理 歯科補綴物を装着している患者において、第三大臼歯の抜歯は非抜歯と比較して合併症の発生率が異なるか? この問いに答えるための文献上のデータは存在しない。 推奨を策定するための十分なエビデンスがないのが現状である。 推奨グレード:グレードD 補足情報: 萌出している第三大臼歯は、固定性または可撤性義歯の支台歯として利用できる場合がある。
第4章: 高度なツールとテクニック P12: CBCTはいつ推奨されるのか? 埋伏した第三大臼歯を持つ患者において、臨床的・外科的合併症を予防するためにCT(CBCT)はいつ推奨されるか? ルーチンでの使用は適応外(推奨グレードA):第三大臼歯抜歯症例において、CTをルーチンで撮影することは推奨されない。 神経損傷リスク低減効果は限定的(推奨グレードB):CBCTは、OPG(パノラマX線写真)のみを用いる場合と比較して、下歯槽神経損傷のリスクを低減させるわけではない。しかし、第三大臼歯と下歯槽管の三次元的な位置関係を把握し、手術計画を立てる上では有用である。 コロネクトミーでの使用(推奨グレードC):コロネクトミーの症例においても、CTをルーチンで撮影することは推奨されない。 臨床における判断フロー まずOPGを撮影。 OPGで神経との近接を示唆する所見(根の暗像、白線の途絶など)があるか? NO → OPGのみで計画を進める。 YES → 神経損傷リスクが高いと判断。外科的アプローチの変更を検討するためにCBCTの撮影を考慮する。
P14: 高リスク症例におけるコロネクトミーの有効性 下歯槽神経(NDI)の術中損傷リスクが高い患者において、コロネクトミーは完全抜歯よりも合併症が少ないか? 結論(まとめ) 神経損傷リスクの低減(推奨グレードB):術前にNDI損傷リスクが高いと判断された症例において、コロネクトミー(歯冠のみを切除し、意図的に歯根を残す手技)は、完全抜歯と比較して神経損傷の発生率を減少させる。 その他の合併症リスク(推奨グレードB):ドライソケット、術後感染、疼痛といった他の術後合併症のリスクを有意に増加させることはない。 残存歯根の移動(推奨グレードB):術後、特に最初の1年間や若年患者において、残存歯根の歯冠側への移動がしばしば観察される。これにより、少数例で歯根の二次的な抜歯が必要になることがあるため、定期的(臨床的・X線的)な経過観察が推奨される。 コロネクトミーのフロー 1. 神経に近接した歯根 2. 歯冠を分割・除去 3. 歯根を骨縁下に残す 4. 縫合
第5章: 経済的・制度的視点 P15, 16, 17: 第三大臼歯管理のコストベネフィット PICO 15 & 16: 治療場所(プライマリケア vs 病院)や術者(一般医 vs 専門医)によるコストの変動は? 病院での治療はコストが高い傾向にある(人員、設備、鎮静/全身麻酔のため)。(推奨グレードC) 術者の専門性によるコスト変動については、結論を出すための十分な論文がない。 PICO 17: 予防的抜歯と積極的監視(定期評価)のコストベネフィットは? 短〜中期的目で見れば、積極的監視の方が優れている。不要な手術、合併症、費用を避けられるため。(推奨グレードB) しかし、長期的には個々のリスク評価が重要。智歯周囲炎、歯周病、う蝕を発症する可能性が高い患者では、予防的抜歯が最も費用対効果の高い選択肢となる。(推奨グレードB) この意思決定は、診察のたびに再評価されるべきである。(推奨グレードA) コストベネフィットの天秤 短期(短〜中期):予防的抜歯 vs 積極的監視(不要な手術、合併症、費用を回避) 長期(低リスク患者):予防的抜歯 vs 積極的監視(リスク低、経過観察で対応可能) 長期(高リスク患者):予防的抜歯(将来の合併症・疾患を予防) vs 積極的監視(合併症発生リスク高)
臨床家のための羅針盤:SECIB 2023 ガイドラインからの最終勧告 抜歯の適応 推奨: 病理所見(う蝕、嚢胞、反復性智歯周囲炎など)があれば抜歯を検討する。 非推奨: 無症状・病理所見なしのルーチンな予防的抜歯は行わない。 リスク評価 推奨: 高リスクな埋伏位置(水平、重度な近心傾斜)では、特に25-30歳の患者で予防的抜歯を考慮する。 非推奨: 歯列叢生の予防・解消を目的とした抜歯は行わない。 高度な対応 推奨: OPGで神経損傷リスクが高い場合、計画立案のためにCBCTを検討する。コロネクトミーは有効な選択肢である。 非推奨: 全症例へのルーチンなCBCT撮影は行わない。 経過観察 推奨: 抜歯しない場合は、定期的な臨床的・X線的評価による「積極的監視」を生涯にわたり実施する。 非推奨: 「放置」ではなく、計画的な「監視」を行う。 クリティカル・レンズを忘れずに: 推奨グレードはエビデンスの研究デザインを反映しています。常に臨床状況と照らし合わせて判断してください。