CAST_Study_Presentation作成物

>100 Views

November 30, 25

スライド概要

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

ダウンロード

関連スライド

各ページのテキスト
1.

EBM CRITICAL APPRAISAL EBMの「常識」を覆した論文 The CAST Study

2.

当時の臨床課題 心筋梗塞後の突然死という大きな問題 心筋梗塞後の患者において、心室性期外収縮(PVC)が頻発する患者は突然死のリスクが高いことが知られていた。 PVCの増加 心筋梗塞 → 〜∿〜 心室性期外収縮 リスク上昇 ? → 突然死 (Post-MI) 当時の有力な仮説 (THE PREVAILING HYPOTHESIS) 「この不整脈を抑制すれば、命は救えるはずだ」 (PVC)

3.

「代理エンドポイント」という考え方の落とし穴 代理エンドポイント (Surrogate Endpoint) 真のエンドポイント (Patient-Important Outcome) 患者にとって本当に重要なアウトカムの代わりに使用される間接的 患者にとって直接的に意味のあるアウトカム。本研究では「死亡率 な指標。本研究では「PVCの抑制」 」 → PVCの抑制 ? 死亡率の低下 抗不整脈薬 の投与 「代理エンドポイントの改善は、本当に患者にとって 重要なアウトカムの改善に繋がるのか?」 CAST studyは、この問いに答えを出すための壮大な検証であった

4.

研究の疑問をPICOで整理する P Patient (患者) I 心筋梗塞(6日〜2年以内)の既往があり、心室性期外収縮が Intervention (介入) 抗不整脈薬(エンカイニドまたはフレカイニド)の投与 1時間平均6回以上の患者 C Comparison (比較) プラセボ(偽薬)の投与 O Outcome (アウトカム) 主要評価項目: 不整脈が原因の死亡、または心停止 → ハードエンドポイントが設定されている

5.

「ゴールドスタンダード」な試験デザイン ⇅ ランダム化比較試験 二重盲検法 プラセボ対照

6.

研究デザインのユニークな点 薬剤への「反応者」のみを対象とした 1 全員に実薬を投与(オープンラベル) 対象患者全員にエンカイニドまたはフレカイニドを投与 ↓ 2 効果の確認 - 反応者(Responder)のみ選抜 薬剤によってPVCが80%以上抑制された患者のみを次のステップへ ↓ 3 ランダム化 反応者を実薬グループとプラセボグループにランダムに割り付け このデザインは、薬が効きやすい患者だけを選んでおり、本来であれば介入薬に有利な結果が出やすいはずだった。

7.

試験は、予定より早く中止された "エンカイニドおよびフレカイニドの投与は、過剰な死亡率(excess mortality )を認めるため"

8.

衝撃の結果①: カプランマイヤー曲線 100 凡例 イベント非発生率 (%) Placebo (n=743) 実薬群 (n=755) 95 P = 0.0004 90 結果の解釈 時間が経つにつれ、薬剤投与群の生存率がプラ 85 0 91 182 273 364 ランダム化からの経過日数 455 セボ群よりも明らかに低下。 P値は偶然では説明できない極めて高度な統計学的 有意差を示している。 Placebo (n=743) Encainide/Flecainide (n=755)

9.

衝撃の結果②: 数字が語るリスクの大きさ 主要評価項目(不整脈による死亡または心停止)の比較 PLACEBO群 3.0% 実薬群 vs 22 / 743人 7.4% 56 / 755人 2.64 倍 抗不整脈薬を投与された患者は、プラセボ群と比較して死亡または心停止のリスクが約2.6倍に上昇

10.

代理エンドポイントの崩壊 CAST studyが医学界にもたらした衝撃的な教訓 → PVCの抑制 ✕ 死亡率の低下 抗不整脈薬 の投与 「この繋がりは幻想だった」 代理エンドポイント(PVCの抑制)を改善しても、患者にとって重 要なアウトカム(死亡率)が改善するとは限らない それどころか、かえって悪化させることさえある

11.

CAST studyが残した臨床的・EBM的インパク ト "Do No Harm" — まず害をなすなかれ 理論よりエビデンスを信頼せよ 批判的吟味の力

12.

まとめ: CASTの教訓 仮説 結果 教訓 心筋梗塞後の不整脈(PVC)を抑制すれば、突然死は減らせるはずだった 現実は真逆だった。抗不整脈薬(エンカイニド、フレカイニド)は死亡率を2.5倍以上に増加させた 「代理エンドポイントの罠」は実在し、時に致命的である 常に自問せよ 「この研究で測定されているアウトカムは、 本当に患者にとって重要なものか?」

13.

? Q&A / Discussion