Liberal arts No 24

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February 15, 23

スライド概要

第24回リベラルアーツ研究会で使用したスライドです.

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岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 教授

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

第24回 医学生のための リベラルアーツ研究会 「仕事をつくる 私の履歴書」を読み, 世界で活躍する人はどんな青春時代を 送ったのか学んでみよう. 岐阜大学脳神経内科学分野 下畑 享良

2.

課題図書:仕事をつくる 安藤忠雄さん 日本の建築家 【キーワード】 永遠の青春 大阪から世界へ 仕事で社会と向き合う

3.

光の教会

4.

上海保利大劇場

5.

六甲の集合住宅

6.

長良川国際会議場

7.

司馬遼太郎記念館

8.

bourse de commerce@パリ

9.

bourse de commerce@パリ

10.

和美術館@広東省仏山市

11.

和美術館@広東省仏山市

12.

安藤さんのような世界的な仕事をされた人は どんな青春時代を過ごしたのだろう? 課題図書の中から探ってみたい.

13.

無我夢中の努力は必要 彼らが4年間かけて学ぶ量を1年で読もうと無我夢中で 取り組んだ。朝起きてから寝るまで、ひたすら本に向か った。1年間は一歩も外に出ないくらいの覚悟で本を 読むと決めて、やり遂げた。当時の私は意地と気力に 満ちあふれていた。

14.

20代の一人旅 私は、20代の旅の経験から多くのことを学んだ。一人旅 の道中では、考えるしかない。逃げることができない。 お金もない、言葉も通じない。思い通りにいかないことが 多く、毎日が不安と緊張の連続。頼りになるのは自分の 体一つ。しかしそれは、人生も同じことなのだと思う。

15.

世界へ一歩踏み出す勇気 近頃の若者たちは、日本からなかなか海外に出たがら ないと聞く。確かに、文化や社会常識の異なる外国に 出ることで様々な問題が生じる。しかし、それを乗り越え ていく勇気を忘れてはならない。一歩踏み出すことこそ が、世界を拓いていくのだ。

16.

諦めたときが終わり 大学を出た後、厳しい現実を 生き抜いて自分の仕事を貫く ために必要なのは、何としても あきらめない貪欲さだ

17.

真の人格を育てる この国が再び生き残るには技術革命より、経済より、 何より自立した個人という人格をもつ人材の育成が急務 である。真の人格を育てる教育にこそ劣化した人間と 国家の再生がかかっている

18.

参考図書:安藤さんが引用した本 青春とは人生のある期間をいうの ではなく、心の持ち方を言う。…… 人は年齢を重ねただけで老いるの ではない。理想を失ったときに初め て老いる。…… 情熱を失うときに精神はしぼむ。

19.

青春は年齢に関係はない 霊感が絶え、精神が皮肉の雪に おおわれ、 悲歎の氷にとざされる とき20歳であろうと人は老いる。 頭を高く上げ希望の波をとらえる 限り、80歳であろうと人は青春にし て已む(青春を保つことができる)。 Samuel Ullman, 1840 - 1924 アメリカの実業家・詩人・人道主義者

20.

参考図書:三流シェフ 何者かになろうとして、 懸命にもがく人たちへ・・・ 料理界のカリスマ 三國清三シェフの自伝

22.

雑用こそ人生の突破口 みんながやりたくないことを 機嫌良くやることだ。苦しそ うにやっていたら、周りだっ ていい気持ちはしない。 人は人の苦労をそれほど 評価しない。

23.

十年修行しなさい。そして 働いて得た収入は自己投 資しなさい。美術館に行き 音楽を聴き、なによりもい いレストランで食事をしなさ い。辛抱して勉強しなさい。 十年後には、必ず君たちの 村上信夫(元帝国ホテル顧問) 時代が来ます。

24.

参考図書:自分の中に毒を持て 芸術家岡本太郎が若者 に送る金言集

25.

岡本 太郎 • 洋画家(1911-1996).東京生まれ. • 1929年,東京芸大を半年でやめパリへ渡る. パリ大学哲学科を卒業,民俗学などを学ぶ. • ピカソの作品に衝撃を受け,抽象芸術運動に 参加,1940年に帰国. • 帰国後,前衛的な作品を次々に発表. 国内外から高い評価を受ける. • 1970年大阪万博に「太陽の塔」を制作. • 読書家で,評論活動も旺盛であった.

26.

ピカソとの邂逅 パリの生活で「独自の表現」が できず,2年間悩み続けた. ピカソの「水差しと果物鉢」と の出会いが転機となる. 既成の価値観にとらわれず, 立ち向かう精神に感動した.

27.

水差しと果物鉢(パブロ・ピカソ: 1931)

28.

岡本太郎の作品 痛ましき腕(1936):太郎のパリ時代の代表的作品

29.

夜(1947)

30.

森の掟(1950):レッドパージ(共産主義たたき),右傾化する社会を風刺

31.

明日の神話(1968) 第五福竜丸がビキニ環礁で被爆した際の水爆の炸裂の瞬間@JR渋谷駅通路

32.

日本人は勤勉だけれど もっとスケールの大きい べらぼうなものが必要だ 日本万国博覧会(1970)

33.

自分を賭ける • 自分を賭けることで力が出てくるんで,能力の 限界を考えていたら何もできやしないよ. • 誰もが,あえて出る釘になる決意をしなければ 時代はひらかれない.

34.

己(安易な生き方を求める自分)を殺せ • 安易な生き方をしたいときは,そんな自分を 敵だと思って戦うんだ. • 自分に忠実に行きたいなんて考えるのは, むしろいけない.そんな生き方は安易で,甘え がある.本当に生きていくためには自分自身と 戦わなければだめだ.

35.

計算づくでない人生 みんなどうしても,安全な道の方をとりたがるものだけれど それがダメなんだ.人間,自分を 大切にして安全を望むん だったら,何もできなくなってしまう. 計算づくでない人生を体験することだ. → 専門医制度なんて気にせず,本当にやりたいことを やってほしいと思う.リスクをとらずして,医師としての 本当の喜びは得られない.

36.

参考図書:岩田さん • 天才プログラマー,かつ任天 堂の社長を努めた岩田聡さん の経営理念,価値観,哲学な どが凝縮された1冊

37.

ゴルフ Mother 2

38.

天才の定義 わたしが見つけた天才の定義があります。 人が嫌がるかもしれないことや、人が疲れて 続けられないような事を、延々と続けられる人、 それが「天才」だとわたしは思うんです

39.

安心して「バカもん!」と言える人 と、腫れ物に触るように叱らないと いけない人がいるんですよね。 で、これはねぇ、ものすごい差なん です。こちらから与えられる量も、 その人が吸収できる量も、もの すごく変わってくるんですよ。

40.

参考図書:言志四録 佐藤一斎(1772-1859) が後半生の四十余年に わたって書いた語録。

41.

佐藤一斎(1772-1859) • 佐藤一斎は美濃の国岩村藩(岐阜)の 儒学者,昌平坂学問所で教授を務め 後に儒官(総長)まで上り詰めた. • 当時は朱子学が幕府公認の学問だっ たので,佐藤も朱子学を表向きの看板 としていたが,一方で陽明学にも造詣 が深い人物であった(陽朱陰王).

42.

朱子学と陽明学 知行合一 知識と行動を一致させよ 致良知 自分の心に備わる道徳性を実践せよ https://hitopedia.net//王陽明/

43.

佐藤一斎が影響を 与えた人物 • 驚くべきはその門下生たちで, 幕末後の日本を動かした. • その数6000人とも言われている. 岬龍一郎編訳.言志四録より引用

44.

言志四録 • 言志録,言志後録,言志晩録,言志耋録(てつろく)の 四書を合して「言志四録」という. • 42歳から80歳過ぎまで,半生をかけて書き出され続けた 箴言集(戒めとなる言葉). • 陽明学から強い影響受けている. • 特徴の第一は立志(自己の独立)で,西郷の克己につな がる思想である.第二は天人合一思想である. • 西郷隆盛や吉田松陰,坂本龍馬が心酔した書物.

45.

岐阜県恵那市岩村町 三学戒

46.

「言志晩録」第60条(三学戒) 少くして学べば,則ち壮にして為すことあり 壮にして学べば,則ち老いて衰えず 老いて学べば,則ち死して朽ちず 言志四録の中で,もっとも有名なもので,「一生,学びつづける ことの大切さ」を示したもの.

47.

「言志後録」第33条 春風を以て人に接し 秋霜を以て自ら粛(つつし)む 【口語訳】 春風のように相手の気持ちを温かくできるような接し 方がしたい.そして,自分に厳しく,秋の霜のように心を引き締 めて生活したい.

48.

「言志録」第2条 太上は天を師とし,其の次は人を師とし,其の次は経を 師とす. 最上の人は天を師とし,2番目の人はその道に通じた立派な人物 を師とし,3番目の人は聖人・賢人の教えを記した書物(四書五経 など)を師とする.

49.

「言志録」第6条 学は立志より要なるは莫(な)し. 而して立志も亦之れを強いるに非らず. 只だ本心の好む所に従うのみ. 【口語訳】学問で何かを成し遂げようとすれば,志を立てそれに 突き進むそれより大事なことはない. しかし強制ではなく,本心の命ずるままに行うべきである.

50.

「言志耋録」第17条 学に志すの士は,当に自ら己を頼むべし. 人の熱に因ること勿れ. 【口語訳】 学問を志すのであれば,頼れるものは自分自身である と覚悟しなければならない.他人の力に頼ってはいけない.

51.

志 • 言志四録における「立志」は,立身出世を目指すと いう意味ではない.心の立派な人になろうとする 意思である. • 論語でも,子路に志について問われた孔子が 「老者安之,朋友信之,少者懐之」と述べている. (老人には安心されるように,友達には信じられる ように,若者には慕われるように)

52.

William Clark 博士の本意 Boys be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be. 少年よ,大志を抱け.しかし金を求める大志であってはならない. 利己心を求める大志であってはならない.名声という浮ついたもの を求める大志であってはならない.人間としてあるべき全ての物を 求める大志を抱きたまえ.