cp-5. 繰り返し計算

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February 21, 22

スライド概要

C プログラミング入門 (スライド資料とプログラム例)(Visual Studio 2019 を使用)(全15回)
https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html

金子邦彦研究室ホームページ
https://www.kkaneko.jp/index.html

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金子邦彦(かねこくにひこ) 福山大学・工学部・教授 ホームページ: https://www.kkaneko.jp/index.html 金子邦彦 YouTube チャンネル: https://youtube.com/user/kunihikokaneko

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

cp-5. 繰り返し計算 (C プログラミング入門) URL: https://www.kkaneko.jp/pro/adp/index.html 金子邦彦 1

2.

内容 例題1.最大公約数の計算 例題2.自然数の和 while 文 例題3.フィボナッチ数列 例題4.自然数の和 for 文 例題5.九九の表 繰り返しの入れ子 2

3.

目標 • 繰り返し(while 文, for 文)を使って,繰り返 し計算を行えるようになること • ループカウンタとして,整数の変数を使うこ と • 今回も,見やすいプログラムを書くために, ブロック単位での字下げを行う 3

4.

繰り返しとは 条件 • 繰り返しとは,ある条件が満たされるまで, 同じことを繰り返すこと. • 繰り返しを行うための文としてwhile文, for 文 などがある. 4

5.

繰り返しの例 • ユークリッドの互助法 • m と n の最大公約数を求めるために,「割った余りを 求めること」を,余りが0になるまで繰り返す. • 九九の表 • 九九の表を求めるために,掛け算を81回繰り返す • フィボナッチ数 • フィボナッチ数を求めるために, f(n)=f(n-1)+f(n-2)を,n に達するまで繰り返す など 5

6.

例題1.最大公約数の計算 • 2つの整数データを読み込んで,最大公約数を求 めるプログラムを作る. • ユークリッドの互助法を用いること • ユークリッドの互助法を行うために while 文を書く 例) 20, 12 のとき: 4 6

7.

ユークリッドの互助法 • 最大公約数を求めるための手続き • m,nの最大公約数は, • m ≧ n とすると, • 「m をn で割った余り」 = 0 なら,最大公約数は n • 「m をn で割った余り」 ≠ 0 なら,m と n の最大公約 数は, 「m をn で割った余り」 と n の最大公約数に 等しい ( なお,n > 「m をn で割った余り」 が成り 立つ) 7

8.
[beta]
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int r;
int m;
int n;
printf("m=");
scanf("%d", &m);
条件式
printf("n=");
scanf("%d", &n);
r = m % n;
while( r != 0 ){
m = n;
条件が成り立つ限り,
n = r;
r = m % n; 実行されつづける部分
}
printf("GCD=%d\n", n);
return 0;
}
8

9.

ユークリッドの互助法 実行結果の例 m=12 n=8 GCD=4 9

10.

プログラム実行順 r = m % n; r != 0 No Yes m = n; n = r; r = m % n; 10

11.

ユークリッドの互助法 最初の「 r = m % n; 」で, m = 80, n = 35 とすると, r = 10 になる m の値 n の値 r の値 繰り返し 1回目 r != 0 が成立する m = 35 n = 10 r=5 繰り返し 2回目 r != 0 が成立する m = 10 n=5 r=0 繰り返し 3回目 r != 0 が成立しない 11

12.

while 文 while ( 条件式 ) { 式1; 式2; ... } 条件式 No Yes 式1 式2 ... • 何かの処理の繰り返し • 繰り返しのたびに while 文で書かれた条件式 の真偽が判定され, 真である限り,while の あとに続く文が実行され続ける. 12

13.

例題2.自然数の和 • 整数データ(Nとする)を読み込んで,1からN までの和を求めるプログラムを作る • ここでは,練習のため,自然数の和の公式は使わ ずに,while文を用いる 例) 100 → 5050 13

14.
[beta]
自然数の和
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int i;
int n;
int sum;
printf("n=");
条件式
scanf("%d", &n);
sum = 0;
i = 1;
while( i<=n ) {
条件が成り立つ限り,
sum = sum + i;
実行されつづける部分
i = i + 1;
}
printf("n=%d, sum=%d\n", n, sum);
return 0;
}

14

15.

自然数の和 実行結果の例 n=100 n=100, sum=5050 15

16.

プログラム実行順 i = 1; i <= n No Yes sum = sum + 1; i = i + 1; 16

17.

自然数の和 n = 7 とすると 繰り返し 1回目 繰り返し 2回目 繰り返し 3回目 繰り返し 4回目 繰り返し 5回目 繰り返し 6回目 繰り返し 7回目 繰り返し 8回目 sum の値 i の値 i <= 7 が成立する sum = 0 + 1 i=2 i <= 7 が成立する sum = 1 + 2 i=3 i <= 7 が成立する sum = 3 + 3 i=4 i <= 7 が成立する sum = 6 + 4 i=5 i <= 7 が成立する sum = 10 + 5 i=6 i <= 7 が成立する sum = 15 + 6 i=7 i <= 7 が成立する sum = 21 + 7 i=8 i <= 7 が成立しない 「繰り返し数」+ 1から 「繰り返し数」の和 17

18.

例題3.フィボナッチ数列 • 整数(Nとする)を読み込んで,1からNま でのフィボナッチ数列を求めるプログラムを 作る. • フィボナッチ数列f(n) とは f(0)=1, f(1)=1, f(n)=f(n-1)+f(n-2) • フィボナッチ数列を求めるために for 文を使う 例) 1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,.... 18

19.
[beta]
#include <stdio.h>
#pragma warning(disable:4996)
int main()
{
int i;
int n;
int fn;
int fn1;
int fn2;
printf("n=");
条件式
scanf("%d", &n);
fn1 = 1;
fn2 = 1;
for (i=2; i<=n; i++) {
fn=fn1+fn2;
条件が成り立つ限り,
fn2=fn1;
実行されつづける部分
fn1=fn;
printf("f(%d) = %d\n", i, fn);
順番に意味がある.
}
fn1=fn;
return 0;
fn2=fn1;
}

とはしないこと

19

20.

フィボナッチ数列 実行結果の例 n=6 f(2) = 2 f(3) = 3 f(4) = 5 f(5) = 8 f(6) = 13 20

21.

フィボナッチ数列 i=2 i <= n No Yes fn=fn1+fn2; fn2=fn1; fn1=fn; printf("f(%d) = %d\n", i, fn); i++ 21

22.

フィボナッチ数列 n = 5 とすると fn の値 fn2 の値 fn1 の値 i=2 i <= 5 が成立する fn = 1 + 1; fn2 = 1; fn1 = 2 i=3 i <= 5 が成立する fn = 2 + 1; fn2 = 2; fn1 = 3 i=4 i <= 5 が成立する fn = 3 + 2; fn2 = 3; fn1 = 5 i=5 i <= 5 が成立する fn = 5 + 3; fn2 = 5; fn1 = 8 i=6 i <= 5 が成立しない f i が入る f i-1 が入る f i が入る 22

23.

++, -の意味 ++ • インクリメントを行う演算子. • インクリメントとは1足すこと. オペランドに1を足 して,オペランドに格納する. -- - デクリメント演算子. - デクリメントとは1引くこと. オペランドから1を引 いて,オペランドに格納する. 23

24.

for 文 for ( 初期式; 条件式; 再設定式 ) { 式1; 式2; ... } • 初期式:繰り返しの最初に1回だけ実行される. • 条件式:繰り返しのたびに,真偽が判定される(偽な らば繰り返しが終わる). • 再設定式: 繰り返しのたびに実行される. 24

25.

for 文による繰り返し 初期式 条件式 No Yes 式 再設定式 1.まず,「初期式」を実行 2.次に,「条件式」を実行.条件式が成立すれば, 式と「再設定式」を実行し,「条件式」に戻る 25

26.

例題4.自然数の和 • 数(Nとする)を読み込んで,1からNまで の和を求めるプログラムを作る • ここでは,練習のため,自然数の和の公式は 使わずに,for文を用いる 例) 100 → 5050 26

27.

自然数の和 実行結果の例 n=100 n=100, sum=5050 27

28.
[beta]
自然数の和
#include <stdio.h>

#pragma warning(disable:4996)
int main()
{

int i;
int n;
int sum;

printf("n=");
scanf("%d", &n);
sum = 0;
for (i=1; i<=n; i++) {
sum = sum + i;

条件式
条件が成り立つ限り,
実行されつづける部分

}
printf("n=%d, sum=%d\n", n, sum);
return 0;

28

29.

プログラム実行順 i = 1; i <= n No Yes sum = sum + 1; i = i + 1; 29

30.

自然数の和 sum の値 n = 7 とすると i=1 i <= 7 が成立する sum = 0 + 1 i=2 i <= 7 が成立する sum = 1 + 2 i=3 i <= 7 が成立する sum = 3 + 3 i=4 i <= 7 が成立する sum = 6 + 4 i=5 i <= 7 が成立する sum = 10 + 5 i=6 i <= 7 が成立する sum = 15 + 6 i=7 i <= 7 が成立する sum = 21 + 7 i=8 i <= 7 が成立しない sum には1から i までの和が入る 30

31.

for 文と while 文 for ( 初期式; 条件式; 再設定式 ) { 式1; 式2; ... } 初期式 while ( 条件式 ) { 式1; 式2; for 文と while 文の能力は 同じ.自分にとって分かり やすい方と使うべし ... 再設定式 } 31

32.

例題5.九九の表 • 九九の表を表示するプログラムを作成する • 九九の表を表示するために,繰り返しの入れ子を使う 32

33.
[beta]
九九の表
#include <stdio.h>
int main()
{
int i;
int j;
for (i=1; i<=9; i++) {
for(j=1; j<=9; j++) {
printf("%d, ", i*j);
内側
}
printf("\n");
}
return 0;
}

外側

33

34.

繰り返しの入れ子 34

35.

九九の表 i=1 i <= 9 Yes j=1 No j <= 9 No Yes printf("%d, ", i*j); i++ j++ 35

36.

課題1 • 「例題1.最大公約数の計算」のプログラ ムを書き換えて,m,nを何度も入力して計算 できるようにせよ 36

37.

課題1のヒント 「m,nを何度も入力して計算できる」とは 繰り返し続けるプログラム while (1) { 式1; 式2; ... } 1 Yes 式1 式2 ... この「1」は,「常に真である」 ことを示す特別な数 *後述する do while 文を使っても「繰り返し続ける」ことは可 37

38.

条件式での「1」の意味 値 意味 1 真(true) 0 偽(false) 38

39.

課題1のヒント •xとy ラム int x; int y; int z; z = x; x = y; y = z; を入れ替えるプログ z は入れ替えのためだけに 使う変数 39

40.

課題2 1. ベクトルの値 (x1, x2, ... xk)を1つづつ読み込 んで,1つ読み込むごとに,次の計算を行う プログラムを作成しなさい. • ベクトル(x1, x2, ... xk)の長さ 2. 2つのベクトルの値(x1, x2, ... ), (y1, y2, ...)を 交互に読み込んで,1組読み込むことに次の計 算を行うプログラムを作成しなさい. • 2つのベクトルの内積 40

41.

課題2のヒント • k回めの繰り返しにおいて,長さkのベクトル (x1, x2, ... xk) の二乗和を求めるプログラム sum = 0; while (1) { scanf( "%lf", x ); sum = sum + ( x * x ); printf( "sum = %f\n", sum ); } 41

42.

課題3.三角関数 • θを読み込んで,(cosθ+ i sinθ)n を 計算するプログラムを作りなさい • なお,i は虚数単位 • n は 1から100 まで繰り返すこと(つ まり,計算は100回行う) 42

43.

複素数の積 z1 = x1 + i y1 z2 = x2 + i y2 のとき z1 z2 = (x1 + i y1) (x2 + i y2 ) = x1x2 + x1i y2 + i y1x2 + i y1i y2 = x1x2 - y1y2 + i (x1y2 + y1x2 ) 実数部 虚数部 43

44.

(cosθ+ i sinθ)n = cos nθ+ i sin nθ (cosθ+ i sinθ)2 = cos2θ- sin2θ+ 2i cosθsin θ = cos2θ+ i sin2θ (cosθ+ i sinθ)3 = (cosθ+ i sinθ)2 (cosθ+ i sinθ) = (cos2θ+i sin2θ) (cosθ+ i sinθ) = cos2θcosθ- sin2θsinθ + i (cos2θsinθ- sin2θcosθ) = cos (2θ+θ) + i sin (2θ+θ) = cos3θ+ i sin3θ (以下同様に考える.数学的帰納法で証明できる) 44

45.

課題4 • あるクラスの試験の点数から,その平均値 と,標準偏差を計算するプログラムを作成 しなさい. 45

46.

より勉強したい人への付録 46

47.

do while 文による繰り返し while 文との違い: 必ず最初に1回は実行される 47

48.

do while文 do { 式1; ... 式n; } while (条件式); 48

49.
[beta]
do while 文が役に立つ場合
• 読み込み値のチェック
• 0点以上,100点以下のデータの読み込み
• 間違いがあったら,読み込みを繰り返す

do {
printf(" tensu=");
scanf("%d", &tensu);
} while( ( tensu < 0 ) || ( tensu > 100 ) );
49

50.

break文 • 繰り返しを中断 • break を含む最も内側の switch文あるいは繰り返 し文(while, for 文など)から抜け出す. 50

51.

break文 条件1の結果が成り立たない while (条件1){ 式; if (条件2){ 条件2の結果が成り立つ 式; break; /* whileの外へ*/ } printf("条件2が成り立てば実行されない."); } printf("whileの外\n"); 51

52.

continue文 • 次の繰り返し実行を行うための文. • continue を含む最も内側の繰り返し文(while文, for 文など)について,繰り返しの本体の残りを飛 ばして,次の繰り返しを始める. 52

53.

continue文 while (条件1){ 式; if (条件2){ 式; continue; /* whileの先頭へ*/ } printf(“条件2が成り立たなければ実行される."); } printf("whileの外\n"); 53

54.

break 文, continue 文のまとめ • break 文 • while 文, for 文での繰り返しから抜け出す • continue 文 • 繰り返し途中で,残りの処理を飛ばす 54