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April 07, 26
スライド概要
集合と位相i
17yo/MSC:11N05 11G99 14F05 https://researchmap.jp/koheio278 J-GLOBAL ID:202501005004897530 Supervisors: G.Muhiuddin(Univ of Tabuk)
Logics of Blue
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奥村 泰之
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集合と位相 I おふねこ (SINT) 指導教官:G.Muhiuddin April 12,2026 1 / 30
導入 • この講義では、現代数学の基礎となる「集合」と「位相」につい て学びます。 • 特に、集合の基本的な操作から始め、抽象的な空間の概念である 「位相空間」へと進みます。 • これらの概念は、解析学、幾何学、代数学など、様々な数学分野 で不可欠なツールとなります。 4 / 30
集合の基本操作の復習 • 包含関係: A ⊆ B (A が B の部分集合である) • 和集合: A ∪ B = {x | x ∈ A または x ∈ B} • 共通部分: A ∩ B = {x | x ∈ A かつ x ∈ B} • 補集合: Ac = {x | x ∈ / A} ポイント これらの記号と定義は、今後の議論の基礎となります。 5 / 30
ド・モルガンの法則 • (A ∪ B)c = Ac ∩ B c • (A ∩ B)c = Ac ∪ B c なぜ重要か? 集合の操作を補集合と関連付けることで、より複雑な集合の関係を理 解するのに役立ちます。 6 / 30
べき集合の定義 定義 集合 X のべき集合 P(X) とは、X のすべての部分集合を要素とする 集合である。すなわち、P(X) = {A | A ⊆ X} と定義される。 例 X = {a, b} のとき、P(X) = {∅, {a}, {b}, {a, b}} 7 / 30
べき集合の例 例 X = {1, 2, 3} のとき、 P(X) = {∅, {1}, {2}, {3}, {1, 2}, {1, 3}, {2, 3}, {1, 2, 3}} 要素の数は 2|X| となる。 8 / 30
べき集合と位相 ポイント 「位相」とは、このべき集合 P(X) の部分集合として定義されます。 • 位相は、集合 X 上に「開集合」という特別な部分集合の族を定 めることで、空間の「近さ」や「連続性」といった概念を抽象的 に捉えるための枠組みを提供します。 • したがって、べき集合の理解は位相空間論を学ぶ上で不可欠 です。 9 / 30
べき集合の定義 定義 集合 X のべき集合 P(X) とは、X のすべての部分集合を要素とする 集合である。すなわち、P(X) = {A | A ⊆ X} と定義される。 例 X = {a, b} のとき、P(X) = {∅, {a}, {b}, {a, b}} 11 / 30
べき集合の例 例 X = {1, 2, 3} のとき、 P(X) = {∅, {1}, {2}, {3}, {1, 2}, {1, 3}, {2, 3}, {1, 2, 3}} 要素の数は 2|X| となる。 12 / 30
べき集合と位相 ポイント 「位相」とは、このべき集合 P(X) の部分集合として定義されます。 • 位相は、集合 X 上に「開集合」という特別な部分集合の族を定 めることで、空間の「近さ」や「連続性」といった概念を抽象的 に捉えるための枠組みを提供します。 • したがって、べき集合の理解は位相空間論を学ぶ上で不可欠 です。 13 / 30
有限個の和集合・共通部分 • これまでは 2 つの集合の和集合や共通部分を扱ってきました。 • 有限個の集合 A1 , A2 , . . . , An の場合も同様に定義できます。 ∪ • 和集合: A1 ∪ A2 ∪ · · · ∪ An = nk=1 Ak ∩ • 共通部分: A1 ∩ A2 ∩ · · · ∩ An = nk=1 Ak 14 / 30
集合族とインデックス集合 定義 集合族とは、集合を要素とする集合のことである。インデックス集合 I を用いて、集合族を {Ai }i∈I と表す。 • インデックス集合 I は、有限集合でも無限集合でもよい。 • I = N (自然数全体の集合) の場合、可算無限個の集合の族と なる。 • I = R (実数全体の集合) の場合、非可算無限個の集合の族と なる。 15 / 30
一般の和集合の定義 定義 集合族 {Ai }i∈I の一般の和集合は、次のように定義される。 ∪ Ai = {x | ∃i ∈ I, x ∈ Ai } i∈I これは、「少なくとも一つの Ai に属する要素 x 全体の集合」を意味 する。 16 / 30
一般の共通部分の定義 定義 集合族 {Ai }i∈I の一般の共通部分は、次のように定義される。 ∩ Ai = {x | ∀i ∈ I, x ∈ Ai } i∈I これは、「すべての Ai に属する要素 x 全体の集合」を意味する。 17 / 30
一般の和集合・共通部分の図解 A1 ∪ A2 i∈I Ai のイメージ A3 • インデックス集合 I が非可算の場合でも、この定義は有効です。 • 例えば、実数 t ∈ [0, 1] に対して、区間 At = [t, t + 1] を考えるこ 18 / 30 とができます。
順序対の定義 定義 集合 X の要素 x と集合 Y の要素 y からなる順序対 (x, y) は、x と y の順序を込めた組である。 • 順序対では、要素の順序が重要である。すなわち、 (x, y) = (x′ , y ′ ) ならば x = x′ かつ y = y ′ である。 • また、x ̸= y のとき、(x, y) ̸= (y, x) である。 20 / 30
直積集合の定義 定義 集合 X と集合 Y の直積集合 X × Y は、 X × Y = {(x, y) | x ∈ X, y ∈ Y } と定義される。 例 X = {a, b}, Y = {1, 2} のとき、X × Y = {(a, 1), (a, 2), (b, 1), (b, 2)} 21 / 30
直積集合の例:座標平面 例 実数全体の集合 R を用いると、R × R = R2 = {(x, y) | x ∈ R, y ∈ R} これは、私たちがよく知っている座標平面を表します。 y (1.5, 2) 2 1 x -2 -1 -1 -2 1 2 22 / 30
写像の定義 定義 集合 X から集合 Y への写像 f : X → Y とは、X の各要素 x に対し て、Y の要素 f (x) をただ一つ対応させる規則である。 • X を定義域 (domain)、Y を終域 (codomain) と呼ぶ。 • f (x) を x の像 (image) と呼ぶ。 24 / 30
像の定義 定義 写像 f : X → Y と X の部分集合 A ⊆ X に対して、A の像 f (A) は 次のように定義される。 f (A) = {f (x) | x ∈ A} これは、「A の要素の像全体の集合」を意味する。 例 f : R → R, f (x) = x2 とする。A = [−1, 2] のとき、f (A) = [0, 4] と なる。 25 / 30
逆像の定義 定義 写像 f : X → Y と Y の部分集合 B ⊆ Y に対して、B の逆像 f −1 (B) は次のように定義される。 f −1 (B) = {x ∈ X | f (x) ∈ B} これは、「B の要素に写される X の要素全体の集合」を意味する。 例 f : R → R, f (x) = x2 とする。B = [1, 4] のとき、 f −1 (B) = [−2, −1] ∪ [1, 2] となる。 26 / 30
像の性質:共通部分の非保存 注意 像は、必ずしも共通部分を保存しません。 例 X = {1, 2}, Y = {a} とし、f (1) = a, f (2) = a とする。A1 = {1}, A2 = {2} とすると、A1 ∩ A2 = ∅ である。しかし、f (A1 ) = {a}, f (A2 ) = {a} なので、f (A1 ) ∩ f (A2 ) = {a} となる。したがって、 f (A1 ∩ A2 ) = ∅ ̸= {a} = f (A1 ) ∩ f (A2 )。 27 / 30
逆像の性質:和集合の保存 定理 写像 f : X → Y と Y の部分集合 B1 , B2 ⊆ Y に対して、 f −1 (B1 ∪ B2 ) = f −1 (B1 ) ∪ f −1 (B2 ) 証明の概略. x ∈ f −1 (B1 ∪ B2 ) ⇐⇒ f (x) ∈ B1 ∪ B2 ⇐⇒ f (x) ∈ B1 または f (x) ∈ B2 ⇐⇒ x ∈ f −1 (B1 ) または x ∈ f −1 (B2 ) ⇐⇒ x ∈ f −1 (B1 ) ∪ f −1 (B2 )。 28 / 30
逆像の性質:共通部分の保存 定理 写像 f : X → Y と Y の部分集合 B1 , B2 ⊆ Y に対して、 f −1 (B1 ∩ B2 ) = f −1 (B1 ) ∩ f −1 (B2 ) 証明の概略. x ∈ f −1 (B1 ∩ B2 ) ⇐⇒ f (x) ∈ B1 ∩ B2 ⇐⇒ f (x) ∈ B1 かつ f (x) ∈ B2 ⇐⇒ x ∈ f −1 (B1 ) かつ x ∈ f −1 (B2 ) ⇐⇒ x ∈ f −1 (B1 ) ∩ f −1 (B2 )。 29 / 30
逆像の性質:補集合の保存 定理 写像 f : X → Y と Y の部分集合 B ⊆ Y に対して、 f −1 (B c ) = (f −1 (B))c まとめ 逆像は、和集合、共通部分、補集合といった集合演算を「きれいに」保 存します。この性質は、位相空間論において非常に重要となります。 30 / 30