海外カンファレンスのCFPをどう書いてきたか

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November 21, 25

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各ページのテキスト
1.

CFP(Call for Participation) をどう書いてきたか Dr.Y Automotive Grade Linux

2.

自己紹介 • 名前 • Dr.Y • 仕事 • 某自動車部品メーカのエンジニア • オープンソース活動 • AGL(Automotive Grade Linux)というLinux Foundationがホストする プロジェクトのメンバー • AGL以外へのコードのコントリビューションは年数回程度の初心者コン トリビュータ • 国際会議の経験 • 学生時代(20年前)に学術系の国際会議で発表 • AGL主催の国際会議で毎回発表 • COSCUP 2025 SDVトラックのトラックオーガナイザ

3.

発表の流れ • 背景/目的 • CFPとは何か? • CFPで書かないといけない事 • どうやって英語を書くか • まとめ

4.

背景・目的 • 日本のオープンソースコミュニティにはアクティブな人がたくさんいる • そのなかでも、OSC(Open-Source Conference)やKoF(Kansai Open Forum)といったコミュ ニティイベントで展示・発表を行っている人たちは、とても興味深く価値のある内容をコミュニ ティに提供している • 一方で、彼らがCOSCUPやLinux Foundation主催の国際会議で発表しようとすると、CFP という大きな壁がある • なぜ、国際会議のCFPが大きな壁となるのか? • 英語でCFPを書かないといけないが、英語が苦手 • 書き方を知らないため、設問に対して適切な内容を書けない • この発表では、自分の過去の経験を共有することで、日本のオープンソースコミュニティメン バーがCFPを書く手助けをすることを目的としている

5.

CFP(Call for Papers/Proposal/etc.)とは • CFPとは国際会議/国内会議における発表提案 • 発表をしようと考えている人が、何を発表したいかを会議の運営に説明する手続き • 会議の運営は、CFPの内容を見て会議にふさわしいかどうかを判断し、採用/不採用を決 定する • CFPが採用されると、実際に発表ができるようになる • 学術系の国際会議の場合は発表する論文を提出する場合もある • オープンソース関係の国際会議とは記載内容が異なる • 発表する論文そのものの提出を求められる場合と、発表する論文の概要の提出を求められる場合がある • 本発表の対象範囲 • オープンソース関係の国際会議を対象とする • 学術系の国際会議は対象外

6.

本発表で事例として扱うコミュニティ • コミュニティ名: Open COCON • OSC名古屋の世話人を務める島田啓史氏の一人プロジェクト • 活動期間は10年以上 • 活動内容 • シンクライアント向けの超軽量Linuxディストリビューションの開発プロジェクト • i486, Pentiumといった1990年代のCPUを搭載したPCが標準動作環境 • Yocto/OpenEmbedded(カスタムLinuxディストリビューションを開発するためのフレーム ワーク)を利用することで、サーバPCを遠隔操作する機能に特化した超軽量化を実現 • Yocto/OpenEmbeddedを使ったカスタムディストリビューション構築の知見は、日本国内 でトップレベル

7.

発表の流れ • 背景/目的 • CFPとは何か? • CFPで書かないといけない事 • どうやって英語を書くか • まとめ

8.

CFPには何を書かないといけないのか? • 発表提案する会議によって多少違いはあるが基本は一緒 • 一般的な項目 • タイトル(Title) • 概要(Abstract/Overview/Description) • 聴衆に対する発表の価値(Benefits to the ecosystem) • 対象者(Difficulty/Level) • 注意点 • CFPのシートに対応する項目がない場合は、他の項目に内容を含めるようにする • 例えば「聴衆に対する発表の価値」の項目がない場合は、「概要」に書くか「補足(Note)」のような書けそ うな項目に必ず書く

9.

CFPの項目:タイトル • 名前の通り発表の内容を一文で表現するのがタイトル • タイトルのつけ方 • 一文で内容を説明 • How to write CFP for International Conference • • 国際会議のCFPの書き方を発表したいときのタイトル History of the Japan Local Open-Source Communities • 日本のローカルオープンソースコミュニティの歴史を発表したいときのタイトル • 明確な名前のあるものを扱う場合は「名前:その説明」のように書くとよい • Open COCON: Linux Distribution for Thin Client • Open COCON(おーぷんここん)という、シンクライアント向けLinuxディストリビューションの紹介をしたいときのタイトル • 勉強会で毎回発表するときに使うようなタイトルは避ける • Status update for Open COCON • • Open COCONの最新状況、という意味だが、見た人はどのような内容について話すのかがわからないので原則避ける Open COCONがよく知られているもの(例えばLinuxやOpen Street Map)や、これまで同じ会議で継続的に発表を続けて いるものであればこの書き方でもよい

10.

CFPの項目:概要 • 自分が発表したい内容を短い文章で説明する • 短い文章といっても、発表内容全体に対して短いという意味で、1文や1段落という意味 ではない • 文字数制限/単語数制限がついている事が多いので、超えないようにする • 箇条書きではなく、文章を書く • 書かないといけない内容 • 発表する内容の背景と目的 • なぜこの発表に意味があるのか、発表する取り組みの狙いは何か • 発表する内容 • 発表の中で話したい、理解してほしい内容を具体的に • ただ内容を書くのではなく、結論まで書くこと

11.

CFPの項目:概要 • 自分が発表したい内容を短い文章で説明する • 短い文章といっても、発表内容全体に対して短いという意味で、1文や1段落という意味 ではない • 文字数制限/単語数制限がついている事が多いので、超えないようにする • 箇条書きではなく、文章を書く • 書かないといけない内容 • 発表する内容の背景と目的 • なぜこの発表に意味があるのか、発表する取り組みの狙いは何か • 発表する内容 • 発表の中で話したい、理解してほしい内容を具体的に • ただ内容を書くのではなく、結論まで書くこと

12.

CFPの項目:概要-背景,目的の事例 • 具体例(この発表の背景と目的) • Example 日本のオープンソースコミュニティにはアクティブな人が たくさんいる • そのなかでも、OSC(Open-Source Conference)や KoF(Kansai Open Forum)といったコミュニティイベント で展示・発表を行っている人たちは、とても興味深く価 値のある内容をコミュニティに提供している • 一方で、彼らがCOSCUPやLinux Foundation主催の 国際会議で発表しようとすると、CFPという大きな壁が ある • なぜ、国際会議のCFPが大きな壁となるのか • 英語でCFPを書かないといけないが、英語が苦手 • 書き方を知らないため、設問に対して適切内容を書けな い • • • • この発表では、自分の過去の経験を共有することで、 日本のオープンソースコミュニティメンバーがCFPを書く 手助をすることを目的としている • • • Many active contributors are working in the Japanese Open-Source community. They are speaking at local events in Japan, such as OSC (Open-Source Conference) and KoF (Kansai Open Forum), among others. Those activities are very interesting and important for the Open-Source community. On the other hand, they have a big barrier to joining an international conference. That is CFP. Why is CPF a big barrier? In my understanding: It must be written in English. • They don't know how to write. • • In this session, I will talk about how to write a CFP that is based on my experience. It aims to help Japanese Open-Source contributors.

13.

CFPの項目:概要-背景,目的の事例 • 具体例(この発表の背景と目的) • Example 日本のオープンソースコミュニティにはアクティブな人が たくさんいる • そのなかでも、OSC(Open-Source Conference)や KoF(Kansai Open Forum)といったコミュニティイベント で展示・発表を行っている人たちは、とても興味深く価 値のある内容をコミュニティに提供している • 一方で、彼らがCOSCUPやLinux Foundation主催の 国際会議で発表しようとすると、CFPという大きな壁が ある • なぜ、国際会議のCFPが大きな壁となるのか • 英語でCFPを書かないといけないが、英語が苦手 • 書き方を知らないため、設問に対して適切内容を書けな い • • • • この発表では、自分の過去の経験を共有することで、 日本のオープンソースコミュニティメンバーがCFPを書く 手助をすることを目的としている 背景: 状況認識 目的: このセッションで何をしたいのか • • • Many active contributors are working in the Japanese Open-Source community. They are speaking at local events in Japan, such as OSC (Open-Source Conference) and KoF (Kansai Open Forum), among others. Those activities are very interesting and important for the Open-Source community. On the other hand, they have a big barrier to joining an international conference. That is CFP. Why is CPF a big barrier? In my understanding: It must be written in English. • They don't know how to write. • • In this session, I will talk about how to write a CFP that is based on my experience. It aims to help Japanese Open-Source contributors. 背景から目的に切り替えることをわかりやす くするために、この一文を入れるとよい

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CFPの項目:概要-背景,目的 • 背景を書く時の課題 • 社会的な背景がある場合はそれを書けばよいが、そうでない事も多い • 自分が楽しいからやっている内容を発表するなど • 社会的背景から始めにくい場合の文章の組み立て方 • 自分の取り組みを1文で説明 • なぜ、この取り組みを面白いと思っているのかを説明 • 自分の取り組みがこんな意義をもっているかも?と思っているかを説明 • 例文-背景部分 • Open COCON • Open COCON(おーぷんここん)は、シンクライアント向け軽量Linuxディストリビューションである。 • 世の中の軽量Linuxディストリビューションはいくつもあるが、5年から10年前のPCをターゲットにしたものが ほとんどである。Open COCONは、これらよりも古い20年から30年前のPCをもターゲットにしたLinuxディス トリビューションという点が画期的である。 • これは、現在世界中で捨てられていくPCが、再利用できる可能性を示している。

15.

CFPの項目:概要 • 自分が発表したい内容を短い文章で説明する • 短い文章といっても、発表内容全体に対して短いという意味で、1文や1段落という意味 ではない • 文字数制限/単語数制限がついている事が多いので、超えないようにする • 箇条書きではなく、文章を書く • 書かないといけない内容 • 発表する内容の背景と目的 • なぜこの発表に意味があるのか、発表する取り組みの狙いは何か • 発表する内容 • 発表の中で話したい、理解してほしい内容を具体的に書く • ただ内容を書くのではなく、結論まで書くこと

16.

CFPの項目:概要-内容 • 具体例(この発表の具体的な内容) • • • • • • • • • • 最初に、CFPに必要な内容について説明します。 これはCFP作成の出発点です。 なぜ「背景」が必要なのでしょうか?それは、審査員が あなたの分野の専門家ではないからです。 なぜ「目的」が必要なのでしょうか?それは、審査員が あなたの提案の価値を知りたいからです。 次に、私のCFP作成方法を紹介します。 日本人は最初に日本語で説明文を作成します。 しかし、私の経験上、これはあまり良い方法ではありま せん。 なぜなら、典型的な日本人の英語力は日本語のスキ ルよりも劣っているからです。 そこで、英語で先に文章を書く方法を提案します。 私の講演は、皆様の CFP 品質の向上に役立ちます。 • Example • • • • • • • • • • 内容その1: CFPに背景と目的が必要な理由 内容その2: 発表者がCFPをどうやって書いているかを説明 結論: この講演が聴衆のCFP品質を上げるのに役立つと説明 At 1st, I share what content is necessary in CFP. It's the starting point of CFP writing. Why is ‘background’ needed? Because the reviewer is not an expert in your field. Why is ‘purpose’ needed? Because reviewers want to know the value of your proposal. Next, I share my method for CFP writing. The Japanese create descriptions using Japanese at first. On the other hand, it is not a good approach in my experience. Because typical Japanese English skills are less than Japanese skills. I propose the English first writing method. My talk will support to improvement for your CFP quality.

17.

CFPの項目:概要-内容 • Open COCONを例にした具体例 • 最初に、Open COCONをPCにインストールして使う手順を説明する。これにより、セッショ ンの参加者が、Open COCONを実際に体験できるようにする。 • 次に、Open COCONがどのようにして超軽量ディストリビューションを実現しているのかを説 明する。 • Open COCONは、Yocto/OpenEmbeddedというフレームワークを利用して構築している。 • しかし、単純に構築するだけでは、超軽量ディストリビューションを実現することはできない。 • レシピというビルドのコンフィグレーションファイルのカスタマイズ、Linuxカーネルコンフィグのカ スタマイズが必要となる。これらの知見をセッション参加者と共有する。 • このセッションに参加することで、Open COCONのユーザになる方法と、Open COCON開 発で使われている超軽量化技術を理解することができる。 内容その1: 内容その2: 結論:

18.

CFPの項目:聴衆に対する発表の価値 • この発表提案が、会議参加者にとってどういう価値を提供するのかを説明する • 会議の運営が、この発表を採用する価値があるかどうかを判断するのにつかわれる • レビューアが、発表提案の分野に明るいとは限らない • この項目に具体的な記載があれば、価値があると判断してもらえる • CFP投稿の記入欄に、発表の価値の記入欄がない場合は、概要にこの内容を書かない といけない • 具体的にどう書けばいいのか? • 自分が、参加者にこんな価値があると「思っている」ことを書けばよい • まだ発表をしていないので、どのような効果があったかを書く必要はない

19.

CFPの項目:聴衆に対する発表の価値 • 具体例 • この発表の場合 • This session will share my knowledge on CFP writing. Attendees will understand why background and purpose are important. Attendees will know why “benefits to the ecosystem” is important. “How to write English” is an important point for Japanese. This session will share my method for writing in English. This session supports CFP quality improvement for attendees. • このセッションでは、CFPライティングに関する私の知識を共有します。参加者は、背景と目的がなぜ重要 なのかを理解できます。また、「エコシステムへのベネフィット」がなぜ重要なのかを理解できます。「英語の 書き方」は日本人にとって重要なポイントです。このセッションでは、英語でのライティングにおける私の手法 を共有します。このセッションは、参加者のCFPの質の向上をサポートします。 • Open COCONの例 • このセッションでは、Open COCONの紹介と、ディストリビューションをどのように構築しているかを共有しま す。参加者は、二つの点を知ることができます。一つ目は、超軽量ディストリビューションの存在と、そのデ ザインです。これにより、参加者はOpen COCONをベースにした軽量ディストリビューションを作るための知 識を得られます。二つ目は、Yocto/OpenEmbedded使って超軽量ディストリビューションを構築するテクニッ クです。これにより、参加者はYocto/OpenEmbeddedの高度な使い方を知ることができます。

20.

発表の流れ • 背景/目的 • CFPとは何か? • CFPで書かないといけない事 • どうやって英語を書くか • まとめ

21.

英語の書き方 • 英語を先に書くか日本語を先に書くか? • 英語を先に書くメリット • • 自分の英語力でかける文章しか書けないので、短くわかりやすい文章になる 自分の知っている単語で文章を書くので、発表時に読める文章になる • • 自力で英文を書かないといけないので、最低限の英語文章を書く力が必要 最初に文章を書きあげるまでに時間がかかるので、精神的に疲れる • • 自分の得意な言語で書くことができる 生成AIの発展で、従来の機械翻訳よりもうまく英語化してくれる • • 生成した英語文章の正しさを確認しないといけないので、英語を読む力が必要 自分の知らない単語や表現が使われてしまい、発表時に発音がわからない • 英語を先に書くデメリット • 日本語を先に書くメリット • 日本語を先に書くデメリット • 発表者の場合 • 英語で書く方法を使う • 日本語先行のデメリットである、発表時に発音がわからない問題で苦労したから

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英語の書き方:発表者の場合 英語で書いた文章を機械翻訳にかけて日本語を確認 生成AIを使って”うまく”翻訳されないよう、Google翻訳を使っている • 最初にざっと書いた文章 • At 1st, I share the what content is necessary in CFP. It's starting point of CFP writing. Why background is needed? Because reviwer is not expert in your field. Why purpose is needed? Because reviwer want to know value of your proposal. • Next, I share the my method for CFP writing. Japanease create discription by Japanease at first in tipically. On the other hand, it is not good approach in my experiance. Because typical Japanease English skill is less than Japanease skill. I propose to direct English writing method. • Google翻訳を使って日本語に戻して確認 • まず、CFPに必要な内容について共有します。こ れはCFP作成の出発点です。なぜ背景情報が必 要なのでしょうか?それは、審査員があなたの分 野の専門家ではないからです。なぜ目的が必要 なのでしょうか?それは、審査員があなたの提案 の価値を知りたいからです。 • 次に、CFP作成における私の方法を共有します。 一般的に、日本人は最初に日本人で記述を作 成します。しかし、私の経験上、これはあまり良い 方法ではありません。なぜなら、日本人の英語力 は日本人の英語力よりも低いからです。そこで、 英語で直接記述する方法を提案します。

23.

英語の書き方:発表者の場合 機械翻訳チェックで確認をしたら、文法チェッカーで修正 Typoを自動補正して翻訳されてしまう事があるので、文法とtypoを直す • 最初にざっと書いた文章 • At 1st, I share the what content is necessary in CFP. It's starting point of CFP writing. Why background is needed? Because reviwer is not expert in your field. Why purpose is needed? Because reviwer want to know value of your proposal. • Next, I share the my method for CFP writing. Japanease create discription by Japanease at first in tipically. On the other hand, it is not good approach in my experiance. Because typical Japanease English skill is less than Japanease skill. I propose to direct English writing method. • 英文法チェッカーで直した後 • At 1st, I share what content is necessary in CFP. It's the starting point of CFP writing. Why is 'background' needed? Because the reviewer is not an expert in your field. Why is purpose needed? Because reviewers want to know the value of your proposal. • Next, I share my method for CFP writing. The Japanese create descriptions using Japanese at first. On the other hand, it is not a good approach in my experience. Because typical Japanese English skills are less than Japanese skills. I propose the English first writing method. 自分は、Grammary (https://app.grammarly.com/)を使っている

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英語の書き方: 生成AIを使う場合 Geminiのプロンプトに、「次の日本語の文章の内容を理解して、非ネイティブスピーカ向けの 英語の文章に翻訳して」と入力して英文を生成 「翻訳」と入力しないと長大な文章を生成してしまうため、あえて指定した • 日本語の文章 (わざと不明瞭にした例文) • Open COCONのインストール方法を説明し、Open COCONを実際に使えるようにします。 • 超軽量ディストリビューションの実現方法を説明します。 • Yoctoを使っていますが、超軽量にするために必要なこ とを話します。レシピを変更することで実現しています。 Geminiが作った文章 I will explain how to install Open COCON and get it ready for use. • I will also explain how to create an ultra-lightweight distribution (a very small operating system distribution). • We use Yocto, and I will talk about the necessary steps to make the distribution ultra-lightweight. This 日本語の文章に主語がないので、Geminiが補完してくれて is achieved by modifying the recipes (the build いる。しかし、他がIなのにWeになってしまったり、何が主 instructions for Yocto). • 語かわからないのであいまいな表現になってしまっている。 文章の意図は、「インストール方法を説明することで、参 加者がOpen COCONを使えるようになる」だが、使う準備を 整える話になってしまっている 説明が不十分で、余計な捕捉文章が入ってしまう •

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英語の書き方: 生成AIを使う場合 Geminiのプロンプトに、「次の日本語の文章の内容を理解して、非ネイティブスピーカ向けの 英語の文章に翻訳して」と入力して英文を生成 「翻訳」と入力しないと長大な文章を生成してしまうため、あえて指定した • 日本語の文章 (修正した例文) • • • • このセッションでは、最初にOpen COCONのインストール 方法を説明します。聴衆は、Open COCONを実際に使 うことができるようになります。 次に、超軽量ディストリビューションをどのように実現してい るかを説明します。 Open COCONの開発では、Yoctoを使っています。Yocto のレシピ(ビルド設定)をどのように変更すれば、超軽量に できるのかを説明します。 Geminiが作った文章 • • • In this session, we will first explain how to install Open COCON. The audience will be able to start using Open COCON immediately after this part. Next, we will explain how we achieved a super lightweight distribution. We use Yocto for Open COCON development. We will detail how to modify Yocto’s recipes (build configurations) to make the distribution super lightweight. 日本語の文章に主語がないので、Geminiが補完してくれて いる。しかし、他がIなのにWeになってしまったり、何が主 AIの翻訳でおかしな内容が混入してしまうかどうかは、もとの 語かわからないのであいまいな表現になってしまっている。 日本語の文章に強く依存している。日本語を書く力が大事。 文章の意図は、「インストール方法を説明することで、参 加者がOpen COCONを使えるようになる」だが、使う準備を 今回は、壁打ちして結果をよくするところまではやっていない 整える話になってしまっている ため、悪い結果が目立つ。一方で、壁打ちするためには英語の 説明が不十分で、余計な捕捉文章が入ってしまう 文章を読んでおかしいところを直させないといけないので、読 解力が必要になる。

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英語の書き方 • 英語を先に書くか日本語を先に書くか? • 英語を先に書くメリット • • 自分の英語力でかける文章しか書けないので、短くわかりやすい文章になる 自分の知っている単語で文章を書くので、発表時に読める文章になる • • 自力で英文を書かないといけないので、最低限の英語文章を書く力が必要 最初に文章を書きあげるまでに時間がかかるので、精神的に疲れる • • 自分の得意な言語で書くことができる 生成AIの発展で、従来の機械翻訳よりもうまく英語化してくれる • • 生成した英語文章の正しさを確認しないといけないので、英語を読む力が必要 自分の知らない単語や表現が使われてしまい、発表時に発音がわからない • 英語を先に書くデメリット • 日本語を先に書くメリット • 日本語を先に書くデメリット •英語を先に書くか、日本語を先に書くかは、より自分に向いた 発表者の場合 方法を選べばよい。 • 英語で書く方法を使う • 日本語先行のデメリットである、発表時に発音がわからない問題で苦労したから 言語の違いよりも文章を書く力が重要

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まとめ • 日本のオープンソースコントリビュータは、とても意義のある活動をしている。一 方で、国際会議で発表をしようと思っても、CFPを書くのが苦手な人が多い。 結果CFPが採用されず、発表のハードルを高くしていた。 (太田さん談) • COSCUP 2025でトラックオーガナイザを担当したことで、他の日本からの発表 者のCFPを見ることができた。その結果、どんなところが苦手なのかをある程度 知ることができた。 • この発表では、日本のオープンソースコントリビュータが苦手な点を、自分がどう やって書いているかを解説した。 • CFPに書かないといけない事と、書く時の定型的なポイント • 英語をどうやって書くか • 今回の発表が、今後CFPを投稿する人の助けになると期待します