そうさ、探索適応型の チーム・組織を⽬指そう︕ Ichitani Toshihiro 市⾕聡啓
市⾕ 聡啓 Ichitani Toshihiro チーム、部署、事業、組織でのアジャイル適応⽀援 (株式会社レッドジャーニー) 特に専⾨は 「仮説検証、アジャイル開発、組織アジャイル」 この数年の取り組み ⾏政でのアジャイル、⼤企業DX・組織変⾰ (製造・製薬ほか多数) 地域DX (地域企業のコミュニティ) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 2
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この4年間で ⾏政・⼤企業から中⼩企業まで 組織という組織とのジャーニー ざっくり100社くらい Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 4
「組織とは何なの」については まだ分かった気にならないが ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ 上⼿くいく組織がどういう状態に なっていくかの経路は⾒えた (ここでいう ”上⼿くいく” とは 「事業が持続的であること」) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 5
結論、 終わりなき “クリフハンガー” (断崖絶壁) でやりくり状態に陥る Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo via Mars Williams via Visual hunt
継続される事業運営の最適化 “昨⽇の勝ち筋”で もっと勝ちを︕ ふりかえりは きっちりと︕ (やり⽅は基本固定) 出来ることは 改善系施策 (評価・報告) 成果は 微増、微減レベル Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 7
やがて “クリフハンガー” に到達する え、まだ上げる︖ ⼿つかずの課題が 積み残ったまま… ふりかえりは きっちりと︕ (評価・報告) 説明コストは 施策のマンネリ化 “昨⽇の勝ち筋”で もっと勝ちを︕ 断崖絶壁 成果は 微増、微減レベル 同じことグルグル 考えているだけ (やり⽅は基本固定) 出来ることは 改善系施策 ひょっとして 施策打たなくても 重たくなる⼀⽅ 影響なし…︖ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 8
あらゆる事業が⽬指すこと 不確実性を下げる(確実性を上げる) 「事業が継続できている」 = 勝ち筋が⾒つかり、最適化が可能な状態 不確実性 事業が⽣き残るか は全くの未知数 勝ち筋が⾒つかる Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 多少揺らぎつつ 基本的に最適化 時間 9
事業の 「終わりなきクリフハンガー」 への道 はじまり ⼀⼨先は闇の 試⾏錯誤 役割の 固定化 ⽬標/KPI 勝ち筋 固定化 の発⾒ 評価の “昨⽇の勝ち筋” をより効率的に︕ ⼿段の 固定化 プロセスの 固定化 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 固定化 ⽬の前 最適化
⼀⽅で負債的課題は「⼭積み」 「ユーザー(顧客)はこうである」 という理解が最初期から変わって おらず、実は最近の状況が全く 分かっていない チーム、組織内のどこに強みや 課題があるのか分かっていないし 誰も解決に動いていない プロダクト(やサービス)の 構造的な不具合(=負債)の 規模感や影響予測を誰も ⽴てられない (もやみは溜まる⼀⽅) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 11
このゲームを プレイしながら… 爆弾を抱えながら ⾛り続ける Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 12
このゲームを プレイしながら… 「⽬の前最適化」に陥っていないかを 判別する⽅法とは︖ 爆弾を抱えながら ⾛り続ける Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 13
今、採⽤している判断は いつの根拠に依るものか︖ (いつ得た正解を元に判断している︖) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 14
“バックミラー” に映っているのは 「遥か昔の映像」なのでは︖ その事業判断、機能 開発の根拠にしている ユーザー情報はいつ 得たもの︖ うちの事業の「強み」 とは何で、それは 今でも通⽤してる んだっけ︖ プロダクト開発の あり⽅とやり⽅を 最後に⾒直したのは いつだっけ︖ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo credit: arty822 on VisualHunt 15
さらに噛み砕いて⾔うと、 次⼿をつけるバックログはいつ積んだやつ︖ もっと⾔うと、 そのバックログの源にあるのはいつの仮説︖ そもそも、 追うべき仮説を⾔語化できている︖ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 16
終わらない “クリフハンガー” に 陥らないためには︖ Photo credit: Colin_K on VisualHunt
不確実性を ⾃ら上げにいく Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
あらゆる事業が⽬指すこと 意図的に、不確実性を⾃ら上げに⾏く 「昨⽇の勝ち筋最適化」とは取りうる選択肢を絞り続けること 逆に、「選択肢を広げる」ための活動を選択する 不確実性 未開の領域の 「探索」を始める ※ヤマの間が空くほど「探索」に出にくくなる この距離感を⾒続けるのがマネジメント焦点 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 時間 19
何を探索するの︖⽅向性は⼤きく3つ 「ユーザー」「チーム」「プロダクト」の探索 (順番はつけるもののぜんぶ必要) ユーザー ユーザーの状況、意図、課題を リサーチし新たな仮説を⽴てる チーム プロダクト いつものふりかえりだけではなく まずもって定性的なもやみと われわれはなぜここにいるのか︖ 定量的なリードタイムを捉え 「むきなおり」を⾏う アジリティを評価する Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 20
あらゆる組織が⽬指すこと 「探索」と「適応」を宿すこと 反復的な仮説検証 探索 さがす 状況をよくみる 仮説を⽴てる 試⾏や検証する 適応 かえる 結果から学びを得る 次に向けた判断と ⾏動を変える Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 定期的な再探索 最適化 みがく 勝ち筋を固める (効率性を⾼める) 21
仮説検証型アジャイル開発 選択の幅最⼤ (セットベース) 検証 計画 仮説⽴案 (モデル化) 正しいものを 探す スプリント プランニング 検証 MVP特定 価値の選択肢を⼗分に広げ 検証によって絞る 正しくつくる スプリント レトロスペク ティブ 選択の振れ幅最⼩ (ポイントベース) 評価 仮説検証 開発計画 (リリースプラ ンニング) スプリント 開発 MVP検証 スプリント レビュー 次の価値探索へ アジャイル開発 構想を早く形にして フィードバックを得る Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 22
…ここまで⾏ってたら もうムリじゃない︖ ムリかどうかは、組織次第 少なくともこのテーマで対話をはじめてみよう Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 23
探索をはじめるための3つの調整 ・バックログの「割合」で調整する ・バックログの「根本」から調整する ・「チームフォーメーション」で調整する Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 24
バックログの「割合」で調整する まず探索バック ログを積む 80% 昨⽇の勝ち筋業 20% 探索にあてる この割合をあんまり精緻に考えても仕⽅ない どっちの必要⼯数がどうでーとか ⼀旦積んでみて⼀回やってそれから考える Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 25
バックログの「割合」で調整する まず探索バック ログを積む 80% 昨⽇の勝ち筋業 20% 探索にあてる …という割合⾃体を、スプリントや ジャーニーの単位で決める (⾒直す) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 26
バックログの「根本」から調整する バックログを左右する根本から「探索」の狙いを織り込む プロダクトゴール スプリントゴール OKR Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. KGI / KPI 27
「チームフォーメーション」で調整する 基本はOneチームで どうしてもチームを昨⽇の勝ち筋業にあてざるを得ない場合は… POでリードする 探索チームを作る 特にユーザーリサーチに関して 例えば複数のチームから数⼈ずつ はまずPOで取り組み、その結果 選抜して、探索専⽤のチームを からさらにチーム対応を判断 ⽴ち上げ、探索業を引き受ける Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 28
探索に向けて「進め⽅の仮説」を⽴てよう Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo via Austin Ban via VisualHunt.com
探索の作戦を⽴てる(進め⽅仮説) どういう取り組みが必要になるか⾒⽴てて、おおよその時間軸 まで想定する。いわゆるスケジュールではなく、進め⽅の仮説 ユーザー/ プロダクトの 仮説を⽴てる まず仮説キャンバス を⽴てる リサーチの 準備と実施 結果を 分析する インタビューやアン ケートに必要な準備 を想定する 検証結果の分析⽅法 と判断基準を考えて おく 次のリサーチ プランニング バックログを 積む いつ頃次の判断を ⾏うか想定しておく 仮説だけに、進め⽅⾃体も進⾏に応じて変更する (実際の運⽤はスプリント & バックログで) Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 30
なぜ、進め⽅に仮説が要るのか︖ ・チームも、外周の関係者も、探索がどういうもので、 どのくらいの労⼒(⼈⼿と期間)を投じるのか判然として いないことが多い(低い透明性は不要な混乱、迷⾛を⽣む) ・探索にも「検査適応」を適⽤できるようにする 探索の結果をいつ、どうやって判断するのか︖ 探索の⽅法⾃体をいつ、どうやって判断するのか︖を明らかに ・「残り時間」との兼ね合いを判断できるようにする あとどのくらい探索に労⼒(⼈⼿と時間)を投じるのか、 中途半端にも、無尽蔵にもしないようにするため Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 31
探索とは、事業・プロダクト の 「ヤマ」を作るための⼿⽴て Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. 32
断崖絶壁で延々やりくりしていく…のではなく 次の「ヤマ場」を⾃分たち⾃⾝で作り出そう Toshihiro Ichitani All Rights Reserved. Photo credit: barnyz on Visualhunt.com 33