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January 18, 22
スライド概要
VIRTUAL SHIZUOKA構想の説明資料です。
静岡県の土木職員(VIRTUAL SHIZUOKA担当)&Code for Kakegawaメンバー
静岡県が⽬指す「VIRTUAL SHIZUOKA構想」 とは? 静 岡 県
静岡県交通基盤部 建設政策課 未来まちづくり室 イノベーション推進班⻑ 杉本 直也(NAOYA SUGIMOTO) <プロフィール> ・ 1971年静岡県藤枝市⽣まれ(実家は建設業) ・ 1994年に⼟⽊技師として静岡県⼊庁 ・ 静岡県GIS、ふじのくにオープンデータカタログ、Shizuoka PointCloudDBの構築 ・ 現在、i-Construction、⾃動運転、スマートシティ関連業務を担当 <その他所属> ・ Code for Kakegawa所属 ・ 静岡⼤学情報学部(⼟⽊情報学研究所)客員教授 <委員など> ・ 地域情報化アドバイザー(総務省:2021年〜) ・ 測量⾏政懇談会 基本政策部会(国⼟地理院:2020年〜) ・ 地盤情報活⽤検討会(国⼟交通省・総務省:2016〜2018年) ・ オープンデータ実務者会議 ⾃治体普及作業部会(内閣官房:2015〜2017年)
VIRTUAL SHIZUOKA ??? VIRTUAL SINGAPORE のパクリ?? 出典︓Uses of Virtual Singapore(https://youtu.be/y8cXBSI6o44)
VIRTUAL SINGAPRE のような作成⽅法が現在の主流
VIRTUAL SHIZUOKA の点群データ 点群データ:レーザスキャナ等で計測したX,Y,Zの位置情報を持つ膨⼤な点の集まり
点群データじゃなくても航空写真で良くない?
航空写真では撮影できない地表⾯が取得できる
オリジナルデータ(DSM) オリジナルデータ(DSM) グラウンドデータ(DTM) グラウンドデータ(DTM)
これぐらいの隙間があればデータ取得できています
光明⼭遺跡(浜松市) 写真提供:(株)フジヤマ
光明⼭遺跡(浜松市) オリジナルデータ(DSM) グラウンドデータ(DTM) 写真提供:(株)フジヤマ
VIRTUAL SHIZUOKA 実現のため広範囲・⾼密度にデータ取得 航空レーザ計測 航空レーザ測深 移動計測⾞両 (LP:Laser Profiler) (ALB:Airborne Laser Bathymetry) (MMS:Mobile Mapping System) 地表⾯及び樹⽊・建物など 海岸及び⽔中部の地形 道路及び周辺部の地物 16点/m2以上 1点/m2以上 400点/m2以上 計測⽅法 計測内容 計測密度
航空レーザ測深 (ALB) 航空レーザ計測 (LP) 移動計測⾞両 (MMS) l l 360°計測可能 1,000,000回
航空レーザ計測 (LP) LP+ALB LP+MMS + + ⽔⾯と⽔中地形データを統合 + 広域の地形データと道路の地形データを統合 航空レーザ測深 (ALB) + 移動計測⾞両 (MMS) 統合データ(LP+ALB+MMS) 画像提供:朝⽇航洋株式会社 13
統合データ(LP+ALB)の事例 静岡県伊東市富⼾ LP+ALB (建物・植⽣除去済み)
富 ⼾ 海 岸 ⼤室⼭ 伊⾖東部⽕⼭群の中でも最⼤のスコリア丘であり、古く からおこなわれてきた「⼭焼き」の伝統⾏事によって、 椀を伏せたような⼭体・地形が⾒事に保たれています。 ⼭体全体が国天然記念物の指定を受け、⼭体の保護のた め現在は徒歩での登⼭は禁⽌されています。 岸 海 崎 ヶ 城 ⼤室⼭ 富⼾海岸 城ヶ崎海岸 約4000年前の⼤室⼭の噴⽕では、スコリア丘ができた だけでなく、スコリア丘の麓から⼤量の溶岩が流れ出し ました。 伊⾖シャボテン公園がある⼩⾼い丘は溶岩が流れ出した 場所のひとつです。 この溶岩の⼀部は海に流れ込み、城ヶ崎海岸を作り出し ました。
ALBデータでみる⽔中の溶岩地形 富⼾海岸 空中写真(国⼟地理院)
ALBデータでみる⽔中の溶岩地形 富⼾海岸 LPデータ(2019)のみ 伊東市都市計画図との重ね合わせ
ALBデータでみる⽔中の溶岩地形 富⼾海岸 LP+ALB(2019) 伊東市都市計画図との重ね合わせ ⽔中のみ着⾊ おおよそ⽔深20m程度ま で計測できている。 海中に伸びる溶岩 ローブに開⼝⻲裂が あることがわかる すごい! 波による侵⾷で崩れ落ち た巨⽯の様⼦もわかる。
VIRTUAL SHIZUOKA のデータをオープンデータ(CC-BY)として公開 https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-2019-pointcloud
VIRTUAL SHIZUOKA のデータをオープンデータ(CC-BY)として公開 LPデータ ダウンロードページ ALBデータ ダウンロードページ MMSデータ ダウンロードページ 「選択範囲の指定」をクリックして領域を 選択し、「ダウンロード」をクリックする とデータが取得できます https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/shizuoka-19-20-pointcloud 20
My City Construction (オンライン型電⼦納品システム) https://mycityconstruction.jp/ フォルダ/ファイル名 ⼀括ダウンロードは、利⽤しないで下さい。容量が⼤きいため失敗します 説明 個別ファイルの直接ダウンロードURL(XXXXは5267または5964を⼊⼒/********は図郭番号を⼊⼒) オルソ 航空写真 https://mycityconstruction.jp/products/XXXX/files/download/SURVEY/CHIKEI/DATA/LASE_A/ オルソ/********.tfw https://mycityconstruction.jp/products/XXXX/files/download/SURVEY/CHIKEI/DATA/LASE_A/ オルソ/********.tif グリッド 50cmDEMデータ https://mycityconstruction.jp/products/XXXX/files/download/SURVEY/CHIKEI/DATA/LASE_A/ グリッド/********_DEM.txt 等⾼線 等⾼線図⾯ https://mycityconstruction.jp/products/XXXX/files/download/SURVEY/CHIKEI/DATA/LASE_A/ 等⾼線/********.dxf
提供している航空測量成果 オルソ 等⾼線 地物の図化を⾏った図⾯ • オルソは、レーザ計測時に取得した地上解像度20cmのデータのため、 航空写真測量の地上解像度10cmの精度はありません。 • 等⾼線は、それのみのデータとなりますので、図⾯として利⽤する 場合は、地物(道路・建物等)の図化が別途必要となります。
静岡県の点群データ取得計画 総⾯積:6,700km²(全域:7,777km²) 総事業費:1,728,847千円 (国費: 365,717千円) R3 950km² 320,000千円 (内閣府:50,000+県:270,000) R3 R1 砂防基礎調査 4,000km² 877,140千円 (国⼟交通省:265,717+県:611,423) 1050km² 306,713千円 (県:306,713) R2 計測⼿法 R1 R2 計測範囲 容量 計測範囲 容量 LP 1,050km2 3.6TB 700km2 2.3TB ALB 32km2 129GB 12km2 224GB MMS 420km 3.3TB 300km 2.0TB 700km² 224,994千円 (内閣府:50,000+県:174,994)
計測⼿法 R1 R2 計測範囲 容量 計測範囲 容量 LP 1,050km2 3.6TB 700km2 2.3TB ALB 32km2 129GB 12km2 224GB MMS 420km 3.3TB 300km 2.0TB
なぜ、VIRTUAL SHIZUOKAを作りたいのか?
明⽇起こるかもしれない災害に備えて 点群データを取得・蓄積しておく!
3次元点群データの蓄積による災害復旧の迅速化 ⼟量計算 被災後の3次元点群データ 蓄積していた被災前の データと重ね合わせ 横断⾯図作成
熱海市伊⾖⼭⼟⽯流災害(2021年7⽉3⽇)
点群データから作成した詳細地図を⽤いて発⽣場所を確認 逢 初 川 伊⾖⼭港
伊豆山港 ~ 崩壊地までの地図 崩れた盛土 崩壊箇所
点群データの⽐較による地形差分抽出 (2010年国⼟交通省取得)1〜4点/m2 (2020年VIRTUAL SHIZUOKA)16点/m2 ⾮オープンデータ オープンデータ (CC-BY4.0)
約 60 m 差 分 解 析 図(静岡点群サポートチーム) 約50m 約200m
点群データの⽐較による地形差分抽出 (2020年VIRTUAL SHIZUOKA)16点/m2 オープンデータ (CC-BY4.0) (2021年被災後県取得)120点以上/m2 オープンデータ (CC-BYとODbLのデュアルライセンス)
複数時期のレーザー計測データによる地形変化の把握 2009年 航空レーザー計測(1m-DEM) 国土交通省沼津河川国道事務所 赤色立体地図
複数時期のレーザー計測データによる地形変化の把握 ) ) 2009年 航空レーザー計測(1m-DEM 2019 50cm-DEM 静岡県 国土交通省沼津河川国道事務所 赤色立体地図
複数時期のレーザー計測データによる地形変化の把握 ) ) 2009年 航空レーザー計測( 2021 UAVレーザー計測(1m-DEM 10cm-DEM 静岡県 国土交通省沼津河川国道事務所 赤色立体地図
2021年7月8日 5 早朝 災害発⽣後のデータと被災前データの差分による地形変化の把握 約55,500㎥が崩壊 約7,500㎥を砂防ダムが捕捉 残りの⼤部分が下流へ
崩壊箇所の地形差分 崩壊前と崩壊後の地形差分により、 崩壊⼟⾞両を約56,000 ㎥と算出 盛⼟の⼀部は残存 2009年より前の盛⼟も崩壊
砂防えん堤付近の地形差分 2019年(崩壊前)と崩壊後の地形 差分により、えん堤に捕捉された⼟ 砂量を約7,500 ㎥と⾒積もる。 計画された効果量(4200㎥)より も多くの⼟砂を捕捉。新幹線などの 重要施設を守ったかもしれない。
崩壊地の監視計画
VIRTUAL SHIZUOKA構想 3次元点群データで創るデジタルツイン
3次元点群データを使うことで リアルな「疑似体験」ができ イメージが共有できる! 合意形成や意思決定に有効では⁉
河津町 津波浸⽔想定区域マップ
津波浸⽔シミュレーションへの活⽤(静岡県賀茂郡河津町) 出典:静岡県危機管理部
観光・⽂化財
⽂化財のデジタルアーカイブ 掛川城 VRで点群データの中に⼊る 韮⼭反射炉
韮⼭反射炉(伊⾖の国市)
ジオサイトのVR化(観光政策課)
ジオサイトのVR化(観光政策課) ジオサイトのVRデータを整備しバーチャルツアーを実施 複数⼈の体験者とガイドが同⼀のVR空間に⼊り込み、 ⾃由な視点でジオサイトを体感するツアーを実施(予定) VR空間 ガイド 体験者 ・ 体験的に紹介することで、アフターコロナの訪問動機につなげる。 ・ 地形上、⾼齢者や障害者がアクセス困難な場所について紹介する、 ・新たなバリアフリー施策としてのサービスが期待できる。
⾃ 動 運 転
点群データを⾞上から取得(MMS)
しずおか⾃動運転 Show CASE プロジェクト 静岡県のオープンデータを活⽤ ダイナミックマップ作製 実証実験(⾃動⾛⾏の有⽤性・社会受容性確認)
インテリジェント基準点 ※路⾯標⽰鋲などが位置情報を発信してくれる
安全な⾃動運転のためにインテリジェント基準点が有効かもしれない? (道路管理上必要な施設に機能付加することであればハードルは下がる)
インフラ維持管理
路⾯性状調査⾞ ⾃動運転⾞ 路⾯性状調査⾞との⽐較 路⾯性状調査⾞ ⾃動運転⾞ 資料提供:名古屋⼤学河⼝教授
3次元点群データを活⽤した地物の⾃動抽出(共同研究) 柱状物体の抽出と外部データとの連携 連携 ファイルの 起動 領域データに紐付いた ファイルを開く 点検調書や図⾯等 ⽬的地物を素早く空間検索し、 他システムや既存資産との連携
点群データ⾃動処理技術による法⾯抽出事例(1) 法⾯領域 断⾯形状 ⾯積、平均勾配 も算出可能 法⾯と植⽣を ⾃動判別区分 →法⾯範囲の抽出 →諸元データ⼊⼿ 最起点(座標) ⼤ の り ⾼ 延 ⻑ 勾配 奥⾏き 断⾯形状からの 法⾯範囲⾃動判別 →法⾯領域の抽出 →諸元データ⼊⼿ 終点(座標)
点群データ⾃動処理技術による法⾯抽出事例(2) 法⾯領域全体の点群データ 植⽣部分だけの点群 点群データ ⾃動判別 法⾯部分のアウトラインの み表⽰ 法⾯部分だけの点群 アウトライン処理 ・法⾯範囲が明確になり 諸元が抽出・整理がしやすくなる ☞調査・管理の効率化
施⼯が終わったタイミングが 維 持 管 理 の ス タ ー ト VIRTUAL SHIZUOKA 更 新 の タ イ ミ ン グ
3次元データ納品⼯事 令和3年度〜 完成形状の3次元計測・点群データの納品を実施(受注者希望型) 完成形状の3次元計測 UAV計測 TLS計測 3次元データの納品 オンライン型電⼦納品システム「My City Construction」に LAS形式ファイルを登録 「創意⼯夫」項⽬で加点「各種取組による加点」で1点加点 62
地下埋設物のデータ化
【 施⼯・施⼯管理 】 不可視部分のデータ取得 【 維持管理・後利⽤ 】 埋設物確認への活⽤ ICT建機のデータへの活⽤
3次元計測データ活⽤による地下埋設⼯事の業務改善イメージ 3次元計測 3次元計測データの利⽤ レーザスキャナや写真測量を 活⽤して短時間に3次元の完 成形状を計測 現地での確認に替えて3次元 計測データから埋設深さ延⻑ 等などを確認 データで確認可能 確認の効率化 施設の⾒える化 データ活⽤ 計測 現場 管理 従来⼿法 図⾯に替えて3次元データを 維持管理⽤の資料として利⽤ 管路全体の位置を記録 台帳 作成 埋設位置を事前に確認 可能 後⼯事 管路全体の位置が わからない 構造物の計測 資料に基づき現地で確認 図⾯を作成 埋設位置を確認しながら 掘削作業を実施
デジタル・ディスラプション あらゆる産業において、 新たなデジタル技術を活⽤して、 これまでにないビジネスモデルを展開する 新規参⼊者が登場しゲームチェンジが起きつつある
iPhone12 Pro,ProMaxにLiDAR搭載
建設業界がゲームエンジンを使う時代に!? 3D CAD 3次元設計の基本ツール VR・ゲームエンジン 3次元情報を可視化するためのツール 解析 3次元データの分析ツール
Unity マインクラフト Unreal Engine 動画提供:Code for Kakegawa ⼩神 陽介⽒
3次元モデルによる河川計画(河川CIM) 出典:⽇本⼯営株式会社 佐藤⽒(本⼈承諾済)
レーシングゲームへの活⽤(スペイン)
デジタルツインの実現・・・ VIRTUAL SHIZUOKA バーチャル世界でシミュレーションを⾏い、現実世界における将来の変化を予測する バーチャル世界 (仮想) 現実世界 (フィジカル) 蓄積 分析 3次元モデル シミュレーション 収集 活⽤ モニタリング フィードバック
VIRTUAL SHIZUOKAをきっかけとした新たな価値の創出
電線や⾼圧線など上空の点群データも重要だと考えています ※ VIRTUAL SINGAPOREとの⼤きな違い(優位性)
空の移動⾰命の実現に必要 出典︓経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html)
VIRTUAL SHIZUOKAイメージ動画 静岡県 交通基盤部 政策管理局 建設政策課 未来まちづくり室 杉本 直也 / Naoya Sugimoto E-mail:[email protected]
VIRTUAL SINGAPRE のような作成⽅法が現在の主流 3Dモデルを作成する概念が変わるかもしれない!? 3次元点群データから3Dモデルを作成する(Scan to BIM)
3次元点群データから3Dモデルを作成する(Scan to BIM) 出典:スキャン・エックス株式会社
3次元点群データから3Dモデルを作成する(Scan to BIM) 出典:スキャン・エックス株式会社
3次元点群データから3Dモデルを作成する(Scan to BIM) 出典:スキャン・エックス株式会社
モデルによる設計 実際の施⼯ 設計構造物 施⼯構造物 モデルによる地盤 実際の地盤 h1 (5mDEM or 2mDEM) h2 必要根⼊れ深さH H>h1 H<h2 根⼊れ不⾜( Out)⇒ ⼿戻り発⽣ モデルによる設計 実際の施⼯ 設計構造物 施⼯構造物 モデルによる地盤 実際の地盤 (50cmDEM or 20cmDEM) h1 h2 必要根⼊れ深さH H>h1 H>h2
モデルによる設計 実際の施⼯ 設計構造物 施⼯構造物 モデルによる地盤 実際の地盤 (50cmDEM or 20cmDEM) h1 h2 必要根⼊れ深さH H>h1 H>h2 モデルによる設計 実際の施⼯ 設計構造物 施⼯構造物 モデルによる地盤 実際の地盤 (50cmDEM or 20cmDEM) 必要根⼊れ深さH