IMPACT!! ゴールとアウトカムからはじめる経験的アプローチ #RSGT2025

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January 08, 25

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この資料は、#RSGT2025 でのセッション資料です。
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サーバントワークス株式会社 代表取締役/アジャイルストラテジスト/アジャイルコーチ/エバンジェリスト DASA Ambassador DASA DevOps 認定トレーナー 株式会社Helpfeel アドバイザー 講演や支援のご相談はぜひお気軽に(ご相談は無料です)! PSPO II, PSM II, SPS, PAL-EBM, PAL I, PSU I, PSK I, PSD I, PSPO I, PSM I, CSM

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1.

RSGT2025 ! ! T C A P M I

2.

今⽇のお話 伴⾛⽀援でやってみて効果があった 共通点を共有 キラキラしたテクニックではなく、 地味で⼤切だと思うカタを共有 チーム‧組織‧プロダクトが「アジャイル」 になり、顧客のためになるコツを共有 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

3.

変化に適応するプロダクト チーム運営、組織の論理、過去の成功体験、…いろいろあるけど、 今とこれからに何が必要なのか考え、実践する時間をつくろうよ ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

4.

すべてをわかろうとするなんて ⼈間の傲慢です 全領域異常解決室 室⻑代理 興⽟ 雅 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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変化に適応するプロダクトへの変遷 プロダクトを重視する市場環境へ 1990年代 IT 便利 2000年代 IT 有効 IT はコストセンター 2010年代 2020年代 IT 不可⽋ IT コア IT はビジネス戦略 ü 既存のビジネスモデル ü 新しいビジネスモデル ü ⾃社内で意思決定 ü 市場が意思決定 ü 守るプロダクト ü 攻めるプロダクト ü システムの品質 ü ビジネスとデータの品質 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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変化に適応するプロダクトへの変遷 プロダクト ▷ ユーザー体験を重視した意思決定、仕事の仕⽅、カイゼンの結晶 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 提供者が主体 ユーザーが主体 《映画づくり》 《配信ドラマづくり》 ⼤きな予算|long batch|dead or alive 適切な予算|short batch|continuously ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

7.

変化に適応するプロダクトへの変遷 プロダクト ▷ ユーザー体験を重視した意思決定、仕事の仕⽅、カイゼンの結晶 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 正解がわかっている 正解かどうかわからない 《線形》 《⾮線形》 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

8.

変化に適応するプロダクトを重視する プロダクトを中⼼に再編する 顧客の成功 顧客アウトカムとインパクト 組織とチーム 組織の再編と チームの効果性 市場とビジネス プロダクト 競争優位と社会貢献、収益 (インパクト) デジタルをコアにもつ 製品やサービス ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴール設定のアプローチ わからないことが多い、変化する状況下なのに、 事前にわかっていることにしなければいけない… それ、状況とアプローチが合っていないだけじゃないですかね? ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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わからないものを、わからないまま 受け⼊れる余裕を持ってください 全領域異常解決室 室⻑代理 興⽟ 雅 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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プロダクトのゴールとは 「わからない」、変化し続ける前提で取り組む 1990年代 2000年代 2010年代 正解がわかっている 正解かどうかわからない ゴール 計画 vision 検査 検査 検査 《線形》|計画主導 ⽅向性 ゴール ゴール 作業進捗 2020年代 検査 ゴール 《⾮線形》|ゴール主導 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールとは何か たどり着いたときの「状態」や「状況の変化」で表現したもの • 今、わかっている 事実 をもとにして、 ⽅向性としてゴールを仮置きする • 状態で表現する • 顧客、プロダクト、市場、組織、チーム • 変わる前提なので、雑 でもいい • 現在の視点でよい(ムリしない) • プロダクトのことでなく、プロダクトが使われている状況 を描く アジャイルコーチの⼿⼝ ⽬を閉じてください。今までの経緯を忘れて、プロダクトと顧客と⾃分達が どんな状態になっていたらハッピーかを思い浮かべてください。ほら、みんなズレてる… ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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3つのゴールを定める ゴールを誰が決めるか問題 • ⼀度に⽬指すべきゴールは ひとつ • 事実に基づくもの(事実と推測を分ける) レベル • 段階を設ける • どれも顧客を意識したゴール • 誰が決めるのか? • マネジメント: 事業責任者として 意図 を伝える • 全員: マネジメント(意図)、チーム(現実感)で 具体性 のあるゴールを導く • チーム: 現場⽬線で 効果がありそうで 実験 できるものを設定する が組織の必達⽬標(収益など)で、顧客が置き去りで、事実に基づいていない 注意! からチームに決めさせ、あとからダメ出ししてしまう ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールに含まれる事実と推測 事実 推測 どのゴールも依然として不確かさが残るものであることを受け⼊れる ゴール 事実の割合 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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要するに経験主義でゴール設定を⾏う ゴールは透明性をつくるが、ゴール⾃体にも透明性‧検査‧適応が必要 • 透明性: 事実 • アウトカム • 顧客アウトカム(現在の価値、未実現の価値) 透明性 • 組織アウトカム(反応性、効果性) 適応 検査 • 検査と適応: ゴール⾃体 • ゴールにどれくらい近づけたか • ゴールはまだ適切なのか • ゴールを達成したら、次のゴールを設定する ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールを達成したら 次のゴールを設定するし、ゴールが適切でなかったら破棄する 達成 次のゴール 達成 達成 次のゴール 達成 次のゴール ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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マネジメントによる⽀援と評価、そして責務 チームに任せて(⾃⼰管理)、ゴール( )を検査し、ゴール( と )を適応させる ü チームが設定したゴールが適切か? 検査 ü ゴールに向けた取り組みが妥当か? ü ⾃⼰管理できているか? ü ゴールが今も適切なのか? 適応 ü チームの取り組みを妨げる慣⾏や制約はないか? ü 経営陣‧顧客に事実(データ)を⽰せているか? アジャイルコーチの⼿⼝ マネジメントは、チームの判断、やり⽅に⼝を出さないようにがんばれ! ⼝出しするなら、先のゴールを意図として⽰し、事実とともにチームを導け!! ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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改善のカタ 改: 不確実性バージョン 1 ⽅向性や チャレンジを 理解する 3 次の⽬標 とする状態 を設定する 何が起きているのかはわかるまで わからないため科学的な実験を繰り返す わかったことから⽅向性や⽬標を 検査し、再設定する 2 現状を 把握する 4 次の⽬標とする状態に向かって 実験する ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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経験的なゴール 提供価値 エビデンスベースドマネジメント(EBM)でのゴールとスクラムでのゴール | ケース A ビジネス戦略 や プロダクトビジョン 戦略的ゴール 中間ゴール プロダクトゴール 即時戦術ゴール スプリントゴール 実験 EBMでのゴール 時間 スクラムでのゴール ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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経験的なゴール 提供価値 エビデンスベースドマネジメント(EBM)でのゴールとスクラムでのゴール| ケース B ビジネス戦略 や プロダクトビジョン 戦略的ゴール 中間ゴール プロダクト戦略 即時戦術ゴール プロダクトゴール 実験 スプリントゴール EBMでのゴール 時間 スクラムでのゴール ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールは特性を意識して表現する それぞれのゴールに適合した指針を採⽤する FAST • Frequent discussions • Ambitiously • Specific metrics • Transparent 頻繁な議論に着⽬する 意欲的な設定をする 具体的な計測指標を測る 透明性を確保する FOCUS • Fun • Outcome-oriented • Collaborative • Ultimate • Singular わくわくするゴール アウトカム指向 みんなで考え、決める 何がなんでも成し遂げる ⼀貫性を持ったひとつに絞る SMART • Specific • Measurable • Achievable • Relevant • Time-bound 具体的で明確なもの 計測できるもの 達成可能なもの 関連するもの 期限があるもの ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールを検査‧適応できないと起きる悲劇 プロダクトの「プロジェクト」化 整合性の⽋如 • ビジネスと現場の分断 • ビジネス変化での⽅向転換が遅れる • プロジェクトとタスクへ依存 • ムダと⼿戻りが増加 事実から遠ざかり、 顧客と現場から離れた ところで決定される 顧客への価値提供が鈍化 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールは「状態」であり、実現⼿段を明記しない 何を、どう実現するかは、柔軟性を持たせておくこと • ゴールに辿り着いた際の景⾊を描く • 顧客: どんな能⼒を得ているか、何が達成できているか • 市場: 全体の市場規模をどれくらい引き上げているか • 組織: どれだけ市場変化に適応できているか • チーム: どれだけプロダクトを⽣み出すチカラを⾝につけているか • 何を、どうやって、は別議論 • 変化を前提とし、可能性を最⼤化する柔軟性を持たせる • WHATとHOWに縛られると、途端に硬直化する ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴール主導でチームを組成し、チームに委ねる 効果的なチームは最初から巻き込み、権限を与えることでつくられる 正解がわかっている 何を、 どうやって だれと (なぜ) 《線形》 正解かどうかわからない なぜ、 だれと 何を、 どうやって 《⾮線形》 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴール主導とアウトカム計測 ゴールを状態で⽰し、アウトカムを測っていく… わかるようでわからない、ではどうやったらいいのか? ひとつのアプローチを⽰しましょう ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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真実が⾒極められないから迷う 迷うから我を失い、亡者に取り憑かれる だからこそ、⼼臓が息の根を⽌めるまで 真実に向かってひた⾛れ 警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係 係⻑ 野々村 光太郎 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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インパクトマッピング ゴールからインパクトを導き出し、インパクトを達成する成果物をつくる プロダクトゴール ⽬標 アウトカム アクター インパクト 成果物 どんな恩恵があるか 誰に働きかけるか どのような⾏動変容が必要か インパクトのために 何が必要か WHY 50⼈に⼀⼈の ドライバーを 確保できている WANT WHO HOW WHAT シェア機能 よき乗⾞体験 知⼈に勧めてくれる 既存ユーザー 増える特典 ⽇常利⽤してもらう 《利⽤者を20%UP》 リファラ特典 マイレージ機能 アプリ評価向上施策 新規ユーザー アプリをダウンロード してもらう 他アプリとのコラボ ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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拡張 インパクトマッピング ゴールに関連するプロとペルソナのアウトカムから、インパクトとそのための成果物をつくる プロダクトゴール プロトペルソナ アウトカム インパクト 成果物 ⽬標 誰に働きかけるか どんな恩恵があるか どんな⾏動変容が起こるか インパクトのために 何が必要か WHY 50⼈に⼀⼈の ドライバーを 確保できている WHO WANT HOW WHAT シェア機能 よき乗⾞体験 知⼈に勧めてくれる 増える特典 ⽇常利⽤してもらう リファラ特典 既存ユーザー マイレージ機能 《利⽤者を20%UP》 アプリ評価向上施策 新規ユーザー 流⾏りの乗る アプリをダウンロード してもらう 他アプリとのコラボ ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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拡張 インパクトマッピング プロダクトゴールとスプリントゴールを想定しやすくなる(ゴールを検査し、適応させやすい) プロダクトゴール プロトペルソナ ⽬標 誰に働きかけるか アウトカム 検証するもの どんな恩恵があるか インパクト 成果物 集中する⽬標 実現するもの どんな⾏動変容が起こるか インパクトのために 何が必要か WHY WHO WANT HOW WHAT スプリントゴール候補 50⼈に⼀⼈の ドライバーを 確保できている シェア機能 よき乗⾞体験 知⼈に勧めてくれる 増える特典 ⽇常利⽤してもらう リファラ特典 既存ユーザー スプリントゴール候補 マイレージ機能 《利⽤者を20%UP》 アプリ評価向上施策 新規ユーザー スプリントゴール候補 流⾏りの乗る アプリをダウンロード してもらう 他アプリとのコラボ ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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拡張 インパクトマッピング 注意点 • 最初に⽬線合わせをすること • ゴール設定の粒度を揃える: • すべてを洗い出そうとはしないこと • キリがない • どうせ変化する • 今わかっている事実と推測を分けて描くこと(⾊分けするなど) • 常にアップデートすること • 新たな事実を適応させる • わかったことを追加していく(不要なものは削除していく) ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ゴールとアウトカムの関係を再整理 ゴールに書く状態とは、アウトカムである • ゴールとして表現する状態 顧客 組織 望ましい体験‧能⼒ 市場に出す までの時間 イノベーションの 能⼒ 反応性 効果性 どれだけ速く学べているか どれだけ集中できているか 未実現の価値 ギャップ 現在の体験‧能⼒ 現在の価値 50⼈に⼀⼈のドライバーを確保できている (今は100⼈に⼀⼈) 1週間で顧客に追加の価値提供が⾏えている ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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チームの効果性 Columinityのエッセンスより 効果的なチームの要因: • 反応性 • ステークホルダーへの関⼼ • チームの効果性 • チームの⾃律性 • 継続的改善 • マネジメントの⽀援 ※組織規模、チームの規模や経過期間、 プロダクトの種類は影響されない ※チームの経験のみが影響を及ぼした ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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チームの効果性 頻繁なリリースとアウトカムの関係性 共通ゴール リリース 頻度 ステーク ホルダー への関⼼ 価値に集中 反応性 リファイン メント SHと協働 フィード バック 収集 チームの 効果性 SHの 満⾜度 チームの ⼠気 アウトカム SH: ステークホルダー ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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まとめ(1) 経験的プローチはゴールとアウトカムからはじめるとやりやすい(かも) • スクラムをはじめる、学び直す際は、 • スクラムの確約(コミットメント)からはじめる • プロダクトゴール|スプリントゴール|完成の定義 • プロダクトのアウトカムを議論しよう • 顧客アウトカム • 組織アウトカム • すべてをわかろうとしない • わかっている事実を⼤切にする(けど、最初は少ない) • 雑でもいいので、設定し、実施すること ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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まとめ(2) 経験的プローチはゴールとアウトカムからはじめるとやりやすい(かも) • 作業スクラムからスクラムへ • 作業のためにスクラムを実践するよりも、 価値を⽣むためにスクラムを実践しよう • ⼀番⼤きな経験主義からはじめて、ステークホルダーとともに歩もう • プロダクトゴールを明⽰しよう(RSGT2022) • 少なくともスプリントでひとつ以上の価値を⽣み出そう(RSGT2023) ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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以上が今回、私が導き出した 結論です アジャイルストラテジスト ⻑沢 智治 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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情報リソース 書籍 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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情報リソース ガイドやWeb記事 ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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ブースにてご相談に乗ります! 講演内容、その他お気軽にお⽴ち寄りください! 経験主義オリジナルTシャツ スクラム概要図クリアファイル ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.

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提供 ご清聴、ありがとうございました ご⽀援のご相談は下記にお気軽にご連絡ください [email protected] ©2025 Tomoharu Nagasawa All Right Reserved.