PdM視点でのAI駆動開発の問題点

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June 24, 25

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株式会社エクスプラザ 生成AIエバンジェリスト / リードAIプロデューサー

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1.

PdM視点でのAI駆動開発の問題点 コードは生成できてもWhyは生成できない 登壇者: 宮田大督 株式会社エクスプラザ 生成AIエバンジェリスト / リードAIプロデューサー

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自己紹介 01 宮田大督(みやた だいすけ) 株式会社エクスプラザ 生成AIエバンジェリスト・リードAIプロデューサー 01 経歴 楽天・メルカリでのPdM経験 Gaudiy:SNSエージェント実装 令和トラベル:ノーコードAIでの大規模コンテンツ生成 01 専門 生成AI技術の社会実装・普及 AIxPM領域の知見発信

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EXPLAZA 技術力とUI/UXの専門性を有する AI プロダクト開発の知見 本番展開に向けた AIOps構築経験と運用体制 生成AI 法人様向け お問い合わせ数 3,000件突破 生成AI PoC 30+件 生成AI 本開発 15+件 資料請求数 No.1 *2023年Alsmiley経由実績 Alsmiley AI PRODUCTS AWARD 2023 秋 Alsmiley PRODUCT AWARD 2023 AUTUMN Alsmiley AI PRODUCTS AWARD 2024 春 Alsmiley PRODUCT AWARD 2024 SPRING 取引先または取引先のサービス AIプロダクトの開発力と、AIに関する幅広い知見を駆使し 価値ある生成AIのプロダクト開発・社会実装を推進

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自己紹介:クライアント支援経験からの学び 🚀 実装実績 ・A社(特定業界での企画業務自動化):社内企画プロセス改善 ・B社(EC):現状のPJ業務の生産性改善 ・C社(メディア):記事生成の圧倒的効率化 💡 今日お話しすること アウトプット最小化の先にある価値創出の具体的方法論

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プロダクト開発で一番大事なことは何か? 📈 アウトプット最小化 アウトカム最大化 本質: 良いプロダクトを作ること 現実: 期限内予算内にローンチすること

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現実: プロダクト開発はやることが多すぎる 🔄 マルチドメインな思考切り替えの連続 ・ビジネス視点: 市場価値、ROI、ステークホルダー調整 ・デザイン視点: UX/UI設計、ユーザビリティ、情報設計 ・テクノロジー視点: 技術的実現可能性、アーキテクチャ、開発工数 ⚡ 結果: スイッチングコストで消耗 ・コンテキストスイッチのたびに集中力リセット ・1 interruption = 20+ min の集中損失 ・本質的な仮説検証に集中できない

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2025年4-5月 俺が考えた最強のAIPMシステム爆誕 自分のいままでのプロダクト開発のナレッジを全部Cursorに入れ込んで、どこまで自分が楽できるか追求 コンセプト:「たとえジュニアでもエンジニアでもCursorでプロダクト開発の上流を回せるシステム」

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生成されたペルソナは以下の通りです。 ペルソナ定義 プロジェクト: オンラインで定性調査を行うプラットフォームサービスの構築 作成日: 2025-05-09 とある洗剤メーカーのブランドマネージャー 基本情報: 45歳 職業/役割: ブランドマネージャー ゴール すでに回っている定性調査をすべて今回開発するオンライン定性調査に切り替える。 課題・悩み 今まで何十年も行ってきた手法から切り替えることによるリスク。環境が違うので今までと同じ土台で調査できるか。before/afterであったら困る。 行動パターン 試してみる。導入企業の評価を聞いてみる。 次に、市場規模予測を行います。 以下のように回答しました。 市場規模推定 Checkpoint API Request 市場規模推定を開始します。 Cline has a question: プロジェクト/製品/サービス名を入力してください 市場規模推定 Checkpoint API Request Cline has a question: AIPMシステムの具体的な成果 開発したもの: ・🛠️ 20個以上のPM的な Cursor Rules セット ・🗂️ PMが利用しやすいフォルダ構成 GitHubでの公開成果: ⭐ 100+ スター獲得 🍴 複数フォーク 📱 SNSで「つかってみたよ!」の声

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スプリントレビュー:スプリント3 プロジェクト名:AIPMシステム スプリント番号:3 期間:2025年4月29日 - 2025年5月12日 作成者:宮田 大督(プロジェクトマネージャー) 作成日:2025年5月12日 1. エグゼクティブサマリー スプリント3は、主要目標であった〇〇モジュールの主要機能実装を完了し、 モジュールの基礎実装も一部完了することができました。さらに、〇〇も計画通り進行しました。特筆すべき点として、〇〇の一部を前倒しして実装することができました。また、外部エンジニア〇〇との連携により、〇〇も大きく進展しました。一方で、〇〇の一部機能実装が遅延しています。 2. スプリント目標の達成状況 目標 状況 達成度 〇〇の実装完了 完了 100% 〇〇の一部機能実装開始 一部完了 70% 連携基盤の確立 完了 100% システム基盤(ファイル構造)の設計と実装 完了 100% 3. 完了した主要機能 ・〇〇モジュールの初期設定機能(INIT-01) ・〇〇プロジェクト憲章自動生成機能(INIT-02) ・〇〇モジュール(一部機能) AIPMシステムの具体的な成果 Cursorを活用したプロジェクト進行管理 🔗 文書と開発を一体化する環境 ・プログラムコードと文書を同じフォルダで管理(迷子にならない) ・共有フォルダ(リポジトリ)でチームの作業を一元化 ・コードを見ながら進捗確認できる「現場感」のあるレビュー 🚀 AIによる短期開発サイクル(スプリント)管理 ・2週間の計画(スプリント)をAIが自動分析 ・計画書(WBSやロードマップ)と実際のソースコードを基に進捗レポート自動作成 ・「作業の遅れ」を自動検知して挽回プランをAIが提案 ・「AIなしでスプリントなんてどうすんの?」と思うほどの効率化

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私が感じるAI駆動開発の現在地 ✅ 世の中的に達成できてきたこと ・個人レベルでの企画から開発効率化 ・Cursorなどの活用により、一人で企画から開発まで実行 ・コード生成、ドキュメント作成の自動化 ・単純作業からの解放 ❌ しかし、見えてきた新しい課題 ・空いた時間を何に使うかが曖昧 ・「時間ができた」のに品質が向上していない現実 ・アウトプットは早くなったが、アウトカムは変わらない

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危険な未来予測:下手な鉄砲数打っても当たらない現象 🚨 このままだと全員不幸になる未来 ・簡単にものが作れる時代だからこそ、質の低いプロダクトが大量生産される ・「作れる」≠「よいプロダクトが作れる」の混同 ・思考せずにVibeコーディングで作られたプロダクトは市場で勝てない

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☁️ 「よい」プロダクトとは何か? 1. 競合に勝てる差別化ポイントがある 2. 継続的に使われ続ける体験設計 3. 作り手の思考とこだわりが込められている AI時代だからこそ、人間の思考力が最大の差別化要因

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💡 せっかくの機会を活かそう これまで「めんどくせー、時間ねー」と言ってきた。それぐらいいそがしかった。しかし、AIによって「ちゃんと丁寧に考える」ことに時間が割けるようになった 最低水準として、エンジニアもPMもBizもみんな 「よい」プロダクトとはなんなのかに思いを馳せるべき!

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🎯 そもそも「品質」とは何か? 品質 = 根本的な課題(真因)に対してソリューションがどれだけ効果を出せるか ・❌ 表面的なUI改善 ≠ 品質向上 ・✅ 本質的な課題解決 = 真の品質向上 ・📊 品質は評価可能:お客様の「まさにこれが欲しかった」という反応 お客様(もしくは自分)が欲しいものを作れただけでは品質が良いとは言えない

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みやっち流:空いた時間の正しい投資先 🎯 品質投資の2つの柱 1. AS-IS問題点分析の徹底意識 ・ユーザーニーズの本質的理解 ・問題の構造化と優先順位付け 2. 泥臭く手を動かすUXデザイン ・エンジニアもBizも含めた全員でのUX思考 ・ユーザー体験の設計に時間をかける

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手を動かしながら考えることの重要性 ✋ 「思考は作業ではない」 ・AIによる自動生成の落とし穴 ・思考プロセスがスキップされる危険性 ・結果だけ出て、なぜその結論に至ったかが分からない ・競合に勝てない中途半端なソリューション 🖋️ 手を動かすことで促進される思考 ・手書きワイヤーフレームの価値再認識 ・付箋を使ったKJ法による本質探求 ・ノーコードツールでの手動模索による洞察獲得 AI時代だからこそ、手を動かすことが差別化要因

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ノーコードツール活用による視覚化思考 💡 視覚化の重要性:人間のひらめきを促進 ・Difyワークフローでの手動模索による洞察獲得 ・Draw.io、Mermaidによる構造可視化 ・KJ法グルーピングでの本質探求

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実装事例2: C社 📊 AS-IS分析の実践 ・大量の人力実務フロー完全分析 ・膨大な 詳細プロセス可視化 ・ボトルネック・属人性・品質課題の発見 💰 品質投資の実際 ・ノーコードツール(Dify)での手動模索による洞察創出 ・KJ法による本質課題発見とソリューション仮説創出 🎯 結果 ユーザーが想像する以上に効率化できるコアな課題ポイントの発見 + コンテンツ品質の標準化

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実践例:C社プロジェクトでの「AI×人間コラボレーション」 🎯 実際のプロセス:いきなりノーコードではない Step 1: AIに全体設計&UX分析をさせる ・議事録ベースで記事制作プロセス の大枠をAI分析 ・NotionマニュアルをAIに読み込 ませて現状ワークフロー分析 ・どこに解決するべき課題があるの かを見定める(UXリサーチ) 現状業務プロセス(AS-IS)- 実務フロー統合版 コンテンツ - 制作フロー8ステップ詳細版

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Step 2: AIにDraftの設計仕様書を作らせる ・Difyの設計書をAIに作らせる。 ・実際に人間がDifyのUI上で手動で ノードを配置するためのもの ・Difyのドキュメントやらネットで 検索させると結構いい感じの設計 書は作ってくれる

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🔄 発見があればAIにフィードバック→新たな全体設計 Step 3: 人間が手作業でDify上で構築 ・Difyの設計書をもとに人間が実際 に配置していく ・○ この「手を動かす」プロセス で新たな気づきが生まれる ・「現在のフローチャートを詳細化 いたします」 ・「ここはこうしたほうがいいので は」→ Cursorで即座に相談 ・実際の手作業で見つけた課題を即 座にAIに報告

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🚀 ノーコードならではの追加メリット リアルタイム実験・検証 💡 思いついたらすぐ試せる ・具体例:「AI分析の前に詳細戦略策定ブロックを追加したらどうなる?」→5分で検証完了 プロトタイピング思考の促進 💡 「とりあえず作って動かしてみる」が簡単 ・具体例:「理想的なカスタマーサポートフロー」を30分で構築→実際に動かして課題発見

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🎯 なぜノーコードの方がUXデザインしやすく、Insightが得やすいのか? 全体フローの直感的把握 ✅ 視覚的に全体像が俯瞰できる ・具体例: C社の記事制作フローで、全工程が一画面で確認可能 ・効果: どのステップでボトルネックが発生しているか一目瞭然 ・従来: 仕様書やドキュメントで分散していた情報が統合される

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🎯 真のプロトタイピングとは プロトタイピング = 作りながら考え、考えながら作ること ・Vibeコーディング: 作ることで満足(思考なし) ・ノーコードプロトタイピング: 作ることで思考が深まる 手を動かすことで初めて見える課題がある その課題発見こそが品質向上の源泉

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🔍 「手を動かす」ことで何が起きるのか? 1. 思考の活性化 ・ノーコード: ドラッグ&ドロップしながら「この順番だと使いにくいな」 ・Vibe: 「動いた、OK」で思考終了 2. 改善ポイントの体感 ・ノーコード: 実際に配置作業で「ここにステップが足りない」を発見 ・Vibe: AIが作ったものを眺めるだけ、問題点が見えない

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3. ユーザー視点の獲得 ・ノーコード: 自分が操作者になることでUX課題を体感 ・Vibe: 作り手の視点のまま、使い手の視点が欠如 4. 本質的な理解 ・ノーコード: なぜこの順番なのか、なぜこの分岐なのかを理解 ・Vibe: AIの判断根拠がブラックボックスのまま

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💡 実例:C社プロジェクトでの違い もしVibeコーディングでやっていたら: 「記事制作を自動化するシステム作って」 ↓ AIが完成品を生成 ↓ 「動いた、完成!」 → 本質的な業務改善なし 実際のノーコードプロトタイピング: AIの設計書 → 手動でDify構築 → 「あれ?ファクトチェックの前に商材情報整理が必要」 ↓ 手作業中の気づき → AIに相談 → 改良版設計 → 再構築 ↓ 「そもそも戦略策定ステップも必要だ」 → さらに改良 → 真の業務改善を実現

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CursorもDifyも「思考のためのプロトタイピングツール」 🎯 ただのコーディング効率化ツールではない ・質を高めるために手を動かしながらエージェントを作り上げる ・試行錯誤を通じて思考を深めるツール ・AI任せではなく、AIのアシストを受けながら人間ががっつり頭を使う

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Context is King 🚀 人間: スイッチングコストを抑えられる 無駄な作業の最小化 → 認知負荷を抑えられる 🎯 AI: AIのパフォーマンス向上 本来の性能を発揮できる → 無駄なAIとのやりとりが減らせる 🎓 Contextが整えば、すべてが自動的に回り始める

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Context is King, but Thinking is Emperor ・適切な文脈が用意されれば、チームもAIも自然と機能する ・これは間違いない真実 👑 しかし、そのContextは誰が作るのか? 神様が用意してくれるわけじゃない Context創出の真実: ・人間の泥臭い思考プロセス ・手を動かした試行錯誤 ・現場での五感を使った情報収集 ・チーム対話による洞察創出

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🤖 AIの限界と人間の責任 AIができること: ・Contextの整理・構造化の補助 ・思考プロセスの効率化支援 AIができないこと: ・Context自体の創出 ・本質的課題の発見 ・「なぜ」の深掘り AIは最高のアシスト でも、Contextを生み出すのは人間の思考力

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もう一度AI時代だからこそ「UXデザインの価値」を思い出す。 🎨 多くのPM/PdM/Engがプロダクトデザインを理解していない現実 🚫 思考しないプロダクトにアウトカムは出せない 思考して課題分解して頭使ってUXデザインしないプロダクトにはアウトカムは出せない ✅ 思考するためのツール活用 ・課題分解 → 頭を使ったUXデザイン → アウトカム創出 ・Dify・Cursorは思考を促進するパートナー

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まとめ 🎯 重要なポイントの復習 ・✅ アウトプット最小化は手段、品質向上が目的 ・✅ 「よい」プロダクトを作る意識の底上げが急務 ・✅ 品質とは根本的課題の効率的解決である ・✅ 思考の先にVibeがあるべき(Vibe先行は危険) ・✅ Cursor・Difyは思考のためのプロトタイピングツール 🚫 「時間がない」という言い訳はもう通用しない 🧠 思考せずに作られたプロダクトにアウトカムは出ない 🌟 全員で「よい」プロダクトとは何かに思いを馳せる時代の到来

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AI時代だからこそ、人間の思考力と 「よい」プロダクトへのこだわりが最強の差別化要因になる

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Q&A 💬 ご質問をお待ちしています 実践的な質問、具体的な課題について 一緒に考えさせていただきます

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連絡先・参考資料 ✉️ お気軽にご相談ください Twitter: @miyatti ありがとうございました!

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第7部:現実編 https://github.com/miyatti777/aipm_v0

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EXPLAZA 技術力とUI/UXの専門性を有する AI プロダクト開発の知見 本番展開に向けた AIOps構築経験と運用体制 生成AI 法人様向け お問い合わせ数 3,000件突破 生成AI PoC 30+件 生成AI 本開発 15+件 資料請求数 No.1 *2023年Alsmiley経由実績 Alsmiley AI PRODUCTS AWARD 2023 秋 Alsmiley PRODUCT AWARD 2023 AUTUMN Alsmiley AI PRODUCTS AWARD 2024 春 Alsmiley PRODUCT AWARD 2024 SPRING 取引先または取引先のサービス AIプロダクトの開発力と、AIに関する幅広い知見を駆使し 価値ある生成AIのプロダクト開発・社会実装を推進

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募集ポジション一覧 LLMアプリケーションエンジニア ・OpenAIやAnthropicなどのLLMを活用し、PoC~本番運用までのアプリ開発を担当 ・AWS/GCPなどクラウドインフラの設計・構築、CI/CDや監視保守ツール設定などにも関わる AIプロデューサー ・クライアントの生成AIプロダクト戦略を立案し、社内外メンバーを巻き込みプロジェクト全体をリード ・必要があれば営業・契約フェーズにも携わり、実際に顧客への提案プレゼンを行う場合も リードAIプロデューサー ・新規/追加提案フェーズからプロジェクト立ち上げ、継続的な開発運用までを総合的にマネジメント ・CTO/CEO直下のポジションであり、経営陣と議論しながらEXPLAZAのAI事業を推進 オープンポジション ・生成AIに限らず「AIで社会を豊かに」したい熱意のある方を幅広く歓迎 ・具体的なポジションがまだイメージできなくても、まずはお気軽にご応募ください https://lifeat.explaza.jp/ ※上記ポジション以外にも、さまざまな領域での採用を検討中です。 「自分のスキルはどのポジションに合うかな?」と迷う方も、ぜひお問い合わせください。