企業における AIエージェント実装の現実戦略 〜ワークフロー型 vs 完全自律型〜

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March 04, 25

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2025年3月4日開催のPharmaX主催「LLM Night」の登壇資料

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株式会社エクスプラザ 生成AIエバンジェリスト / リードAIプロデューサー

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企業における AIエージェント実装の現実戦略 〜ワークフロー型 vs 完全⾃律型〜 株式会社エクスプラザ ⽣成AIエバンジェリスト / リードAIプロデューサー 宮⽥ ⼤督

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⾃⼰紹介 01 宮⽥⼤督(みやた だいすけ)/ x: @miyatti 株式会社エクスプラザ ⽣成AIエバンジェリスト‧リードAIプロデューサー 02 経歴 楽天‧メルカリでのPdM経験 Gaudiy:SNSエージェント実装 令和トラベル:ノーコードAIでの⼤規模コンテンツ⽣成 03 専⾨ ⽣成AI技術の社会実装‧普及 AIxPM領域の知⾒発信

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取引先または取引先のサービス

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令和トラベル以前のAIプロジェクト 令和トラベルでの旅⾏記事AIワークフロー開発 観光地‧ホテルの魅⼒など旅⾏情報を⾃動で記事化 メジャー‧マイナー問わない多⽤な記事⽣成の実現 Dify(ワークフロー型)のエージェント設計 引⽤ ハナスト https://hanasuto.carekarte.jp/ GaudiyでのSNSエージェント開発 アイドルイベントSNSでのバーチャルアイドルボットの実装 キャラ設定を持ち、参加者の発⾔に⾃律的に返信。やりとりを記憶し投稿に反映する。 エンタメ要素として盛り上がる 引⽤ Generative Agents論⽂を参考にした⻑期記憶機構をもつLLMエージェント×⾮同期コミュニケーションの実装 https://techblog.gaudiy.com/entry/2023/09/20/091704

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AIエージェント:2つのアプローチ どちらのタイプがいいのか? 完全⾃律型 ワークフロー型 指⽰を⼀度受けたら 事前にしっかり設計‧⼈間がある程度 その後は⾃ら判断‧⾏動する⾃律型 コントロールするワークフロー型 例:Deep Research 例:Dify

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ビジョンとロードマップの両⽴が鍵 理想: 「ドラえもんのように⾃律的なAGIエージェ ントが何でもやってくれる世界」 しかし、いきなりそこを⽬指すと⼤きな投資リスクと成 果の不透明さがつきまとう。 【結論】「⻑期的なビジョン達成×短期的なクイックウィン」

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第1部: ⾃律型エージェント体験談 柔軟な判断と予想外のアクション

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Cursorとは? ⼀般的にはエンジニア向けのAIエディター コーディング中にプログラミングをアシストして くれる チャットでAIに相談して、コードをかいてもらえ る しかし、実は今いちばん⾝近に使える ⾃律型エージェントツール エージェントモードというチャット機能がまさに 「⾃律型エージェント」のソリューション コーディング以外にも、仕様書の作成やリサーチ などのサポートをしてくれる

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例:⼣飯の準備をCursorに丸ごと任せてみる 実際にCursorを使って「カレーの⼣飯を作る」タスクを丸ごとアシストしても らう やりたいことメモ 今⽇の⼣⾷カレー こんこあとスーパーで買い物していく

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Cursorで⼣⾷の準備 ⼣⾷のおすすめレシピや、買い物リストなどのファイルを⾃動⽣成 勝⼿にファイルの作成などをどんどんすすめる

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プランの修正を依頼 ⾃律型エージェントなので臨機応変に判断し、 どんどん作業を進める 事情変更:「19時以降しか調理できない」「にんじ AIが⾃動で勝⼿に、⼿元のメモファイルである んが切れていた」など plan.mdやtasks.mdの内容を編集して、保存してく れる

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第1部:⾃律型エージェント体験談 (1/2) 1. 柔軟な判断と予想外のアクション 普段、Cursorをタスク管理に活⽤ 毎⽇のTODO管理のアシストをCursorのエージェン トChatにお願いしている。 朝「おはよう」というと「今⽇のタスクはこちらで す」「締切が近いのでこちらをやりましょう」とタ スク管理やアドバイスをくれる。 ⾃律的な創造的⾏動が起きる 「勝⼿に頼んでもないのに、つまれた提案書作成タ スクをみて、実際にたたきを作り出した」 「タスク管理のなかで、⽇々の振り返りを⾏ってい るが、そこの反省から改善アプリをつくりはじめ る」など、予想外の成果

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実例:⾃律型エージェントが ⽣み出したアプリ 実際のエピソード: KPTからミニアプリ開発へ 「Cursor(エージェント)がKPT(⽇々の振り返り)の反 省からTryとして、いくつか案をだしてくれた。その中で も、ToDoファイルを読み込んでリストとして表⽰するア プリを作ってくれたのにびっくりした。指⽰なしで『こう いうのが必要そうだから』と勝⼿に作ってくれた。これこ そ個⼈エージェントの理想形。悩みを解決するためにミニ マムなアプリを⾃ら作ってくれる。」(2025年2⽉20⽇)

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第1部:⾃律型エージェント体験談 (2/2) 2. リスク‧制御の難しさ LLMが誤情報を⾃信満々に⽣成 指⽰が曖昧だと暴⾛しがち 時には致命的なミスも引き起こす 体験したやばかった例 「嘘情報で⾶⾏機に間に合わない」 「やばいファイル(レポジトリ)削除操作」

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実際のエピソード:Cursorの暴⾛ ⾃律型エージェントの"じゃじゃ⾺"的側⾯ 「Cursorが重くなってしまい、エージェント とやりとりしてたら、いきなり暴⾛して数⽇ 分の作業データ、設定ファイル、チャット履 歴が全部消えた...バックアップもないし、完 全に無くなってしまった...」(2025年2⽉17 ⽇)

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第2部: ビジネス現場での実装 ⼩さく成功例を作る

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ビジョンは⼤事。 理想: 「ドラえもんのようにAGI的エージェントが 何でもやってくれる世界」

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第2部:ビジネス現場での実装 (1/2) 1. なぜ"ビジョン型"だけでは危険? 2. ⼩さく成功例を作る ⼤きな夢だけ追うと「成果が⾒えない」 クイックウィンを重ねていく → 失望が広がり、プロジェクトが⽌まる。 → ⾃分も真似してみたいと、影響が広がる。 社内で「AIは結局使えない」という 泥臭くともトップラインを伸ばす領域で 認識が広まるリスク 短期成果を⽬指す

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クイックウィンを⽬指して Difyとの出会い ChatGPT 単純な⻑⽂プロンプト 品質がでない‧どこを直したらどう変わるか予測つかない Difyの活⽤ 記事⽣成サンプルを参考に、ワークフロー設計 2段階プロセスでクオリティアップ

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ワークフローで構築された記事⽣成プロセス Step1 記事構成の 設計をするブロック Step1 Step2 記事構成の 構成にもとづき 設計をするブロック 実際に執筆するブロック まずは運⽤⾯が楽だった。⼀発プロンプトはどこをどうかえたらいいかがさっぱりわからない。構成までがお かしいのか、その後記事⽣成がおかしいのか、区別がつきやすい

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他にもメリットが! クオリティの向上 ⼀発⽣成より明らかに⾼品質‧⾼⽣産性 ⼈の介⼊を最⼩限に CoTによるクオリティUP 最初に1度⼈間がこういう記事を書 きたいとお願いする 記事⽣成というゴールに対し、良い 構成を考えるという戦略を検討 チャットのように何度もやり取りせ ずともよい これが⾃然とCoT(思考連鎖)にな り、クオリティ向上が実現

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第2部:ビジネス現場での実装 (2/2) 令和トラベル事例 2か⽉で旅⾏ガイド400本をワークフロー型AIがサポート 効率的なコンテンツ前後⽐10倍近くの⽣成速度向上 ⼈間による最終チェック1.5h/記事 → 安定的な品質確保 他社でも応⽤可能 クオリティの向上 ⼀発⽣成より明らかに⾼品質‧⾼⽣産性 ビジネスインパクト 検索流⼊も向上し売上アップへ直結

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エクスプラザのMark紹介 AIでのコンテンツ⽣成のオンボーディング(導⼊)が容易な ⽣成AIコンテンツ⽣成ツール「Mark」も内部的にはワークフロー型 UI/UXがシンプル 直感的な操作でスピーディにコンテンツを⽣成。プロ ンプト⼊⼒なくさくさくぽちぽち完成 ミニマムで効果的なパーソナライズ機能 過去の施策事例‧ターゲットのペルソナを簡単操作で 設定ができ、パーソナライズさせることが可能 プロによる導⼊‧オンボーディング⽀援 熟練したサクセスメンバーによる集中オンボーディン グで⽣産性向上までしっかりと伴⾛

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ワークフロー型 vs. 完全⾃律型 ⼿間はかかるがコントロールしやすいワークフロー型と おまかせだがリスクと難易度が⾼い⾃律型 ワークフロー型 完全自律型 おまかせ性 △ (部分自動) ◎ (理想の自動化) 危険性 ◎(コントロールしやすい) △ (誤動作対策コスト大) 開発難易度 低〜中(ノーコードOK) 高(技術,予算,責任所在問題) 適用範囲 複雑なコンテンツ/日常業務 予測不能タスク/創造性が必 要とされる場面

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第3部: ⼆軸戦略の提案 ワークフロー型と⾃律型を並⾏して進 化させ、最終的に統合する

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Step1 ワークフロー&⾃律型の⼆軸による並⾏スタート Step1-A: ビジネス導⼊(ワークフロー型) コンテンツ⽣成‧ リード獲得など、 確実にROIが出せ る領域で開始 ノーコード(Dify) で誰でも改善 → 早期の成功体験を 創出 クオリティコント ロールがしやす く、ビジネス展開 が容易 Step1-B: パーソナルDX(⾃律型) Cursor等を⾃分⽤ ツールとして⼩規 模にテスト ハルシネーション 許容範囲で実験 → 知⾒の蓄積 「有効プロンプ ト」「必要な制 御」を体感的に学 習

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Step2 組織への横展開と拡張 Step2-A: ワークフロー型の組織展開 部⾨ごとにワーク フローを標準化、 ドメインスペシャ リストが⾃⾛ プロセスの洗練と ノウハウの共有‧ 蓄積 Step2-B: ⾃律型エージェントのチーム適⽤ 個⼈実験で得た知 ⾒をチームに拡⼤ Cursorなどをつ かった業務⽀援の 仕組みを試験的に 導⼊

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Step3 統合アプローチへの収束: 両アプローチの強みを⽣かした統合システム 社内DXでためた ⾃律型のノウハウと 将来的には完全なAGI 融合 的⾃律型エージェント の活⽤を⽬指す 実践で蓄積した ワークフローの知⾒

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ワークフローと⾃律型は融合する (1/2) ワークフロー経験は無駄にならない エージェントが右往左往しないための事前仕様書(プロンプトド キュメント)が不可⽋ ⾃律型も「ゴール設計 + 実⾏ + フィードバック」というCoT的プロ セスが必要 ワークフロー型で学ぶエージェント制御の知⾒ チェインオブソウトなどのプロンプトエンジニアリングの考え⽅ → ⾃律型でも同様に重要 完全⾃⽴型エージェントの開発も、結局⼈間が細かく事前設計する のは変わらない

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ワークフローと⾃律型は融合する (2/2) ⾃律型エージェントがワークフロー型エージェントを指揮する 開発したワークフローは 無駄にならない インテリジェントワークフロー ワークフローは⾃⽴型エージェントでも 既存のワークフローを⾃律型エージェント ツールとして再利⽤可能 が最適な選択をする。 その場で、新た なワークフロー を⽣み出すこと も。

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まとめ 夢に向かいながら現実的な⼆軸戦略で企業のAIエージェント活⽤を加速 ビジョン(AGIエージェント)を確実に組織全体で強くもつ 確実なビジネス成果 将来への布⽯ しかし、まずはクイッ Agentic Workflowで実務成果を ⼀部では⾃律型PoCも並⾛し、 クウィンが必須 出し、社内外の期待を裏切らな ⼿元での⽣産性改善の実験も⾏ い う

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「⼤きな夢を描きつ つ、今年はクイック ウィンで成果を出す」 ご清聴ありがとうございました パネルディスカッションもよろしくお願いします。