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July 02, 23
スライド概要
矯正海外論文サイトが提供するオープンアクセス最新矯正海外論文です。今回は2023年Progress in Orthodonticsに投稿された論文です。矯正治療においてopen gingival embrasuresは審美的な問題や歯列の健康に悪影響を及ぼすとされています。固定式装置のリスクは先行研究で検討されていますが、クリアアライナー(インビザライン)においてはまだ検討されていません。そのリスク要因とされるIPRとアタッチメントについて検討した論文です
矯正歯科の海外最新論文をPubMedから紹介します。特にマウスピース型矯正(インビザライン)論文中心にお届けします。
Keywords: Open gingival embrasures, Prevalence, Clear aligners, Interproximal enamel reduction, Attachments IPR treatment and attachments design in clear aligner therapy and risk of open gingival embrasures in adults Yubohan Zhang, Xu Wang, Jihong Wang, , Jie Gao, Xulin Liu, Zuolin Jin and Yanning Ma Progress in Orthodontics (2023) 24:1 https://doi.org/10.1186/s40510-022-00452-1 紹介者:矯正海外論文サイト https://kyousei-kaigaironbun.com
目次 ©kyousei-kaigaironbun.com 1 2 3 4 5 6 • Introduction • Materials and Methods • Results • Discussion • Conclusions • References
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1. Introduction ©kyousei-kaigaironbun.com 【背景】 矯正治療によって引き起こされるopen gingival embrasures (OGE)は、審美的な問題や歯周の健康に悪影響を 及ぼす可能性がある[1]。 固定式矯正装置による成人患者の3分の1以上OGEを発症し、中切歯間の発症率が高い[1,2]。 しかしながら、クリアアライナー治療においてOGEの発症率やリスク要因についての研究は見られない。 【目的】 クリアアライナー治療において非抜歯患者のOGEの発症率と重症度を調査すること。 さらに、OGEのリスク要因としてのIPRとアタッチメントを調査すること。
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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【対象者】 2019年12月から2022年12月まで、空軍軍科大学口腔外科においてクリアアライナー(インビザラ イン、アラインテクノロジー社、米国)による矯正治療を終了した成人健康患者2500人以上の記 録をレビューした 【適格基準】 1・矯正治療開始時に18歳以上であること 2・矯正治療開始時に歯周病やOGEがないこと 3・治療前後の口腔内写真があること 【除外基準】 1・検査者によるOGEの重症度が不一致であること 2・矯正治療前に中切歯間の修復があること 3・本研究以前に矯正治療歴があること
Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【OGEの評価】 2人の矯正医と1人の歯周病医がOGEの重症度(正常、軽度、中度、高度)を分類した(図.1)。 最終的に226名の非抜歯患者を対象とした。 Zhang et al. (2023)
Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【前歯部のアタッチメントとOGEとの関連性の評価】 サブサンプルの選択: 非抜歯患者125名(女性106名、男性19名、平均年齢25.2±6.7歳、平均治療期間27.5±12.2ヶ月)の 臨床記録とクリアアライナーソフト 不正咬合:アングルⅠ級(65名)、アングルⅡ級(48名)、アングルⅢ級 (12名) 除外基準:0mm≦前歯部叢生≦3mm [17]、前歯部の舌側アタッチメント、 治療期間≦24カ月(当初一連のアライナー)
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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Zhang et al. (2023) ・226名のうちのOGE発症率:上顎切歯25.7%、下顎中切歯40.3% 下顎の中等度OGEは全体の10.2%を占め、上顎の5.8%よりも高かった。 重度のOGEは上下顎とも見られなかった。 ・125名のうちのOGE発症率:上顎切歯26.4%、下顎切歯40.8% 上顎の中等度OGEは6.4%、下顎の中等度OGEは11.2%であった。
3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com 125名の非抜歯患者におけるOGEと非OGEとの比較 ・年齢、治療期間、性別、不正咬合 において有意な差はなかった。 ・OGEは非OGEに比べて前歯部に アタッチメントの数が多かった (98.0% vs 82.4%, p<.05) ・OGEは非OGEに比べて両顎中切歯 にアタッチメントをつけた患者が 多かった(13.7% vs 1.45, p<.005) Zhang et al. (2023)
3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com 軽度OGEと中程度OGEとの比較 Zhang et al. (2023)
3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com ロジスティック回帰分析 ・IPRとOGEとの関連は示されなかった ・前歯、中切歯のアタッチメントはOGEと 関連が示された。 ・前歯1~2個のアタッチメント、前歯2個 以上のアタッチメント、中切歯の2個のア タッチメントはOGEに寄与する因子であっ た([OR]:9.555 ; 9.578; 9.501)。 Zhang et al. (2023)
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4. Discussion ©kyousei-kaigaironbun.com 本研究において、クリアアライナー治療後の上顎中切歯25.7%、下顎中切歯40.3%にOGEが発症した ことが明らかになった。IPRはOGEの発症との関連は示されなかったが重症度と関連があった。 前歯または中切歯のアタッチメントの数はOGE発症率と有意に関連していたが、重症度との関連は なかった。下顎のOGEの発生率及び重症度は、上顎よりも高く重症であった。 本研究の非抜歯のクリアアライナー治療後のOGE発症率は25.7~40.3%であったが、固定装置矯正に よる抜歯および非抜歯患者のOGE発生率は22~36%出ることが報告されている[2]。抜歯患者は非抜歯 患者よりもOGEの発症率は高くなると考えられる[21-23]。このことを勘案すると、クリアアライナー 治療の患者のOGEは固定装置治療の患者よりも高くなることが推測される。
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5.Conclusions ©kyousei-kaigaironbun.com 成人の非抜歯患者において、上顎中切歯と下顎中切歯のクリアアライナー治療後のOGE発生率は、 それぞれ25.7%、40.3%であった。IPRはOGEの発症を予防することはできない。 前歯や中切歯のアタッチメント数は、中切歯間のOGE発症率と正の相関がある。
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References ©kyousei-kaigaironbun.com
記事監修 ©kyousei-kaigaironbun.com Dr. 堀井和宏 (Kazuhiro Horii) 日本矯正歯科学会 臨床指導医(旧専門医)・ 認定医 日本舌側矯正歯科学会 American Association of Orthodontists 〒520-0832 滋賀県大津市粟津町4-7 https://www.horii-kyousei.com