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August 15, 23
スライド概要
矯正海外論文紹介サイトから最新論文をお届けしています。今回は2022年Medicineに投稿された論文です。本研究は、デイモンQシステムとインビザライン®による上顎切歯の後退効果について、第一大臼歯抜歯ケースを対象とし比較を行った。デイモンQ群とインビザライン群で,治療期間はデイモン群27.7±6.3ヶ月に比べ、インビザライン群31.4±6.4ヶ月と有意に長いことが示された。本研究は、デイモンQとインビザライン®の選択に迷う歯科医師にとって、上顎切歯の後退治療に対して有益なデータを提供している。
矯正歯科の海外最新論文をPubMedから紹介します。特にマウスピース型矯正(インビザライン)論文中心にお届けします。
Key-words: Damon Q, extraction, Invisalign®, maxillary incisor retraction Comparisons of maxillary incisor retraction effects for patients with first premolar extractions between Damon Q and Invisalign® A retrospective study Jiping Chen, Juan Wen, Ling Huang, Lu Zhang, Lei Han, Huang Li, Medicine (2022) 101:40 http://dx.doi.org/10.1097/MD.0000000000030919 紹介者:矯正海外論文サイト https://kyousei-kaigaironbun.com
©kyousei-kaigaironbun.com 目次 1 2 3 4 5 6 • Introduction • Materials and Methods • Results • Discussion • Conclusions • References
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Introduction ©kyousei-kaigaironbun.com 【本研究の目的】 第一大臼歯抜歯ケースを対象とした上顎切歯の後退の効果を インビザライン® とデイモンQ システムにおいて検討する
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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 倫理審査: 南京大学医学部南京口腔病院倫理基準(NJSH-2021NL-87) 対象者:患者61名 (デイモンQ33名、インビザライン26名) 適格基準: ・両側上顎第一小臼歯および下顎第一・第二小臼歯の抜歯 ・上顎の軽度叢生 (4mm未満) 除外基準: ・頭蓋顔面の欠陥、または症候群、骨格の奇形 ・上顎歯の外傷歴、歯列矯正歴 サブグルーブ分類: U1-NA(°)平均22.8、標準偏差5.7を基準とし3つのグループ に分けた *サンプリングプロセスは図1に示す
Materials and methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【治療計画】 ・デイモンQ :スロットブラケット (0.022×0.028) 、標準トルク (上顎中切歯は±15°、側切歯は+6°)、 ステンレスワイヤー (0.019×0.025インチ) ・Invisalign® :アライナー(Align Technology, San Jose, CA)、G6プロトコル 【セファロX線写真】 ・X線セファロ(ORTHOCEPH OC200 D; Instrumentarium Dental, Tuusula, Finland) ・Dolphin Imagingソフトウェア(Dolphin Imaging & Management Solutions, 11.5, Oakdale, CA) ・U1-NA(°)、U1-NA(mm)、U1-SN(°)、上顎唇からE面(mm)を選択し,デイモンQと インビザライン®の上顎切歯後退効果を評価した
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Results ©kyousei-kaigaironbun.com デイモンQ群とインビザライン群で、年齢、性別の有意差は認められなかった。 治療期間はデイモン群27.7±6.3ヶ月に比べ、インビザライン群31.4±6.4ヶ月と有意に 長いことが示された。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com デイモン群とインビザライン群の治療前の各指数に有意な差はなかった。 U1-NA(°)とU1-SN(°)の角度変化は、インビザライン®群はデイモンQ群よりも舌側傾斜が強い ことが示された(p=.03,p=.04)。 U1-NA (mm)は、デイモン群とインビザライン群で有意な差は認められなかった (p=.13)
Results U1-NA(°) :デイモンQ群で29.3°から7.1°、 インビザライン®群で33.6°から7.2°(図2A) ©kyousei-kaigaironbun.com U1-SN (°) :デイモンQ群とインビザライン®群で それぞれ28.7°から7.7°、35.2°から6.0°(図2B)
Results ©kyousei-kaigaironbun.com サブグループⅢにおいて、デイモンQと比較してインビザライン®でより多くの後退 (p=.000)、 根尖の唇側移動がみられた (p=.04)。 maxillary Lip to E-plane (mm) 、3つのサブグループ間で有意な差は見られなかった。
Results ©kyousei-kaigaironbun.com
Results ©kyousei-kaigaironbun.com Angle classification: T0からT1のクラスⅠ移行は、 インビザライン®群の69.2%(18/26症例)が デイモンQ群の87.8%(29/33症例)より 少なかった(p = .012) Anterior overjet デイモンQ群とインビザライン®群の間の改善に 有意差はなかった Anterior overbite デイモンQはインビザライン®よりも改善する能力 が高かった(p=.047)
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Discussion ©kyousei-kaigaironbun.com 第一小臼歯抜歯症例に対するインビザライン®およびデイモ ンQシステムの上顎切歯後退効果について 検討し た結果、インビザライン®はデイモンQと比較して、上顎切歯の後退効果が十分でないことが 示唆された。先行研究と一致する[14.15]。 インビザライン®では、 SmartTrack®材料とG6プ ロトコルが提案されたが、上顎切歯のトルクコント ロールは、 依然としてインビザライン®の課題となっている[14,15] デ イモンQと比較すると、T0-T1においてより多くの上顎 切歯の舌側傾斜の変化が記録され、 特にT1-T2において 顕著であった
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Conclusions ©kyousei-kaigaironbun.com ◆両側上顎第一小臼歯抜歯の患者において、インビザライン®はデイモン Q装置と比較して、 上顎切歯の後退に十分な効果が得られなかった ◆インビザライン®は、両側上顎第一小臼歯抜歯患者、特に上 顎切歯が高度に突出している患者に おいて、上顎切歯の舌側への傾斜をより強くした
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References ©kyousei-kaigaironbun.com
記事監修 ©kyousei-kaigaironbun.com Dr. 堀井和宏 (Kazuhiro Horii) 日本矯正歯科学会 臨床指導医(旧専門医)・ 認定医 日本舌側矯正歯科学会 American Association of Orthodontists 〒520-0832 滋賀県大津市粟津町4-7 https://www.horii-kyousei.com