ガミースマイルの原因と矯正治療の効果の検討 (2023)

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May 02, 23

スライド概要

矯正海外論文の紹介。2023年Healthcareに投稿されたガミースマイルに関する論文です。ガミースマイルに寄与する要因を特定が目的です。PubMedのオープンアクセスの論文を図、表を使い簡単に説明しています。日々の診療や臨床、医学研究にぜひお役立てください。

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矯正歯科の海外最新論文をPubMedから紹介します。特にマウスピース型矯正(インビザライン)論文中心にお届けします。

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各ページのテキスト
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Key-words: : gummy smile; gingival display; incisal inclination; cephalometric parameters; orthodontics Is There a Correlation between Gingival Display and Incisal Inclination in a Gummy Smile? Study on Cephalometric Parameters Alessandra Impellizzeri , Raissa Palmigiani , Martina Horodynski , Tiziana D’alfonso, Antonella Polimeni, Adriana De Stefano and Gabriella Galluccio Healthcare 2023, 11, 344. https://doi.org/10.3390/healthcare11030344 紹介者:矯正海外論文サイト https://kyousei-kaigaironbun.com

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目次 ©kyousei-kaigaironbun.com 1 2 3 4 5 6 • Introduction • Materials and Methods • Results • Discussion • Conclusions • References

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1. Introduction ©kyousei-kaigaironbun.com 【背景】 ガミースマイル (GS) :自然な笑顔の際に上顎の歯肉が上唇の下線と切歯上部の歯肉線の間に現れる臨床症状 臨床診断 1・顔のプロポーションの分析 [4] 2・顔面に対する歯の分析:安静時、会話時、笑顔時の歯の見え方などの定量化[5-7] 3・歯に関連する分析:高さや幅、歯肉の形状、切歯等のプロポーションなどの評価[5-9] 【本研究の目的】 ガミースマイルに寄与する骨格および歯槽骨など、特に上顎切歯のトルクの変化との関連性 について検討すること

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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com 【患者募集期間】2014年から2018年 【対象患者】ローマサピエンツァ大学歯顎顔面科学科の矯正歯科の7歳から35歳患者、 ガミースマイル60名(女性30名、男性30名)/コントロール群60名(女性32名、男性28名) 【ガミースマイル群】ガミースマイルであること、笑顔時に上顎歯肉が2㎜露出していること 【コントロール群】骨格クラスⅠ、ANB=2°/4°、1㎜の歯肉露出、 除外基準:非協力的でないこと、矯正治療歴がないこと、手術不可能な人、 写真撮影が不十分な人、全身疾患がある人、薬物治療中の人

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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023) Imoellizzeru et al. (2023) フルスマイル時の上顎歯肉露出量を、 上唇下縁と上顎切歯の歯肉縁との距離と して評価 (図1) 模型を用いてデジタルキャリパーでオーバー ジェット、オーバーバイト、上顎中切歯冠の 近遠心幅を測定(図2)

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Materials and Methods ©kyousei-kaigaironbun.com ・上顎歯肉の定量化のために、上顎中切歯の幅と距離の比を作成しPhotographic Gingival Exposure (PGE)という換算係数を得た。Adobe Photoshop [photoshop, 2018 (19.0)のソフトを用いた。 測定角度 ・U1 to FH (upper incisors–Frankfort plane) ・ U1 to PP (upper incisors–Palatine plane) ・U1 to NA (upper incisors–Nasion/A point) ・ FMA (Frankfort plane–Gonion/Menton line) ・SN to PP (Sella-Nasion plane–Palatine plane) ・ ANB (maxilla–mandibular relation, performed for only study group) 直線測定 ・Overjet (millimeter sagittal distance between Incisor Superius and Incisor Inferius) ・ Overbite (millimeter vertical distance between Incisor Superius and Incisor Inferius) ・ U1-PP (the perpendicular length of a line dropped from U1 to the palatal plane) ・ Is–Sts (millimeter distance between Incisor Superius and Stomion Superius) ・Sn–Sts (millimeter distance between Subnasale and Stomion Superius) 直線の比 ・ (S-Go): (N-Me) = Posterior facial height/Anterior facial height.

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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023) GS群とコントロール群の平均年齢とSD (表1)、研究グループの歯肉露出量(表2)

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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023)

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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023) Imoellizzeru et al. (2023) GS群のU1^PPとU1^NAの平均値は115.09°、112.58°(表2)であることが示された。 コントロール群と比較してより突出した上顎切歯を示した(図3.4) SN^PPとFMAは両群ともに正常範囲内であった(表2)。

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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023) Imoellizzeru et al. (2023) GS群のオーバージェットとオーバーバイトの平均値はそれぞれ3.98㎜、3.72㎜であり、 コントロール群と比較して有意に大きかった(図5,6)。

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3. Results ©kyousei-kaigaironbun.com Imoellizzeru et al. (2023) Imoellizzeru et al. (2023) GS群のU1^PPはコントロール群と比較して大きかった(図7)。 Sn-StsはGS群で平均19.64㎜、コントロール群では平均21.1㎜であり、 両群とも正常値より減少していることが示された。 Is-Stmはコントロール群と比較してGS群は有意な増加を示した(図8)。

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4. Discussion ©kyousei-kaigaironbun.com オーバージェット、オーバーバイトとGSとの関連 本研究では、GSとオーバージェット、オーバーバイトとの間に有意な関連がみられた。 先行研究とも一致する[15,16、20-22]。一方、GSとオーバージェットとの関連が認められなかった 報告がある[18]。 SN-PPとGSとの関連 本研究のGS群、コントロール群とも正常範囲であった。先行研究と一致する[11,14,15,19]。SN-PP はGSのリスク要因ではないことが確認された。 U1-PPとGSとの関連 本研究では、U1-PPとGSとの間に統計的な有意な関連が示された。先行研究とも一致する [15,19,23,24]。 (S-Go): (N-Me) とGSとの関連 本研究では有意な関連は認められなかった。GSの患者の(S-Go): (N-Me) はコントロール群と 比較して有意な減少を示した先行研究の結果とは異なる[11,15]。

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5.Conclusions ©kyousei-kaigaironbun.com 本研究では、歯肉の露出と前庭方向の切歯トルクの変化の有無、および笑顔の時に見られる上顎の 歯肉の量との間に関連がみられた。 特にIs-Sts距離、オーバージェット、オーバーバイトと相関があることがわかった。 したがって、最も示唆に富むデータは、上顎切歯の垂直位置、特に上唇に対する位置と矢状位置に 関するものである。 特に、被験者のガミースマイルの原因には、歯槽骨の要素があることが示唆された。 これらの結果は、ガミースマイルの改善には歯の圧下による矯正治療が有用であり、過剰な垂直・ 矢状歯槽骨の発達を伴う不正咬合の抑制にもっと注意を払う必要性を示している。 上唇の長さに関するデータは、ガミースマイルの主因が筋肉であることを示唆している。 このデータは、ガミースマイルの特徴を解決し、笑顔の構成要素のバランスを整えるために、上唇 の位置を変える外科的手法を評価するのに必要である

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References ©kyousei-kaigaironbun.com

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記事監修 ©kyousei-kaigaironbun.com Dr. 堀井和宏 (Kazuhiro Horii) 日本矯正歯科学会 臨床指導医(旧専門医)・ 認定医 日本舌側矯正歯科学会 American Association of Orthodontists 〒520-0832 滋賀県大津市粟津町4-7 https://www.horii-kyousei.com