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July 24, 24
スライド概要
JE6RPM(opr. JH5GHM)での2024年IARU HF Championship参加顛末記
2024 IARU HF Championship SOABHP JE6RPM 1
今回の初物 • Roland Bridge Cast ‣ 本来はゲームの実況用の音声関連機器であるが、voice messageを利用するにあたり同じくRolandのM-10DX のfootprintが大きく、携行する気が薄れてしまうため代 用として目を付けた ‣ 入手は2ヶ月以上前に済ませ、ひととおりvoice message利用時の後継としてすでに確認済み 2
前回の振り返りと今回の目標 • WRTCやその予行演習あるいはコロナ禍もあり他のコンテ ストに比べるとSOPでの参加回数が少なく、IARUに国内 から出たのは2019年が最後 ‣ SSNの底の時期のコンディションではあったが当時で自 身の過去最高の局数とスコア ‣ 今回はスコア自体はさほど気にせず、局数として当時よ り+350程度、総局数2,000を目標 • 過去のQSOの状況から開始のバンドは20m/15m/10mの いずれか ‣ 12Zの時点で西海岸はすでに日の出前後なためローバン ドは除外 3
現地入り • 12UTC始まりであるため現地入りをいつもより1日ずらし、運用環境を構築後そのままコ ンテストに突入 • 今回は梅雨の時期特有の長雨が重なり、結果的には準備段階からコンテストが終了する翌 日の月曜まで雨が続くこととなる ‣ 準備の時点でコンテスト中のレインノイズがあり得ると見込むが、現用のアンテナの下 側に設置されるアンテナでも使用しない限り回避する手立てがない ‣ レインノイズは経験的に土砂降りのような降雨で確実に出現するため、線状降水帯が発 生するとの情報からも今回はレインノイズ下での運用が確定となる 4
voice message • M-10DXの置き換えとして持参したBridge Castを接続するもUSBから音声デバイスとして 確認できず ‣ USBに接続後の各種ツマミのイルミネーションが点かず、この時はUSBからの電源供給 量が足りないと誤判断 ‣ やむなくバックアップ用として持参したM-10DXを利用した運用へと切り替え • WPX SSBでのセットアップと同じであるため難なくvoice messageでの運用可能状態と なる • 帰宅後よくよく考えてみるとBridge Castのドライバのインストールが必要であった ‣ 置き換えのタイミングを逸したが、後の祭り 5
その他設置時の不具合 • voice messageと自声との切り替え装置側でvoice messageに切り替えると1R時でも音声 (ヘッドフォン)の左右にそれぞれのリグのAFが供給されてしまうことに気づく ‣ WPX SSB時に発覚したAF切り替え対応の不具合の対処によって発現 ‣ デバッグすれば対応可能と思いつつもこの時点から始めるには時間がない ‣ 1Rでのvoice messageへの切り替え時には1R用のショートカットを利用して再度1R用 の音声状態に設定することを回避策とした ➡ 終了後の課題として要対応 6
その他設置時の不具合(2) • SSB運用時、左右のfootswitch操作によるPTTの操作が不可 ‣ PTT以外のfootswitchによるフォーカス移動は動作するためkeyremapper(キーボード操 作周辺の各種制御装置)は動作している(footswitchはkeyremapperに接続) ‣ CWでのkeyingとPTTは動作するためSO2R Neoに問題はないと判断 ‣ keyremapperからSO2R Neoへのfootswitch用接続ケーブルを疑いつつ、試しに予備で置 いてあったSO2R Neoに交換して動作を確認 ➡ 問題なくphoneでのPTTは動作する - SO2R Neoのfootswitch入力周りでの不具合と確定 ✦ 帰宅後確認したところ、RF対策用のインダクタ のハンダが基板のパターンから剥離していた 7
その他設置時の不具合(3) • さらにfootswitch関連 ‣ 2BSIQ操作をするようになってからfootswitchは左右二つを利用 ➡ phone運用時は中心にもう一つfootswitchを設置 - 同じリグのPTTを連続操作する場合、利き足(右)による操作の方が疲労軽減される - そのためのfootswitch ‣ SO2R Neoを入れ替えても中央設置のfootswitchからの操作が効かず ‣ footswitchからの接続ケーブルを交換することで問題は解消 ➡ 終了後の確認事項として要対応 - 帰宅後テスターで確認するも問題なし(再現不可なのが悩ましい…) 8
その他設置時の不具合(4) • 予備のSO2R Neoは左右のポテンショメータの設定が製作時に調整したまま ‣ 今回不具合となったSO2R Neoは昨年末製作後左右の音のバランスを実際に聴きながら 調整 ‣ 予備のSO2R Neo(2年半前に製作)はポテンショメータの抵抗値を計測して調整 ➡ やや右側に音が寄った状態 ➡ 同様に左右のバランスを調整し、不具合となったSO2R Neoと同じ状態に近づけた 9
コンテスト開始直前+開始 • All Asianでノイズが混入したICレコーダ ‣ 特に問題なく録音できることを確認 ➡ カナレのケーブルを使わず、市販の安いケーブルの方が結線や配線が楽 ➡ 問題にもなっていなかった状態を無理に改善しようとして悪い結果になっていた • 10mを確認するも閑散とした状態であるため20m/15mのalternating CQにて開始 ‣ いつものように開始1分ぐらい前からCQ 10
コンテスト開始直前+開始(2) • CQを続けるも最初の1局以降2分間誰にも呼ばれず ‣ 居座った場所がよくなかった可能性はあるものの、そのまま粘る ➡ 15mは被り(QRM)がひどくなったため若干移動 ➡ 最初の30分のレートは低かったが、以降はペースが上向く • 1419Zからの正味1時間で195 Q/hに到達 ‣ このコンテストでの自身の過去最高レート 11
中盤 • 局数を増やすために夏至から間もないこの時期に160mや80mに注力するのは時間の無 駄 ‣ S&Pにて近場のマルチのみを確保 • 40mでヨーロッパとの局数を伸ばすため、こちらの夜が明ける前、そしてヨーロッパが夜 になりかける時間に運用 ‣ 日照の状態がわかる地図によれば18Z過ぎあたりから • 15mが好調で、20Zからの30分で20mと合わせて98 Q ‣ レートの波の上下はある • 1830Zまでにdupe抜きで1000 Qを超える ‣ 開始から平均すると150 Q/h以上となり、比較的好調 12
日の出以降 • レートの変動はあるにしても2230Zぐらいまでは好調 • その後低調路線に落ちこむ 13
レインノイズ • 想定していたレインノイズが出現し始める • テレビでは通常放送の画面が小さくなり、画面の淵あたりに線状降水帯のおそれがある地 域に向けた避難を呼びかけるテロップが常時表示され、昼頃がピークともある • レインノイズが発生するとwaterfallからも局の存在が確認できない状態となる ‣ まれに確認できることもあるが数える程度の強い局のみ • ノイズブランカはほぼ効果がなく、ノイズリダクションで多少マシになる程度 • 打つ手もなくおさまるのを待つのみ 14
レインノイズ(2) • off-timeはIARUにはないが、ロギングソフトの機能としてデフォルトで10分間QSOしない 状態が続くとoff-timeと扱われる ‣ 日中のo -timeはレインノイズによるものだが、総計すると60分を超える • 発生から10分もしないうちにレインノイズがおさまったり、QSO中に再び発生するよう なこともあるため実際にはo -time以上に強制休止の時間は長い ‣ 積算QSO数の推移プロット(最後に添付)の点が見掛け上繋がらず、隙間が開いている状 態 • 昼までのレートの悪い時間帯はレインノイズによるものがほとんど ff ff 15
後半そして終了 • 昼前後よりレインノイズが解消となるもこの時期の日中はSSNが好調ではあっても夜間に 比べると低調なレート ‣ 局数を重ねるしかないので淡々と積み上げる • 10Z過ぎにdupe抜きで2000 Qに到達 ‣ 目標は達成 ‣ unassistedであるためマルチは多くはなく、200万点は難しいと悟る • ローバンドを含めて各バンドを徘徊しても新規局は少なく、Runで凌ぐもレートはあまり 変わらずそのまま終了を迎える 16
総評 • 国内からのIARUでようやく2000 Qに到達するも後半のレート低下は悩ましい • 夏場であることから日中のレート低下は如何ともしがたい ‣ 地球規模で見た場合、東海岸とヨーロッパ間のQSOが支配的となり、極東とのパスが あったとしてもなかなか振り向いてもらえないことも要因の一端と想像 17
総評(2) • voice messageでPTTが自動で切れない現象がWPX SSBで何度か発生し、自宅の検証環 境でも同様に発生していたが、今回1度だけ同じ現象に陥った ‣ voice messageのPTTはCAT経由で制御しているが、CATデータが抜け落ちたと見込 み、ロギングソフトのリグコン内で受信に移行するコマンドを2回連続で送ることを前 回経験した問題からの対策としていた ➡ この対策では回避できないことが判明 - この顛末記を書き終わる前にひとまず対処(これもあって顛末記の公開に時間がか かった) - 問題箇所を特定するも、発生原因が不明なため対処療法にて擬似的に解決とした - 根本原因はmacOS側のバグもあり得る 18
※レート計算でのQSO数はdupeを含む ※ここにあるQSO数にはdupeを含まず 19
※ここにあるQSO数にはdupeは含まず 20
21 ※ここにあるQSOはdupeを含む
2019 2024 2500 dupe込みの積算QSO数の時間変移(QSO時のみにプロット、プロットが切れている箇所はQSOなし) 2024: blue 2019: red(参考データ、日付を今回のコンテストに重ね合わせた) 2000 1500 1000 500 22 0 2024/7/13 12:00 2024/7/13 15:00 2024/7/13 18:00 2024/7/13 21:00 2024/7/14 0:00 2024/7/14 3:00 2024/7/14 6:00 2024/7/14 9:00 2024/7/14 12:00
2024 30 dupe込みのQSOのバンドと時間変移(QSO時に青点、QSO間は黄線) 各バンドのプロット中若干周波数が上がっているものは SSB、それ以外はCWによるもの 25 20 15 10 5 23 0 2024/7/13 12:00 2024/7/13 15:00 2024/7/13 18:00 2024/7/13 21:00 2024/7/14 0:00 2024/7/14 3:00 2024/7/14 6:00 2024/7/14 9:00 2024/7/14 12:00
2019 30 参考データ(2019): dupe込みのQSOのバンドと時間変移(QSO時に赤点、QSO間は黄線、日付を今回のコンテストに重ね合わせた) 各バンドのプロット中若干周波数が上がっているも のはSSB、それ以外はCWによるもの 25 20 15 10 5 24 0 2024/7/13 12:00 2024/7/13 15:00 2024/7/13 18:00 2024/7/13 21:00 2024/7/14 0:00 2024/7/14 3:00 2024/7/14 6:00 2024/7/14 9:00 2024/7/14 12:00