20260715要求定義とシリアスゲーム制作_v2

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July 16, 26

スライド概要

2026/7/15オンラインイベント
「生成AI時代に人や組織の「変容/変革」は追いつくのか?  〜数年分の経験値を数時間に圧縮する「変革実装」アプローチ〜」
https://pre0801ws.peatix.com/view
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ボードゲーム編集者 教育ボードゲーム診断士 企業内研修、企業PRや自治体・NPOのイベント用など教育や研修を目的としたボードゲームの作成を支援しています 肩書 ・合同会社ゲーミフィ・クリエイティブマネジメンツ 代表社員 ・ゲーミフィジャパン 枢機卿 ・研修ゲームラボ 幹事 ・研修舎プロジェクト ゲーム研修デザイナー

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各ページのテキスト
1.

要求定義とシリアスゲーム制作 面白さ ― 複雑な現場を体験に変換する方法 ― 学び 石神康秀 合同会社ゲーミフィ・クリエイティブマネジメンツ / ボードゲーム編集者

2.

IN TRO D UC TI ON 自己紹介 石神 康秀 1 企業のゲーム開発支援 社内研修・プロモーション用ゲームの企画・制作 合同会社ゲーミフィ・ クリエイティブマネジメンツ 代表 2016年 起業 前職はITシステムの 開発・保守・運用 2 自治体・NPOによる啓発ゲームの開発支援 3 大学でのゲーム制作授業支援 ゲーム制作の授業をサポート 現在の自称は 「ボードゲーム編集者」 社会課題啓発ゲームの支援 4 環境づくり 展示会「Play&Learn」を年2回開催 「シリアスゲームミュージアム」設立準備中 2

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今日の結論 シリアスゲームの成否は、 作り始める前の 「要求定義」で決まる。 まず最初に考えるべきは、「何を作るか」ではなく 「何を伝えたいか」 3

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W H AT IS IT シリアスゲームとは ゲームの「体験」を通じて、情報・状況・構造を学べるもの。「面白い」より上位の“目的”を持つ。 複雑な現場 情報 シリアスゲーム 状況 体験に変換する 構造 学び 理解・気づき 行動の変化 そのままでは伝わらない 「体験」はとにかく強い。 だから“複雑な現場”を伝えられる。(この強さには裏の顔も → 後述) 4

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V S E N TE R TAI N ME N T エンタメゲームとの違い ― 面白さと学びの配合 エンタメは100%面白さでいい。シリアスゲームには「学び」が要る。 世の中のシリアスゲーム開発の多くは、この2派 70:30 派 面白さ 70 30:70 派 30 楽しさが主役。遊ぶうちに自然に興味を持たせる 30 学び 70 学ばせたいことを軸に、楽しく学べるよう工夫 私が目指すもの 理想は 100:100 現実解は 80:80くらいも 面白さ 100 面白さ 80 学び 100 端から端まで完全に重なる ― 学べるポイントこそが、面白いポイント 学び 80 中央で60が重なるイメージ。 それでも狙いは常に100:100 5

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最 も 重要 な こ と 要求定義 ―「テーマのサイズ感」をぴったりに 作る前に明確にする 3つの問い 1 ゲームを使って、何を成し遂げたいのか 大きすぎるテーマ 例:「環境問題のゲーム」→ ピンとこない 絞り込む 2 どんなことを伝えたいのか 伝えたいことと“同じサイズ” 3 なぜ現状こうなっていて、 どうしたいのか 事例 ぴったりサイズ = 無駄を作らず、明確に伝わる 渋谷のゴミ問題 昨年、渋谷区のNPOから「渋谷のゴミ問題をテーマにしたゲームを作ってほしい」という依頼。 テーマはある。では“何を伝えたいのか” ―― ここから要求定義が始まった。 6

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要 求 定義 の プ ロセ ス ① 「行動の指示」ではなく「理解してほしい構造」へ 知っていることの確認は体験にならない。できないことの指示は現実に負ける。 事例 渋谷のゴミ問題 ― メッセージ候補の検討 × 「ごみを捨てるな」 × 「ごみを拾おう」 ○ 「つい捨ててしまう環境と心理を理解しよう」 誰もが知っている。“確認”にしかならない 量が多すぎて拾いきれない。現実性がない 構造と心理の理解は、体験でしか伝えられない 到達点: 状況を理解してもらい、「改善したい」と感じてもらうゲームにする。 7

8.

要 求 定義 の プ ロセ ス ② 要求定義 ― 当たり前の一般論で終わらせない “ぴったりサイズ”のメッセージは、現場を知る深い対話からしか生まれない。 1 2 3 4 現場を体験する 当事者に聞く 議論を重ねる 要求定義に到達 現地でゴミ拾いに参加 ボランティア団体に インタビュー チームで何度も検討 「つい捨ててしまう 環境と心理」へ 事例 オレンジの行が、実際に踏んだプロセス 深い対話の先に ―― 答えは資料の中ではなく、現場にあった。 8

9.

1 00 : 10 0 の 回 収 学びのポイントが、そのまま“面白さの中心”になるまで メッセージ つい捨ててしまう環境と心理を理解しよう 体験に変換 ゲーム体験 プレイヤー自身が“つい”を追体験する 事例 渋谷のゴミ問題 主人公は「お酒を楽しく飲みたいクラバーズ 」。 楽しく飲んで、酔って、気分が上がるほど ――ゴミ箱まで行かずに“つい”捨ててしまう。 その感覚をプレイヤー自身が味わう設計。 ※ 企画段階の実例です(ゲームは未完成) 面白さ =学び “つい”の瞬間 = 一番面白い所 = 一番の学び。 完全に重なる。これが 100:100。 9

10.

P RO C E S S 制作の進め方 ― 前段で9割が決まる テーマ メッセージ ストーリー (経緯) 体験 設定・場面 ルール コンポー ネント 説明書 ⇔ 前の工程に何度も戻りながら整備する(設定・場面の置き方 = フィクションフォーカスメソッド) 時間のかかり方 前段(要求定義〜体験) … 時間の大半はここ 前段が固まれば、後段は“工学的”に進む 発明やアートではなく、モノづくりとして作 れる 後段 … 速い テストプレイは「想定どおりか」の確認で十分 面白さを試行錯誤で探す工程ではなくなる 最初の対話にいちばん時間をかけたい。 10

11.

注 意 して ほ し いこ と シリアスゲームの「怖さ」 「体験」は強い。 作者の意図と無関係に、印象を刻んでしまうことがある。 事例 設計 意図した学び ルール・体験の 組み立て方 意図しない印象・誤った学び 作り手は 設計の影響を見通す“ボキャブラリー”を多く 持つ 渋谷のゴミ問題 「ゴミの回収」に特化した 企画案も。魅力的だが、方 向性次第では「捨てられる ことの肯定」が伝わる可能 性も。 発注側は 完成がゴールではなく「何が伝わるか」の検証 まで 11

12.

F U TUR E これからのシリアスゲームに求められること 使われる場面は増えた。しかし手法は共有されず、皆が独学。入手も比較も難しく、発注側も目を肥やしに くい。 現状 独学・ばらつき 入手しにくく、比較できない 環境をつくる その先へ 展示会「Play&Learn」 (年2回開催) シリアスゲーム ミュージアム(準備中) 「何が可能か」の ボキャブラリーを開拓・共有 → 研鑽の土台に 広く使われ、社会を変え、文化としてつながっていくものへ。 「レベルが低い」作品を作ってしまうのは、能力や志ではなく“知る機会がない”だけ。だから場が要る。 12

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まとめ 1 成否は要求定義で決まる テーマを「ぴったりサイズ」に絞り込むまで、深い対話を重ねる 2 「体験」は強い。だからこそ 何が伝わるかまで設計し、完成後も検証する 3 ボキャブラリーを共有する 「何が可能か」を知る環境をつくり、文化として育てていく 複雑な現場を、体験に変換する。 ご清聴ありがとうございました。Play&Learn・シリアスゲームミュージアムでお会いしましょう。 (もちろん、お仕事依頼もお待ちしています。) 13