20241007すごろくゲームを作ろうと思う人へのアドバイス

313 Views

October 07, 24

スライド概要

よくある「我々のメッセージを伝えるために『すごろくゲーム』を作ってみんなに届けよう」的プロジェクトを考える皆様に伝えたいことをまとめました。
絶対やるな!とかではありません。ざっくり進めないで、何をしたいか考えてからやろうねって話です。

profile-image

ボードゲーム編集者 教育ボードゲーム診断士 企業内研修、企業PRや自治体・NPOのイベント用など教育や研修を目的としたボードゲームの作成を支援しています 肩書 ・合同会社ゲーミフィ・クリエイティブマネジメンツ 代表社員 ・ゲーミフィジャパン 枢機卿 ・研修ゲームラボ 幹事 ・研修舎プロジェクト ゲーム研修デザイナー

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

<多分10分くらいで読める> 企画やイベントで 「すごろくゲーム」 を作ろうと思った人への アドバイス 2024/10/7 石神

2.

本資料の意味と目次 「すごろくゲーム」を作ること 特に「すごろくゲーム」を「みんなで作る」ことについて実施すること自体は全然ダメでは 無いので、実施するならこれを分かっておいて欲しいという話をまとめました  想定される「すごろくゲーム」  「すごろくゲーム」のメリット  「すごろくゲーム」のデメリット  良くある誤解  「みんな(多人数)でゲームを作る」ことのメリット/ デメリット  「良いゲーム」と「ゲームの目的」  こうすればいいかも(改革案)  こうすればいいかも(対策案)  結論

3.

想定される「すごろくゲーム」  基本は1本道、どこかで分岐があるかも  ゴールに行くまでに「+マス」「-マス」があり最終的 な得点を競う  途中でイベントマスがあり強制的に停まってミニゲーム などがある  各マスの内容はテーマに沿った"あるある"になっている

4.

「すごろくゲーム」のメリット 遊ぶ人にとって  ルール・ゴールが分かりやすい  興味を持ってもらいやすい  得られる知識が文字情報としてすぐに見られる 作る人にとって  成果物がイメージしやすい  制作に関わる技術があまり要らない(ように見える)

5.

「すごろくゲーム」のデメリット 遊ぶ人にとって  得られるものはほぼ「情報」のみ  プレイに時間がかかる  他人のプレイの間暇になる  1つのストーリーの断片体験になりがち 例えば誰か一人の人生を振り返るすごろくになっ ていると、その人の人生の一部を飛び飛びに体験 する形になる。 良くできているすごろくは 「止まったマスをつなぐことでストーリーを体験 させる」ように設計されていて 止まるマスの計算などにより複数のストーリーか ら切り出した多くの部品を適切に組み込んでいる 作る人にとって  伝えたいメッセージはそのまま書くしかない  丁寧に情報を集める作業量は多め  マスの配分の計算は不確定要素が多く困難  1マス目の内容は、全員が2以上を出すと読まれない 止まったマスをつなぐことでストーリーを体験させる設計 は難しい 

6.

良くある誤解 「人生ゲーム」は 「架空の設定の中のとても良くできたエンタメゲーム」 であって 人生の縮図では無い(お金がすべてなんて誰も思ってない)し いろんな面白いマスを当てはめただけの簡単なゲームでもない

7.

「みんな(多人数)でゲームを作る」 ことのメリット/デメリット メリット  みんなで考えるので一体感が出る  アイデアを出し合うことができる  情報を集めること自体が勉強になる 結局これこそが 「すごろくゲームを作る」こと の最も大きなメリットであり、 その後完成したものが与える影 響などは誤差みたいなものにな ることが多い デメリット  一貫性が無くなり、バラバラの意見の寄せ集めになる  尖った意見を出せず、無難な内容の寄せ集めになる  責任を取る人が必要になり、最後は誰かがほとんど仕上 げることになる

8.

「良いゲーム」 と「ゲームの目的」 【良いゲーム=内容が伝わって、かつ面白いゲーム】 はその通りだが、そこからどうしたらいいか分からない 確実に分かっていることは 【良いゲーム=目的に適ったゲーム】 目的とそのためにゲームに必要なこと ・楽しい雰囲気を作りたい →雰囲気が必要 ・自分事として体験させたい →ロジックが必要 ・新たな気付きを得て学ばせたい→主張が必要 ・etc... 目的のために必要なものを適切に盛り込んでいくことが重要で そのために目的を明確に決めることこそが最も大事 そして、それがゲーム作りで一番難しい(と、私は思っている)

9.

こうすればいいかも(改革案)  すごろくだけだと寂しくてミニゲーム作りがちだが、 そこからすごろくを抜いてミニゲームだけにしたら コンパクトにまとまって面白いかも  「すごろくを作る」方をメインにして、様々な冊子や資 料を集めたり作成したりして イベント内の参加者が学びながら 「良いすごろくを作るゲーム」に仕立てる (+点や-点の点数を考えさせたり配置を考えるゲーム)

10.

こうすればいいかも(対策案)  すごろくの仕組み自体は少数精鋭でさくっと作る  情報の洗い出しだけをまずは多くの人数で分担する  意外性(=お土産)をどこにもたせるかについて全力で アイデアを出し合う  誰かの面白いアイデアに全員が乗っかる形で、尖らせる ex1)多くの良い体験をした人が勝ちのゲームにして「早くゴールする」にもポイントはあるが それよりゆっくり過ごした方が豊かな人生だ、みたいな表現 ex2)サイコロを振って進めるのは誰のコマでも良いというような神の視点でのゲーム 出目ごとにいろんなパターンを考える際に多くのマスを読んで比較検討してもらう 他にも、テーマに合った「面白いワンアイデア」を考えて、それを使うことで ・マスの数を減らし時間を減らす ・出来るだけ多くのマスを読んだり体験してもらう ことを目指すと良くなるかも それもすべて「目的」次第

11.

結論 少なくとも、どうあっても「作った人は勉強になる」ので  作った人が勉強になって  遊ぶ人は元々興味がある人なので、何でも受け入れてくれて  分かりやすいすごろくを遊ぶことで環境として一体感が出来ればよい のであれば、何も考えず想定通りのすごろくを作ればいい それでは「もったいない」と思うのであれば 何を改善したいか目的を考えて 改善できるアイデアを考えましょう。 以上