自己組織化されたチームはどのように育つのか ー マネージャーが支援できること

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August 24, 24

スライド概要

ScrumFest仙台 2024の発表スライドです。
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-sendai-2024/proposal/20351

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Agile / Scrum / Developer / MIMIGURI, Inc.

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

自己組織化されたチームは どのように育つのか ー マネージャーが支援でき ること

2.

お話の背景 これまで 新卒でシステム開発会社に入社 → 炎上案件多数 フリーランス → 炎上案件多数 WEBサービス開発 → 炎上案件多数 基幹システム開発 → 炎上案件多数 コナン並みの炎上遭遇率を誇っている

3.

プロジェクトの炎上が 人の幸せを奪う世界をなくしたい

4.

We cannot solve our problems with the same thinking we used when we created them. アインシュタイン

5.

プロジェクトマネジメントの 経験学習サイクルを回そう

6.

プロジェクト・マネージャーとは 母体組織によって任命された人で、プロジェクト・チームを率 いてプロジェクト目標を達成する責任を負う。プロジェクト・ マネージャーは、成果を上げるためにプロジェクト・チームの 作業を促進し、意図した成果を生むためにプロセスをマネジメ ントするなど、さまざまな職務を遂行する。 PMBOK第7版

7.

プロジェクトの構造 構想 ステーク ホルダー 企画 〜したい 作業 デリバリ 価値実現 〜できた 意思決定 計画 PM チーム ターゲッ ト 計画の調整 デリバリ 作業 使う

8.

プロジェクトの構造 ステークホルダーと 企画 有効な関係を築き 構想 ステーク ホルダー 〜したい 作業 意思決定 デリバリ 価値実現 〜できた 計測をして 計画 PM 成果を出すための 計画を立て チーム ターゲッ ト 計画の調整 適切なアプローチや サイクルを設計し デリバリ デリバリする 作業 計画を実行できるチームを作り 不確実性を考慮し 使う

9.

世界はスーパーPMを求めている p r oj e c t p r oj e c t しが来た! た わ p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t

10.

プロジェクトの構造 現実 ステーク ホルダー 構想 企画 〜したい 作業 意思決定 ステークホルダーと とりあえず目の前の 計画 有効な関係を築き デリバリ 価値実現 やったー! 〜できた 終わったー! 計測をして (忘却) ことをやろう PM 計画の調整 成果を出すための やれることを 計画を立て デリバリして 精一杯やるしかない チーム ユーザ 適切なアプローチや サイクルを設計し デリバリ 作業 なんとか 切り抜けよう 計画を実行できるチームを作り 複雑さ不確実さ曖昧さと変動性を考慮し 使う

11.

プロジェクト成功のために重要な要素 プロジェクトによっては、プロジェクト・チームが自己組織化し自己管理する分権的な調 整が向いている。また、任命されたプロジェクト・マネージャーまたは同様の役割を持つ 人のリーダーシップと指導による集権的な調整が向いているプロジェクトもある。集権的 な調整がなされたプロジェクトでも、自己組織化したプロジェクト・チームを作業の一部 に取り込むことで、さらにベネフィットを得られることもありうる。どのように調整がな されるにせよ、支援型リーダーシップ・モデル、およびプロジェクト・チームとその他の ステークホルダーとの継続的で有意義な関わりが、成果の達成を支える。プロジェクトが どのように調整されるにせよ、プロジェクト・チームの集団としての作業が、成果、ベネ フィット、価値を実現する。 PMBOK第7版

12.

自己組織化したプロジェクト・チーム

13.

自己組織化したプロジェクト・チームとは オーナーシップの共有 すべてのメンバーがビジョンと目標を理解していること。 チームはプロジェクトの成果物と成果に責任を持っていること。 パフォーマンスの高いチーム 互いに信頼し合い協働していること。 チームは変化する状況に適応し、課題に直面しても回復力を発揮できること。 チームやメンバーは権限を与えられ、認められていること。 適切なリーダーシップと人間関係のスキルが全てのメンバー によって実践されている メンバーは、クリティカルシンキングと人間関係のスキルを適用していること。 メンバーのリーダーシップ・スタイルは、プロジェクトの状況と環境に適していること。

14.

PMのチーム・パフォーマンスに関する役割 この領域では、多様な個人を集めて高いパフォーマンスのプロジェクト・チームに発展さ せるための文化と環境を確立する。 これには、プロジェクト・チームの育成を促進し、すべてのプロジェクト・チーム・メン バーからのリーダーシップ行動を奨励するために必要な活動を認識することも含まれる。 PMBOK第7版

15.

文化と環境を確立する どうやって?

16.

ここから! 自己組織化されたチームは どのように育つのか ー マネージャーが支援でき ること

17.

マネージャーの定義 ここでは、PM(プロジェクトマネージャー)と、PMをアサインする社内のマネージャー を想定している。 大抵の場合、アサインされたPMに権限が与えられておらず、チームを育てる時間捻出や 意思決定ができない。 そのため、自己組織化されたチームを育てることの重要性をPMだけでなく、PMをアサイ ンするその他のマネージャーにも認識し支援してもらいたい、という意図である。

18.

自己組織化の定義 「自己組織化」という言葉は、チームがプロジェクトのビジョンを理解し、成果を得るた めに計画、実行、適応することを表している。 ※ 2020年スクラムガイドからは、「自己組織化」という言葉が「自己管理型」に置き換え られた。 参考:スクラムガイド

19.

明確なビジョン、権限移譲、学習サイクル これが答えだ!

20.

自己組織化されたチームになるためにマネージャーができること 余白をつくり続ける 学習サイクルが回るよう助ける ビジョンを伝え続ける 情報の流れをシンプル&オープンにする チームを好きになる

21.

ビジョンを伝え続ける どうやって?

22.

ビジョンを伝え続ける チームがプロジェクトの全体地図を把握できるようにする キックオフなどで、チームが自分の領域だけでなくプロジェクト全体を理解できるよう な伝え方をする プロジェクト全体と、チームの立ち位置や役割を明確に伝え、どんな貢献を期待してい るかを伝える 伝え続ける プロジェクト開始時に伝えて終わりにしない。定期的に、プロジェクトの現在地をチーム と一緒に確認する チームメンバーの想いを引き出すコミュニケーションを行い、ビジョンが伝わっているか 確認をする

23.

メンバーの気持ちを引き出すチェックインの例 チームメンバーの 本当の気持ちを知りたい 時に使うと効果的!

24.

情報の流れをシンプル&オープンにする どうやって?

25.

情報の流れをシンプル&オープンにする 考えてるのは君だけじゃない、みんな何かしら考えてる 情報の要否を、勝手に決めない。 プロジェクト内でカレンダーを共有し、自由に出入りできるようにする。 会議録画を共有し、意思決定に関わらないメンバーでも情報をキャッチできるようにする。 情報に辿り着きやすくする チームメンバーの全員がツールにアクセスできるようにする。 複数のチャットツールや情報管理ツールを、なるべく使わない。

26.

余白をつくり続ける どうやって?

27.

余白をつくり続ける 必要なマインド 余白がない状態を心地良く感じる誘惑を断ち切る 断固とした決意と勇気を持つ(周囲からの反対があるかもしれないが頑張る) 無駄なプロセスと価値の低いタスクを、やめる チームの仕事を可視化する 優先順位をつけ直す 仕事が完了するまでのフローを可視化する 無駄なプロセスをなくす 定期的にプロセスの監視とタスクの整理を行う

28.

余白づくりを成功につなげるためのコミュニケ ーション チームと一緒にやる。チームが継続的に自分たちで余白をキープできるようにする。 プロジェクト内部で反対しそうな人と、あらかじめ良好な関係を築いておく。プロジェク ト成功のために、チームの学習サイクルが大きく貢献することを十分に説明し、PMとして の決意を表明しておくと意思決定を任せてくれた、協力してくれる場合がある。 プロジェクト外部(社内の上司など)であーだこーだ言う人には、お伺いを立てない。決 まったことを定期報告しておくくらいの薄い関係性を築いておく。 顧客には余白の必要性を隠さず伝える。結果的にどのように顧客価値につながるかを丁寧 に説明する。なんなら、顧客も学習に巻き込む機会を作っても良い。 チームメンバーから反対意見が起こった時は、誠実に真摯に対応する。反対意見に耳を傾 けると同時に、PMとして何を実現したいのか、どんなチームにしたいのか、なぜこの取り 組みをしているのかを、丁寧に説明する。

29.

学習サイクルが回るよう助ける どうやって?

30.

学習サイクルが回るよう助ける 小さな作業に分解し、作業間にふりかえりを入れる 少しずつ上手くなっていくためのサイクルをつくる 小さく試した後に、ふりかえりをして、より良いやり方を探す チームにやり方を変える権限を移譲する チームが誰かの許可を求めなくても、やり方を変えれるようにしておく ツール類の権限が不足していることにより、やり方を縛られることがないようにしておく チームが学習サイクルを意識するよう継続的に促す デイリーで朝会などを設定し、新たなリスクが生まれていないか、余白が保たれている か、より良いやり方を探せているかを相互に確認できるようにする

31.

チームを好きになる どうして?

32.

チームを好きになる チームメンバーが最大限コミットしていることを信じている 業務上の関係から、個人として認め合う関係への変化 成果を出すために、率直かつ正直に話せる関係性を築く 一緒に時間を過ごす 成果に向けて、「課題 vs わたしたち」の文化をつくる PM視点の課題と、メンバー視点の課題を共有する 「PMの仕事」「メンバーの仕事」に線を引きすぎない チーム内の仕事を「わたしの仕事」「あなたの仕事」に線を引きすぎない 一緒に仕事をすることで、関係性を深めることにも良い影響を及ぼす チームを育てることをあきらめない 一朝一夕で変化は訪れないことを知っておく

33.

ビジョンを伝え続ける 情報の流れをシンプル&オープンにする 余白をつくり続ける 学習サイクルが回るよう助ける チームを好きになる

34.

PMの明るい未来のために p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t チームを育てよう

35.

PMは片手間で出来るほど楽ではない p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t p r oj e c t ○%アサインに慎重になろう

36.

人がプロジェクトを推進する このプロジェクトは有期的かもしれないけれど 関わる人の人生はずっと続いている だから炎上させないためにできることはやろう 変化が必要なら行動を起こそう PMとチームで一緒にプロジェクトを成功させよう そのためにチームを育てよう 社内のマネージャーはPMとチームを支援しよう

37.

ご清聴ありがとうございました おわり