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October 24, 18
スライド概要
2018/9/22に開催された_の講演スライドです。
講師:安原 広和(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社)
Unityのイベント資料はこちらから:
https://www.slideshare.net/UnityTechnologiesJapan/clipboards
リアルタイム3Dコンテンツを制作・運用するための世界的にリードするプラットフォームである「Unity」の日本国内における販売、サポート、コミュニティ活動、研究開発、教育支援を行っています。ゲーム開発者からアーティスト、建築家、自動車デザイナー、映画製作者など、さまざまなクリエイターがUnityを使い想像力を発揮しています。
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Unity道場 幕張スペシャル 「あそびのデザイン講座」 - Education編 Unity Technologies Japan 安原広和 2
あそびのデザイン講座の紹介 http://response.unity3d.com/jp-asobi-design 3
拙著「あそびのデザイン講座」はUnityを用いて「おもしろい、たのしい」を軸に 「ゲームデザイン」を解き明かし、教育の現場で実践・体験を行いながら学ぶ教材です。 今回は自らが大学の演習授業で「あそびのデザイン講座」を使った授業を行った事例を紹介しながら、 授業を通して得られた様々な知見、実践する際の注意点や改善点をご報告いたします。 ・「あそびのデザイン講座」を使って授業を行いたい方 ・Unityを使った授業を行いたい方 ・授業の実践に興味のある方 ・Unityの授業を実践した際の事例や注意点 【Unite 2018 Tokyo】Unityのエデュケーション計画と認定試験+あそびのデザイン講座 https://www.youtube.com/watch?v=Ni42XyI4uc4 (この講演スライドも後ほどアップされる予定です) 4
勤務する大学のプロジェクト演習 「ゲームデザイン」の講義で 「あそびのデザイン講座」を使ってみました 授業を通して得られた様々な知見、実践する際の注意点や 改善点をシェアさせていただきます 5
自己紹介 安原広和 ( Yasuhara Hirokazu ) ・経歴 セガエンタープライゼズ社にて「Sonic The Hedgehog」を手掛けたのち渡米、NaughtyDog社にて「Jak and Daxter」「Uncharted」を制作、北米ナムコバンダイ社、北米任天堂にてゲーム制作に携わる 現在Unity Technologies Japanで教育関連事業に従事しつつ現在、東京工科大学特任准教授 6
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勤務する東京工科大学メディア学部において プロジェクト演習「ゲームデザイン」の前期講義で 「あそびのデザイン講座」のスキームを使って授業を行いました 8
履修者の内訳 参加学生数 ・履修学生 聴講15名 履修15名 ・・最終的には5名程度 2年生 9名 3年生 6名 Unity ほぼ未経験 Unity ほぼ既習者 ・・皆勤 9
Unityの経験者の3年生に聞いてみました 今どんなことできる? ・ アセットストアからオブジェクト持ってくる ・ キャラクターをフィールド上で移動させる ・ 攻撃してエネミーを消す もう、初心者の「Unity完全に理解した」レベル! 10
ほぼUnity未経験者の2年生に聞いてみました Unityを学びたい? ・すごく学びたい!! もう、頑張らせるしかない! 11
Unityの基本的な機能と「キャラクター操作」することができる学生 そして、半数以上のUnityを触ったことがない学生の混在するクラス 「あそびのデザイン講座」は「ゲームって何?」という 初心者ユーザーも対象にして作ったものなので、 「ゲームを作りたい!」という意欲ある学生にそのまま 第1回から順番に使う必要は、ありません 12
方針 Unityを触ったことがない学生にはチャレンジングな内容 Unityを触ったことのある学生には基本の復習とその応用を期待 「自由に動くプレイヤー」をつくることから始めて、 「あそびのデザイン」の講義を順番に差しこみ直して、 大学演習授業用カリキュラムを作りました 13
「あそびのデザイン講座」の内容テーマ アクション ピタゴラ装置 0、 1、 2、 3、 4、 「イントロ」 「Unityを使って「たのしい」を作ろう!」 「Unityの操作をしよう」 「インターラクション」 「目と耳で感じるインターラクション」 ピンボール台 12、 13、 14、 15、 16、 17、 5、 6、 7、 8、 9、 10、 11、 「プレイヤーをつくろう」 「リプレイ」 「おしまい」をつくろう」 「UIの表示」 「あそびと時間」 「リザルト」 と「ハイスコア」 「シーケンス」 18、 *「スキルとレベルアップ」 19、 *「マルチプレイ」 20、 *「VR/ARにしてみよう」 「自由に動くプレイヤー」 「演出効果・パーティクル」 「偶然とめまい」 「ライバルとエネミー」 「プレイヤーの攻撃とアイテム」 「いろいろなカメラ」 14
前期ゲームデザイン講義カリキュラム 1、「たのしいをつくろう」 2、「一人あそび2人あそび」 3、「ゲームの構成要素」 4、「プレーヤーを招くもの」 5、「ごほうびのいろいろ」 6、「ゲームのはじまり」 7、「移動するものータイミング」 8、「ゴール あそびのおしまい」 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 全15回でUnityを学びながら3D アクションゲームの基礎を 網羅するカリキュラムをデザインしました 15
ここでは、各回の「作例動画」を順番にお見せしながら 各回の「Tip」をシェアします 講義内容は「あそびのデザイン講座」に 書かれているものと同じです 16
「授業の進め方」 実際に行った演習の授業での「Tip」をお話しします 17
初回ガイダンス 「たのしいをつくろう」 「ゲームをつくりたいです」 聞いてみると「ストーリー」を話す学生が多いです それは「シナリオ」であって「ゲーム」ではありません 「ゲームデザイン」って何だろう? 18
「ゲーム」の「メタ化」をしてもらいます レースゲーム 2D スクロール 「好きなゲーム」をキューブ だけで表現してみよう! 3D Action 19
多くのアクションゲームは 「カーソルのコリジョンを取りあうあそび」 格闘対戦 FPS カードバトル 20
・・ということで「1つのキューブ」からゲームをつくります よろしく これを動かすことから始めました 21
キー入力でオブジェクトのpositionを変化させて動かします たったUpdate()に1行書くだけで、動かすことができます public float speed = 0.2f; // 移動方向へ加える力の値 void Update() { this.transform.position += new Vector3(Input.GetAxis("Horizontal") * speed, 0, Input.GetAxis("Vertical") * speed); } 22
物理計算(AddForce)で動かす方法も後から教えました
物体を動かすプログラムは一つでないことをみせました
rB = this.GetComponent<Rigidbody>();
moveDirection = Vector3.zero;
float x = Input.GetAxis("Horizontal");
float z = Input.GetAxis("Vertical");
moveDirection = new Vector3(x * speed, 0, z * speed);
//xキー入力
//zキー入力
rB.AddForce(moveDirection.x - rB.velocity.x * brake, 0, moveDirection.z - rB.velocity.z * brake, ForceMode.Impulse);
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動かした時の挙動を比べてみます 物体にはRigidbodyを入れてあります 動かすプログラムは一つでないことをみせました AddForce transform.position どちらが「正しい」という基準ではなく、 自分の作りたいものに合わせて選択することが大切だということです 24
「目的地」を作る授業では目標(ゴール)となるオブジェクトを置きます ここで「ProBuilder」を教えました ・キューブだけの世界に、シンプルでユニークな形のモノがあると それだけで、「目標」を誕生させることができます ・学生が考えた世界を、単純なレベルを作ることで具体的に表現できます 25
目的地や目標となるオブジェクトを配置して、 そのゴールまでの道のりを考えてもらいます ・その道のりを考えると、自然にストーリーを考えることになります (第一回の球を転がすピタゴタスイッチの応用版です) ・そして、説明する前に他の学生(初見)に見せて、どんな「道のり」やストーリーなのかを 見ただけで、作者に伝えてもらいます。 ・単純な「記号」の配列で、どのくらい伝えることができるのか実践してもらいました 26
講義後半は動くキャラクターとのインタラクションを Unityで実際に作っていく課題になります 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 競争 偶然 めまい 「競争」「偶然」「めまい」「模倣」 を自分のレベルに作っていこう! 模倣 27
「偶然とめまい」 はじき返すオブジェクト 黄色い「ゴムの木」に当たってゴール 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 偶然 めまい 「偶然」「めまい」の要素がプレイヤーに 予想してなかった方法でゴールをもたらします 28
「偶然とめまい」 ジャンプパッド 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 偶然 めまい ジャンプパッドをいれるとあそびにリズム感がでます それが「スキル(技)」につながって行きます 29
「競争とライバル」 NavMeshの学習 丸い形のライバルをつくります 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 まるい奴 相手の追いかけるスピードも あそびながらバランスよく調整します 30
「競争とライバル」 索敵するエネミー 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 こっち来た! OnTriggerEnterで索敵するようにできます 相手の追いかけるスピードも あそびながらバランスよく調整します 31
「攻撃」 索敵して攻撃するエネミー プレイして弾を発射することを確認します 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 弾の出方や方向がおかしい場合、出現した弾が 砲台のオブジェクトに当たっている可能性があります 発生させる「空のオブジェクト」の位置を調整してみましょう 32
「攻撃」 索敵して向きを変えて攻撃するエネミー 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 実際にプレイして砲台がプレイヤーが 近づくと回転して弾を発射するかを確認します 33
「アイテムと防御」 プレイヤーに「向き」を与えます 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 進行方向を明確にします 34
「アイテムと防御」 シールドの向きを変えて防御 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 シールドを回して弾をよけます 35
「アイテムと防御」 シールドの向きを変えて防御 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 シフトキーでシールドごと 平行移動できるのを確認します 36
アイテムを取るとシールドが着くことを確認します 「アイテムと防御」 アイテムを拾う この方法で、「カギ」と「扉」なども作ることが可能です 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 何かある! いままでのギミックを使った「不安」と「安心」、「競争」、 「偶然」、「めまい」、「模倣」、などの要素を含んだ、相 手の攻撃、プレイヤーの防御、 アイテムを手に入れるという戦略を使うレベルをつくります 37
「カメラのいろいろ」 カメラがゲームを規定する 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 見やすい位置にカメラを切り替えるだけでなく あそびの臨場感を高めることにも使えます 38
1980年代の コンシューマ機 Top Down View 2Dゲーム 2D Side Scroll 2Dアクション 1990年代の コンシューマ機 Fixed Angle Bird’s eye View Switching & Fixed Camera View 39
「カメラのいろいろ」 カメラがゲームを規定する Thirtd Person View 9、「カイヨワのあそびの要素」 10、「ひとの習性・競争」 11、「偶然とめまい」 12、「競争とライバル」 13、「攻撃」 14、「アイテムと防御」 15、「カメラのいろいろ」 見える画角、動く様子を確認して、 回頭スピードなどを調整します 40 40
作例 エネミーとの駆け引きをしながら、同じ色のスイッチにタッチして カギを開けゴールへの道を出現させるあそびです 41
授業の流れ 90分の授業時間をこのように使いました 25~30分 :提出された課題の発表と評価 20~30分 :ゲームデザインの講義 40~45分 :Unityの実習 :Unityの実習と個別の質問 「先生、なぜかUnityが動きません!」 5分 :来週までの課題の説明 42
授業での「Unity」対策 C#スクリプトをプリントアウトしてその場で配りました 25~30分 :提出された課題の発表と評価 20~30分 :ゲームデザインの講義 40~45分 :UnityのプリントをみながらC#の実習 5分 :来週までの課題の説明 43
・ProBuilder ・Recorder ・Particle Pack ちょっとした形を作るだけでなく、本 格的なレベルも造形可能な初心者から 使える万能モデリングツール Unity上のプレイ画面を簡単に録画 するツール 本格的なパーティクルアセットを 手軽に導入できます 44
・SoundEffect ・Cinemachine Sound Effect タダのモノもありますが著作権を 放棄していないものがありますので 二次使用する場合など注意が必要です カメラを演出に合わせて移動させる だけでなく、2D,3D,FPSなど多彩な カメラ位置を実現するツール 45
続 あそびのデザイン講座 Unity道場 幕張スペシャル - Education編 - ありがとうございました 46
あそびのデザイン講座 http://response.unity3d.com/jp-asobi-design 47