IoT/クラウドロボティクス時代の仮想シミュレーション環境・箱庭のご紹介

104 Views

October 19, 20

スライド概要

ロボット開発は,IoT/クラウド時代に入り,様々な機器が絡んだ複雑なシステムと向き合う必要があります.TOPPERSプロジェクトでは,このようなシステムを手軽にシミュレーションできる環境である「箱庭」の構築に取り組んでいます.本発表では,「箱庭」で掲げるコンセプトを実証するプロトタイプ・モデルの開発状況を紹介し,その応用事例として,組込みロボット教育向けのシミュレーション環境について紹介します.本シミュレーション環境では,Unityを積極的に採用し,ライントレース等のロボット演習を実施可能な素材をオープンソースで公開しています.オンラインで組込みロボット教育を検討されておられる方には必見です!

PV(23分44秒~)はこちらから視聴できます。
https://www.facebook.com/kit.robotics/posts/1509067102637603

profile-image

リアルタイム3Dコンテンツを制作・運用するための世界的にリードするプラットフォームである「Unity」の日本国内における販売、サポート、コミュニティ活動、研究開発、教育支援を行っています。ゲーム開発者からアーティスト、建築家、自動車デザイナー、映画製作者など、さまざまなクリエイターがUnityを使い想像力を発揮しています。

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

IoT/クラウドロボティクス時代の 仮想シミュレーション環境 箱庭のご紹介 森 高瀬 崇 (永和システムマネジメント) 英希 (京都大学/JSTさきがけ)

2.

アジェンダ — IoT/クラウド時代に求められる次世代シミュレーション環境と 箱庭プラットフォーム — 箱庭のプロトタイプモデル — 箱庭WGの活動実績 — おわりに 2

3.

IoTシステム構築時の課題(自動運転の例) 例えば自動運転システムでは,,, 様々な分野の技術領域を横断 している! センサ系 クラウド系 Web系 自動運転制御系 ネットワーク系 エレキ系 車載系 交通サービス系 ECU制御系 3

4.

IoTシステム構築時の課題 — 問題発生経路の複雑化 — 全体結合しないと見えない問題が多数潜んでいる — 様々な機器間の整合性を取れない — 原因調査の複雑化 — どこで何がおこっているのか調査困難 — そもそもデバッグすること自体が難しい — 実証実験のコスト増 — 実証実験は手軽に実施できない — 各分野のエンジニアの総動員 — 手間,時間,費用がかかる ネットワーク系 車載系 4

5.

IoTサービス構築時の課題(ロボットの例) [ロボットサービス開発] ・ロボットの組み合わせ方 ・実物のロボット準備の手間 ・いろいろ試せない ロボットサービス開発 どうやって動かす? 作りたいロボットサービス [ロボットシステム開発] ・頻繁に変わる要件 ・変更適用に時間がかかる ・実証実験時のトラブル多発 変更に時間がかかる ロボットサービス群 要件が頻繁に変わる システム要件 ロボットシステム開発 5 結合トラブルが頻発する 実証実験

6.

『箱庭』の狙いとコンセプト — 箱の中に,様々なモノをみんなの好みで配置して,いろいろ試せる! ・仮想環境上(箱庭)でIoT/自動運転システムを開発する — ⇒ 各分野のソフトウェアを持ち寄って,机上で全体結合&実証実験! 自動運転制御系 エンジニア ネットワーク系 エンジニア クラウド系 エンジニア Web系エンジニア ECU制御系 エンジニア 6

7.

箱庭のユースケース 配車ア プリ エンジニアが集まって手軽に全体結合/問題早期検出できる 配車 サービス 机上環境で車両全体を制御できているか 確認できる 運用 サービス 机上で自動運転アルゴリ ズム検証できる 車両の動作確認しながら アプリ操作感を確認できる アップロード 通信 机上で他システムと連携 確認できる ECU 制御 箱庭アセット 走行環境 自動運転 制御 組込み制御 エンジニア アセット配置 エッジサーバー 制御系 エンジニア 運用ア プリ Web系エンジニア クラウド系エンジニア 歩行者 車両力学 サーバー 車両PC 仮想マイコン 7 様々なアセットを利用して,いろいろ試せる 箱庭アセット・サービス

8.

箱庭アーキテクチャ ■箱庭ドメイン・サービス 様々な分野への適応を目指す 車載系 家電系 航空・ 宇宙 物流系 ロボット 箱庭ドメイン・サービス ■箱庭コア 箱庭固有のシミュレーション技術をコア技術化 Hakoniwa Engine ■サードパーティ 既存のサードパーティ製で出来ていることは 積極的に利用する サード パーティ (クラウド) Simulink サード パーティ (可視化) 箱庭コア ■箱庭アセット・サービス アセットを自由に配置していろいろ試せる シミュレーション内の登場物を箱庭アセット化し アセット数拡充を目指す 箱庭アセット・サービス RTOS 8

9.

複雑なシステムを仮想環境で動作させるための仕組み 可視化 シミュレー ション時間 可視化ツール コンポーネント化 マイコン シミュレータ アセット 箱庭 コア アセット スケジューリング アセット管理 時間管理 同期・通信 物理シミュレータ テスト実行管理 シナリオ シミュレーション時間 9 自動化

10.

『箱庭』を構成する主要な技術要素 組込みマイコン シミュレータ 組込みマイコン向け ROS 1ノード実行環境 Athrill リアルタイム3D開発 プラットフォーム 分散ロボット/IoT向け ネットワークフレームワーク IoT/クラウドロボティクス時代の 次世代シミュレーション環境 10

11.

様々な領域の技術者をつなぐエコシステムを実現するための仕組み システム開発者 全体結合シミュレーション環境 箱庭コア技術 アセット 提供 箱庭WG成果物 箱庭アセット 開発者/提供者 11 クラウド技術 アセット 利用料 スケジューリング/同期・通信/ 時間管理/アセット管理 色々 試せる 改善要望の 早期リリース サービス開発者 手軽に試 せる スケール 向上 検査 自動化 問題早期 検出 可視化技術 サービス要件の 早期キャッチアップ サードパーティ成果物

12.

アジェンダ — IoT/クラウド時代に求められる次世代シミュレーション環境と 箱庭プラットフォーム — 箱庭のプロトタイプモデル — 箱庭WGの活動実績 — おわりに 12

13.

箱庭のプロトタイプモデル — 箱庭コンセプトの立証と技術研鑽のために, 以下の3つのプロトタイプモデルの開発に取り組んでいます – A: 単体ロボット向けシミュレータ – B: ROS・マルチECU向けシミュレータ – C: ロボット間協調動作向けシミュレータ 13

14.

箱庭のプロトタイプモデルの開発状況 プロトタイプモデル 技術調査 実装 動作確認 配布 〇 〇 〇 〇 EV3RTの教育向け活用に興味のある方, ETロボコンへの参加を検討される方向けに公開中 △ △ △ × 仮想マイコン(docker/athrill/mROS)とUnity間連携完了 FPGA/GPUおよびLinux(QEMU)との連携方法を検討予定 △ △ × RDBOXとの連携方法/デモ内容等について構想検討中 14 ×

15.

単体ロボット向けシミュレータの活動実績紹介 — — — — 単体ロボット向けシミュレータとは 単体ロボット向けシミュレータ・デモ オンライン組込みロボット教育 事例紹介 ロボット教育向けビジネス・エコシステムの構想 15

16.

単体ロボット向けシミュレータとは ■狙い Unity上のロボット(1個)と仮想マイコンを連携させたシミュレーションの実現 制御処理(C/C++) ■構成要素 ー ロボット本体 ・モータ/センサ等 ー ロボットを制御するマイコン ・RTOSおよびロボット制御が動きます ー 外部環境 ・走行コース/障害物等 マイコン・シミュレータ EV3RT 超音波センサ ASP3/ASP athrill モーター カラーセンサ ■広報活動 センサ用ライト ー ETロボコンユーザ層に箱庭を広める ー ロボット教育演習での活用 16

17.

単体ロボット向けシミュレータ・デモ ■ロボット教育演習課題(例) ー フロアの色,障害物までの距離を 各種センサで検出して,ゴールま でたどり着こう ー ロボットの内部状態でLED カラーで変化させてみよう 障害物 走行ルート ー 地面に落ちているボールを 運んでみよう ボール (運べるか?) ゴール LEDカラー 17

18.

単体ロボット向けシミュレータ・デモ ■演習実施結果(例) 本演習用教材は順次箱庭Webサ イトで公開していきます! デモ動画: practice1.gif 18

19.

オンライン組込みロボット教育 — 久保秋 真 様 – — 事例紹介 株式会社チェンジビジョン シニア・コンサルタント 出村 公成 様 – 金沢工業大学ロボティクス学科 教授・博士(工学) 19

20.

久保秋 真 様(株式会社チェンジビジョン シニア・コンサルタント) — これまでのロボット教育演習 企業向け/大学様※向けに,実機としてLEGO MindStormsを使った講義・研修をご担当 ※日本大学,早稲田大学,関東学院大学,トップエスイー等々 — 演習内容 組込み機器を使ったシステムのソフトウェア設計,UMLによるモデル図作成などを演習 – グループワーク(数名単位)で1台のロボットを利用 荷物運搬システム 大学周辺の観光スポット遊覧システム 20

21.

コロナ禍での課題 — これまでのようにグループワークはできなくなった — 在宅受講の学生各自にロボットを配布するのは負担が大きい! 学生は大学/在宅での受講を選択可/どちらにも対応できる必要がある! グループワークできない! 学生各自に配布するのは負担大! 21

22.

箱庭を活用したオンラインロボット教育演習(設計中) 教育担当者 シミュレータ (Unity) 教育コンテンツ配布 課題評価 講義 動画 配信 オンライン・コミュニケーション環境(Zoom等) 受 講 演習教材共有環境 (GitLab等) 受 講 受 講 受講者 受講者 受講者 シミュレータ (Unity) シミュレータ (Unity) シミュレータ (Unity) 課題提出 教育コンテンツ取得 ロボットを動作させる演習はシミュレータ上で実施 (シミュレーション実行結果を動画配信) 9~10月中にオンライン講義・演習実施予定 22

23.

出村 公成 様(金沢工業大学ロボティクス学科 教授・博士(工学)) — ロボット教育演習 金沢工業大学ロボティクス学科にて,ETロボコンをテーマとしたプロジェクト型学習をご担当 – 科目名:プロジェクトデザイン実践(対象は2年生,約100名) — 演習内容 – グループワーク(数名単位)で1台のロボットを利用 – LEGO MindStormsを利用したC言語での組込みプログラミング – リアルタイムOS/EV3RTを利用 – 様々なセンサを利用したロボット制御 – サウンドを出して音楽を奏でる 23

24.

プロジェクトデザイン実践: LEGO EV3RTシミュレータができるまで ETロボコン2020 オンライン開催 コロナ 学生が集まった 演習ができない!! 単体ロボット向け シミュレータ TOPPERS オープンソース 参加者しか 利用できない FutureKreate×箱庭 ETロボコン シミュレータ FutureKreate シミュレータ LCD・サウンド を実装 LCD・サウンド は未実装 <プロジェクトデザイン実践> LEGO EV3RTシミュレータ 24 Unityベース シミュレータ

25.

演習教材 — FutureKreate×箱庭 (LEGO EV3RTシミュレータ) – Athrill/RTOS/EV3RT/Unity連携 – 組込みリアルタイム制御によりシミュレータで音を奏でることができる!! — 9月からオンライン演習開始 – シミュレータでリアルタイムOSのEV3RTを使いLEGOマインドストーム LCDとサウンドを含めたアプリ開発をするプロジェクト型学習 – 世界初!!! 25

26.

プロモーションビデオ動画: video-1601175677.mp4 26

27.

ロボット教育向けビジネス・エコシステムの構想 ユーザ 協力企業さま ロボット 教育コンテンツ ロボット教育サービス 提供企業 箱庭アセット提供企業 カスタマイズ/サポート等 箱庭WG活動 コア技術 開発 箱庭WG活動 サービス/ 製品化 Athrill/ mROS 大学/企業さま向け [学べる事] ・組込み開発におけるモデルの意義・価値 ・モデル(UML)を使ったソフトウェア開発 ・モデルとコード(プログラム)の対応づけ 技術 提供 箱庭資産(シーズ) ※Athrill/mROS 提供 教育機関(大学等) 提供 ロボット教育 機能拡張/品質改善 フィードバック 27

28.

おわりに — でっかく語って,少しずつ育てております! – https://toppers.github.io/hakoniwa/ — 箱庭WGの狙い・趣旨にご賛同いただける方の 参画をお待ちしております!! – まずはSlackでの議論,活動内容へのご要望, コア技術や各アセットの開発,などに参加したい方 – 箱庭WGの活動で期待される技術成果を活用したい方 – 製品開発に展開してみたい方 よろしくお願いいたします!! 28