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July 16, 25
スライド概要
YouTubeで公開した動画に使用した投影資料の共有です(2024/6/29公開)。
■動画の内容
M&A業者との契約の中でもトラブルが多い「テール条項」。
十分チェックせず契約をしたばかりに、大きな後悔をしている売り手も少なくありません。
テール条項でのよくある問題を3つまとめました。
さらに中小M&Aガイドラインへの提言もご紹介しています。
■動画URL
【初心者は見落としがち】M&A業者の「テール条項」悪用トラブル3選|M&Aガイド(30分5秒)
https://youtu.be/qyxKwH3e05g
■出演者
古旗淳一(公認会計士・税理士)
株式会社STRコンサルティング代表取締役
買い手企業担当者としてのバックグラウンドを生かし、独立後は数多くのM&Aの相談に対応。
専門家としての知識と現実的な実務経験、最新の現場情報を踏まえてわかりやすく解説します。
公認会計士・税理士が中小企業M&Aのセカンドオピニオンサービスを提供するコンサルティング会社です。 普段はYouTubeでM&Aの基礎知識やノウハウを発信しています。 https://www.youtube.com/@STR-MA
M&A仲介とのトラブル多発! 「テール条項」の問題点を徹底解説
今回のテーマ テール条項
M&A業者との契約書に必ず入っている! 仲介契約 仲介・FAの契約書には ほぼ間違いなく、 テール条項が含まれている
売り手が不利益を被る契約条項なので要注意! あんなテール条項の契約を 結ぶんじゃなかった・・・
あまり確認せず押印していませんか? 書いてあることは よくわかんないんだけど、 弁護士を雇うのも高いし、 まぁ大丈夫だろ!
ドラフトは業者に都合よくできている M&A業者 ファーストドラフトでは まずはウチにとって 都合のいい契約内容で 提示したろ♪ そのまま押印されたらラッキー♪
中でもテール条項は重要です! 後 悔 先 に 立 た ず Warning テール条項は特に後悔する 売り手の多い条項です
実は3年ほど前にも 「テール条項」を解説する動画を出しています その後、弊社のご相談者様から、 新しいタイプのトラブルが多く寄せられています。
中小企業庁でも、現在議論中 中小M&Aガイドライン、 またまた改訂するってよ アコギなトラブルが多いからね~ もし関係者の方が見ていたら 何かの参考にしてください
この動画の内容① テール条項って何? 意味を解説 ➡ 現在の中小M&Aガイドラインで 指摘されている問題点も紹介します
この動画の内容② 弊社に寄せられたリアルな相談 テール条項で 売り手が不当に不利益を被る事例3選
この動画の内容③ 私が 「テール条項はこうしたほうがいい」 と思うこと
テール条項って、何?
テール条項は「業者との契約終了後」の問題 M&A業者 売り手 ん~、残念だけど、 成果ナシなので 契約終了ね。
業者との契約終了後にM&Aが成立すると・・・ 買い手 売り手 なんか話が復活して 買い手さんと 交渉が成立したぞ♪
元々の業者から「成功報酬」が請求される! 元々のM&A業者 成立おめでとうございます。 では、テール条項の契約どおり、 弊社にも成功報酬を お支払いください。 ※他の業者を使っていたら 2重に手数料が発生します
なんでこんなの払わなきゃいけないの? 売り手 契約は終わってるのに なぜ貴様らにまで 金を払わねばならんのだ?
M&A業者の「正当な利益」を守る テール条項 = まっとうなM&Aが 悪質な売り手や買い手に 騙されることを防ぐ契約内容
見せかけの破談で手数料を回避? 買い手 売り手 破談した振り だけして、 契約終了後に 再開しません? そうすりゃ 仲介報酬は 払わなくていい ってかwww
業者的には、至ってフェアな発想です M&A業者 小手先の工夫で 手数料を誤魔化しやがって! 紹介したんだから ちゃんと金を払え!! ➡ そりゃそうだ
国も必要性を理解しているようです 中小M&Aガイドライン(第2版)より (テール条項の説明の後) これは、M&A専門業者が人的・物的コストを費やして(中略)M&A成立直前まで達した際に、譲り渡し側(註:売り手)が当該M&A専門業者の手数料の発生を防ぐため、あえて当該M&A専門業者との契約を終了させ、その後に当該M&Aを実行しようとするケース等を念頭に置かれる規定であり、それ自体は一定の合理性が認められる。 【引用】中小M&Aガイドライン第2版 74頁 下線はSTRコンサルティング
テール条項自体には正当性がある しかし・・・
テール条項自体には正当性がある しかし・・・ トラブルのもとになったり、 トラブルを恐れる売り手さんを 委縮させるケースがよく見られる
事例:売り手が業者に見切りをつけた場合 また 失敗しました(笑) 経験不足ですみません(笑) シロウト業者 お前らとは契約打ち切りだ! 別の業者に乗り換える!! 売り手
後日・・・ 他社を使ってM&Aを成立させたんですね。 テール条項の約束どおり、ウチにもお金払ってください! シロウト業者 5,000万円で~す(笑)
不当な制限なのでは? 売り手 M&A業者の能力不足で 契約を解除しただけなのに、 テール条項が発動するとなると、 自由に動けなくなってしまう!!
中小M&Aガイドラインでは・・・ 中小企業庁 テール条項は限定的に運用されるべき!
限定① 適用される期間の限定 中小M&Aガイドライン(第2版)より (テール条項の必要性の言及の後) しかしながら、テール期間が不当に長期にわたる場合には、その後の譲り渡し側の自由な経営判断を損なうおそれがある。 したがって、テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とすることが望ましい。 【引用】中小M&Aガイドライン第2版 74頁 下線はSTRコンサルティング
要するに「待てば自由になる」ということ 売り手 前の業者と契約解除してから やっと3年※が経過したぞ! 俺はもう自由だ!! ※テール期間は契約書で定められます
限定② テール条項の相手の限定 中小M&Aガイドライン(第2版)より また、テール条項の対象となる事業者を、(中略)無限定とする場合には、譲り渡し側が当該M&A専門業者への手数料の発生(場合によってはこれに関する紛争リスク)を懸念し、新しくM&Aを実行すること自体を断念せざるを得なくなってしまうおそれがある。 したがって、テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側のみに限定すべきである。 【引用】中小M&Aガイドライン第2版 74頁 中略を除く括弧内の記述は原文 下線はSTRコンサルティング
紹介もしていないなら関係ないでしょ M&A業者 ボクは紹介すらしてないけど、 テール期間中なのでお金ください! ➡ こんなのはもちろんダメ
相手方も限定しましょう 中小企業庁 テール条項が発動するのは 以下の相手先とのM&Aに限定すべき! 【両方の条件を満たすこと】 • そのM&A業者が関与・接触した • 売り手に紹介した
まとめ 中小M&Aガイドライン 第2版 テール条項は • 期間は最大2~3年に限定 • 「関与・接触し、紹介した相手先」に限定 とすべし!! ➡ 多くの仲介・FA業者は 守っていると思われます
ガイドライン通りの契約だから、 テール条項をめぐる問題は起きていない!! ・・・かというと、
ガイドライン通りの契約だから、 テール条項をめぐる問題は起きていない!! ・・・かというと、 実は、 めちゃくちゃ起きています 売り手が将来の選択肢を 奪われている
テール条項をめぐって 実際に起きている問題 3選
1つめは、M&A業者の乗り換え後 売り手 前の業者は酷かったけど、 M&A業者を乗り換えたぞ! さぁ、仕切り直しだ!!
テール条項で起きている現実的な問題その①
テール条項で起きている現実的な問題その① テール条項の対象者が、 まだまだ曖昧すぎる
これで完全にトラブルなし・・・? 前のM&A業者 テール条項の対象は、ガイドライン通り、 我々が関与・接触し、売り手に紹介 した買い手さんだけです! そこに売るならお金くださいね!
初めてでは予見が難しいと思いますが・・・ 売り手 あれ・・・? あの買い手候補さんは、 テールの対象になるの?ならないの? ⬆ こういう買い手候補が 大量に出てきます
M&Aの基本的な流れ
M&Aの基本的な流れ どこに打診するか打合せ こんな会社にも 打診してみませんか? M&A業者 うん、よろしく 売り手
M&Aの基本的な流れ どこに打診するか打合せ 匿名情報で関心を探る 東京都で年商10億の とある小売業です! M&A業者 興味あり! 詳細教えて! 買い手
M&Aの基本的な流れ どこに打診するか打合せ 匿名情報で関心を探る 詳細情報を開示する この会社です! 決算内容はこちらです! M&A業者 ふむふむ 買い手
M&Aの基本的な流れ どこに打診するか打合せ 匿名情報で関心を探る 詳細情報を開示する 買い手候補と面談する はじめまして 売り手 はじめまして 買い手
M&Aの基本的な流れ どこに打診するか打合せ 匿名情報で関心を探る 詳細情報を開示する 買い手候補と面談する 希望条件の提示をもらう 6億円で売ってください! 売り手 買い手
では、どこからが対象? どこまで行ったら テールの対象?
では、どこからが対象? これはまぁ、 テール対象でしょうね。
では、どこからが対象? 匿名情報はこちらです!! M&A業者 今は興味ないな 買い手 これはテールの 対象??
これは「関与・接触」かつ「紹介」なのか? M&A業者 候補先として売り手に紹介し 依頼を受けて接触しました!! 匿名の資料を1枚 渡しただけですけど(笑) 声をかけづら なったな・・・ 売り手
これは「接触」になるの? M&A業者 実は知り合いがいなかったので、 代表電話に電話しただけです! 総務の人に門前払いでした! でも、接触は接触ですよね?
こんなトラブルも起こり得る この買い手候補なら、 社長に直接プレゼンできます! 新しいM&A業者 でもそこはテールの 対象かも・・・・ 売り手
さらにその前も・・・? こんな会社にも 打診してみませんか? M&A業者 これも一応「紹介」か?
「関与・接触」とは・・・? M&A業者 たたき台として、 同業者の名前を500社ほど、 とりあえず紙に書いて持ってきました! ⬆ これは紹介??
「関与・接触」とは・・・? M&A業者 実はその買い手候補さん、 先日別件でお会いしていまして もし良い売り物があればというので、 包括的な仲介契約を結んでたんです 御社の話はしてないけどね
私もコジツケっぽい解釈だと思います。 ですが・・・
私もコジツケっぽい解釈だと思います。 ですが・・・ 打合せ資料に名前が載ってれば すべてテールの対象です!! と主張する仲介会社が 実在します
多くの売り手はリスクを避ける 釈然としないけど、 ホントに請求されたら ちょっと払えないし、 そんな大金で揉めたくもないから 怪しい先は候補から外すか・・・
テール条項で起きている現実的な問題その②
テール条項で起きている現実的な問題その② 曖昧なテールの範囲を悪用して、
テール条項で起きている現実的な問題その② 曖昧なテールの範囲を悪用して、 M&A業者が契約を切られないための
テール条項で起きている現実的な問題その② 曖昧なテールの範囲を悪用して、 M&A業者が契約を切られないための 脅しに使っている
脅しで契約を維持しようとする輩も M&A業者 他社に乗り換えてもムダです! 有力な買い手候補はもう、 全部ウチのテール対象ですから!! ウチと契約を切ると 3年間はM&Aできませんよ!!
売り手は業者の虚実を確認できない あの担当者、 「名前が出た買い手候補は すべてウチの顧客」だとか、 「すべての候補に打診済み」 とか言っていたけど、 本当かどうか確認できないな・・・
テール条項で起きている現実的な問題その③
テール条項で起きている現実的な問題その③ 売り手が気付かないところで、 売り手自身がテール条項の 対象になっている
仲介は買い手とも契約している 仲介契約 仲介契約 売り手 M&A仲介業者 買い手
仲介は買い手とも契約している テールのような取り決めあり 仲介契約 仲介契約 売り手 M&A仲介業者 買い手
買い手だけ縛られていることも 仲介契約 仲介契約 売り手 M&A仲介業者 買い手 未契約 契約済 売り手 → 自由 買い手 → テールに縛られている
「強引な営業」で問題になる! 仲介業者 仲介契約はまだ結構です! 先に買い手候補と 会ってみませんか?
「強引な営業」で問題になる! 売り手 未契約でもいいなら 気楽に会えるぞ! ぜひ会ってみよう♪ ➡ 大変なことに
良い買い手だったときが大変 買い手 ぜひ話を進めたいです! でも、ウチはあの仲介経由 でしか買収できないので、 あなたも契約をしてください。
買い手はその仲介経由でしか買収ができない 仲介業者 ウチの手数料は5,000万円です! もうウチを使わない限り、 あの買い手さんには売れませんよ?
テール条項はこうすべき! ガイドラインへの 4つの提言
ガイドラインへの提言①
ガイドラインへの提言① テール条項の制限対象を、 具体的に明記することの義務化
テールの範囲は具体化を義務付けるべき! どこに打診するか打合せ 匿名情報で関心を探る 詳細情報を開示する 買い手候補と面談する 希望条件の提示をもらう トリガーを はっきりさせて!
業界の健全化につながると思います 低質な業者を掴んでしまった売り手が 安心して「仕切り直し」ができるように 不安の余地は少ないほうがいい!
検証できるようにすべき M&A業者 証拠はないけど、 その買い手候補には 関与・接触済みで~す ⬇ 売り手が検証できるほうがよい Ex.トップ面談 売り手への即座の報告が条件 など
ガイドラインへの提言②
ガイドラインへの提言② 「本来あるべき」と考える テール条項の範囲を ガイドラインに明記
本来は民間の話 民間同士の契約に 国が口を出すんじゃねぇ!! ➡ 確かに一理ありますが・・・
でも「片方は初心者」なので問題 M&A業者 皆さんこの契約で納得してますよ? あなたは心配性な人ですねぇ・・・ 売り手 そんなものかも・・・
国が「例示」してはいかが? 中小企業庁 強制じゃないけど、 「テールはトップ面談から」がいいと思う! M&A業者 うまく言いくるめて テールの範囲を広げることが 難しくなっちゃった・・・
ガイドラインへの提言③
ガイドラインへの提言③ M&A業者との契約が終了する際に M&A業者のほうから テールの対象を具体的に通知 しなければならないとする
契約終了時の通知義務 M&A業者 テールの対象は、 A社、B社、C社の3社です。 それ以外は、 ご自由にお探しください。
通知から漏れていたら対象外 M&A業者 D社を含めるのを忘れてました! もちろんD社も対象ですよ? ➡ 通知から漏れていたら 無条件で対象外とする
不満があれば中小企業庁に相談 テール対象は この500社です!! M&A業者 納得できないから 中小企業庁に相談だ! 売り手 早めに白黒 はっきりさせよう!
ガイドラインへの提言④
ガイドラインへの提言④ 仲介を前提とした契約の場合、 テール条項は、 相手方との契約が成立 している場合に限る
アコギな営業を防止する M&A業者 売り手のあなたはまだ 何も契約をしていなくても、 買い手は契約済みなので ウチ抜きではM&Aさせません!! ➡ こんな営業は防ぐべき
そもそも、テールを受ける資格はあるのか? 仲介業者なのに 片方としか 契約出来てないなら それは何の成果にも なってないんじゃない?
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