EBMシステマティックレビューの読み方4(JAMAユーザーズガイド・Alperらのアプローチ)

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EBMシステマティックレビューの読み方4
(JAMAユーザーズガイド・Alperらのアプローチ)
題材:高齢者の根面カリエスへのサホライド塗布
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題材論文:"Controlling caries in exposed root surfaces with silver diamine fluoride: A systematic review with metaanalysis.Oliveira BH, Cunha-Cruz J, Rajendra A, Niederman R.J Am Dent Assoc. 2018 Aug;149(8):671-679.e1. doi:
10.1016/j.adaj.2018.03.028. Epub 2018 May 24.“
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6064675/
ガイド:Montori VM, Ioannidis JP, Jaeschke R, Devereaux PJ, Prasad K, Neumann I, Carrasco-Labra A, Agoritsas T, Hatala R,
Meade MO, Wyer P, Cook DJ, Guyatt G. How to read a systematic review and meta-analysis and apply the results to patient
care: users' guides to the medical literature. JAMA. 2014 Jul;312(2):171-9. (Guide for Appraising and Applying the Results of a
Systematic Reviewand Meta-analysis
アプローチ:Alper BS, Oettgen P, Kunnamo I, et al. Defining certainty of net benefit: a GRADE concept paper. BMJ Open
2019;9:e027445.
https://bmjopen.bmj.com/content/9/6/e027445

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高齢者の根面カリエスにサホライドを使用することは、 世界中の研究から「良い」のか、「悪い」のかを知りたい。 そのため、Oliveiraらのシステマティックレビューを読むこととする。しかし、 システマティックレビューだから、その結果のエビデンスレベルが高いという短 絡的な発想ではいけないことをまず理解してから、この論文とその結果を評価し て、使えるならば臨床判断に使ってみよう。 ここでは、あえて2020年時点までの情報で解説。その後、2021年5月までの情報を追加しました。 その理由は、自分で情報を追加する力をつけて欲しいからです。そうすれば、いつになっても最 新の知識を患者に提供できる医療従事者になれるはずです。

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効果推定値を臨床に考える前に行う2つのステップ ステップ1: SRそのものの作り方は? しっかりと作られてない SR ステップ2: 元となる各研究のバイア SRの質とエビデンスの 臨床判断に使えるの スや症例数、研究間の不 確実性をまとめると? か? 一致や疑問との相違は? ---→ SRの質が低い 得られた結果を使っ てはいけない できの良くない研究や、 各研究結果が不一致 SRの質は高いが、その 得られた結果を使う 中のエビデンスの確実 が臨床判断に使えな 性が低い い可能性がある 良質な研究であり、各研 究結果も一致 SRの質は高く、その中 得られた結果を使う のエビデンスの確実性 ことが十分にできる も高い しっかりと作られたSR

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効果推定値を臨床に考える前に行う2つのステップ ステップ1: SRそのものの作り方は? しっかりと作られてない SR ステップ2: 元となる各研究のバイア SRの質とエビデンスの 臨床判断に使えるの スや症例数、研究間の不 確実性をまとめると? か? 一致や疑問との相違は? ---→ SRの質が低い 得られた結果を使っ てはいけない できの良くない研究や、 各研究結果が不一致 SRの質は高いが、その 得られた結果を使う 中のエビデンスの確実 が臨床判断に使えな 性が低い い可能性がある 良質な研究であり、各研 究結果も一致 SRの質は高く、その中 得られた結果を使う のエビデンスの確実性 ことが十分にできる も高い しっかりと作られたSR

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ステップ1:まず最初に:SRそのものの作り方は? (システマティックレビューそのものの信頼性を評価しよう) 1. わかりやすい臨床の疑問が明確に記載されていますか? ・PICOとして、臨床の疑問がまとめられていること。 解説: 最初の疑問が明確でないと、導き出された結果も、いろいろな条件を一緒にしていたりして、役立 ちません。特に、最近では、PRISMAチェックリストに従って作られていることが望まれます。それ ですと、必ず、PICOが見やすく記載されています。PICOすら見にくい論文は、そもそも作り方がい い加減な可能性が高いはずという決めつけからはいります。

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1. わかりやすい臨床の疑問が明確に記載されていますか? 参加者:年齢を問わず、試験開始時に根面が露出している成人。 介入:任意の環境で任意の医療従事者によって塗布されたSDF溶 液(任意の濃度または回数)。 比較:介入なし、プラセボ、任意の静菌剤または歯科修復材料。 主要アウトカム:製品塗布後少なくとも12ヵ月以内(例えば、 12ヵ月、24ヵ月、30ヵ月以上の追跡調査)に永久歯の露出した 根面に新たな齲蝕病変が発生すること、および既存の齲蝕病変が 停止することとした。 副次評価項目:自己介護者が報告した有害事象、または専門家が 診断した有害事象であった。

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2. 関係する研究の検索は、網羅的に行われていますか? ・MeSHなどを利用した検索式が記載され、言語で制限されてないこと。 解説: たとえば、コクランレビューは、日本語論文も検索し、結果に使われています。最低限のデータ ベースとしてMEDLINE/Embase/Cochraneが含まれているかどうか。すなわち、どれだけ頑張って 探したかの努力が見えることが必要です。

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2. 関係する研究の検索は、網羅的に行われていますか? MEDLINE用に高感度の検索ストラテジーを開発し,後に司書の 協力を得て他のデータベースやオンラインの臨床試験のリポジト リにも適用した(付録)。 データベース-Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL),EMBASE,PubMed経由のMEDLINE,SCOPUS, Web of Science,LILACS,BBO,SciELO-は,2016年4月に, 言語や出版日の制限なしに検索した。進行中の試験の5つの登録 機関(すなわち,ClinicalTrials.gov、Brazilian Register of Clinical Trials、EU Clinical Trials Register、ISRCTN registry and Current Controlled Trials、Australian New Zealand Clinical Trials Register)と、ブラジルの論文・学位論文データ ベースも検索した。すべての検索は2017年7月に更新された。う 蝕の予防または阻止のためのSDFをテーマにしたナラティブレ ビューからのクロスリファレンスを用いて、追加の論文を特定し た。

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2. 関係する研究の検索は、網羅的に行われていますか? Search #1 ("silver diamine fluoride"[Supplementary Concept] OR "silver diamine fluoride"[All Fields]) OR ("silver fluoride"[Supplementary Concept] OR "silver fluoride"[All Fields]) OR ("silver nitrate"[MeSH Terms] OR ("silver"[All Fields] AND "nitrate"[All Fields]) OR "silver nitrate"[All Fields]) OR (("silver"[MeSH Terms] OR "silver"[All Fields]) AND ("nanoparticles"[MeSH Terms] OR "nanoparticles"[All Fields] OR "nanoparticle“ [All Fields])) Search #2 (((((tooth demineralization[MeSH Terms]) OR caries) OR dental decay) OR cavit*) OR tooth remineralization) OR tooth discoloration #1 AND #2 2021/5/3 962件に増えている

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3.採用した研究の選択と評価は、再現性がありますか? ・研究の選択基準が厳密に記載されており、2名で研究選択されていること。 解説: できれば、2人以上の独立した人がサーチしているか、カッパという一致率などの記載があれば良い が、コクランレビューでも、書いてないことが多いですので必須ではありません。少なくとも、選択 基準(含包基準・除外基準)が厳密に定義され、詳細に記載されている必要があります。

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3.採用した研究の選択と評価は、再現性がありますか? トレーニングを受けた後、2人のレビュー担当者が、重複を削除した後に残ったすべて の記録のタイトルと抄録を独自に検討し、どの論文を全文読むべきかを決定しました。 一見、組み入れ基準を満たしていても、抄録がない場合や、タイトルや抄録に十分な情 報がない場合は、論文を入手して読んだ。 日本語と中国語の研究については、その言語に精通した人の協力を得て、掲載の可否を 検討した。 抽出データフォームを作成し,パイロットテストを行った。 2人のレビュー執筆者が,対象としたすべての試験を独立して読み,データを抽出した. また,Cochrane risk of bias toolを用いて,対象としたすべての試験のバイアスのリ スクを独自に評価した。 研究の組み入れや特定の研究のバイアスリスクに関するレビュー担当者間の意見の相違 は,第三の研究者の関与により解決された。 不足している情報や不明瞭な情報を得るために,研究の著者に連絡した.

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4. レビューは、臨床で使いやすい結果として示されていますか? ・フォレストプロットなどが記載されていること。 解説: メタ分析してあるという前提ですが(メタ分析をして無くても、良いSRはある)、結果が見やすく 一般に使われている記載が必要です。結果は、相対危険度などの使いやすい統計量を利用してあるこ とが望ましいです。さらに、メタ分析しているのにフォレストプロットなどの図で表示すらしていな いのは要注意です。

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4. レビューは、臨床で使いやすい結果として示されていますか?

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5. レビューは、効果推定値の確実性の程度が記載されています か? ・GRADEアプローチに従った、エビデンスの質が、メタ分析の結果の横に書かれていること。 解説: メタ分析の数字が一人歩きしないための紐(鎖)として、効果推定値に対する確信性の程度を評価す る必要があります。この評価を、「エビデンスの確実性」と言います。いわゆる、研究デザインのみ で分類したエビデンスレベルではないので注意しましょう。 エビデンスの確実性の評価のための8つのGRADE基準(risk of bias/研究の限界、エビデンスの非直 接性、結果の非一貫性と不精確さ、出版バイアスのリスク、効果の大きさ、用量反応勾配、ありそう な残余交絡・相反バイアス(antagonist bias)の影響)を、用語の違いがあるにしても、明確に記述 してあることが大切です。そして、重要なアウトカムごとにエビデンスの確実性を、4段階(「高」、 「中」、「低」、「非常に低」)評価ならびに等級付けしてあることが大切です。コクランレビュー では必ず行われていますが、行われてないSRも多いです。その場合は、ステップ2で評価します。

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5. レビューは、効果推定値の確実性の程度が記載されています か? 考察は、読まないのですが、ここにエビデンスとあったので引 用。 「偏りのリスクが低い限られたエビデンスによると、SDFはプ ラセボと比較して新しいむし歯病変の発生を防ぐのに有意に効 果があり、FVやCHXワニスと同等以上の効果があることが示さ れています。」 でも、これは、研究に、バイアスのリスクが低いとあるだけで、 効果推定値の確実性でない。すなわち、記載なしです。

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ステップ1:この論文の内容を読む価値があるか? 1. わかりやすい臨床の疑問が明確に記載されていますか? はい・いいえ 2. 関係する研究の検索は、網羅的に行われていますか? はい・いいえ 3.採用した研究の選択と評価は、再現性がありますか? はい・いいえ 4. レビューは、臨床で使いやすい結果として示されていますか? はい・いいえ 5. レビューは、効果推定値の確実性の程度が記載されていますか? はい・いいえ 本システマティックレビューは、丁寧に作られているようです。 よって、内容を読んでみましょう。 まず、その結果(エビデンス)が信頼できるかを評価します。

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効果推定値を臨床に考える前に行う2つのステップ ステップ1: SRそのものの作り方は? しっかりと作られてない SR ステップ2: 元となる各研究のバイア SRの質とエビデンスの 臨床判断に使えるの スや症例数、研究間の不 確実性をまとめると? か? 一致や疑問との相違は? ---→ SRの質が低い 得られた結果を使っ てはいけない できの良くない研究や、 各研究結果が不一致 SRの質は高いが、その 得られた結果を使う 中のエビデンスの確実 が臨床判断に使えな 性が低い い可能性がある 良質な研究であり、各研 究結果も一致 SRの質は高く、その中 得られた結果を使う のエビデンスの確実性 ことが十分にできる も高い しっかりと作られたSR

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ステップ2: 元となる各研究のバイアスや症例数、研究間の不一致や疑問との相違は? (コクランレビューのようにエビデンスの確実性として記載されてあれば、このステップは飛ばす。含ま れる元の各論文のエビデンスの質と記載されていても、これは研究のバイアスのリスクであり、アウト カムのエビデンスの確実性でないことに注意すること。) 6. 論文一つ一つでなく、エビデンス全体(body of evidence)としてバイアスのリスクがど れだけ深刻ですか? ・コクランのrisk of biasのチェックなどが、エビデンス全体として行われていること。 解説: これまで、論文ごとにJadadのスコアなどの評価がなされていました(これがエビデンスの質ではあ りません)。現在では、同じような項目でスコアをつけるのですが、コンセプトが、論文ごとの評価を 行うのでなく、エビデンス全体(body of evidence)として行うため、あるアウトカムにおいて各論文 のrisk of biasを一覧として一つの評価を行います(これもエビデンスの質ではありません)。従来の Jadadのスコアのように論文に対してだけの評価のところを、自分で評価し直してみましょう。各研究 結果の症例数や、Jadadの項目などを考慮すれば、それほど大変な作業でもないはずです。もちろん、 バイアスのリスクが少ないと、最終評価であるエビデンスの確実性の程度は、高くなります。

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6. 論文一つ一つでなく、エビデンス全体(body of evidence) としてバイアスのリスクがどれだけ深刻ですか? 3つの試験は健全に設計、実施、報告されていた。 1つの試験では、割付隠しを除くすべての領域でバイ アスのリスクが低かった。 他の2つの試験では、6つの領域でバイアスのリスクが 低く、2つの領域でバイアスのリスクが不明瞭であっ た。 (図2)

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7. 結果は、研究間で一致していますか? ・結果が研究間で一致しているかどうかを、フォレストプロットなどで検討します。 解説: 結果が一致していることが重要なのは、言うまでもありません。一致していない場合、しっかりと 説明がつくかどうかも重要です。フォレストプロットで確認してみましょう。可能ならば、自分で、 サブグループ分析と感度解析を行うことも良いかもしれません(後知恵・シンプソンのパラドックス などに注意)。もちろん、結果が一致していると、エビデンスの確信性の程度は、高くなります。

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7. 結果は、研究間で一致していますか? すべての研究結果が、サホライド優位になっ ており、研究間のバラツキがない。

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8. 結果は、自分の想定している患者層と同じですか? ・レビューの、PICO(特にPですが)と、自分の想定している患者層が一致しているかをチェックし ます。 解説: 研究で選ばれた患者層は、自分の診療所の患者層と異なることがあります。サブグループにすると、 一致するかもしれませんが、サブグループ解析は、間違いが多くなるので注意しましょう。もちろん、 患者層が一致していると、エビデンスの確信性の程度は、高くなります。

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8. 結果は、自分の想定している患者層と同じですか? これらの被験者は、平均年齢(72.1歳から78.8歳)、う蝕経験の少なさ(すなわち、ベースライ ンの虫歯と充填された根面の平均値は1.1から2.1)、フッ化物入りの水(0.5ppm)を摂取してい る点で類似していた。 すべての試験で、試験群と対照群の両方が、個別の口腔衛生指導(OHI)を受けた。対象となった すべての試験は香港で実施され、SDFを38%の濃度で使用し、プラセボ(すなわち、水またはト ニックウォーター)と比較した。2つの試験では2つの介入グループがあった。 1つの試験では、年1回のSDF塗布と年2回の口腔衛生教育プログラム(OHE)への参加の有無をプ ラセボと比較し、もう1つの試験では、年1回のSDF塗布とヨウ化カリウム(KI)塗布の有無をプラ セボと比較した。また、18の試験では、年1回のSDF塗布と、四半期ごとの1%クロルヘキシジン ワニス(CHX)および5%フッ化ナトリウムワニス(FV)の塗布を比較した。

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9. 報告バイアスの懸念がありますか? ・ファンネルプロットなど、報告バイアスのチェックが行われていること。 解説: たとえば、有意差がなかったからと言って、お蔵入りにしている論文や、害が多くて隠してある論 文がないかを検討する必要があります。ファンネルプロットなどの検討が行われていると良いですが、 行われていなくても、もしかしたら存在するかもしれないという目で考えてみましょう。もちろん、 報告バイアスの可能性が少ないと、エビデンスの確信性の程度は、高くなります。

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9. 報告バイアスの懸念がありますか? ファンネルプロットがなく、不明ではあるが(研究数 が少ないので、逆に検討していたら間違いである)、 頑張って、報告バイアスがないように探しているので、 リスクは低いが、不明ではある。

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10. エビデンスの確実性の程度を上げる因子は、ありますか? ・著しく効果があるとか、用量反応関係があるとかの記述があるか。 解説: 観察研究であっても、著しく効果があったり、用量反応関係が明確であったり、さらに、交絡因子 がエビデンスに良い影響を及ぼしているなどのことがあると、エビデンスの確信性の程度は、高くな ります。

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10. エビデンスの確信性の程度を上げる因子は、ありますか? サホライドの用量での比較もなく、不明であ る。

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エビデンスの効果推定値に対する確実性の程度(エビデンスの質) を理解しよう(中間評価)。 項目 研究デザインは? 評価 ランダム化比較試験 観察研究 バイアスのリスクは? 非常に深刻 深刻 なし 研究間の不一致は? 非常に深刻 深刻 なし 研究と自分の疑問の対象や治療法の違いがあるか? 非常に深刻 深刻 なし 有意差がない・治療の効果がなかったなど、儲からな いので隠すなどの懸念があるか? 非常に深刻 深刻 なし

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エビデンスの効果推定値に対する確実性の程度(エビデンスの質) を理解しよう(中間評価) 。 項目 研究デザインは? 評価 ランダム化比較試験 観察研究 バイアスのリスクは? 非常に深刻 深刻 なし 研究間の不一致は? 非常に深刻 深刻 なし 研究と自分の疑問の対象や治療法の違いがあるか? 非常に深刻 深刻 なし 有意差がない・治療の効果がなかったなど、儲からな いので隠すなどの懸念があるか? 非常に深刻 深刻 なし これらの要因が「あり」なら、効果推定値の95%信頼区間の範囲の推定値の確率分布の幅と形状が不明 となるのが、今回は、良さそうなので、続いて信頼区間が、臨床決断に役立たない程広いかどうかを検 討する。ここで、「あり」がほとんどなら、エビデンスの確実性は「極めて低」となる。

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11. 結果は、どれほど精確ですか? ・結果の信頼区間が、その治療を使う・使わないの判断のどちらも含んでいたら、使って良いのか悪 いのかがわからなくなるので、それを確認する。 解説: そもそも、研究をするには、効果があるという閾値を決定して、その閾値を検出できるだけの症例数 が必要である。しかし、集まった研究の症例数の少ないことが多い。よって、集めた数ですら、必要 な症例数でなければダメである。と言っても、ある程度の症例数があっても信頼区間が広いこともあ る。よって、使う使わないの判断の閾値を含んでいるかどうかを検討する。 A治療を行なう← →B治療を行なう A治療を行う A治療を行なう← →B治療を行なう A治療・B治療どちらが良いかわからない

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11. 結果は、どれほど精確ですか? 正確には、計算が必要だが、歯科で200人以上集めている研究なので、少なくはないと思われる(私見)。 続けて、信頼区間が閾値を挟んでいるかの評価であるが、そのためには、そもそも、アウトカムの評価方法 とフォレストプロットを読まなければならない。結果の評価で解説する所もあるので、ここでは、簡単に次 のスライドに提示するが、まあ、そんなものだとの理解のみでスライドを進めて欲しい。

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20% PF値が20%以上は、実質的な効果が あると言われており、その閾値をは るかに超えているので、臨床判断で きそうだ。

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効果推定値を臨床に考える前に行う2つのステップ ステップ1: SRそのものの作り方は? しっかりと作られてない SR ステップ2: 元となる各研究のバイア SRの質とエビデンスの 臨床判断に使えるの スや症例数、研究間の不 確実性をまとめると? か? 一致や疑問との相違は? ---→ SRの質が低い 得られた結果を使っ てはいけない できの良くない研究や、 各研究結果が不一致 SRの質は高いが、その 得られた結果を使う 中のエビデンスの確実 が臨床判断に使えな 性が低い い可能性がある 良質な研究であり、各研 究結果も一致 SRの質は高く、その中 得られた結果を使う のエビデンスの確実性 ことが十分にできる も高い しっかりと作られたSR

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ステップ2:エビデンスの効果推定値に対する確実性の程度(エビ デンスの質)を理解しよう。 項目 研究デザインは? 評価 ランダム化比較試験 観察研究 バイアスのリスクは? 非常に深刻 深刻 なし 研究間の不一致は? 非常に深刻 深刻 なし 研究と自分の疑問の対象や治療法の違いがあるか? 非常に深刻 深刻 なし 有意差がない・治療の効果がなかったなど、儲からな いので隠すなどの懸念があるか? 非常に深刻 深刻 なし 各研究の症例数が少なすぎるなど、不精確は? 非常に深刻 深刻 なし

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ステップ2:エビデンスの効果推定値に対する確実性の程度(エビ デンスの質)を理解しよう。 項目 研究デザインは? 評価 ランダム化比較試験 観察研究 バイアスのリスクは? 非常に深刻 深刻 なし 研究間の不一致は? 非常に深刻 深刻 なし 研究と自分の疑問の対象や治療法の違いがあるか? 非常に深刻 深刻 なし 有意差がない・治療の効果がなかったなど、儲からな いので隠すなどの懸念があるか? 非常に深刻 深刻 なし 各研究の症例数が少なすぎるなど、不精確は? 非常に深刻 深刻 なし 以上より、エビデンスの確実性は高そうである (でも、中国系の3研究だけという事は、頭に入れておこう)。 ⇒と言うことなので、しっかりと結果を見てみよう!

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ステップ1: SRそのものの作り方は? しっかりと作られてない SR ステップ2: SRの質とエビデンスの確実性を 元となる各研究のバイアスや症例数、 まとめると? 研究間の不一致や疑問との相違は? ---→ SRの質が低い 臨床判断に使えるのか? 得られた結果を使っ てはいけない できの良くない研究や、 各研究結果が不一致 SRの質は高いが、その 得られた結果を使う 中のエビデンスの確実 が臨床判断に使えな 性が低い い可能性がある 良質な研究であり、各研 究結果も一致 SRの質は高く、その中 得られた結果を使う のエビデンスの確実性 ことが十分にできる も高い しっかりと作られたSR よって、得られた結果を見てみよう。

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新たなう蝕の増分は? For caries prevention, the primary outcome measure of treatment effect was the difference in mean caries increment (i.e., follow-up mean number of decayed or filled root surfaces minus baseline mean number of decayed or filled root surfaces - DFRS) between the SDF and control groups (i.e., water, tonic water or another active treatment). う蝕予防については、治療効果の主 要評価指標は、SDF群と対照群(す なわち、水、トニックウォーター、 または他の有効な治療法)との間の 平均う蝕増分(すなわち、フォロー アップの平均う蝕または充填された 根面の数からベースラインの平均う 蝕または充填された根面の数を引い たもの-DFRS)の差であった。

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新たなう蝕の増分は? そもそもベースラインが、自分の臨床と同じ か?違えば、増分も異なる。 やはり、対照が重要なのです。 0.04とか、32.1%って言われても、自分の臨 床と同じか、いまいちわからないならば、 対照で割って標準化した値を使うしかないだ ろう。 ↑ここは、難しいところで、最終的には、自分 の医院での相対的でなく絶対数(いったいど れだけ抑制されるか)を知りたいが、まずは、 標準化した値を見るしかない。 ⇒と言うことは、prevented fractions (PF)とい う事になる。

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PFの利点・意味 知らない人は以下のリンク先を先に見て下さい https://youtu.be/Ld5_r1i708U PFの利点: • 多くの研究で使われているので、比較がしやすい。 • 平均差や標準化平均差よりも適切であると考える。 • 絶対的な減少量(lc-le)と異なり、PFは研究集団の年齢層や研究期間などの実験環境の影響を受けにくいと想定される。 PFの意味 • Thus it describes how much change in the comparator group might have been prevented by the experimental intervention. 実験的介入によって比較対照群の変化がどれだけ防げたか(コクランハンドブック) • う蝕増分について提示された治療効果の指標(う蝕の増分(ΔDMFS)を予防率(PF)に換算) • Marinho 2016らのSoFより: PF values between 1% and 10% are considered to be a small effect; between 10% and 20%, a moderate effect; above 20% a large or substantial effect. PF値が1%以上10%未満は効果が小さい、10%以上20%未満は中等度の効果、20%以上は大または実質的な効果とされています。 そして、リスクでの層別化には、プラセボ群または無治療群のリスクの根拠は、レビューに含まれる研究の対照群の範囲と中央値で 分けていた。

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新たなう蝕の増分は? PF値が1%以上10%未満 は効果が小さい、10%以 上20%未満は中等度の効 果、20%以上は大または 実質的な効果とされていま す。

41.

新たなう蝕の増分は? 20% PF値が1%以上10%未満 は効果が小さい、10%以 上20%未満は中等度の効 果、20%以上は大または 実質的な効果とされていま す。 ⇒むちゃくちゃ、高そうだ。 しかも、この効果推定値の 確実性も高かった(3研究 のみだが)。

42.

利益と害のバランスを考えよう! 幸いにも、日本の歯科医師 なら、サホライドの害は、 ほぼ知っているのでは? https://bee.co.jp/product/single.php?p=93

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利益と害のバランスを考えよう! 利益 害

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自分の医院に来られる高齢者の方に使うか? • もともとのカリエスリスクが低い方に? • 前歯の根面カリエスに? • 根面カリエスの所に、必ずプラークが付着している方に? • そもそも根面カリエスが、非活動カリエスならば? • 最近、脳梗塞になって、歯みがきができなくなった方に? • 訪問で、寝たきりの方に? • いやいや、自分がレジンで修復したり、自費での特別な治療をす ると予後は絶対にこの結果より良いはずだ!という自信がある などなど・・・。 https://bee.co.jp/product/single.php?p=93

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他のSRは、無いのか? (2020年まで調べ) Fakhruddin 2020 Zhang 2020 Meyer-Lueckel 2019 Urquhart 2019 Slayton 2018 Subbiah 2018 Oliveira 2018b Hendre 2017 Wierichs 2015 Göstemeyer 2019 Mitwalli 2019 Li 2016 ☑ Li 2017 Zhang 2013 Tan 2010 ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ ☑ Oliveira 2018のSRは、良くできている。しかし、最新の論文は入ってないよう だ。Mitwalliの論文をいれるかどうかは、気になるところ。 ↑実は、 Mitwalliの論文は、細菌数を見ていて、採用できない。

46.

新しい論文を探したいのならば、 Search #1 ("silver diamine fluoride"[Supplementary Concept] OR "silver diamine fluoride"[All Fields]) OR ("silver fluoride"[Supplementary Concept] OR "silver fluoride"[All Fields]) OR ("silver nitrate"[MeSH Terms] OR ("silver"[All Fields] AND "nitrate"[All Fields]) OR "silver nitrate"[All Fields]) OR (("silver"[MeSH Terms] OR "silver"[All Fields]) AND ("nanoparticles"[MeSH Terms] OR "nanoparticles"[All Fields] OR "nanoparticle“ [All Fields])) Search #2 (((((tooth demineralization[MeSH Terms]) OR caries) OR dental decay) OR cavit*) OR tooth remineralization) OR tooth discoloration #1 AND #2 あら、2021年に、新しいSRがでている。みてみる。

47.

https://www.swissdentaljourna l.org/magazin/artikel/silverdiamine-fluoride-sdf-in-themanagement-of-root-caries-inelders-a-systematic-reviewand-me.html PFは記載されてないが、 フォレストプロットより、 やはり効果があるようだ。 というか、論文同じ。良 く、論文がアクセプトさ れたな~。ファンネルプ ロットは、行ったらダメ なのに・・・。 ともかく、現時点では、 効果があると考えてよさ そうだ。

48.

高齢者の根面カリエスにサホライドを使用することは、 2021年5月時点では、世界中の研究から「良い」と判断できる。 ということを、知っているのだから、世界でも1番詳しい一人になっ ているわけです(^^)。